5台目ぐらいの車がようやく到着したようです。意味不明な英語で何回かやりとりしました。”How much are you?”と聞かれて最初は何のことかと理解できずにいましたが、機械通訳であることを察して、”We’re two people with baggage.”と返しました。次に”What is a door?”、これは理解できずに、”I don’t know what you mean.”と返答したら、”I’m at door 7.”と返してきたので、タクシーが到着した場所を知ることができました。我々は8番ドアを出てすぐの所にいました。Grabcarはタクシー乗り場での乗客の乗降が禁じられているようで、レーンを跨ぐような場所で停車していました。
日本産の米を見ていたら、店員さんがどうですか?と声をかけてこられたので、”We’re tourists. We’re here for F1.”と応えると、ドンキーのことについて教えてくれました。Clarke Quay Central店はオーチャード店に次いで、シンガポールで2番目に大きなお店で、1ヶ月半前にオープンしたばかりだそうです。
見知らぬ女性は同行者の所持品を何やら誉め立てていました。私はSteve Jobsに少し似たそのアラブ系の男性に”Where’re you going?”と聞くと、”Chinese foods…”の応えが返ってきました。それなら台湾に本店がある”Din Tai Fung”がこのすぐ先のショッピングモールにあるらしいのでどうですか?と応えると、”No, we want to take out…”
見知らぬアラブ系の男性は、F1やモータースポーツのことに関しては全く興味がなさそうでした。配偶者らしき女性は同行者の所持品をまだ褒めている。男性が話題を変えて尋ねてきました。”We’re going to Osaka.”「来たで」と内心思いながらいつ行くの?と聞き返すと、”Next week. How much is US$100 in Japanese yen?”と、US$100ではないどこかの国の高額紙幣を見せながら本性を表す質問が来ました。
“About ten thousand” と、子連れの詐欺師に応えながらほぼ同時に「こいつら詐欺やで、詐欺、詐欺!」と同行者に注意喚起しました。日本語の「詐欺」という言葉は知らないようでした。詐欺師は”Osaka”を連呼、私は「詐欺」を連呼。「詐欺」という日本語を知らない愚かな詐欺師は日本の紙幣を見せてくれと要求してきました。現在のレートではUS$100は¥10,765ぐらいです。この時点で相手に一万円札を見せてしまうと、あなたは少し徳をするとか言いながら、自分が持っている偽札と交換して欲しいと言い出すに決まっています。数枚の紙幣を相手に渡してしまうと、何枚か抜かれることもあります。(私は30年以上も前にクアラルンプールで同様の詐欺被害に遭いそうになった経験があります。)
こんな古典的な手口で観光客から金銭を奪う詐欺師がまだいることに驚きながら、30年近く前と同じように、”We’ll call the police!”とちょっと大きめの声で詐欺師を脅しました。男性は”Why?”とか言いながら配偶者を装った女性と幼い子供と共に後退りして、雑踏の中に姿を消しました。この手口は「お金見せて詐欺」と言うそうです。他にも「寺院、今日は閉まっている詐欺」や「エキスポートセンター偽物貴金属押し売り詐欺」、「小額貸して詐欺」など多々あるようです。トゥクトゥクのドライバーが詐欺グループの一味であることも多いとか。