大型連休最終日の本日、5年前に遭難しそうになったあの危険な川の源流域にあの時と同じ万年ビギナーズラックを狙うような釣り方をする同行者と共に釣行しました。いつものように車止めでJimnyを駐車し、オレンジの林道を下流方向に下り、そのまま続けて赤の林道を行き当たり少し手前まで歩いてから午後3時頃に川に入りました。(上の画像では赤の林道が途中で切れていますが、林道はもっと下の方まで続いています。)暗くなったら比較的なだらかな傾斜地である緑のラインを辿って林道に戻る予定です。3年前にも同じルートで釣行しています。
このルートはイブニングライズを狙った釣行時の最も安全と思われるルートであり、私がこれまでの経験をもとに考案しました。5年前に遭難しそうになった時は青いラインを釣り上りましたが、夕暮れ時のルートとしては大変危険なので、それ以来、足を踏み入れることはありません。
私は小さなイワナが2匹釣れました。同行者は釣ってはいけない雑魚が2匹と小さなイワナ1匹と中サイズのイワナ1匹で、我々のルールでは私がプラス2点、同行者はプラスマイナス0点でした。釣ってはいけない雑魚とはハヤやウグイなど、ドラッグが掛かっていても釣れる魚を指します。
太陽が山の向こうに沈み、岩陰の淀みに潜んでいたイワナがこれから浅瀬に出て積極的に捕食活動をする薄明時のイブニングライズが始まろうとしていた頃に、釣行した区間で最も釣りやすい一級ポイントで中サイズのイワナを3年ぶりに釣り上げて満足した同行者は先を急ごうとしました。明るいうちに林道に戻りたかったようです。同行者は予定していた場所とは異なるルートから林道に戻ろうとしました。計画していないルートを辿ろうとするとまた、遭難しそうになるかもしれない。急かされた私は結局イブニングライズをじっくりと狙えずに、まるで沢登りをするかのように沢の中を予定していたルートを目指して同行者と共に上流に向かいました。
この頃、木の枝に引っかかったフライを引っ張って取ろうとした同行者の中国製Zhusバンブーロッドのティップが折れてしまいました。予備のティップがあるそうなので、それほどショッキングなことではなさそうでしたが、なぜその程度の引っ張りで折れてしまったのか気になります。本人も折れた瞬間に折れたことに気づいていないようで、ロッドの穂先が曲がっているので、よく見たら折れていたとのことです。スプリットケーンロッドはカーボン製のロッドと比べて折れやすいので、バンブーロッドに不慣れな人は扱いには注意が必要です。
木の枝にフライを引っ掛けてしまったような場合は、決して横方向から引っ張ってロッドに負担をかけてはならないという鉄則があります。ロッドを真っ直ぐにしてフライラインかリーダーを手に持って引っ張るべきです。ロッドの穂先が枝に引っかかったフライに達する距離であれば、トップガイドにフライのフックを引っ掛けて真っ直ぐに引っ張るという方法もあります。返しがないバーブレスのフックであれば、釣った魚を傷つけないばかりでなく、それほど苦労することなく、木の枝からフックを外すことが可能です。
折れた同行者の2ピースロッドのティップが私のバンブーロッドと同じ6’6″の#3モデルであり、テーパーがWayne Cattanach氏のオリジナルテーパーであるとすれば、アクションはミディアムファーストなので、ティップ部がバット部と比べてテーパーが大きくなっており、この部分に大きな負担をかけると確かに折れやすい。バンブーロッド、しかも#3の細いティップをカーボンロッドと同じような扱いをすると、容易に折れると思っておいた方が無難です。それでも普通はロッドが折れる前にティペットかリーダーが切れるはずですが。
今回も予定していたここからではなく、200〜300メートル手前から少し迷いながらも林道を目指して同行者が先に川から上がりました。駐車した車に戻ったのは午後8時頃。同行者は暗闇に対して恐怖感を抱く臆病者だと自分で言っていますが、普通は誰もが暗闇に対して程度の差はあれ、恐怖感を抱くものかもしれません。