Gone Fly Fishing 2022 — Part 5

シーズン最後の釣行先は2年ぶりに訪れる危険な山岳渓流。早めに自宅を出ましたが、逆方向のガソリンスタンドで給油して、目的地に最も近いコンビニで弁当を買って、県境の車止めに到着したのは、出発しておよそ2.5時間後の午後1時ごろ。車止めから半時間ほど下流方向に林道を下ったところに、広葉樹の巨木が道を塞ぐように倒れていました。2年前はこんな状態ではなく、最近玉切りした様子だったので、木が倒れたのは今年のことかもしれません。薪として持ち帰りたいところですが、徒歩で重い丸太を30分も持ち運ぶのは不可能。

目的とする渓流が林道に最も近づく地点、帰りはここからこのほぼ垂直の崖をよじ登る計画です。錆びた太いワイヤーを両手で握って、体重を支えながら。

さらに15分ほど林道を下った地点から入渓しました。下流に向かって撮影した上の画像のどこかに栗鼠がいるはずなのですが。(動画には映っています。)滋賀県内で野生の栗鼠を目撃したのは初めてです。細い枝の上から飛び降りるようにして着水するのを見ました。しかも続けて2頭も。

滅多に人が入ることはない危険極まりない山岳渓流の源流部なので、釣れるだろうと思っていたら数投めで比較的大きなサイズの美しい岩魚が釣れました。

毛鉤を外すのに少々手間取りましたが、生きたままリリースすることができました。

水流の影響を受けにくいところで岩魚はしばらく休んでいました。

シーズン最終日はミシガン州のロッドビルダーが製作した年代物のバンブーロッドにバンブーロッド用フライライン、ORVIS製のクラシックなリールの組み合わせです。毛鉤はいつものアダムズドライフライを模したオリジナルパターン。

上の画像に写るポイントは以前、大物に出くわして、ティペットを切られた記憶があります。今回も大物がヒットしましたが、沈んだ倒木の下に逃げられました。岩魚は捕らえた獲物を岩陰など、安全な場所に持ち帰る習性があるようです。

一級ポイントの滝が見えてきました。滝の向こう側にワイヤーがある崖。林道を猿が数頭、通過するのが見えました。

滝の手前で小ぶりな岩魚が釣れました。源流部に近いこの辺りではアマゴは生息していないと思われます。私は見たことがない。釣れる魚はほぼ100%、岩魚。

100メートルもない短い範囲で、4匹ぐらいは釣れました。最後に釣り上げたこの小さな岩魚の画像データを調べると、撮影時刻は16時14分。これからイブニングライズが始まろうとしていましたが、安全を優先させて明るいうちに林道に戻ることにしました。

計画通りにほぼ垂直の崖をよじ登ろうとしたところ、自分の体重が重くてワイヤーで支えることができない。ウェイディングブーツは苔が生えた濡れた岩の上なら滑らないけれど、土でできた垂直の崖は滑る。2年前に遭難しそうになった時は、暗闇の中をワイヤーを頼りによじ登ることができたのに、今日はまだ日没前なのに、腕がパンパンでよじ登れない。足がしっかりと接地していない状態なので、両腕で全体重を支える必要がある。

一服しながら周囲の状況をよく観察すると、左手により緩やかな崖があることに気づきました。ワイヤーを頼りに垂直の壁をよじ登るのは諦めて、左手の崖を登ることにしました。何のことはない。腕力をそんなに使うことなく、四つん這いになって這い上がることができました。

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Gone Fly Fishing 2022 — Part 4

昨日はTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ開催のため、通行不可だった林道を経由して、いつもの渓流上流部でフライフィッシングを続行しました。その林道ですが、道路が補修されていて、ほぼすべての窪みが新しいアスファルトで埋められてあり、これなら確かにタイムアタック可能と思わせる状態でした。国内B級ライセンスで気軽に参加できるラリーチャレンジとは言え、本気モード全開のドライバーもいたのか、ところどころに真新しいタイヤ痕が残っていました。

釣りの方は本気モード全開でも今日も釣果はゼロ。釣りシーズン末期のこの時期はF1シンガポールGPモードが全開で、初開催となる2008年以降一昨年までは毎年、現地観戦でした。(新コロ茶番継続中の2020年と2021年はシンガポールGPが中止となり、その2年は除く。)

この時期に釣れない原因は何だろう?

  1. 本流での魚の個体数が減っている。
  2. 魚が産卵場所となる上流や支流に移動している。
  3. イブニングライズが始まる前の明るいうちに納竿している。

1.もありそうだけれど、尤もらしい原因としては3.が疑われる。年齢と共に進行する体力と暗所での視力低下に対応するため、渓流での釣りは3時間が限界となり、明るいうちに林道に戻るようにしていますが、これが釣れない最も大きな原因ではないだろうか。

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Gone Fly Fishing 2022 — Part 3

今季3度目の釣行は、27年ほど前からホームグラウンドとしている山岳渓流に到達できないという残念な結果に終わりました。行く手を阻んだのは林道で開催されていたTOYOTA GAZOO Racingが主催するラリーチャレンジ Rd. 9。

この前の釣行時に9月20日は道路補修のため通行止めになるという予告がありました。長年、この林道を使って来て林道入口にこのような表示があるのは初めてだったので、なんだろう?と思っていました。連休最終日にこんな危険な林道でラリーを開催するとは。そのための林道整備だった。

AQUAと書いてあるけれど、車種はTOYOTA 86 ZN6

一般車は林道に入れなかったので、リエゾン区間である林道入口の脇に停車して、警備の人と会話しながらタイムアタックするSS(Special Stage)区間へと進むラリー車を見学。警備の人はオフィシャルではないので、TOYOTAが主催するラリー大会という情報しか知らないようでした。ここは携帯の電波が届くので、ネットで調べてみました。どうやら初心者向けのラリーのようで国内B級ライセンスがあればAT車でも参加できるとのことです。

Shinshiro Rally 2016

国内最高峰の全日本ラリー選手権、新城ラリーとは異次元レベルの入門用ラリーであることがわかりました。上の画像は2016年全日本新城ラリー、SS区間内の関係者以外立ち入り禁止エリアで許可を得て撮影。

何も情報がない時は運動公園に豊田章男が来ているかもしれない、元F1ドライバーのHeikki Kovalainenが参加しているかもしれないとあらぬ想像を巡らせました。

釣り場に向かう三つのルートのうち、二つのルートがラリー開催で通行止め。残り一つは崖崩れか何かで一昨年ごろからずっと通行止めであることはわかっていましたが、通行止めゲートの近くから徒歩でダム上流に行けなくもないので、こちらで釣りをすることにしました。

徒歩で20分近く歩きましたが、安全に入渓できそうなポイントはここしかないだろうと思われるところから、仕方なくダム上流に下りました。河川の周囲は開けているので、フライラインを思いっ切り出したキャスティングは可能ですが、ここで釣れた記憶がほとんどない。

人工物が視野に入らない綺麗な景色をiPhoneで撮って、早めに納竿。

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Gone Fly Fishing 2022 — Part 2

今季二度目の釣行はシーズン末期の9月中旬になりました。この前、製作した荷台が釣り道具一式を載せる際も役に立っています。

Abelのフライリール、TR LightとHardy Perfection Glass 6’6″ (198cm) #3

入渓地点はテントが張れる場所。京都ナンバーの乗用車が一台、停まっていて、先行者が釣りを終えて休憩されていました。餌釣りをしたそうで、今日はアブラハヤしか釣れなかったと言われていました。餌釣りとフライフィッシングとでは狙うスポットが違うので、まあ良いかと思い、先行者と同じ場所から入渓して上流へと向かいました。

産卵を控えたこの時期に釣れないことはないだろうと高を括っていたら、本当に釣れない。大きな流木を撮影して終わり。

如何にも餌釣り師が狙いそうなスポットは魚の反応がない。9月中旬の山岳渓流でも高温多湿でウェイダーの下は浸水したのかと勘違いするほどの汗まみれ。真夏と変わらない暑さなので、昼間の釣りは条件が悪かったのかもしれません。

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Gone Fly Fishing 2022 — Part 1

梅雨入り直前に今季初の釣行となりました。いつもの場所に車を停めて、入川したのが午後1時半頃。いつもより早目。イブニングライズが始まる夕暮れ時には帰宅できるようにと計画しました。

蜻蛉の季節としてはちょっと遅めですが、天候条件は揃っている。

単独での釣行時はマイペース。ここまで遡上するのに1時間近くもかけています。珍しく比較的大きなアマゴがライズしました。銀色の魚体全体が目視できるほど水中から飛び跳ねるようにして捕食していました。

タモに入り切らないほど、鰭ピンの大きな天然アマゴ。

こんなに明るい真っ昼間の時間帯でも魚が釣れるとは。

しばらくしてもう一匹。こちらは朱点がはっきりしないヤマメのようなアマゴ?

まだこれからもっと釣れそうという時に中国製バンブーロッドのティップを折ってしまいました。予備は持参してないので、帰るしかない。

車に戻り、釣り道具一式を片付けていた時、大阪からやって来たという同好者に出会いました。フライフィッシングをする人自体、この川で見かけることは稀ですが、Subaru R2を林道で見かけることはもっと稀でした。

Gone Fly Fishing 2022 — Part 2へと続く。