Single-Flower Vase Made of Kaya and Test Tubes

碁盤を解体してできた榧の端材を使って、ちょっと大きめの一輪挿しを製作しました。

等高線のような木目が特徴的な材ですが、ネットで「榧、木目、杢」のキーワードで検索しても同じような木目がヒットしません。相当、珍しい材なのか、あるいは榧ではないのか?よくわかりません。(追記:同様の木目の材がヒットしました。やはり「本榧」と呼ばれる日本産の榧で間違いなさそうです。碁盤や将棋盤の他に仏像などの木彫り用の材料としても古代から使われているようです。)

使用した試験管は先日、東寺ガラクタ市で仕入れた太くて長めのPYREX®ブランドの試験管。試験管の径18ミリに対し、ø19ミリのドリルビットを使って穴を空けたので、逆さにすると試験管が穴から出て破損する恐れがあるので、テープを巻いて口径を調整しました。

これまでに製作した一輪挿しの中で最も大きくて背が高い。いつものように全体に亜麻仁油を塗布すると、特徴的な木目がさらに際立つようになりました。

Single Dish Dining Table for Cats — Part 4

穴を空けた際に傷が付いて没にしたクリの一枚板を自作のトリマー用平面出し治具を使って少し削って修復しました。桜と比べると軟らかいクリ材は加工しやすいものの、木口や木端に近い位置で枘穴を貫通させると木目に沿って割れが発生することもあります。割れ目を拡げながら木工接着剤を塗布して固定中。

前回と同様に今回も同じクリの端材を脚部に使用します。

ウリンの端材を加工して楔を打ち込みました。

Single Dish Dining Table for Cats

完成した猫用一枚皿食卓テーブル全体に亜麻仁油を塗布しました。米国製CORELLEの小皿がピッタリと隙間なく載るように0.5ミリぐらいの精度で穴を明けました。

左が前回、右が今回、製作したもの。そろそろ猫用一枚皿食卓テーブルの製作に飽きてきた。メルカリに出品して妥当な価格で売れたらさらに増産するかもしれません。

今回、製作した猫用一枚皿食卓テーブルの寸法を以下に記しておきます。

天板:L150 x W199 x T11~12ミリ
天板高さ:107ミリ
穴の口径:129ミリ
皿の口径:137ミリ
皿の深さ:34ミリ

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Single Dish Dining Table for Cats — Part 3

木目に直交する向きに幕板を取り付けてぐらつきを抑えました。幕板は反り防止の役目もあります。

全体に亜麻仁油を塗布。

Single Dish Dining Table for Cats

別の皿を載せるとサイズがぴったし。

皿は前世紀にミシガン州のスーパーで買ったCORELLE®の小皿。今では希少なMADE IN USA.

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Single Dish Dining Table for Cats — Part 2

貫通させた枘穴がちょっと大きくてガサガサ。隙間ができそうですが、ウッドパテを埋めて塞ぎます。

ウリンの端材を使って加工した楔を木の繊維と直交する向きで叩き入れます。

余分の枘と楔をカット。4本の脚はほぼ垂直に立っています。予想した通り、少しぐらつきがあるので幕板を取り付ける必要があるかもしれません。

皿を開口部に入れてみましたが、

穴の直径に対して皿の直径が少し大きい。コロ付きビットを装着したトリマーで面取りしても穴の径は変わらないのでどうしようか?

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Single Dish Dining Table for Cats — Part 1

先日、大西製材所で入手したクリの端材を使って、猫用一枚皿食卓テーブルを製作します。まずは、自作の平面出し治具を用いて木裏の凸部を平らにします。

次は木表。

左側が12.7ミリのビットを装着したトリマーで削った部分。トリマーで少し削っただけで、クリ材らしい綺麗な木目が現れました。

両面を削って大体、平面になりました。

次に神沢の自由錐を使って穴空け。実はこれは二枚目。一枚目は穴空け作業に失敗し、没になりました。失敗した原因はドリルに取り付けた自由錐が緩んでいたことで、平面出しをした板に傷が付きました。

天板の薄さに合わせて脚も細い。これ以上、板が薄くなると力を入れたら割れそうになります。クリ材はまあまあ硬い材ですが、薄く、細くすると耐えきれずに破損しそうになります。同じクリの端材を使って箸を加工してみましたが、今にも折れそうなので、没としました。箸には向いていない。

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Making Whetstone Bases — Part 11

こまそうさんから一千円で譲っていただいた天然砥石を試してみました。泥が出にくいと言われていた通り、刃物を研いでもほとんど泥が出ないので、研磨できているかどうかわからない。

面直し用として使っているダイヤモンド砥石で表面を削ると、白っぽい綺麗な泥が大量に出る。表面が水平ではなかったので、ダイヤモンド砥石で表面を水平にしてから包丁を研いでみると切れ味が向上しました。仕上げ砥として使えそうなので、専用の砥石台を製作することにしました。

台として使用する材はWRCの端材。トリマーで3ミリほど彫り下げました。

天然砥石を載せながら微調整。

同じWRCの端材から加工した足を付けて、

砥石台がほぼ完成。隙間にウッドパテを埋めると固着します。

手元にある天然砥石で最も似ていると思うのは、五代目山本石衛門さんからメルカリで購入した「正本山合砥」です。この砥石も白っぽい泥が出て、表面の滑らかさが同程度。桂川の上流で拾ったと言われていたので、「桂砥」と命名しよう。合砥と言えるかどうかは微妙なところ。青砥寄りの仕上げ砥ということにしておこう。

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Ise Jingu Miyama Cedar — Part 3

名神京都東ICから新名神甲南ICを出て、名阪国道友生ICから伊賀コリドールロードを経由し、自宅から2時間以上を要してやっと到着したのは大西製材所。

父が外材(輸入木材)のブローカーを滋賀県下で営んでいた私にとってはどこか懐かしい景色です。

時刻は正午前。到着後すぐに間違ってお隣の製材所で作業する人に声をかけたところ、お昼の休憩か何かで大西製材所の方は不在であることがわかりました。電話をかけても拡声器のようなスピーカーから大きな呼び出し音が鳴るだけでした。

私の実家にも呼び出し音が大きく聞こえるスピーカーを勝手口に取り付けていたのを思い出しました。携帯電話がない時代に事務所にかかってきた電話の呼び出し音は外にいたら聞こえないのです。当時、個人事業主だった父はほぼ毎日のように、大阪南港(北米、ニュージーランドから輸入される木材)や舞鶴(旧ソ連材)の取引先や滋賀県内の製材所を自家用車で行き来していました。自動車電話はあっても携帯電話はなかったのです。

勝手に誰もいない製材所の敷地内に入らせていただき、トイレもお借りしました。

私にとって製材所は昔からこんな感じです。自動車の免許証を取得してから五十日と呼ばれる、5か10が付く日にドライバーのアルバイトをしたものです。前世紀末頃から外材と呼ばれる輸入木材は原木ではなく、現地で製材したものが輸入されるようになり、国内の製材所は多くが廃業しました。

今尚、残る製材所では内地材を主に製材しているはずです。家屋を建てる際に必要となる桧や杉といった針葉樹を製材すれば、建材になります。こちらに積み上げられたような板材は建材というより家具の製作に使う材のようにも見えます。

このような巨木も製材できる設備を所有する製材所が今も現役で活躍しているのでしょう。おそらく昼休みで誰も居られないのだろうと思い、我々もランチに出かけました。

Apple純正Maps appで数キロ内のレストランを検索したら数件、ヒットし、その中で古民家カフェ365日が良さそうだと思い、行ってみましたが、メニューを見て却下。ランチに一人二千円は出せない。今日の目的は大西製材所で御山杉に関する情報を得ることです。

OMSTEWオムシチュー

そこから別のレストランを探して見つかったのが伊賀市内のYumeicco。一階が八百屋さん、レストランは二階で、私はオムシチューランチ(1,380円)、同行者はパスタランチ(1,380円)を注文。

釜揚げしらす、じゃがいも、ズッキーニ、レモンのオイルパスタ

いずれのメニューにもサラダとスープが付いていました。元々は老舗の八百屋さんだけあって、料理に使われている野菜が特に美味しい。

昼食後、大西製材所に戻りました。経営者の息子さんが作業中でした。先日、電話したものですと言ったら伝わっていたようです。

御山杉

大津市の松井工業から入手した杉の一枚板(御山杉)のことを伝えると、見せていただいたのが穴がいっぱいあるこの端材。これが御山杉の特徴だそうです。

まもなくして社長が製材所に戻ってこられました。持参した御山杉の端材を見せながら、お話しさせていただきました。間違いなく、こちらで製材したものだそうです。樹齢を数えたら240年ぐらいだったことを伝えると、「いやいやそんなものではない、もっと古い」と言われました。

近所で伐倒した杉

こういうことかもしれないので、手元にある玉切りした杉の断面を使って説明します。上の画像のように芯材の中心を通る位置でカットした材であれば、中心から辺材の端までの年輪の数を数えると、玉切りした高さでの樹齢がわかります。この杉であれば樹齢は40〜50年ということになります。

近所で伐倒した杉

松井工業を経由して我々が入手した御山杉の一枚板は幅が60〜70センチです。製材する前の原木は直径が150センチぐらいはあったそうです。(←製材所を訪れて得た情報の中でこの情報が最も貴重)我々の手元にある御山杉は元々の直径の半分ぐらいなので、上の画像の杉であれば、この辺りをカットしたものということになります。

御山杉一枚板

この部分で数えた樹齢が240年ぐらいであるとすれば、大西製材所社長が言われるように、本来の樹齢の半分ぐらいしか数えていないことになります。

御山杉一枚板

つまり、推定樹齢は500年とか?和暦で言えば、江戸時代よりも古い室町時代とか安土桃山時代になります。

黒柿

神宮杉が倒れて御山杉となり、松阪もしくは鈴鹿の木材市で落札したと社長は言われていました。その時期は台風21号の被害が私の記憶に残る2017年ですか?と尋ねると、「いやもっと前」と応えられたので、今世紀のことかどうかも怪しい。もっと突っ込んで聞けばよかった。

御山杉の情報だけ聞いて帰るわけには行かないので、栗の端材を入手することにしました。大西製材所では珍しく、家具製作などの木工の材料になりそうな広葉樹も多く扱われておられます。

高野山の杉

帰り際に同行者が高野山で伐倒された杉の老木について説明を受けたようです。穴が多いこの高野山の杉は直径75センチほど。

高野山の杉

御山杉はこの二倍ほどの直径、つまり背が少し低い人の身長ほどだったそうです。

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Single Dish Drinking Table for Cat ISON — Part 2

バイスに挟んだウリンの端材を別所太郎作の両刃鋸で斜めに切断して楔を加工。微調整は刃幅9ミリの追入鑿で。楔の長さは20ミリになるように自作テーブルソーで加工済み。

枘に小さな穴を空けてから鋸で縦挽きして、楔を打ち込む切り欠きを入れました。枘に貫通させる小さな穴は、楔を打ち込んだ際にこれ以上、縦に裂けないようにするため。その後、天板の枘穴に裏から枘を通して、切り欠きに楔を打ち込みました。枘の周囲と楔に木工接着剤を塗布。

貫通させた枘の余分を切断し、細かな大鋸屑を木工接着剤で練り合わせた自作パテを僅かな隙間に埋めました。その後、平鉋と鑿、サンドペーパーで天板表面を処理。4本の脚はほぼ垂直に取り付けることができたので、桟は不要。

全体に亜麻仁油を塗布しました。

弘法市で購入した100円のガラス製器を載せてみました。かなり低いテーブルとなりました。

完成した水飲み用テーブルを母屋に持って行き、使い心地を検証。

ここまで低いと立ったまま補水できるにゃ。

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Single Dish Drinking Table for Cat ISON — Part 1

水飲み専用のテーブルを桧の端材を使って加工します。

穴空けは神沢の自由錐。両側から均等に穴を空けようとすると段差が生じるようです。中心の穴が貫通したら、裏返して1〜2ミリぐらいの浅い切り込みだけにしておいて、元に戻して最後まで貫通させた方が良いのかもしれません。

先日、弘法市で100円で買って来たガラスの器専用とします。

かなり低めのテーブルとなりますが、飲んだ水を吐き戻すことはないので、このぐらいの高さの方が飲みやすいでしょう。

枘穴を貫通させる位置を裏表両面に印しました。桧の天板なので、コーナーぎりぎりに穴を空けると割れが発生するかもしれないので、少し内側に。

枘を通しました。

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Single Dish Dining Table for Cat ISON — Part 3

自作のトリマーテーブルを使って縁取りしました。

枘に楔を打ち込んで、桟を二本の脚の間に入れて垂直を調整。

小さな楔を鋸と鑿を使って加工する新たな方法を見つけました。

全体に亜麻仁油を塗布。桧よりも桜の方が濃くなる。今回、製作した一枚皿用のテーブルはウリンの楔以外、すべて桜材を使用しました。

脚部を組み立てた後、脚の長さを調整しなくても安定している。

二枚皿用のテーブルと大体同じ高さになるようにしましたが、水飲み用のテーブルとしてはちょっと高いかもしれない。

水飲み用テーブルは別に製作しよう。

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Single Dish Dining Table for Cat ISON — Part 2

枘穴の位置を決めて、天板の表と裏の両方に墨線を正確に入れる必要がありますが、0.1ミリ単位の精度で墨線を入れて、鑿で枘穴を加工するには遠近両用眼鏡では近くがぼやけて見づらい。

パソコン用として使っている近々レンズの眼鏡を屋根裏部屋から取って来ました。この辺りかなと勘に頼りながら作業するには対象物が細かすぎるのでやはり、小さなものを加工するには手元だけがよく見える近々レンズは必須のような気がします。

許容範囲の誤差で通し枘ができました。

小さな楔にはウリンの端材を加工。

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Single Dish Dining Table for Cat ISON — Part 1

平面出し治具を使って削った桜の一枚板は厚みが13ミリとなり、スツールの座面としては薄すぎて使えないので、Cat ISON用食卓テーブルに加工することにしました。今回は皿が一枚だけのテーブルとします。

脚は20ミリ角に加工した桜の端材を使用。

前回と同様に神沢製の自由錐を使って桜の板に穴を貫通させました。今回は皿の径に合わせて縁まで十分に沈む穴を空けました。桧よりも材が硬い。

こんなに小さい通し枘を加工するのは久しぶりというか初めてかもしれません。脚は適切な高さになるよう、後で短く切断する予定です。

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Leveling Jig — Part 3

ある程度の平面が出たと思っていましたが、よく見るとまだまだ反っている。こんなんでは満足できないのでさらに桜一枚板の平面出し作業を続けます。

二日も要してやっと満足できる程度の平面が出ました。元々、厚みが30ミリあった板がほぼ平面になる頃には厚みが13ミリになりました。スツールの座面にしようかと考えていましたが、これは薄すぎる。

治具自体はこれで良しとします。幅450ミリぐらいまでの板を削ることができます。

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Leveling Jig — Part 2

平面出し治具の足とレールを木工接着剤とビスで固定しました。

手元にあるストレートビットで最も幅が広い12.7ミリのビットが通るような深めの切り欠きを足に入れました。切り込みの深さは足が折れない程度に。

中央部分が盛り上がる面(木裏)から削り始めました。

最初は削る対象である捻れた桜の一枚板を簡易作業台に固定し、治具を10ミリずつぐらい移動させて削っていましたが、切削深さが3ミリを超えるような使い方をすると、治具が動いてこんなことに。

こちらは木表で、周辺部分が盛り上がっている。

治具を簡易作業台に固定し、切削対象の捻れた一枚板を少しずつ移動させる方法に変更しました。

手前にある切削前の一枚板は厚みがおよそ30ミリでしたが、かなり削ってやっとほぼ平面になりました。ここまで削るのに一日は要しています。桜の甘い香りと同時に大量の大鋸屑が出ました。

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Leveling Jig — Part 1

トリマーを使って板の平面出しをするための治具を製作します。先日、製作したナイトテーブルの脚部に使った材は主に桜であり、その出来栄えに満足して、今度は同様の桜材を使ってスツールか小さなテーブルを製作しようかと考えています。手元にある桜の一枚板はどれも反りがひどくて大抵の場合、捻れている。そのような材をトリマーを使って平らな座面や天板にするには治具が必須となります

治具はこのような形状のものを考えています。一辺が90ミリのトリマー(KYOCERA MTR-42)の四角いベースプレートをレールの溝に入れて、前後に動かせて板が一定の高さになるように削るための治具です。

溝を切削する材は0.1ミリ単位の精度で加工できる桧の端材。足の部分はSPFの端材を使用。

溝の高さ(幅)は9ミリ、深さは4ミリ。溝の下端から床までの高さは53ミリになるよう、足に切り欠きを入れました。

レールと足はまだ固定していません。

トリマーのベースプレートの一辺が90ミリに対し、レールの幅は93ミリとしましたが、ちょっと遊びが大きすぎるので92ミリが良いだろう。

Leveling Jig — Part 2へと続く。