Fixing The Kiridashi Knife — Part 2

折れた切り出し小刀を挟むカリン材二枚の薄板が固着したので、余分を手鋸で切り落とし、反り台鉋で形を整えました。思っていたよりもこのカリン材は軟らかいので糸鋸盤を使って丸みを帯びた部分を切断しようかと少し、迷いました。結局、小型の反り台鉋で削れることがわかりました。

ヒシカ工業製木工用スクレーパーを使って仕上げました。

#120〜#320のサンドペーパーで表面を整えるとカリン製の柄はツルツル。

亜麻仁油を塗布して修復作業を終えました。折れていた私の心も修復できました。

指が短い私の手に馴染む、厚さおよそ8ミリの切り出し小刀の柄が完成しました。箸の素材としては適していないと判断したカリン、ナイフの柄には適材かもしれません。

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Fixing The Kiridashi Knife — Part 1

折れてしまった切り出しナイフを修復しようと、Scotch製強力瞬間接着剤を買って来ました。一見、くっついたように見えますが、接合部にはみ出た接着剤を別の切り出しナイフで剥がそうとしたら元通りに二つに分かれました。

金属の接着にも使えると書いてありますが、このような形状は接着強度に問題ありなのでしょう。このまま引き下がるわけには行かないので、別の修復方法を考えました。

箸の材料としては適していないと判断したカリンの端材を使って柄を加工することにしました。

画像ではわかりにくいですが、トリマーでナイフの厚みおよそ2ミリと少し分、彫り下げました。

そしてカリンの板をテーブルソーで縦挽きして薄い板二枚にしました。

二枚の薄い板で隙間なくナイフを挟み、瞬間接着剤と木工接着剤を使って二枚の板を接着しています。

新しいカテゴリー、F.I.Y. (Fix It Yourself 自分で修理) を追加しました。

Fixing The Kiridashi Knife — Part 2へと続く。

MAX TA-225LU/4J

5月第1日曜の東寺ガラクタ市で入手したMAX製エアネイラ(TA-225LU/4J)を試してみました。このエアネイラに適合するステープルが手元になかったので、八幡のムサシで買って来ました。

MAXの取扱説明書によると入手したTA-225LU/4Jに適合するステープルは4から始まる410J以降425Jまでのようです。4は肩巾4ミリを表し、13は足長13ミリを表しています。

用途として考えているのは薄いベニヤを固定したり、椅子の座面などに合成皮を留めることです。プラダンには適していないようです。

5ミリ厚のベニヤをSPF材に留めるような用途であれば問題なく使えそうです。中華ブランドの怪しげなエアネイラーと比べると、本体がしっかりとしていて安心感があります。

Kiridashi Knife

切り出しナイフは日本特有のものでしょうか?適切な英語訳が見つかりません。日曜に東寺ガラクタ市で入手した切り出しナイフを二種類の天然砥石で研いでみました。

元々、切れるナイフだったので切れ味はさほど変わらず。裏に○の中に井のトレードマークがあり、表に前オーナーの名前か?「坂井」と刻んである。

Toji Garakuta Flea Market — Part 10

いつもは堀にいる青鷺が東寺南門の提灯の上でまるで置物のようにじっとしている。異常に高い気温から身を守るために日陰で休んでいるのでしょうか。

砥石は売るほどあるのでこれ以上、増やす意図はないのですが、コレクターとしてはやはり気になります。最近では指先で触れるだけで大体の粒度がわかるようになりました。私が手にしたこの#5,000ぐらいの人造仕上げ砥石、価格を尋ねると予想通りに二千円でした。店主が一千円に値下げするのはランチタイムと言われていたので、帰りにもう一度見たら、すでに売却済みでした。

相変わらず外国人観光客が多い古道具市。私も海外滞在時は週末になればフリーマーケットに出かけます。フリーマーケットに行けば、その国や地域の文化や歴史、生活習慣、物価がまさに手に取るようにしてわかる。

左のアメリカ人男性、見覚えがあると思い、日本語で話しかけると、インディアナ州出身で奈良在住の英語講師で道具を集めるのを趣味にしていることがわかりました。同好者です。同じものに興味があるようで、前回、見かけた時は日本製のジグソーを購入されていました。

今回はこのDREMEL製のミニ木工旋盤に興味津々。パーツが一部、欠損しているにも関わらず、奈良の人が尋ねた価格は7,000円。DREMEL製の”lathe”(旋盤)は珍しいそうですが、PROXXON製の同クラスの新品ミニ旋盤なら1万円台半ばで売っていると言われていました。私と同様、工具を飾る作業場を奈良で所有されているそうです。

別の店で食指が動いた切り出し小刀、値札が付いているにも関わらず、珍しく価格を尋ねると、20%引きの800円にしてくれました。切り出し小刀も刃先に指先で触れると切れ味が判断できるようになりました。

こまそうさんから入手して、自分で刃をつけたお気に入りの小刀の柄の部分が折れてから心も折れていたのでちょうど良い。

いつもの人から細くて短めの試験管を6本購入。

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Making Chopsticks — Part 19

先日、入手したカリンと紫檀の端材から箸を製作します。カリンと紫檀は共に加工するのは初めて。先ずはカリンの端材を自作のテーブルソーで9〜10ミリ角に加工しました。パオロサと似た甘い香りがしましたが、それほど強くはないほのかな香り。

木材博物館によるとカリンの気乾比重は0.40〜0.90と幅がある。加工するカリンの端材は赤褐色でまあまあ重そうなので気乾比重は0.90に近いと思います。

治具に角材を置いて、表面を削りました。幅が9ミリを超えていたので効率よく一気に削ろうと、鉋の刃を少し出し気味で削ったら逆目になったのか、引っかかりがあり、表面が凸凹に。

表面の凸凹は修正不可でした。削ればどんどん薄くなるだけ。やはり、堅木の場合は刃の出具合に注意する必要がありそうです。トリマーのビットと同じ。

カリン 箸の材料としての適性度:5段階で3

続いて紫檀の端材を加工しました。木材博物館によると、紫檀の気乾比重は0.82〜1.09と非常に硬い木です。ツンとする香りがあると書いてありますが、私は感じなかった。

カリンで失敗したので、紫檀はテーブルソーで9ミリ角に切断してから、治具に置いて少しずつ鉋で削りました。

紫檀 箸の材料としての適性度:5段階で4

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Making A Lightbox for Product Photography — Part 7

木工師匠が御山杉の端材で製作したブレスレットを持参してくださいました。球体に加工するビットを使って、珠を半分ずつ切削し、サンドペーパーで研磨してから亜麻仁油を塗布したそうです。珠の数は合計24個。かなりの労力です。

ついでにパオロサで製作した箸も試写してみました。材の色が濃いので、Photos appでレベルとカラー、露出などを大幅に調整しました。

細長い箸の形状は撮影が難しい。

鉋で削った時に逆目になって凸凹になった部分が少し残っているのが写せれば良いかなと考えています。


小物撮影用ライトボックス製作のまとめ


YouTubeの動画を参考に初めてライトボックスを製作しました。当初はボックスの木枠が写らないか心配しましたが、作ってみてわかりました。写るのは背面と底面のみであり、その部分に背景幕を張るので木枠は隠す必要はないということ。

光を当てる上面と左右の側面には光を透過してディフューザーとして機能する素材であればなんでも良いようです。私はプラダンを使いました。これも当初、素材の筋が気になりましたが、側面と上面は写らないので気にしなくても良い。

被写体にもよりますが、奥行きや高さよりも横幅が広い方が側面を写さずに撮影しやすい。

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Making A Lightbox for Product Photography — Part 6

光を反射させるカレンダーを取り外して模造紙を背景幕としました。クロスも用意していますが、模造紙でどんな感じになるのか試してみることに。小刀で模造紙を切断し、背板と底板に両面テープで留めてあるだけ。背景幕は少し垂れ下がるようにしました。

背後から見るとこんな感じ。

天板には半透明のプラダンを使い、照明器具の光が透過するように。

模造紙を貼る際に使用した道具を試写してみました。光沢紙のカレンダーとは違い、光が反射していない。

模造紙を切断するのに使った手作りの切り出し小刀を落下させてしまい、柄の部分が折れました。私の心も折れました。専用の照明は使わず、自然光のみの撮影であるためか、影の出方は調整が必要です。

御山杉の端材を使って加工した一輪挿し、細かな木目が綺麗に写っています。

Photos appから書き出したJPEGファイルをPreview appで読み込んで、ToolsメニューのRemove Backgroundを実行すると背景を透明にすることができます。この時、保存するファイル形式がJPEGからPNGに変換され、ファイルサイズが大きくなるというデメリットがあります。

撮影した画像にもよりますが、無地の背景幕なら被写体のみを無色の背景で際立たせることも可能。背景にいろんなものが写っていると狙った被写体だけを切り取るのが困難で、輪郭が滑らかになりません。無地の背景幕を使って撮影し、背景を透明にした上の画像も拡大してよく見ると、輪郭がギザギザしています。まるで製品自体の外縁部がギザギザしているようにも見えるので、製品画像としては使えない。

しばらくは模造紙の背景幕を使って、試行錯誤してみます。

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Ise Jingu Miyama Cedar — Part 9

スーパーサマーセールの最終日である8月31日、朝から馬場銘木を再訪しました。今回の目的は箸の製作に使えそうな銘木の端材を割引価格で購入することと、前回、聞き忘れた御山杉原木の入荷及び製材時期を聞くことです。

手元にある御山杉一枚板の原木と馬場銘木が製材、販売された御山杉の原木が同一のものである可能性があり、その辺りを調べたいと思いました。

先日、入手した以下の情報(2009年10月10日の中日新聞記事)によると、伊勢湾を北上した2009年10月の台風18号の被害により、倒れた神宮杉の巨木(樹齢およそ800年)が御山杉と名称を変えて市場に出たものを馬場銘木が仕入れて製材されたのではないかということです。

「内宮では8日、倒木やちぎれた枝葉が参道に散乱。正宮前付近の樹齢約800年のスギの巨木(高さ約40メートル、根元近くの直径約3メートル)が根元から折れ、参道をふさいだ。」

倒れた杉の巨木は神宮の宮域林に立っていたものではなく、内宮の正宮前に立っていたということですから、この上なく希少な御山杉です。

手元にある御山杉一枚板は伊賀市の大西製材所が製材したものであることはわかっており、その製材時期は「2017年の台風21号のもっと前」と言われていたので、2009年の台風18号により風倒木した樹齢およそ800年の巨木である可能性が高いと思っていました。

8月9日に初訪問した時に御山杉のことについて色々と教えてくださった五代目社長にその製材時期について尋ねてみました。馬場銘木のブログで情報発信しているそうで、御山杉のことについても記事を書いたので、調べたらわかるのでお待ちくださいとのこと。

事務所から戻ってこられた五代目社長によると、御山杉原木を製材したことについて書いたブログ記事は2010年7月23日付けで、杉の大木はその少し前に仕入れたとのこと。直径はこのぐらいはあったと言われていました。

箸の材料として使えそうなパオロサと紫檀、ブビンガ、カリンの端材をレジがある事務所で購入しました。どれも硬い銘木であり、標準的な長さ(230ミリ)の箸一本の二倍以上の長さ(460ミリ以上)の端材を選びました。

事務所で御山杉のことについて話していると、五代目社長のお父様である四代目社長を紹介されました。御神木の上に乗ってチェンソーで縦挽きされているのが四代目ご本人だそうで、カラーコピーしましょうか?と言われました。この御山杉の丸太は根元付近から5〜7メートルぐらいから上の4メートルだとの情報を得ました。

亡父が独立する前に勤めていた駿遠林業や独立後の取引先である東近江市の押立森林組合(現在の正式名称は「押立山生産森林組合」)のことについて触れると「懐かしいなあ!押立は昔、よう行ったわ」と、昔話が進みました。

「あそこ(ショーケース)に飾ってる宝島社の本もここで製材した御山杉の端材から作ったブレスレットの本や」とのことです。実際はブレスレットの珠一つだけが御山杉だそうです。私が先ず、目に留まったのは、「樹齢800年!伊勢の歴史を刻む、希少なご神木」という表紙の記載。四代目の銘が入ったシリアル番号付きの証明書まで付属している。これはもう間違いなく2009年の台風18号で倒れた神宮杉だろう。私の手元にある御山杉一枚板も同じ木から製材されたものであることを確信しました。

帰り際に四代目社長がこれ持って行きと言って、レジカウンターの上に飾ってあった御山杉の端材を手渡されました。

推定樹齢800年の御山杉の端材

銘木や製材、建築、家具製作に関わる仕事をしている人でも御山杉は、天然記念物の屋久杉どころではない、一生に一度、出会えるかどうかの希少極まりない代物であることを実感しました。

箸に加工しようとして購入した銘木の端材のことより、私の頭の中は再び「御山杉」で満たされました。

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Making A Lightbox for Product Photography — Part 5

底板と背板がベニヤの状態で、試しにZippoライターを試写してみました。専用の照明は使わず、ガレージのLED照明だけですが、これはこれで良いかな。木目が綺麗な薄い板をベニヤの上から張ればもっと良くなるかもしれません。

模造紙はまだ入手していないので、手元にあったカレンダーを両面テープで貼って試写してみたのが上の画像。カレンダーの裏面は光沢紙なので、光を反射していてこれは行けない。

御山杉の端材で製作した一輪挿し、これも光の反射が気になるので却下。

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Making A Lightbox for Product Photography — Part 4

木工接着剤と釘を使って二枚の側板に天板を固定しました。そして背板となるベニアを背面に釘で固定。

直角であることを確認後、底板を取り付けるための木枠を釘で固定しました。この後に底板となるベニアを木枠に釘で固定して本日の作業を終えました。後は内側の木枠をマスキングテープで隠して、バックドロップ(背景幕)を取り付ければ完成ですが、バックドロップを模造紙などの紙にするか、クロスにするか思案中。

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Making A Lightbox for Product Photography — Part 3

側板となるプラダンの寸法を調整し、フレームの溝に入れて木工接着剤で固定中。木枠の寸法は外側で450 x 300ミリ。側板は二枚、作りました。

続いて天板となるフレームに6ミリのストレートビットを装着したトリマーテーブルで、深さ5ミリの溝を切りました。天板のフレームは端から端まで溝を切りました。

切断したプラダンが溝にピタリと収まるのを確認後、天板も木工接着剤で固定しました。天板の寸法は300 x 500ミリとしました。半透明のプラダンが必要な面は天板と二枚の側板のみ。この三面の外からLED照明を投射する計画です。

ここまでの作業では釘やビスは使っていませんが、天板と側板、背板と側板や底板の接合には木工接着剤に加えて釘を使用する予定です。

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Making A Lightbox for Product Photography — Part 2

脳内図面の寸法を変更し、側板となるフレーム用18ミリ角の角材に幅6ミリ、深さ5ミリの溝を切りました。

この溝に4ミリ厚のプラダンを入れる計画です。

溝を切った側板のフレームが2個、できました。

切り出し小刀で切断したプラダンを溝に入れてみましたがサイズの微調整が必要です。

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Making A Lightbox for Product Photography — Part 1

先日、いただいた廃材と入手したプラダンを使って製品撮影用のライトボックスを製作します。想定している被写体は、箸、一輪挿し、コースター、猫用食卓テーブルなどの工作物で、ネット販売を計画する小物製品をプロっぽく撮影したいと考えています。

ネットで動画検索したら作り方を解説するYouTube動画が多数、ヒットしましたが、ダラーストア(アメリカ版100円ショップ?)で入手可能な部材を使ったものとか、古い段ボール箱を再利用したものが大半。上の方は木製フレームを使っていて本格的なライトボックスを作っています。この動画を参考にすることにしました。

斜めに穴を空ける治具、あれ前から欲しいなあと思っていますが、最近はビスを使わない枘組みや相欠きに拘っているので今回もビスを使わず木工接着剤のみで木製フレームを作ろうと考えています。

脳内図面と寸法を示す略図をもとに角材を加工しました。

フレームには18ミリの角材を使用することにしました。

実際に側面部分のフレームを床に並べてみると、長辺側(奥行き)が長すぎることがわかったので、短辺側(高さ)をもっと高くして奥行きを短くする必要がありそうです。

Making A Lightbox for Product Photography — Part 2へと続く。