Welcome To The Fly Fishing World — Part 10

A氏に同行する今季最後の釣行を前に、アダムズフライをベースにしたオリジナルパターンのドライフライを10本、巻いて新しいフライボックスに入れました。

以前から使っているフライボックスはガレージ内に設置したワークベンチの上に置き忘れ、作ったばかりの毛鉤10本のみを入れた新しいフライボックスをフィッシングベストのポケットに収納して出かけました。生家も現在の自宅も直線距離で数百メートルも離れていないA氏宅に到着したのが午前11時過ぎ。今日は4年ぶりにあの危険極まりない渓流の源流域に釣行します。

車止めから40分ほど下流に向かって徒歩で林道を歩き、入渓したのは午後3時頃だったと思います。入渓地点は最後の堰堤のすぐ上流の予定が、間違って下流に降りてしまい、入渓し直すことになりました。

フライフィッシングで人生初のイワナを釣り上げてもらうまで、私はキャスティングを控えるつもりでしたが、それが却ってプレッシャーになるかと思い、キャストしたら釣れました。やはり入渓する人がほとんどいないからなのか、魚は擦れていない。落としたフライがドラッグがかからずに、自然と流れれば魚は確実に食いついてきます。天然イワナらしいヒレぴんです。バーブレスの#14フックを外すのに苦労しましたが、ここのイワナは元気そのもの。

程なくしてA氏がキャストしたフライに大きなイワナがヒット。フライフィッシングでは人生初のイワナです。3年目となる7回目の釣行でやっと釣れました。私はフライフィッシングを始めて半年ほど釣れなかったように記憶しています。釣行する頻度が月に二回ぐらいでしたから、釣行回数で比較すると、7回目で釣れるのは早い方です。

私は肩の荷が下りてちょっと油断したかもしれません。一匹目と比べて小さな上の2匹目の画像データを確認すると、撮影した時刻は午後5時過ぎ。

9月下旬ともなれば、日が短くなり、山の上なら5時を回るともう薄明が始まります。この時点で林道に戻るべきでした。ここは9年前に遭難しそうになった危険な渓流です。まさか同じことを繰り返すことになるとは…

少し上流に遡上すれば、林道に戻る予定場所でしたが、一気に暗闇となり、その予定場所をあっさりと通過してしまいました。急に暗くなって時間と距離の感覚がおかしくなり、下流に戻るべきと判断したのは午後9時頃。足下が暗くて水深がわからず、濡れた大きな岩の上にも登れるよう、両手が使える状態にする必要がありました。ツーピース、6’6″のバンブーロッドをバックパックに片付けた、A氏は倒木の下を潜ろうとして、その貴重なバンブーロッドを折ってしまいました。ロッドを二本にして片付けていたので、バットもティップも折れました。私はといえば、両脚が攣って歩けない。数メートル進むたびに休憩しなければならない有り様でした。

暗闇と化した山岳渓流の中をフラッシュライトで足元を照らしながら、下流に戻って、やっと予定していた地点を見つけました。昼間なら容易にわかるところですが、暗闇だとライトを照らして初めてわかる場所です。

ワイヤーを頼りにこの急斜面を這い上り、林道に戻りました。帰路に屋台のラーメンを食してから帰宅すると、時刻は日が変わる直前の真夜中になりました。私の両脚が攣らなければ、もう少し早く帰宅できたでしょう。

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Welcome To The Fly Fishing World — Part 9

例年なら9月はF1シンガポールGPモード全開で、この時期に釣行することはなかったのですが、今年は新コロパンデミック騒動の影響を受け、シンガポールGPは中止、海外への観光旅行もできない状況です。

滋賀県内の鮎を除く渓流釣りは10月1日から2月末日までが禁漁期間だと思われるので、A氏と日程の調整ができれば9月30日までに釣行しようということになりました。今回は8月下旬以来の釣行となり、A氏にとってはいつもの山岳渓流で6回目のフライフィッシングとなりました。

この時期はヤマメやアマゴ、岩魚は産卵期直前なので、食欲旺盛な魚が釣れる確率が高いので、今回こそ記念すべき一匹目を釣り上げてもらおうと期待しましたが、この小さなヤマメのようなアマゴはピンポイントに落とした私のフライにヒットしました。

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Welcome To The Fly Fishing World — Part 8

久しぶりにGoogle Earthを使うとその進化ぶりに少々驚きました。目的地を拡大すると立体的に見え、しかも解像度が高く、オフラインで見れるようにしておけば、遭難する危険性が低くなるのではないかと思うほど。釣行日の前日にルートを確認し、今回は岩魚しかいないこちらの源流部に行く予定でした。

ところが、当日の朝に局所的ではありますが雨が降り、予報では一日中いつ雨が降るかわからないということだったので、目的地をより安全ないつもの谷に変更しました。

2年前に始めたこのシリーズも、Part 8になりました。A氏にとっては今年初の釣行であり、私が同行するのは5回目になります。この日の午後、雨は降らなかったものの、水温が極めて高く、夕方になってもハッチはないし、対象魚の活性は低かったと思われます。

今回も一匹目を釣り上げることはできませんでしたが、数えればまだ5回目なので、記念すべき一匹目はまだ少し先かもしれません。条件さえ整えば、いつ釣れてもおかしくはありません。

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Gone Fly Fishing 2020 — Part 1

大幅に出遅れた、今季初の釣行を記録しておきます。例年であれば、山桜が咲く4月下旬の連休前にはこのいつもの渓流にやって来るのですが、COVID-19の間接的な影響を受けたのか、初釣行は6月上旬。90年代半ばにフライフィッシングを始めて以来、こんなに遅い初釣行は去年以外に記憶にありません。

午後3時過ぎに入渓し、一時間ほどゆっくりと遡上しましたが、魚の反応が良くありません。先行者はいないけれど、蜻蛉も飛んでない。

結局、釣ってはいけない魚しか釣れない初釣行となりました。私としたことが、途中でバランスを崩して後ろ向けに転倒しました。幸にも怪我はなくすぐに立ち上がることができました。

なぜ転倒したのだろう。滑りやすい濡れた岩に乗ったわけでもないし。バランスを維持するための基礎体力が衰えているのではないだろうか。登山する高齢者が比較的、安全な場所でも滑落する原因と同じであるとすれば…