Making Whetstone Bases — Part 11

こまそうさんから一千円で譲っていただいた天然砥石を試してみました。泥が出にくいと言われていた通り、刃物を研いでもほとんど泥が出ないので、研磨できているかどうかわからない。

面直し用として使っているダイヤモンド砥石で表面を削ると、白っぽい綺麗な泥が大量に出る。表面が水平ではなかったので、ダイヤモンド砥石で表面を水平にしてから包丁を研いでみると切れ味が向上しました。仕上げ砥として使えそうなので、専用の砥石台を製作することにしました。

台として使用する材はWRCの端材。トリマーで3ミリほど彫り下げました。

天然砥石を載せながら微調整。

同じWRCの端材から加工した足を付けて、

砥石台がほぼ完成。隙間にウッドパテを埋めると固着します。

手元にある天然砥石で最も似ていると思うのは、五代目山本石衛門さんからメルカリで購入した「正本山合砥」です。この砥石も白っぽい泥が出て、表面の滑らかさが同程度。桂川の上流で拾ったと言われていたので、「桂砥」と命名しよう。合砥と言えるかどうかは微妙なところ。青砥寄りの仕上げ砥ということにしておこう。

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Flea Market at Adogawa Toju-No-Sato Roadside Station — Part 11

先週はイベントが開催されたようで、今月の安曇川藤樹の里道の駅がらくた市は第5日曜の本日、開催されました。

こまそうさんに珍しい天然砥石を見せていただきました。

桂川上流の河川敷で拾ったそうです。桂川上流と言えば、世界屈指の上質な天然砥石の産地である亀岡に近いので、これはお宝かもしれない。

拾ったその原石をサンダーで加工して4枚分の砥石にしたとか。指先で触れると仕上げ砥であることは確かですが、こまそうさんが言うには、泥の出が良くなく、切れるようにはなるけれど光るばっかりだそうです。1,000円で譲っていただきましたが、いつでも返品に応じると言われていました。

この反り台鉋に興味がありましたが、価格を尋ねるところまでは行かずに今回の購入は見送りました。

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Ise Jingu Miyama Cedar — Part 3

名神京都東ICから新名神甲南ICを出て、名阪国道友生ICから伊賀コリドールロードを経由し、自宅から2時間以上を要してやっと到着したのは大西製材所。

父が外材(輸入木材)のブローカーを滋賀県下で営んでいた私にとってはどこか懐かしい景色です。

時刻は正午前。到着後すぐに間違ってお隣の製材所で作業する人に声をかけたところ、お昼の休憩か何かで大西製材所の方は不在であることがわかりました。電話をかけても拡声器のようなスピーカーから大きな呼び出し音が鳴るだけでした。

私の実家にも呼び出し音が大きく聞こえるスピーカーを勝手口に取り付けていたのを思い出しました。携帯電話がない時代に事務所にかかってきた電話の呼び出し音は外にいたら聞こえないのです。当時、個人事業主だった父はほぼ毎日のように、大阪南港(北米、ニュージーランドから輸入される木材)や舞鶴(旧ソ連材)の取引先や滋賀県内の製材所を自家用車で行き来していました。自動車電話はあっても携帯電話はなかったのです。

勝手に誰もいない製材所の敷地内に入らせていただき、トイレもお借りしました。

私にとって製材所は昔からこんな感じです。自動車の免許証を取得してから五十日と呼ばれる、5か10が付く日にドライバーのアルバイトをしたものです。前世紀末頃から外材と呼ばれる輸入木材は原木ではなく、現地で製材したものが輸入されるようになり、国内の製材所は多くが廃業しました。

今尚、残る製材所では内地材を主に製材しているはずです。家屋を建てる際に必要となる桧や杉といった針葉樹を製材すれば、建材になります。こちらに積み上げられたような板材は建材というより家具の製作に使う材のようにも見えます。

このような巨木も製材できる設備を所有する製材所が今も現役で活躍しているのでしょう。おそらく昼休みで誰も居られないのだろうと思い、我々もランチに出かけました。

Apple純正Maps appで数キロ内のレストランを検索したら数件、ヒットし、その中で古民家カフェ365日が良さそうだと思い、行ってみましたが、メニューを見て却下。ランチに一人二千円は出せない。今日の目的は大西製材所で御山杉に関する情報を得ることです。

OMSTEWオムシチュー

そこから別のレストランを探して見つかったのが伊賀市内のYumeicco。一階が八百屋さん、レストランは二階で、私はオムシチューランチ(1,380円)、同行者はパスタランチ(1,380円)を注文。

釜揚げしらす、じゃがいも、ズッキーニ、レモンのオイルパスタ

いずれのメニューにもサラダとスープが付いていました。元々は老舗の八百屋さんだけあって、料理に使われている野菜が特に美味しい。

昼食後、大西製材所に戻りました。経営者の息子さんが作業中でした。先日、電話したものですと言ったら伝わっていたようです。

御山杉

大津市の松井工業から入手した杉の一枚板(御山杉)のことを伝えると、見せていただいたのが穴がいっぱいあるこの端材。これが御山杉の特徴だそうです。

まもなくして社長が製材所に戻ってこられました。持参した御山杉の端材を見せながら、お話しさせていただきました。間違いなく、こちらで製材したものだそうです。樹齢を数えたら240年ぐらいだったことを伝えると、「いやいやそんなものではない、もっと古い」と言われました。

近所で伐倒した杉

こういうことかもしれないので、手元にある玉切りした杉の断面を使って説明します。上の画像のように芯材の中心を通る位置でカットした材であれば、中心から辺材の端までの年輪の数を数えると、玉切りした高さでの樹齢がわかります。この杉であれば樹齢は40〜50年ということになります。

近所で伐倒した杉

松井工業を経由して我々が入手した御山杉の一枚板は幅が60〜70センチです。製材する前の原木は直径が150センチぐらいはあったそうです。(←製材所を訪れて得た情報の中でこの情報が最も貴重)我々の手元にある御山杉は元々の直径の半分ぐらいなので、上の画像の杉であれば、この辺りをカットしたものということになります。

御山杉一枚板

この部分で数えた樹齢が240年ぐらいであるとすれば、大西製材所社長が言われるように、本来の樹齢の半分ぐらいしか数えていないことになります。

御山杉一枚板

つまり、推定樹齢は500年とか?和暦で言えば、江戸時代よりも古い室町時代とか安土桃山時代になります。

黒柿

神宮杉が倒れて御山杉となり、松阪もしくは鈴鹿の木材市で落札したと社長は言われていました。その時期は台風21号の被害が私の記憶に残る2017年ですか?と尋ねると、「いやもっと前」と応えられたので、今世紀のことかどうかも怪しい。もっと突っ込んで聞けばよかった。

御山杉の情報だけ聞いて帰るわけには行かないので、栗の端材を入手することにしました。大西製材所では珍しく、家具製作などの木工の材料になりそうな広葉樹も多く扱われておられます。

高野山の杉

帰り際に同行者が高野山で伐倒された杉の老木について説明を受けたようです。穴が多いこの高野山の杉は直径75センチほど。

高野山の杉

御山杉はこの二倍ほどの直径、つまり背が少し低い人の身長ほどだったそうです。

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Firewood Collection 2025 — Part 31

木工師匠から連絡があり、近くの別荘宅で春に伐倒した杉の丸太があるので引き取って欲しいとのこと。長さおよそ80センチで玉切りした直径20センチぐらいの杉の丸太を4本、もらって来ました。

木工師匠と立ち話をしていると、お隣に住む伐倒師匠が回覧板を持ってやって来ました。久しぶりに3人が揃いました。山で伐倒するのは今季限りで辞めると言っていた師匠ですが、師匠宅からすぐ近くに雑木林があり、土地の所有者を探し出して、コナラ、椎木などの雑木を伐倒しても良いか交渉し、承諾を得たそうです。

春に故障した二台のチェンソーが直ったとも言われていました。自分で修理したのかと尋ねると、「いや、あんたが教えてくれた八幡のムサシに持って行ったら一台、一万円で修理してくれた」そうです。キャブレターなどのチェンソーの部品を取り扱うホームセンターも珍しいので、あそこなら修理してくれるとは思っていました。

よく見ると、持ち帰った杉の丸太は多くが枝分かれした、節が多くて薪割りしにくいものでした。春に木工師匠が言われていたことを思い出しました。現場で玉切りした人で、節が多い部分を回収せずに現場に残した人がいると。

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Single Dish Drinking Table for Cat ISON — Part 2

バイスに挟んだウリンの端材を別所太郎作の両刃鋸で斜めに切断して楔を加工。微調整は刃幅9ミリの追入鑿で。楔の長さは20ミリになるように自作テーブルソーで加工済み。

枘に小さな穴を空けてから鋸で縦挽きして、楔を打ち込む切り欠きを入れました。枘に貫通させる小さな穴は、楔を打ち込んだ際にこれ以上、縦に裂けないようにするため。その後、天板の枘穴に裏から枘を通して、切り欠きに楔を打ち込みました。枘の周囲と楔に木工接着剤を塗布。

貫通させた枘の余分を切断し、細かな大鋸屑を木工接着剤で練り合わせた自作パテを僅かな隙間に埋めました。その後、平鉋と鑿、サンドペーパーで天板表面を処理。4本の脚はほぼ垂直に取り付けることができたので、桟は不要。

全体に亜麻仁油を塗布しました。

弘法市で購入した100円のガラス製器を載せてみました。かなり低いテーブルとなりました。

完成した水飲み用テーブルを母屋に持って行き、使い心地を検証。

ここまで低いと立ったまま補水できるにゃ。

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Toji Kobo Flea Market — Part 6

6月21日、半年ぶりに弘法市にやって来ました。梅雨空は何処へと思うほど暑い日でした。かき氷を販売する屋台が複数、出店していました。冬季はたこ焼きとか焼きそばを販売する人でしょうか。

御山杉一枚板のテーブルを納品したかき氷専門店も6月1日の開店以来、繁盛しているそうです。

調理器具から大工道具まで品揃えが豊富ないつものおじさんのところから古道具を品定め。

最近はちょっと変わった珍しい古道具に関心を寄せるようになりました。左手に持つ折畳式のノコギリは剪定用と思ってましたが、どうやら違うようです。生木を切ってみたら、全然切れない。

これはなんだろう?小型の備中鍬?

今回はこれで十分かと思っていましたが。

この昭和レトロな三脚が気になり、これも入手。同様のレトロな三脚が手元にありますが、こちらの方が高品質。

待ち合わせをしていたヒシカ工業の職人Nさんに合流しました。これは畔挽き鋸というそうで、短い刃の部分が曲線状になっていて、板から木枠をくり抜いたり、溝を彫る時に使うそうです。使った形跡がほとんどない新品同様で、千円なら安いとのことで購入することにしました。

車を停めさせていただいたminority318さん宅に戻り、讃岐うどん専門店の楽洛へ。Nさんは初来店ですが1.5玉の「とりちくたまご」に挑戦。初めての方は1玉でとの警告を無視。

私は1玉の「なす天と海老天ぶっかけ」。もちもちうどんが美味しいのはもちろんですが、天ぷらも美味しい。

同行者は1玉少なめ(0.8玉)のざるうどんと、

ミニ天丼のセット。0.8玉のざるうどんだけで十分だったようで…ミニ天丼と言っても小さな丼に天ぷらが山盛りで、ご飯も多い。同行者はしばらくうどんは要らないと言ってます。

Nさんに見せていただいた、先輩同僚が製作した爪研ぎ。

持ち手の部分に御山杉を使いたいとのことでしたので、100個ぐらいは作れそうな御山杉の端材を差し上げました。

今回、入手したもの。合計で1,100円でした。左から二つ目の鉄工ヤスリはツボサンの刻印があります。写真には写っていないガラスの器も100円で購入しました。

そして1,000円で入手したこの畔挽き鋸。湾曲した刃の部分は1992年の新聞紙に包んでありました。

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Single Dish Drinking Table for Cat ISON — Part 1

水飲み専用のテーブルを桧の端材を使って加工します。

穴空けは神沢の自由錐。両側から均等に穴を空けようとすると段差が生じるようです。中心の穴が貫通したら、裏返して1〜2ミリぐらいの浅い切り込みだけにしておいて、元に戻して最後まで貫通させた方が良いのかもしれません。

先日、弘法市で100円で買って来たガラスの器専用とします。

かなり低めのテーブルとなりますが、飲んだ水を吐き戻すことはないので、このぐらいの高さの方が飲みやすいでしょう。

枘穴を貫通させる位置を裏表両面に印しました。桧の天板なので、コーナーぎりぎりに穴を空けると割れが発生するかもしれないので、少し内側に。

枘を通しました。

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Single Dish Dining Table for Cat ISON — Part 3

自作のトリマーテーブルを使って縁取りしました。

枘に楔を打ち込んで、桟を二本の脚の間に入れて垂直を調整。

小さな楔を鋸と鑿を使って加工する新たな方法を見つけました。

全体に亜麻仁油を塗布。桧よりも桜の方が濃くなる。今回、製作した一枚皿用のテーブルはウリンの楔以外、すべて桜材を使用しました。

脚部を組み立てた後、脚の長さを調整しなくても安定している。

二枚皿用のテーブルと大体同じ高さになるようにしましたが、水飲み用のテーブルとしてはちょっと高いかもしれない。

水飲み用テーブルは別に製作しよう。

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Single Dish Dining Table for Cat ISON — Part 2

枘穴の位置を決めて、天板の表と裏の両方に墨線を正確に入れる必要がありますが、0.1ミリ単位の精度で墨線を入れて、鑿で枘穴を加工するには遠近両用眼鏡では近くがぼやけて見づらい。

パソコン用として使っている近々レンズの眼鏡を屋根裏部屋から取って来ました。この辺りかなと勘に頼りながら作業するには対象物が細かすぎるのでやはり、小さなものを加工するには手元だけがよく見える近々レンズは必須のような気がします。

許容範囲の誤差で通し枘ができました。

小さな楔にはウリンの端材を加工。

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Single Dish Dining Table for Cat ISON — Part 1

平面出し治具を使って削った桜の一枚板は厚みが13ミリとなり、スツールの座面としては薄すぎて使えないので、Cat ISON用食卓テーブルに加工することにしました。今回は皿が一枚だけのテーブルとします。

脚は20ミリ角に加工した桜の端材を使用。

前回と同様に神沢製の自由錐を使って桜の板に穴を貫通させました。今回は皿の径に合わせて縁まで十分に沈む穴を空けました。桧よりも材が硬い。

こんなに小さい通し枘を加工するのは久しぶりというか初めてかもしれません。脚は適切な高さになるよう、後で短く切断する予定です。

Single Dish Dining Table for Cat ISON — Part 2へと続く。