October 2024

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2024年10月は大津祭と彗星C/2023 A3 (Tuchinshan-ATLAS) 撮影三昧の忙しい一ヶ月でした。伊吹山から淡路島まで遠征もしたので、今月の楽天モバイルデータ消費量は1.91GBと多め。久しぶりに二台のデジタルカメラ(Nikon D7000とOlympus PEN E-P5)が活躍しました。怒涛の一ヶ月を下にまとめておきます。

October 1
彗星撮影の前半戦は日の出前の東の空が低い位置から見渡せる琵琶湖畔へ。日の出前なので早朝4時頃に起床。1日は低空の雲が邪魔になって彗星の姿は見えず。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 500, 120mm, f2.8, 15.0s. Shot at 04:59:25 on Oct. 2, 2024.

October 2
天候条件が悪くはなかったので、二日連続で同じ琵琶湖畔へ出撃。換算120ミリの望遠レンズで初めてこの彗星を捉えることに成功しました。

October 6
大津祭山建ての日。この日も早朝6時過ぎから旧玉屋町自治会館前で湯立山が建てられる様子をインターバル撮影。硬い赤樫で造られた玉3輪から組み立てられる様子を見たのは初めて。午後に行われた曳初めにも参加。

October 11
天狗杉と呼ばれる大きな杉がある所で彗星撮影の後半戦を開始。山の稜線が思っていたよりも高くて日没後に見えるはずの彗星は見えず。撮影場所の選択に失敗しました。

October 12
標高1260m地点にある伊吹山ドライブウェイ山頂駐車場で彗星観察の特別イベントが12日〜14日までの3日間、開催されるという情報を得て、その初日である12日に大津祭宵宮をお休みして滋賀県最高峰の伊吹山に登りました。山登りに興味がない私は滅多にこんなに標高が高いところに来ることはありません。山頂付近から見る景色に圧倒される。近くの山よりも飛び抜けて標高が高いと、地平線高度がマイナスの位置にある星が見える。

Nikon D7000 AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 125, 75mm, f2.2, 2.5s shot at 18:21:46 on Oct. 12, 2024

彗星撮影を念頭に置いて入手した明るい50ミリ単焦点レンズを装着したNikon D7000は、ISOの設定ミスで露出不足となり、RAWで撮影したにも関わらず、残念なことにこれ以上の補正ができなくなりました。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 800, 120mm, f2.8, 4.0s. Shot at 18:24:04 on Oct. 12, 2024.

60ミリマクロレンズを装着したOlympus PEN E-P5は適正な露出設定ですが、薄雲がちょっと邪魔。彗星の地平線高度がマイナス高度であっても雲がなければまだ写ったはずですが、翌日の大津祭本祭に備えて、早めに撤収しました。

October 13
大津祭本祭も早朝6時頃から、湯立山でからくり人形を曳山に載せるシーンを撮影。

Nikon D7000 AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 560, 75mm, f2, 1/10s shot at 17:55:55 on Oct. 13, 2024

大津祭本祭の撮影は午前中に済ませて、早めに帰宅して夕方に近所の大きな杉の木の下へ。ここは後半戦初日に撮影を試みた場所。二日が経ち、彗星は地球に最も接近する近地点にあるはず。天候条件も悪くはなかったので、彗星は写るだろうと高を括っていましたが、見えない。上の画像を撮影したのは17:56頃。彗星の高度はこの時、+11ºぐらいなのでやはり、山の稜線が高過ぎて彗星はすでに稜線の下だったのでしょう。翌日14日は淡路島に遠出する計画を立てていたので、前日の13日はお手軽撮影に済ませようとしたことがそもそもの誤りでした。

October 14
西の空が見渡せる最適な撮影地を求めて淡路島に一泊旅行。地元の人に聞いてやって来たのが五色夕日が丘公園。輝度86%の月が邪魔になることを除けば、撮影条件は概ね良好。

Apple iPhone 12 mini, ISO 800, 26mm, f1.6, 3.2s shot at 18:13:12 on Oct. 14

彗星の頭が雲の中ですが、iPhone 12 miniでも長い尻尾が写りました。ISOが低めの800なので、高感度ノイズがそれほど目立たない。後日、入手した星空撮影に特化したiOS用App、AstroShaderがあればマニュアル設定での撮影が可能なので、もっと綺麗な写真が撮れたかもしれません。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 640, 120mm, f2.8, 6.0s. Shot at 18:47:17 on Oct. 14, 2024.

この日も周囲にいた若いお兄さんがいち早く彗星を捉えました。雲と雲の間に彗星が頭を出した。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 640, 120mm, f2.8, 6.0s. Shot at 19:02:34 on Oct. 14, 2024.

また別の雲に沈みそうな彗星。尻尾が長くて換算120ミリの望遠レンズには収まらないほど。この頃には北極星が見えていて、赤道儀の極軸を合わせているので、露出をもっと長くすれば良かった。

October 17
淡路島から帰って次の日は琵琶湖対岸の湖岸緑地公園に行き、機材は準備万端でしたが突然現れた雲が空全体を覆い、月すら見えない悪条件となりました。撮れた彗星の写真は一枚だけ。


October 20
17日に行った湖岸緑地公園から少し南下した別の緑地公園で撮影に挑みましたが、この日も日没後に突然、空全体が厚い雲に覆われて撮影できず。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 8.0s. Shot at 18:29:40 on Oct. 21, 2024.

October 21
伊吹山と淡路島で撮影してから1週間以上が経ち、彗星は急激に減光していたはずですが、21日に近くの山の中腹で彗星の全体像を初めて捉えることができました。恐らくこういうことだと思います。上の画像を撮影したのは18時30分頃で彗星の高度は27ºでした。撮影地から見える山の稜線はおよそ高度20º。日没後、1時間以上が経過して月明かりの影響もなく、十分に空が暗かったので、4等星ぐらいまで暗くなっていた彗星が目視でも確認できるほど、明るく見えた。前方散乱のおかげで長い尻尾も写ったということでしょう。

Nikon D7000, Tokina AT-X 116 PRO DX, ISO 1250, 24mm, f2.8, 8.0s shot at 18:33:36 on Oct. 21, 2024

周囲が十分に暗い環境だと、ISOを高くして長めの露出に設定できます。画質はRAWに設定しているので、もっと大幅な補正が可能ですが、派手な写真は私の好みではないので補正は控えめに。

OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro, ISO 1250, 120mm, f2.8, 8.0s. Shot at 18:54:13 on Oct. 21, 2024.

地上の景色が少しでも視野に入ると、星景写真って感じになります。

October 25
25日もBBさんをお誘いして山の中腹で撮影を試みましたが、生憎の天候となりました。結局、10月21日の撮影が最後となったようです。

C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 11

18:13:12, Apple iPhone 12 mini, ISO 800, 26mm, f1.6, 3.2s

翌朝に気付いたのですが、三脚固定のiPhone 12 miniで撮影した画像のほぼすべてに彗星、C/2023 A3 (Tuchinshan-ATLAS) がうっすらと写っていました。準備中に確認した通り、彗星は金星とArcturusのちょうど中間辺りにありました。

18:14:54, Apple iPhone 12 mini, ISO 1250, 26mm, f1.6, 4.8s

頭の部分が厚い雲の中ですがこの画像にも極めて長い尻尾がうっすらと写っています。

18:15:52, Nikon D7000, AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 800, 75mm, f2.8, 2.0s

側で彗星撮影をしていた、徳島からやって来たという青年二人が真っ先に彗星を捉えました。往路途中の大鳴門橋で大きな交通事故を目撃したそうで、下りが通行止めになっていたとか。どうやって徳島に帰るかを気にしながらフルサイズのカメラで撮影されていました。

18:51:57, OLYMPUS E-P5 M.60mm F2.8 Macro, ISO 640, 60mm, f2.8, 6.0s

西の低空は厚い雲ですが、北の方は晴れていて北極星が見えていたので、赤道儀の極軸を合わせました。6.0秒の露出で、換算120ミリの望遠レンズでも星が流れていない。

19:02:48, Nikon D7000, AF Nikkor 50mm ƒ1.8D, ISO 1250, 75mm, f2.8, 5.0s

Nikon D7000ではインターバル撮影ができずに結果として撮影枚数が少なくなりました。原因はライブビューで撮影していたからだと思われます。

飛行機雲のように長くて立派な尻尾。実際には空はこんなに明るくないので間違えることはありませんが。厚い雲に邪魔されましたが、それなりに大彗星を画像に記録することができました。

今夜の宿泊先は東海岸のFairfield BY MARRIOTTホテル。

オープンしてそれほど時間が経っていないそうで、こぢんまりとしたロビーに設置された大きなテーブルと椅子が快適そのもの。

何杯でもお代わり無料の最新型コーヒーマシーンでカップ麺にお湯を注いで、

テラスで夜食。

2階の部屋も快適でした。

浴槽がないバスルームには脱衣場がなく、ベッドの方から丸見えなんやと思いながらシャワーを浴びた後に気づきました。寝室とバスルームの間に大きな引き戸があることに。

C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 12へと続く。
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C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) — Part 10

明石海峡大橋を渡るのはちょっと久しぶり。今回の目的は話題の彗星撮影。

昼食は淡路S.A.に出店する、株式会社ダスキンがフランチャイズ展開するTHE丼の海鮮丼。同行者は「釜揚げしらす丼」、私は「たこの唐揚げ丼」のセット。いずれも淡路S.A.店限定メニュー。

出発前から目星を付けていた撮影候補地はあったものの、実際に行ってみたら西の空が地平線まで見えなかったら困るので、淡路サービスエリア下りの観光案内所で目的を告げて、条件を満たすような場所がないか、お姉さん方に教えていただきました。

広角レンズで狙えるほど尻尾が長い大彗星なので、人と違う写真を撮るのなら前景が最も大事。目星を付けていたのは、弥生時代(約1800〜1900年前)の鍛冶遺構を中心とする集落跡を復元した五斗長垣内遺跡である「弥生の森」。

Sky Safari A/R Screen Shot

夕暮れ時の天候条件が良ければ、こんな写真が撮れるかもしれません。彗星の核は金星とArcturusを結んだラインの中央付近。事務所の兵庫県教育委員会の職員さんに尋ねると、この施設は5時に閉まるとのこと。5時以降は動物除けの電気柵が通電されるので、柵の内側に入ろうとして怪我をしても責任は取れませんとのことでした。言い換えれば、自己責任で良ければ入っても構わないことを暗に示唆されました。

日没までまだ時間があったので、観光案内所のお姉さん方に教えてもらった、「焚き火カフェEmoTOKYO」に向かいました。確かに西の低空に何もない絶景の海岸沿いにカフェはありました。太陽はもうすぐ右下の瀬戸内海の中に沈む、少し遅れて彗星も。

カウンター席がすべて海側を向いている。

海を見ながら焚き火?

こんな英語表記の看板、国内で初めてみました。”BEHIND THIS DOOR IS SMOKING AREA”と書いてある。私の大学卒業論文のテーマである、「主語倒置文で旧情報>新情報、文末焦点」をうまく利用している。卒論はフランス語でしたが、情報の流れは英語も日本語も同じ語順。

レトリバーのSurf君が招き犬になっているところなど、近くのOBERTONにどことなく似ている。店員さんに尋ねると、店は8時まで営業するそうで、彗星の撮影には店の照明や街灯が邪魔になって適していないかもしれないとのことで、別のとっておきの場所を教えてくれました。もう少し、南に行った「五色夕日が丘公園」というところ。

あまりにもマイナーで地元の人しか知らないのか、Apple Mapsに載っていない。そういえば、「焚き火カフェEmoTOKYO」も掲載されていなかった。仕方なくGoogle Mapsのナビを使いましたが、途中でGPSに支障があり方角がわからなくなることがありました。それにダッシュボードに取り付けたiPhoneが高熱になり、システムが何度も終了する事態に見舞われました。異常な太陽フレアの発生に伴う磁気嵐と季節外れの異常な高音直射日光が原因と思います。

意味不明な石造りの大きな船とか方位磁石不要の石像物が置いてあり、夕陽を見るにはちょうど良い。

遠くまで来た甲斐がありました。

機材を準備していると、夕陽目当てと思われるカップル数組と彗星撮影が目当てのカメラマン数人が集まりました。

瞳孔が若い頃のように開かないので暗所で見辛く、星も見えにくくなっている私にとって、同好者が側にいてくれるのは有り難いこと。彗星を先に見つけてくれる。

良い写真、撮れそうです。

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