Natural Whetstone Museum on YouTube

亀岡にある天然砥石館は去年の春と秋に一度ずつ、合計二度、訪問しました。その天然砥石館を訪問されたKnife Chef oiri_kitchenさんの動画を紹介します。我々が訪問した時もこの動画に登場し、館内を案内する女性職員がおられました。その方が実は館長さんだったようです。研ぎ体験を指導する年配の男性職員の方がてっきり館長だと勘違いしておりました。そして女性職員の方は館長のアシスタントか何かだと。先入観と偏見で判断するとこうした勘違いが生じる、良い例です。

館長らしく、砥石についてはものすごく詳しい。実際に砥石館を訪れて案内されずに自分で見て回るよりも、この動画を視聴する方がより多くの情報が得られるように思います。

Stanley Block Planes G12-220 and G12-020

Stanley Block Plane G12-220

ブロックプレーンと称される英国製西洋鉋の刃を天然砥石の中砥と仕上げ砥で研いでみました。

特に今年は京都の神社やお寺で開催されるフリーマーケットで和鉋を多数、入手しており、砥石で研ぐのは和鉋の刃ばかりで、西洋鉋の刃を研ぐのは久しぶり。天然砥石で研ぐのは初めて。研いだ結果、刃の切れ味に驚きました。不要になった工具のカタログに使われている紙を試し切りしたら、研いだばかりの高級ナイフのようにスパッスパッと切れる。

Stanley Block Plane G12-020

刃の角度は浅めの24ºぐらいになっていました。人造砥石で研いだ際に刃の角度を変えてしまったのかもしれません。西洋鉋は誰でも容易に刃の出方を調整できるし、こんなに切れ味が良いのなら西洋鉋の方が素人には向いているのではないかと思いを改めました。

Making Another Whetstone Base

先日、豊国神社で購入した天然砥石専用の砥石台をWRCの端材を使って製作しました。砥石側面にはカシューを塗布。

いくつも砥石台を製作していると、慣れてきたのか、より薄く製作できるようになりました。トリマーで切削した深さは5ミリほど。隙間に充填材を埋めれば簡単には外れなくなります。

Toyokuni Shrine Flea Market — Part 8

前回訪問したのが9月18日なので、前回訪問時から1ヶ月以上が経過した10月28日、豊国神社フリーマーケットを再訪問しました。今回は金継ぎを始めたFさん親子も一緒。

今回は古道具も充実しており、天然砥石も新しいものがいくつか入荷していました。

こちらは丹波青砥と思われる、厚みがある天然砥石。

8,000円の値札が付いた丹波青砥と比べてはるかに薄いこちらの仕上げ用天然砥石(合砥)は5,000円の値札が付いている。指先で触れると粒度の細かさが感じられます。(2023年11月13日追記:5,000円の値札が付いたこの仕上げ用天然砥石は、初回訪問時に8,000円だったものと同じ商品と思われます。)

合砥として使用できる層は2、3ミリぐらいしか残ってないようです。幅と長さが十分にあるので、購入することにしました。

13 cm裏面角目のシンワ製完全スコヤもタダみたいな価格で入手。

訪問前に店主に連絡しておいたので、今回も金継ぎ用の骨董品を用意してくれていました。

金継ぎ用の欠けた骨董陶器は一般客には販売しないそうです。

今回も買いすぎかと思いますが。これだけ増えると収納する専用の食器棚が必要になりそう。

Toyokuni Shrine Flea Market — Part 9へと続く。
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Fake Natural Whetstones?

メルカリで「!注意!偽物天然砥石!注意!」と書かれた画像等3点を「天然砥石」のタイトルで販売されている方がおられます。画像3点を見ると、正に私が今にも買いそうになった天然砥石を販売する方のページであることがわかりました。

私が購入しようとしていた砥石は、タイトルが「天然砥石 正本山 蓮華合わせ黄板 超仕上げ砥石 軟質 希少」と書かれたもので、相場と比べて非常に安い4,000円で販売されていました。

注意喚起している方は天然砥石の高額商品(80万円とか)を販売されています。この方からしたら標準的な大きさで1万円未満の天然合砥(仕上げ砥石)はあり得ないので、そうした商品はバッタモンであり、偽物ということになるのでしょう。しかしながら、どちらの主張が正しいのか、買ってみないとわからないのかもしれません。

天然砥石の良し悪しを画像で判断するのはほぼ不可能。手に取ってじっくりと観察しても、本物かどうかを判別するには経験が必要。私のように経験が浅いと、実際に研いでみて初めてある程度の良し悪しがわかる。天然砥石はこういう世界なので、信頼できる人からのみ購入するのが鉄則なのでしょう。

Toyokuni Shrine Flea Market — Part 6

8が付く日は豊国神社のフリーマーケットへ。参拝者は30分150円との表示がありますが、フリーマーケットに来た我々は駐車料金は無料。

盆地の京都市内は連日の猛暑で道路に表示された温度計は39ºC。いつもの店主は、あまりに暑いのでぼちぼち店仕舞いしようとされていました。

金属切断用の鋼を使って製作された小刀を見せていただきました。右手に持つ、私が刃を付けた小刀は、左手に持つ店主製作のものと比べると、まだまだ研ぎが足りない。私は切れ味と使い勝手を優先して研ぎましたが、店主は外見最優先のようで、刃が全体的に鏡面仕上げになっている。

専用の木製ケースも手作りだそうです。このケースは真似できそうですが、私の小刀は常時、ガレージのマグネットホルダーに壁面収納しているので、ケースは不要。

この前、すぐ前の露天商から仕入れされた天然砥石数点のうち、まだ売れていないものを見せていただきました。側面と裏面にシリアル番号が刻印されたこの合砥の販売価格は2万円だそうです。

私には手が出ないというか、この価格なら新品の比良山で採れたらしいあの合砥の方が価値があるように思います。

安曇川の金物店、伊藤嘉で見たこの砥石。11月の「しが割第3弾」で最大3割引を狙おう。

滋賀県内でも良質な天然砥石が採れるそうで、こちらの商品は先代が仕入れたものらしい。

この砥石、3点は店主が安曇川の河原で拾ったものを加工したものだそうです。近くに採掘場があるとかそういうことではなく、河原に落ちているのだとか。珍しい原石を集めるのが趣味だと言われていました。素人が探して見つかるものではないことは確か。

同行者は金継ぎの材料を仕入れていました。どれも100年以上も前のお皿や湯呑み茶碗で、一部が欠けていたり、ひび割れがあるもの。

Toyokuni Shrine Flea Market — Part 7へと続く。
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Ryobi Bench Grinder

荒砥でいくら研いでも返しが出ずに、切れない鑿は刃が付いていないと思われます。目視で刃先を観察しても切れない理由がわからない。そんな時はお借りしている両頭グラインダーで刃を付けるしかない。このグラインダーはお隣さん所有のものですが、滅多に使わないのでここに置かせてと置いて行ったもの。電動工具も使わないと勿体無いし、機嫌が悪くなることもあります。

どこかのフリーマーケットで買って来た、全く切れない追い入れ鑿をこのグラインダーで研ぐと、刃が付いたのか、中砥で研いでも刃に返しが出るようになりました。仕上げ砥石で研ぐと、そこそこの切れ味に。

Honyama Awasedo (Finishing) Natural Whetstone

砥石表

メルカリに出品されている五代目山本石衛門さんから「正本山合砥」の刻印がある仕上げ用砥石を購入しました。大きさは最大で幅約5cm、長さ17.5cm、厚さ3cm、重量は548g。取引価格は送料込み6,120円でした。砥石を手にした最初の印象は、思っていたよりも一回りほど小さいこと。記載の寸法に間違いはありません。

砥石裏

指先で触れた感触から判断すると、この石は間違いなく合砥であると思われます。商品の状態が、「新品、未使用」とのことでしたが、表面の中央部分に窪みがあり、明らかに使用した痕跡がありました。刻印を押した時点で製品化されると見做せば、確かに新品、未使用かもしれません。

えび茶のカシューで養生する前に赤っぽい模様があります。これが赤蓮華と呼ばれる模様だろうか。

面直ししてから試しに研いでみると、表面の刻印はすぐに消えて使用済み状態になりました。

早速、カシューで側面を養生して、専用の砥石台を作りました。

他の天然砥石と比べて柔らかめであり、白っぽい研ぎ汁(研磨粒子)が出て、研ぎ易い合砥であると思います。これまでに苦戦していた小刀をこの砥石で研いだら、そこそこの切れ味となりました。

DMD Double-Sided Diamond Whetstone (400#/1000#)

砥石の面直しとしての使用を考えている、両面ダイヤモンド砥石を入手しました。これまで使っていた深溝タイプの修正砥石が溝がなくなるほど摩耗したので、今度は両面ダイヤモンド砥石を使おうということになりました。粗い面が400番の荒砥。

細かい面は1000番の中砥としても使用できるようです。

内部は金属製でしょうか。ずっしりとして重い。

荒砥の大村砥を試しに400番で面直ししてみました。擦り合わせるように、天然砥石の上に載せたダイヤモンド砥石を前後に動かすと、吸い付くようにくっ付きました。ダイヤモンド砥石は水に浸けると錆の原因になるとの注意書きがあります。使用後は水分を拭き取るようにしよう。

Modifying The Whetstone Table Again

腰痛の原因は、太い桜の幹を玉切りしたこと以外に座って研ぐ研ぎ台にもあるかもしれないので、立った状態で研げるように私の身長に合わせて脚部を延長しました。

天板までの高さは約790ミリ。棚を低い位置に一枚、追加しました。棚板二枚で、現在手元にあるすべての砥石を収納することができます。やはり、立った状態で刃物を研ぐと、腰に負担をかけずに均一に力を入れて研ぐことができます。

先日、500円で購入した怪しげな人造砥石専用に砥石台を製作しました。厚みが45ミリほどあり、下の方でひび割れが発生したので、桧の端材で製作した砥石台は30ミリほど、鑿とトリマーで掘り下げました。元々、側面は養生してあったようですが、今後のひび割れを防止するために、さらにカシューを上から塗布して養生しました。

出処不明のこの怪しげな砥石のツルツル度は、粒度がわかっている6,000番の人造砥石と同程度以上です。ひょっとしたらこの砥石は人造ではなく天然物かもしれない。そのように思う理由は、

  • 人造砥石では珍しく、ひび割れが発生した。
  • 側面に養生してある。
  • 側面に加工した時に残る筋状の線がある。
  • 乾いた状態で水に浸けても気泡が出ない。
  • 研ぎ汁の出方が丹波青砥のものと似ている。

もし、この砥石が天然物の仕上げ砥であるとしたら、掘り出し物を入手したことになります。

Toyokuni Shrine Flea Market — Part 5

豊国神社のフリーマーケット訪問は今回で5回目になります。朝早くに到着したら、いつもの店主がお向かいに出店する別の店主から天然砥石らしきものを仕入れておられました。業者間の取引なので客の前では価格のことは触れない、これ鉄則のようです。仕入れた砥石を手入れして、次回訪問時には販売されていることでしょう。

この前、話されていた金属を切断する鋼を小刀に加工する途中のものを見せていただいたので、刃が付いていない状態のこの小刀を500円で購入することにしました。

同行者は金継ぎの素材として使う骨董の皿や湯呑み茶碗を入手したようです。

こういう形状の欠けはハマグリと言うそうです。

今回入手したもの。

Toyokuni Shrine Flea Market — Part 6へと続く。
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Kitano Tenmangu Tenjin Flea Market — Part 2

3月以来、二度目になる北野天満宮天神市を再訪問しました。前回、駐車した千本今出川西タイムズ駐車場が満車だったので、今回は北野白梅町駅前タイムズに車を停めました。

北野天満宮まではゆっくり歩いて数分。ここに車を停めたおかげで安くて美味しい寿司屋を発見しました。

私にとって骨董市と言えば、古道具。中でも天然砥石は気になります。私が手にしている砥石は人造砥石だそうですが、粒度が高そうで指で触れるとツルツル。価格を尋ねると500円とのことだったので、とりあえず購入することにしました。

同じ店で売られているこちらの台付きの天然砥石は本山産とのことで、価格は15,000円のところを2割引で12,000円。今にも買いそうになりましたが、信頼できる店主かどうかがわからないので、購入を控えました。この大きさの合砥でこの価格は魅力的ですが、天然砥石の良し悪しは実際に刃物を研いでみないとわからない。

これは中砥?

これは掘り出し物でしょう。MAXのハンマータッカーが500円。屋根材の下に張るアスファルトルーフィングを下地に留める際に使えそうだと思って入手しましたが、調べると、このハンマータッカー(TH-S2)は、断熱材や外壁シート打ちに使用するものだそうです。硬木には姉妹品のTH-P若しくはTH-Rが適しているそうです。

ステンレス製のこの大きな蝶番、2個で100円でした。

今回の天神市で入手したもの。

北野白梅町駅前の駐車場に戻る際に見つけた寿司屋、傳七。

傳七は車を停めた北野白梅町駅前タイムズ駐車場からは、西大路通の向かい側になります。店の外で順番を待っていると、年配の方が来られました。月に一度の天神さんに行く時は必ずこのお店で食事をするらしく、それが楽しみだと言われていました。

私はランチの看板メニューの一つ、「串かつお寿司セット」(税別980円)を注文。隣接する隣に串八があることと関係があるのか、串かつはお寿司以上に美味しい。京都市内でこのボリュームと手頃な価格でこんなに美味しい料理を出す寿司屋は滅多にないと思います。

同行者は「ミニちらしとうどんセット」(税別980円)を注文。このちらし寿司も板前さんが作っているだけあって、相当美味しかったそうです。

Kitano Tenmangu Tenjin Flea Market — Part 3へと続く。
Kitano Tenmangu Tenjin Flea Market — Part 1に戻る。

Curing Whetstones

先日、豊国神社のフリーマーケットで購入した天然砥石専用に砥石台を製作し、砥石側面をカシューで養生しました。

最初に入手したこちらの天然砥石(丹波青砥)も側面にカシューを塗布して養生しました。天然砥石は側面を養生すると、ひび割れを防ぐことができるそうです。

Toyokuni Shrine Flea Market — Part 4

豊国神社のフリーマーケットに三度も四度も訪れて、同じ露天商から古道具や骨董の皿などを買っている我々はお得意様のようです。

今回は気になっていた3枚目の天然砥石を購入しました。これまでに入手した荒砥の大村砥や丹波青砥と比べて厚みが薄く、価格が最も高価なので、仕上げ用として使う予定です。店主が言うには最初に購入した丹波青砥よりも粒度が細かいとのことですが、指先で触れた感じでは同等のように思えます。

今回、入手した骨董品と古道具。

Toyokuni Shrine Flea Market — Part 5へと続く。
Toyokuni Shrine Flea Market — Part 3に戻る。

Making A Whetstone Table — Part 5

研ぎ台として使用しない時はテーブルとしても使えるよう、水を入れる容器(オイルパン)の蓋を作ります。オイルパンは正方形ですが、コーナー部分が丸みを帯びていて且つ、底に向かっておよそ15ºの傾斜があります。左右両端の板を弧を描くように切断するにはジグソーが適している。先日、工具市で入手したBLACK+DECKER製コンパクトオービタルジグソー(KS701PE)の出番です。

KS701PEの主な仕様を以下にまとめておきます。

品番KS701PE
電源AC100V 50/60Hz
消費電力520W
ストローク長19mm
ストローク数0~3,000回転/分
能力木材:70mm、軟鋼:5mm、アルミ:15mm
傾斜切断左右45º
本体寸法H195 x W68 x L220 mm
本体重量約1.9kg
コード長3m

傾斜切断が左右45ºの意味を理解せずに、15ºの傾斜切断になるように設定しようとしたら、どうやらできないらしい。直角90ºか左右に45º傾けるかの3つの選択肢から選ばざるを得ないことがわかりました。取扱説明書を読むと、「ベースプレート後方にある3ヶ所の凹部分を本体の凸部分にしっかりと嵌め込む」とあります。つまり、選択肢は3つということです。

TOSHIBA製卓上電気糸鋸盤(SC-60)を使えば傾斜切断できたかもしれません。

コーナー部分はグラインダーで削って、およそ15ºの傾斜にしました。

棚には砥石台に載せた砥石が置けます。

使用時はこんな感じで蓋の一部を外しておきます。棚に待機中の砥石、天板付近には使用中の砥石と水を満たしたオイルパン改。かなりの重量となるので、研ぎ台が安定します。完成した研ぎ台を持ち上げようとしたら、オイルパンを支えるフレームが浮いたので、垂直方向に4ヶ所、ビス留めしました。

椅子の座面高より少しだけ高くなりましたが、この姿勢で研ぐと、均一に力が砥石に伝わります。後方を少し持ち上げるような傾斜を付けると、尚、研ぎやすいかもしれません。

研ぎ台製作作業の難易度:5段階で3

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