October 2024

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2024年10月は大津祭と彗星C/2023 A3 (Tuchinshan-ATLAS) 撮影三昧の忙しい一ヶ月でした。伊吹山から淡路島まで遠征もしたので、今月の楽天モバイルデータ消費量は1.91GBと多め。久しぶりに二台のデジタルカメラ(Nikon D7000とOlympus PEN E-P5)が活躍しました。怒涛の一ヶ月を下にまとめておきます。

October 1
彗星撮影の前半戦は日の出前の東の空が低い位置から見渡せる琵琶湖畔へ。日の出前なので早朝4時頃に起床。1日は低空の雲が邪魔になって彗星の姿は見えず。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 500, 120mm, f2.8, 15.0s. Shot at 04:59:25 on Oct. 2, 2024.

October 2
天候条件が悪くはなかったので、二日連続で同じ琵琶湖畔へ出撃。換算120ミリの望遠レンズで初めてこの彗星を捉えることに成功しました。

October 6
大津祭山建ての日。この日も早朝6時過ぎから旧玉屋町自治会館前で湯立山が建てられる様子をインターバル撮影。硬い赤樫で造られた玉3輪から組み立てられる様子を見たのは初めて。午後に行われた曳初めにも参加。

October 11
天狗杉と呼ばれる大きな杉がある所で彗星撮影の後半戦を開始。山の稜線が思っていたよりも高くて日没後に見えるはずの彗星は見えず。撮影場所の選択に失敗しました。

October 12
標高1260m地点にある伊吹山ドライブウェイ山頂駐車場で彗星観察の特別イベントが12日〜14日までの3日間、開催されるという情報を得て、その初日である12日に大津祭宵宮をお休みして滋賀県最高峰の伊吹山に登りました。山登りに興味がない私は滅多にこんなに標高が高いところに来ることはありません。山頂付近から見る景色に圧倒される。近くの山よりも飛び抜けて標高が高いと、地平線高度がマイナスの位置にある星が見える。

Nikon D7000 AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 125, 75mm, f2.2, 2.5s shot at 18:21:46 on Oct. 12, 2024

彗星撮影を念頭に置いて入手した明るい50ミリ単焦点レンズを装着したNikon D7000は、ISOの設定ミスで露出不足となり、RAWで撮影したにも関わらず、残念なことにこれ以上の補正ができなくなりました。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 800, 120mm, f2.8, 4.0s. Shot at 18:24:04 on Oct. 12, 2024.

60ミリマクロレンズを装着したOlympus PEN E-P5は適正な露出設定ですが、薄雲がちょっと邪魔。彗星の地平線高度がマイナス高度であっても雲がなければまだ写ったはずですが、翌日の大津祭本祭に備えて、早めに撤収しました。

October 13
大津祭本祭も早朝6時頃から、湯立山でからくり人形を曳山に載せるシーンを撮影。

Nikon D7000 AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 560, 75mm, f2, 1/10s shot at 17:55:55 on Oct. 13, 2024

大津祭本祭の撮影は午前中に済ませて、早めに帰宅して夕方に近所の大きな杉の木の下へ。ここは後半戦初日に撮影を試みた場所。二日が経ち、彗星は地球に最も接近する近地点にあるはず。天候条件も悪くはなかったので、彗星は写るだろうと高を括っていましたが、見えない。上の画像を撮影したのは17:56頃。彗星の高度はこの時、+11ºぐらいなのでやはり、山の稜線が高過ぎて彗星はすでに稜線の下だったのでしょう。翌日14日は淡路島に遠出する計画を立てていたので、前日の13日はお手軽撮影に済ませようとしたことがそもそもの誤りでした。

October 14
西の空が見渡せる最適な撮影地を求めて淡路島に一泊旅行。地元の人に聞いてやって来たのが五色夕日が丘公園。輝度86%の月が邪魔になることを除けば、撮影条件は概ね良好。

Apple iPhone 12 mini, ISO 800, 26mm, f1.6, 3.2s shot at 18:13:12 on Oct. 14

彗星の頭が雲の中ですが、iPhone 12 miniでも長い尻尾が写りました。ISOが低めの800なので、高感度ノイズがそれほど目立たない。後日、入手した星空撮影に特化したiOS用App、AstroShaderがあればマニュアル設定での撮影が可能なので、もっと綺麗な写真が撮れたかもしれません。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 640, 120mm, f2.8, 6.0s. Shot at 18:47:17 on Oct. 14, 2024.

この日も周囲にいた若いお兄さんがいち早く彗星を捉えました。雲と雲の間に彗星が頭を出した。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 640, 120mm, f2.8, 6.0s. Shot at 19:02:34 on Oct. 14, 2024.

また別の雲に沈みそうな彗星。尻尾が長くて換算120ミリの望遠レンズには収まらないほど。この頃には北極星が見えていて、赤道儀の極軸を合わせているので、露出をもっと長くすれば良かった。

October 17
淡路島から帰って次の日は琵琶湖対岸の湖岸緑地公園に行き、機材は準備万端でしたが突然現れた雲が空全体を覆い、月すら見えない悪条件となりました。撮れた彗星の写真は一枚だけ。


October 20
17日に行った湖岸緑地公園から少し南下した別の緑地公園で撮影に挑みましたが、この日も日没後に突然、空全体が厚い雲に覆われて撮影できず。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 8.0s. Shot at 18:29:40 on Oct. 21, 2024.

October 21
伊吹山と淡路島で撮影してから1週間以上が経ち、彗星は急激に減光していたはずですが、21日に近くの山の中腹で彗星の全体像を初めて捉えることができました。恐らくこういうことだと思います。上の画像を撮影したのは18時30分頃で彗星の高度は27ºでした。撮影地から見える山の稜線はおよそ高度20º。日没後、1時間以上が経過して月明かりの影響もなく、十分に空が暗かったので、4等星ぐらいまで暗くなっていた彗星が目視でも確認できるほど、明るく見えた。前方散乱のおかげで長い尻尾も写ったということでしょう。

Nikon D7000, Tokina AT-X 116 PRO DX, ISO 1250, 24mm, f2.8, 8.0s shot at 18:33:36 on Oct. 21, 2024

周囲が十分に暗い環境だと、ISOを高くして長めの露出に設定できます。画質はRAWに設定しているので、もっと大幅な補正が可能ですが、派手な写真は私の好みではないので補正は控えめに。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 8.0s. Shot at 18:54:13 on Oct. 21, 2024.

地上の景色が少しでも視野に入ると、星景写真って感じになります。

October 25
25日もBBさんをお誘いして山の中腹で撮影を試みましたが、生憎の天候となりました。結局、10月21日の撮影が最後となったようです。

C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 15

ご近所のBBさんにデジカメによる天体撮影の初歩を指導させていただこうと、いつもの山の中腹にやって来ました。急激に減光しつつある彗星、C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) の姿が捉えることができれば良いなと期待していましたが、この日も昼間は晴れていても夕方になると、西の空が雲に覆われるという天候条件でした。

天体撮影が初めてだというBBさんが所有されているカメラボディはCanon EOS 70D。APS-Cサイズのセンサーを搭載したカメラとしては天体撮影にも適しているカメラです。指導させていただいたのは次のような基本的な設定。

  • 露出に関わる撮影モードはマニュアル。
  • 画質はRAWに設定する。
  • レンズの手ぶれ補正をオフにする。
  • レンズをマニュアルフォーカスに設定し、ライブビューで遠くの光源でピントを合わせる。(焦点距離により、ピント位置が若干ずれるので、ズームレンズの場合は要注意。)
  • 長秒時ノイズリダクションをオフにする。
  • ISOはマニュアルにして、光量と露出に応じて600ぐらいから少しずつ上げて行く。
  • 焦点距離が換算135ミリぐらいまでなら、三脚固定での露出は4.0〜5.0秒ぐらいまでが許容範囲。極軸が合った赤道儀で追尾するのであれば、露出はもっと伸ばせる。
18:22:05, E-P5 OLYMPUS M.17mm F1.8, ISO 640, 34mm, f1.8, 8.0s

薄い雲の中、撮影した画像ファイルとStellariumを使った同時刻での見え方とを照らし合わせて、彗星を特定しようとしましたが、どうも写っていない模様。私が思っていたよりも彗星は減光していたのかもしれません。薄雲がない状況であれば、彗星はまだ捉えることができるはず。

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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 14

10月20日(日)は義父母宅で水道屋さんになって、ウォッシュレットの給水を止める作業をした後、平安神宮前岡崎公園で開催されたフリーマーケットに立ち寄ってから、琵琶湖東側の湖岸緑地公園に行き、彗星撮影を試みました。昼間はこんなに晴れていても、夕方になると雲が広がる、残念な天候条件だったため、期待していたような写真が撮れずじまいでした。

今日、10月21日(月)は朝から晴れている。カメラやLED赤色灯、赤道儀のバッテリーを充電して、SDカードの残量を確認し、必要に応じてカードを初期化。今夜は流星群や天の川の撮影をする自宅近くのいつもの撮影地で彗星撮影に再チャレンジすることにしました。

この地は空が比較的開けていて、西の山は稜線の高度がおよそ20º。日没後の彗星を撮影するには決して最適な場所ではありませんが、19時過ぎ頃までなら彗星の頭が稜線の上なので、天候条件さえ良ければ、長い立派な尻尾をなびかせるこの大彗星の全体像が撮れるかもしれない。輝度およそ80%の月が東の空から昇るのは19:56であり、太陽が17:13に沈んで空が完全に暗くなってから30分ぐらいの時間はあるだろう。

18:24:21, OLYMPUS E-P5 M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 4.0s

北極星が目視で確認できるようになってから急いで赤道儀の極軸を合わせて、iOptron SkyTrackerに取り付けた雲台に、M.60mm F2.8 Macroを装着したOlympus PEN E-P5を載せて、明るい星でピント合わせ。iPhoneの方位磁石を頼りに西の空(経度250ºぐらい)、高度30ºぐらいにレンズを向けて、試し撮りした一枚に彗星C/2023 A3 (Tuchinshan-ATLAS) が写りました。全体像が捉えられないほどまだ、尻尾がこんなに長い!

18:24:41, OLYMPUS E-P5 M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 4.0s

彗星のコマが中央に来るようにレンズの向きを調整しましたが、長い尻尾は全部収まらない。赤道儀で追尾しているのだからシャッタースピードをもっと長くすべき。

18:27:21, OLYMPUS E-P5 M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 8.0s

立派な尻尾の全体像が捉えられるように、レンズの向きをさらに上方向に修正しました。そして、ISO設定値は変更せずにそのままで、露光時間を二倍の8.0秒としました。これでインターバル撮影ができる状態に。仕事から帰宅しているはずの同居人も呼び寄せた方が後悔しなくて良いだろう。

18:33:36 Nikon D7000, Tokina AT-X 116 PRO DX (AF 11-16mm ƒ2.8), ISO 1250, 24mm, f2.8, 8.0s

放ったらかしになっていた三脚固定のNikon D7000でもインターバル撮影を開始。タイムラプス動画にする予定だったので、Nikon D7000には超広角ズームレンズ、Tokina AT-X 116 PRO DXを装着。左の方にうっすらと天の川が見えていたので、レンズはもっと左に振れば良かったとちょっと後悔。

こちらが広角レンズで撮影し、YouTubeにアップロードした47秒の動画。

18:51:37, OLYMPUS E-P5 M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 8.0s

流星が写っているこの画像を撮影した頃、Nikon双眼鏡(7×50 7.3º IF WP Tropical) でも容易く彗星が目視で確認できたので、ご近所のBBさんをお誘いすることに。

最近、買ったばかりのNikon製双眼鏡持参で来られました。10分後には山の稜線に差し掛かって見えなくなると急かしたものだから、なぜか仕事に行く時の靴を履いて。

OLYMPUS E-P5 M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 8.0s x 25

StarStaxで25枚の画像を比較明合成(露出+0.8)したのが上の画像。

18:55:41 OLYMPUS E-P5 M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 8.0s

全体像を捉えたこんな大彗星の写真が撮れるのは人生で最初で最後のような気がします。今後は急激に減光するので、迫力がある写真を撮影するには望遠レンズが必須になるかもしれません。

追記:

18:51:15 Apple iPhone 12 mini, ISO 8000, 26mm, f1.6 3.2

iPhone 12 miniで撮影した画像にも彗星が写っていました。中央のもっこりしたのは私の頭、そのすぐ右に沈もうとしている。

C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 15へと続く。
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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 13

右に倣えの滋賀県知事はアホなことをするものです。今日、10月20日も湖岸駐車場の有料社会実験をやっているようですが、駐車場入り口には誰もいないし、駐車中の車は2、3台のみ。

日が沈むまでは雲が少ない絶好の彗星撮影日和かと思っていましたが、日没と共に西の空が次第に雲に覆われる。今日は駐車した場所がこの前の駐車場から少し南下した支那1駐車場。

今日も同好者らしき人が2、3名おられました。恐らく、にわかの人だと思います。見分け方は簡単。天文愛好家と呼ばれる人がカメラの設定時などに手元を明るくするために使用する照明器具には赤色灯が付いている。

設定後、空が暗くなるまで待機していました。この判断が誤りでした。雲が少ない状態ですぐに撮影を始めるべきでした。下の画像に微かに写っている彗星を確認できたのは、画像の現像時。

Nikon D7000, AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 400, 75mm, f2.0, 3.0s

インターバル撮影の開始を遅らせたのには訳があります。朝夕の薄明時は光量が刻々と変化します。カメラの設定をマニュアル撮影にしていると、光量の変化に応じて絞り値やシャッタースピード、ISOが適正になるよう、都度、設定値を変える必要があるからです。

金星と飛行機の動き、そして画面の多くを覆う雲の動きをお楽しみください。厳密にはうっすらとした彗星が写っているはずですが、私は確認できておりません。

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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 12

10月17日(木)、近日点通過4日後で急速に減光しているであろう、彗星C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) の姿を琵琶湖を前景に撮ろうと湖の東側にやって来ました。すでに天文愛好家ではない人にも広く知れ渡るようになり、彗星を捉えた素晴らしい画像が多数公開されています。

機材の設定をしていると、同好者?が5名、やって来られて、私のすぐ隣で機材を準備されました。聞くところによると、さっきまで栗東でドクターイエローの写真を撮っていて、そこで出会った青年カップルを拉致して湖岸に連れて来たとのこと。これまでに彗星の写真撮影に成功したのは年配者三人のうち一人だけ。自分自身も含まれますが、Nikonのカメラをぶら下げて風景写真などに出かける老人をニコ爺と私は呼んでいます。青年カップルの一人は鉄っちゃんかもしれません。

翌日の金曜と土曜は天候条件が悪そうで、少しでも彗星が明るいうちに撮影するのであれば、おそらく今日17日(木)か20日(日)が最後のチャンスです。機材を準備している時はまだ青空が見えていましたが、暗くなるに従い、スーパームーンすら見えないほど、空全体が雲に覆われて、結局一枚も撮れない残念な結果となりました。

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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 11

18:13:12, Apple iPhone 12 mini, ISO 800, 26mm, f1.6, 3.2s

翌朝に気付いたのですが、三脚固定のiPhone 12 miniで撮影した画像のほぼすべてに彗星、C/2023 A3 (Tuchinshan-ATLAS) がうっすらと写っていました。準備中に確認した通り、彗星は金星とArcturusのちょうど中間辺りにありました。

18:14:54, Apple iPhone 12 mini, ISO 1250, 26mm, f1.6, 4.8s

頭の部分が厚い雲の中ですがこの画像にも極めて長い尻尾がうっすらと写っています。

18:15:52, Nikon D7000, AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 800, 75mm, f2.8, 2.0s

側で彗星撮影をしていた、徳島からやって来たという青年二人が真っ先に彗星を捉えました。往路途中の大鳴門橋で大きな交通事故を目撃したそうで、下りが通行止めになっていたとか。どうやって徳島に帰るかを気にしながらフルサイズのカメラで撮影されていました。

18:51:57, OLYMPUS E-P5 M.60mm F2.8 Macro, ISO 640, 60mm, f2.8, 6.0s

西の低空は厚い雲ですが、北の方は晴れていて北極星が見えていたので、赤道儀の極軸を合わせました。6.0秒の露出で、換算120ミリの望遠レンズでも星が流れていない。

19:02:48, Nikon D7000, AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 1250, 75mm, f2.8, 5.0s

Nikon D7000ではインターバル撮影ができずに結果として撮影枚数が少なくなりました。原因はライブビューで撮影していたからだと思われます。

飛行機雲のように長くて立派な尻尾。実際には空はこんなに明るくないので間違えることはありませんが。厚い雲に邪魔されましたが、それなりに大彗星を画像に記録することができました。

今夜の宿泊先は東海岸のFairfield BY MARRIOTTホテル。

オープンしてそれほど時間が経っていないそうで、こぢんまりとしたロビーに設置された大きなテーブルと椅子が快適そのもの。

何杯でもお代わり無料の最新型コーヒーマシーンでカップ麺にお湯を注いで、

テラスで夜食。

2階の部屋も快適でした。

浴槽がないバスルームには脱衣場がなく、ベッドの方から丸見えなんやと思いながらシャワーを浴びた後に気づきました。寝室とバスルームの間に大きな引き戸があることに。

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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 9

大津祭は来年もあるだろうけれど、C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) のような大彗星を撮影できるのは恐らく人生最後の機会と思われるので、本祭の撮影は昼頃に切り上げて、自宅に戻り、昼寝してから予定していた近くの撮影地に出かけました。ここは西の空が比較的、開けていてお手軽撮影場所としてはうってつけ。蚊に刺されながら二台のカメラと双眼鏡をセッティング。

まだ空は明るく、輝度77%の月ぐらいしか見えないので、月でピントを合わせました。

彗星の核が山の稜線に隠れるであろう時間帯まで粘って、インターバル撮影を繰り返しましたが、写るのは紛らわしい飛行機雲と巣に戻る鳥だけ。やはり、山の稜線が思っていたよりも高くて、彗星が視野に入る時間帯は空が明るすぎて写真撮影しても写らない。

モノマニアックなコメント:自宅からすぐの場所で簡単に彗星が捉えられるようでは面白くはない。半世紀以上も前からやっている元天文少年や天文愛好家と呼ばれる人にとっては、彗星が見えることが世間一般に知られて、鉄ちゃんや鳥撮りの人、カメラ小僧、普段は風景写真しか撮らないニコ爺(Nikonのカメラを持った年配者)がにわか天文ファンとなって撮影現場に現れるようになれば、もう終わりかなと思うほど、撮影した画像には希少価値がなくなる。

C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 10へと続く。
C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 8に戻る。

C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 8

今夜は大津祭宵宮の日ですが、そちらはお休みして、伊吹山から見よう!「紫金山・アトラス彗星」10/12(土)〜10/14(月)イベントを絶賛開催中の伊吹山ドライブウェイへと向かいました。

伊吹山ドライブウェイを訪れるのはおよそ40年ぶりでしょうか。10/12〜10/14の特別イベント開催中のため、ドライブウェイの営業終了時刻が通常の19時から2時間延長されて、21時になっています。料金改定前の通行料金は軽・普通自動車の場合、3,140円ですが割引クーポンをスマホ等で提示すれば、2,900円になります。

山頂駐車場に到着する少し前のところで、大砲のような望遠レンズを三脚に載せた人が数名、おられました。被写体が彗星ではないことは明らかなので、尋ねてみると、夕方に巣に戻ってくる天然記念物の猛禽類、イヌワシを狙っているとのことでした。ドライブウェイサイトにお知らせがあります。

標高1,260メートルの山頂駐車場に到着したのは夕方5時前。自宅からここまで来るのに意外と時間がかかりました。

すでに多くの同好者が三脚を設置しています。我々はちょっと出遅れました。

嫌な予感が当たり、楽天モバイルの電波が届いていない。彗星の位置を確認するのにスマホに依存している私にとっては困ったことですが、幸いにも山頂駐車場にあるスカイテラスのWi-Fiに接続することができました。

Vixen Comet Bookに表示された彗星の方位角にカメラの向きを合わせています。標高は1,240mになっている。

テラスにはテーブルとベンチが設置されているので、持参した折り畳みチェアは不要。スカイテラスはすでに営業を終了しています。それでも店内から外に光が漏れないように工夫している。星空撮影する人にとっては至れり尽くせりのサービス。

今夜の撮影機材は60ミリマクロレンズを装着したOlympus PEN E-P5と明るい50ミリ単焦点レンズを装着したNikon D7000、そして三脚固定のiPhone 12 mini。赤道儀は使用せず。iPhoneのナイトモードを利用して星空撮影する際は露出時間を長くできるように、三脚などに固定することが重要。

17:32:34 Nikon D7000 AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 200, 75mm, f4, 1/200s

琵琶湖に浮かぶ竹生島の辺りに彗星が沈みそうなのですが、まだその姿は見えない。

左に障害物になりそうな山の斜面が写っていますが、太陽と彗星が沈むのは右の方なので、問題なさそうです。

Nikon 7×50の双眼鏡で彗星を探していますが、まだ空が明るすぎて確認できず。

18:01:12 iPhone 12 mini, ISO 1000, 26mm, f1.6, 1/30s

標高が高いので琵琶湖の水面が地平線高度よりも低くなる。

18:03:19 E-P5, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 200, 60mm, f4, 1.0s

すぐ近くで撮影していた人が彗星を捉えたらしく、同じ高さにOLYMPUS 60ミリ単焦点レンズを向けると雲の間に左上方向に尻尾を伸ばすC/2023 A3が写りました。思っていた高度よりもずっと上の方。標高1000メートルを超える山頂から星を撮影するのは多分、初めて。標高が低い地上から撮影するのと全然、感覚が違う。

18:13:13 Nikon D7000 AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 1600, 75mm, f2.8, 1/4s

彗星撮影専用に準備した換算75ミリレンズを載せたNikon D7000でも彗星を捉えることができました。この頃には双眼鏡に視野に入れることができました。

18:19:40 E-P5, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 800, 60mm, f2.8, 2.0s

この立派な尻尾は、私にとって1997年のHale-Bopp以来の大彗星と言って良いだろう。当時は彗星観察には有利な緯度が高いデトロイト郊外に滞在しており、Hale-Boppは毎夕のように西の空に見えていました。いつでも容易に撮影できるだろうと思っていたので、フィルムカメラで撮影した記憶がない。

18:20:07 E-P5, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 800, 60mm, f2.8, 2.5s

刻々と光の状況が変化するので、マニュアル撮影に設定したカメラはその都度、それぞれの設定値が適性になるよう、カメラのモニターと睨めっこ。赤道儀で追尾しているわけではないので、レンズの向きと角度も調整しなければならず、彗星を目視している暇はない。

18:21:46 Nikon D7000 AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 125, 75mm, f2.2, 2.5s

50ミリ単焦点レンズで理想に近い写真が撮れました。麓の街明かりの向こうに琵琶湖、その上に長い尻尾の箒星!

使用した撮影機材:
OLYMPUS PEN E-P5, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro
Nikon D7000, AF Nikkor 50mm ƒ1.8D
iPhone 12 mini

彗星が写っているRAW画像はすべて、Apple Photosで現像し、加工してあります。

18:22:40 Apple iPhone 12 mini, ISO 2500, 26mm, f1.6, 4.8s

撮影した画像をPhotosで編集していて、iPhoneで撮影した上の画像にも彗星が写っていることが判明しました。

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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 7

彗星(C/2023 A3)撮影の後半戦、天候条件が良かったので、予定していた日の前日からロケハンしておいた撮影地で彗星撮影を試みました。この地はペルセウス座流星群の際に撮影を試みた、自宅から徒歩でも行ける場所です。意外と西の空が開けていて日没後の西の低空に彗星が見えるであろう後半戦の撮影地に適している。

自宅から近いので撮影予定地に行ったり来たりできます。上の画像を撮影したのは10月11日15:21頃。太陽のすぐ上の方にC/2023 A3はいるはず。

Screenshot

iPhoneにインストールしたVixen Comet BookでC/2023 A3を選択し、現在時刻の彗星の位置を確認すれば、Azimuth(方位角)とAltitude(高度/仰角)がわかります。iPhoneでCompass Appを立ち上げ、カメラや双眼鏡の真上にiPhoneを置いて、レンズの向きを方位角に合わせれば彗星が視野に入るはず。高度に関しては今の時期なら地平線のすぐ上あたりに向ければ良い。意外とCompass Appが使えることをこの前、発見しました。iPhoneを撮影補助デバイスとして活用する場合、契約している携帯回線(私の場合は楽天モバイルとpovo)の電波が届いていることが前提ですが。地上の携帯電波が届かない、山頂付近でライブ配信されている天リフさんはスターリンクを利用されているそうです。

結局、彗星の写真は撮れず。太陽に近すぎて双眼鏡でも確認できずに終わりました。

近地点を迎える明日は、大津祭宵宮の撮影をお休みして、伊吹山に登ってみようかと考えています。伊吹山ドライブウェイでは10月12日〜10月14日は彗星観察のために営業時間を21時まで延長するそうです。

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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 6

珍しく予報通りに今朝も晴れたので、東の地平線が見渡せる、昨日と同じ場所に彗星撮影に出かけました。昨日と比べて低空に居座る雲が少なく、絶好の撮影日和です。明日からしばらく天候条件が悪くなり、また近日点を通過した彗星(C/2023 A3)がまるで直線上を地球に向かって真っ直ぐに進むような軌道なので、地上から彗星を見ると背後に太陽があって眩しくてどこからも見えない状態になります。地球に最も近づく近地点の10月12日を過ぎる頃から今度は日没時に西の空で見えるようになります。早朝の東の空で彗星観察ができるのは恐らく、今朝が最後の機会。

ISO 1600, 60mm, f2.8, 15.0s Shot at 04:19:44 on Oct. 2, 2024.

今朝の撮影機材はOLYMPUS M.60mm F2.8 Macroを装着したOlympus PEN E-P5のみ。(サブ機としてNikon D7000が車内で待機)昨日はOLYMPUS M.45mm F1.8をE-P5に装着していましたが、もう少し望遠寄りの方が良いだろうと判断しました。今朝は北極星がずっと見えていたので、ポータブル赤道儀(iOptron SkyTracker)の極軸合わせは素早く済ませることができました。

カメラを赤道儀に載せた状態でピント合わせをするのはちょっと無理があるので、三脚固定でシリウスを標的にピントを合わせました。拡大すると星が流れているのがわかります。

ISO 1600, 60mm, f2.8, 20.0s. Shot at 04:22:01 on Oct. 2, 2024.

極軸を合わせた赤道儀にカメラを載せて、ちょっと長めの露光で試写。拡大しても星が点像になっている。雲や霧がないくっきりした画像が撮れたので、今日は期待できそうと感じました。この時点では彗星の高度は-4ºぐらいで、まだ地平線の下。ひょっとしたら先に尻尾が見えているかもしれない。(明け方に見える彗星は尻尾から先に昇る。)

ISO 800, 60mm, f2.8, 15.0s. Shot at 04:56:02 on Oct. 2, 2024.

彗星を捉えた感動の一枚目が上の画像。この時の彗星の高度は+3.10º。今朝もNikonの双眼鏡(7×50 7.3º IF WP Tropical)を三脚に固定して地平線近くを探しましたが、目視確認はできず。

ISO 500, 60mm, f2.8, 15.0s. Shot at 04:59:07 on Oct. 2, 2024.

彗星は何処?という方のためにクロップして少し拡大したのが上の画像。長い尻尾をなびかせています。太陽は地平線の左下にあります。

ISO 500, 60mm, f2.8, 15.0s. Shot at 04:59:25 on Oct. 2, 2024.

この後、彗星は雲の中に隠れて、雲から出てくる頃には日の出が迫って夜明けとなりました。

今、見えているC/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS)が人生最後の肉眼彗星かと思い、今回はC/2012 S1 (ISON) 接近時以来の気合を入れて準備を進めて来ました。嬉しいことに先週、ハワイのATLAS (Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System) により発見されたサングレーザー、A11bP7I(仮称)が今月末にも金星の明るさを超える肉眼彗星になるかもしれないというニュースが流れました。追記:彗星としての正式名がC/2024 S1 (ATLAS)になったそうです。

クロイツ群に属する、太陽を掠めるサングレーザーと言えば、2011年のLovejoyや1965年の池谷・関彗星が思い起こされます。C/2012 S1 (ISON) のように太陽接近時に消滅せずに生き残れば、物凄く明るい彗星になる可能性が大きいのでこちらも期待できます。

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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 5

今朝は午前3時半頃に起床、3日前の土曜に行った場所より少し南に行った別の水泳場の駐車場に車を停めました。今朝は予報通りに晴れている。北極星が見えていたのでポータブル赤道儀(iOptron SkyTracker)の極軸合わせをしようと機材を準備している間に北の空が厚い雲に覆われました。これでは極軸合わせができないので、雲が切れるのを待ちながら、Nikon D7000で三脚固定撮影を始めました。

上の画像が今朝の一枚目。時刻は午前4時37分。輝度3.45%の薄い三日月が雲の上に昇ってきました。この時の月の高度は+4º31’。彗星(C/2023 A3 Tsuchinshan–ATLAS)の高度は+0º38’。琵琶湖西岸のこの地は東の空の地平線がほぼ見えているということになります。

Stellarium

同時刻のStellariumスクリーンショット。

東の低空にずっと雲が居座っていたので、結局、カメラ撮影は出来ずじまいでした。雲の上に昇ってきた頃には月も見えない明るさ。残念ながら双眼鏡での目視確認もできていません。

本日のカメラ機材:OLYMPUS E-P5、OLYMPUS M.45mm F1.8
NIKON D7000、AF Nikkor 50mm ƒ1.8D

明朝も晴れる予報なので、日の出前の東の空でもう一度、カメラ撮影に挑戦する予定です。明後日以降の数日は天候条件が悪くなりそうなので、早朝の前半戦は明日が最後になりそうです。この場所、気に入りました。

10月2日追記:

昨日は暗闇の中で機材を準備していたら、私がいる方に向かって水辺から何か大きなものが近づく気配を感じ、心臓が飛び出そうなほど驚くことがありました。私が陣取っていたところは水辺から駐車場へと通じる階段を登ってすぐの場所。暗闇の中、初めて来た場所なので、周囲の状況がまるでわからない。そんなところに階段があることなど、思いもしないことでした。1メートルぐらいの至近距離に闇の中をやって来たのはウェイダーを着用した釣り人でした。午前4時過ぎの暗闇の中で釣りをするのか?まだ天文薄明が始まったばかりの暗闇の中で、まさか釣りをする人などいないだろうと思っていました。

話しかけるとこれから朝ごはんをどこかに食べに行って、また戻りますと言われていました。30年前の私に似たイケメンのお兄さん。思い起こせば当時の私も琵琶湖で夜釣りをすることがたまにありました。

私は星を見るために夜中に一人で山に出かけることがあります。熊や猪、鹿などの動物やお化けが怖くはないのかと聞かれることがありますが、私の返事はいつも同じ。頭の中は星と宇宙のことで満たされていて、地上の出来事には関心がない。予期しない場所や時刻に人間を見ることの方がずっと怖いし、この世に生きて存在すること自体が恐怖以外の何者でもない。

当地は比良山から琵琶湖に向かって急な下り坂になっていて、水泳場は遠浅ではないので、すぐに足が届かない水深になっています。そうした状態をわからずに比良山が間近に見える湖岸の水泳場で毎年のように、不幸にも溺死する人がいます。湖西に彷徨う亡霊が接近して来たのかと無意識に感じたのかもしれません。

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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 3

光学機器メーカーであるVixenがApp Storeで無料配布するComet Bookによると、明朝日の出直前の05:30(JST)に当地ではC/2023 A3は東南東の低空(高度11.21º)に見える。このAppでは明るさを表す等級は特定されていませんが、世界各地で撮影された画像から判断すると2等星台まで明るくなっている模様。

先日、紹介しましたオープンソースのプラネタリウム、Stellariumのデスクトップ版は専門性が高く、それなりの知識がないと大層扱いにくいものですが、Vixen Comet Bookは特定の彗星観察に特化しており、普段は星を見ることが稀な人でも容易に使えるものです。(尚、Stellarium Web版とiOS/iPadOS/visionOS版のStellarium Mobileは初心者が易しく使えるように設計されているように思います。)

Taken by David Blanchard
 on September 26, 2024 @ Mormon Lake, Arizona

上の画像はアリゾナ州Mormon Lakeで撮影し、spaceweather.comに投稿されたもの。北緯がおよそ35ºなので大津市当地の緯度と同じぐらい。フルサイズのNikon D750に80mmの焦点距離でf/5.6、ISO 1600、露出が8秒とのことです。このデータは参考になる。APS-CサイズのNikon D7000なら彗星撮影用に購入した50mmの単焦点レンズを使えば同様の写真が撮れそうです。

Taken by Fritz Helmut Hemmerich
 on September 26, 2024 @ Tenerife-Canary Islands-Spain

上の印象的な画像は北緯28º辺りにあるカナリア諸島付近で撮影されたようです。撮影地がテネリフェ島とグランカナリア島の間となっているので、海上で撮影されたものかもしれません。使用したカメラはフルサイズのSony A7MIII、レンズはCanonのf1.8/200mm。興味深いのは赤道儀による追尾なし、三脚固定で露出0.8秒 x 60サブフレームをスタックしたとあります。インターバル撮影というよりシャッタースピード0.8秒で連写したものなのだろうか?ISOは6000だそうです。露出時間は合計で48秒になりますが、星が流れていないのはどういうことでしょうか。フレームではなく、サブフレームと記されているので、カメラにそういう設定があるのかもしれない。

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Perseids 2024 and C/2023 A3 — Part 2

山の稜線少し上で輝く半月でピント合わせをしたのが8月12日午後9時半頃。ペルセウス座流星群の放射点がまだ見えない頃に機材の準備が整いました。というのもウェザーニュースの天気予報で星が見える時間帯になると曇る予報が出ていたからです。実際は翌朝まで雲ひとつない快晴が続くまたとない絶好の天候条件でした。またウェザーニュースに騙された気がします。流星群などの一大イベントの時は過度な期待をさせないようにしているのでしょう。

もし、朝まで晴天が続く予報であれば、出陣するのは放射点が空高く昇る午前2時頃で夜明けまで撮影を続けてもっと多くの流星を捉えることができたはずです。

今夜は天狗杉と呼ばれる大きな杉の木の下に車を停めて、アスファルトで舗装された駐車場に機材一式を拡げました。この地点からは北極星が杉の背後になって見えないので赤道儀は持参せず。先日、製作した折畳式のローテーブルが役立ちました。虫除けの蚊取り線香に水筒やレンズキャップなどを置いておくのにちょうど良い。

三脚固定で22秒間隔のインターバル撮影を繰り返しました。シャッタースピードは20秒。カメラボディーはNikon D7000、レンズはTokina AT-X 116 PRO DX (AF 11-16mm ƒ2.8) のみ。肉眼でも微かに天の川が見えました。加齢とともに暗い場所で瞳孔が若い頃のようには開かなくなり、結果として私の目はどんどん暗いレンズになっていますが、それでも天の川がまだ目視で確認できるのはありがたい。

前半は焦点距離16mmで撮影しましたが、流星がなかなかフレーム内に入らないので、後半は焦点距離を12mmに変更。カメラを天頂付近に向けると、夜露でレンズが濡れて結露する可能性があるので、自作のレンズヒーターをフードに装着。

結局、3時間と少しの間に合計471枚の写真を撮影し、そのうちで流星を捉えたのは4枚ほど。明るいのは上の一枚のみ。「へっ、これのどこが明るいの?」と言われそうです。天体写真はこんなものというお話をします。上の画像はRAWで撮影し、未修正の撮って出し。この画像に大幅な手を加えると、際立たせたいものが際立つようになります。大事なのはRAWで撮影するということです。

この同じ画像は光害が比較的ひどい、南の空を撮影したものです。真夏の南の空は天の川が濃い部分ですが、光害の影響で適切に補正というか大胆に加工しない限り、天の川を際立たせるのは困難。以前はMac専用のApertureを使っていましたが、今はMacOSに標準で付いてくるPhotos Appで編集しています。どのあたりを触れば天の川が際立つのか。カメラの設定や光の加減で変わりますが、ADJUSTのCurvesとLevelsは特に重要。

Curvesは反転させたS字のように。撮影したそれぞれの画像でどのくらい触ると意図した画像に近づくかは実際にやってみないとわからない。

地上の景色は残しながらクロップして流星が目立つようにしました。CurvesとLevelsの他にLight、Color、White Balance、Noise Reductionなどほぼすべての項目を触っています。

地上の景色をカットして流星が中心になるようにクロップして拡大すると、途中で色が変わっている様子も確認できます。

流星が写ってない上の画像は天の川が際立つように加工したものです。PhotosにはImageプルダウン > Copy Editsの機能がいつの頃からか備わったようです。この機能を使って、別の画像にペーストした結果が下の画像。

Apertureには編集内容をコピーペーストする機能があり重宝していたのを覚えています。久しぶりにPhotosでこの機能を使ってみるとやはり便利。編集時間を大幅に短縮できます。

C/2023 A3の状況は変わらず、増光が鈍っているので、残念ながら核が崩壊したものと思われます。

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Perseids 2024 and C/2023 A3 — Part 1

Perseids 2013
Shot at 1:20 on August 13, 2013

ペルセウス座流星群、今年の極大はJST 8月12日23時頃と予測されています。12日から13日にかけての深夜の時間帯では月明かりの影響がなく、天候次第ではありますが、絶好の観察条件となります。(月の輝度は49.47%の半月ですが、22時半頃には沈んで視界から消えます。)眼視観測で数多くの流星が見れるのは、ペルセウス座にある放射点が空の高い位置に昇る13日夜明け前。天候条件にも恵まれれば、久しぶりに早起きして撮影に出かけようか検討中。

表題のもう一つ、北半球ではC/1995 O1 (Hale-Bopp) 以来の肉眼彗星になることが期待されていた、C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) は2024年9月27日の近日点までにすでに分裂しているかもしれない兆しがあるとの論文が公開されましたがどうなんだろう。

吉田誠一氏は、5月以降は増光が鈍っているものの、2等まで明るくなると予測されています。日本では9月の近日点通過後に条件よく観測できるそうです。しかし、最近の光度グラフを見ると絶望的。2等どころか8等ぐらいでしょうか。

Perseids 2024 and C/2023 A3 — Part 2へと続く。

Geminids 2023

今年は久しぶりに月明かりがなく、極大時刻が夜明け前という好条件に恵まれたふたご座流星群でした。タイニーハウス建築中のBBさん宅の敷地内で午後8時半頃からインターバル撮影しました。眼視では数個の流れ星を確認できましたが、残念ながら撮影した画像には一つも写っていません。撮影開始直後から東の空は薄い雲に覆われて、2時間ほど粘りましたが、雲の量は変わりなく多い。私が撮影を停止して撤収した直後に晴れてきたそうです。

極大時刻により近い14日の夜は天候条件が悪い予報なので、観察と撮影は諦めます。