Perseids 2016 — Part 2

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今年のペルセウス座流星群は3年ぶりの好条件かと期待していましたが、昼間は晴れていても夜になると空一面に厚い雲が現れ、 カメラ機材を屋外に出すことすらできない状態が続きました。雲が薄い夜もPM2.5の影響が少なからずあるようです。

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ガレージの屋根に登れば視界が広がるので、自作の専用階段を準備していましたが、極大日が過ぎて、夜に晴れても明るい月が午前2時過ぎ頃まで輝いている。今年は結局、極大前日の観察、撮影のみになりました。しばらく、月が煌々と輝いているので、星空の撮影は今月末頃までお預けになりそうです。

Perseids 2016 — Part 1

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今年のペルセウス座流星群は例年の極大(JST 8月12日午後9時〜8月13日午前0時半頃)とは別に突発出現(JST 8月12日午前9時過ぎ頃)が予想されていました。今朝、輝度62%の月が午前0時頃に沈む頃から自宅近くで三脚固定によるインターバル撮影を行いました。Olympus PEN E-P5のインターバル撮影で設定できる最大撮影枚数は99枚。撮影間隔が2秒で、露光時間20秒ならおよそ36分間の連続撮影になります。

全天で雲がほとんどない快晴でしたが、例年の極大一日前でZHR 5~10個ぐらいだったように思います。突発出現予想時刻よりも6時間以上前なので、例年よりも多い印象はありませんでした。IMOが集計したデータによると突発出現が確認されているようです。

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目視でも確認したイリジウムフレア(太陽の光を反射する人工衛星)。

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StarStax比較明合成を用いて星の軌跡を記録するグルグルも作成しました。97枚の画像をスタックしてあります。合成する元画像にDxO OpticsPro for Photosで補正した画像が含まれていると、円弧を描く光跡からずれるので、スタックする前にチェックを外してあります。

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今夜0時頃から明日の天文薄明までの極大時間帯も月齢と天候条件が3年ぶりに良さそうで、期待できます。今夜はポータブル赤道儀を用いた追尾撮影を予定しています。

Part 2へと続く。

Kenko PRO Field 7×32

A Daughter In A Box
A Daughter In A Box

Kenko/Tokina/Slik Online Shopに注文していたKenko製双眼鏡、Pro Field 7×32が届きました。箱入り娘による検品完了のようですが…

Kenko Pro Field 7x32

ポロプリズム式のクラシックな双眼鏡で、倍率が7〜8倍のモデルを京都駅前の家電量販店の双眼鏡売場で片っ端からチェックしていて、最も見やすくて質感が良いのがこの双眼鏡でした。(ショーケースの中の高級な製品はチェックしていません。)

Kenko Pro Field 7x32

メーカー希望小売価格は¥18,500(税別)ですが、家電量販店では1万円ぐらいの値が付いていました。Kenko Online Shopではアウトレット品が信じ難い¥7,380(税別)でした。これだけ低価格だと品質が気になるところですが、実機をチェックしているので問題ないでしょう。

Kenko Pro Field 7x32

高耐久アルミダイキャスト製ボディーにシボ革。

ブリッジなど、強度が求められるパーツも金属製だと思いますが、対物レンズ側のプリズムキャップは樹脂製と思われます。

Kenko Pro Field 7x32

この双眼鏡の最大の特徴はモールド成形によるガラス非球面レンズを採用し、収差が少なくなっていることでしょうか。点光源の星を見れば、収差の発生状況がわかるので、確認してみたところ、ピントが合えば星はレンズ中央部で点像に見えます。この価格帯の双眼鏡としては天の川が驚異的に綺麗に見えます。

Kenko Pro Field 7x32

箱入り娘による検品結果が右側対物レンズにマーク(毛が付着)してありました。すぐ下に白っぽいゴミが付着している。ブロアーで吹いても取れないということは、対物レンズ内側に付着したゴミのようです。これがアウトレット品の宿命なのか?

対物レンズ筒とポロプリズム部が一体になっていない、ツァイス型の双眼鏡なので、対物レンズ筒はねじ込み式であり、反時計回りに回転させれば対物レンズ筒が取り外せるはず。手で回しても緩まないので、ベルトレンチを使用すると、ある程度の力を加えた時にパキッと一気に緩みました。対物レンズ筒は樹脂製と思われます。

レンズ内側に付着していた白っぽいゴミをブロアーで吹き飛ばし、新たに別のゴミが付着しないよう、すぐに元に戻しました。この双眼鏡のレンズは国内生産のようですが、組み立てはフィリピンとのことです。ゴミは組み立て時に混入したものと思われます。防水機能がないツァイス型は、カビの発生やゴミ混入の恐れがありますが、容易に分解できるメリットもあります。

Kenko Pro Field 7x32

ゴム製見口が薄っぺらいですが、眼鏡を外しても無限遠にピントが合います。

Kenko Pro Field 7x32

別売の三脚取付ホルダーはこのネジに取り付けます。

以下に主な仕様をまとめておきます。

Objective Lens Diameter32mm
Lens Coatマルチコート
Magnification7x
Brightness20.8
Actual Field of View8.5º
Apparent Field of View54.9º
Field of View at 1,000m148.6m
Exit Pupil4.57mm
Eye Relief19mm
Nearest Focusing Distance5m
DimensionsH125 x D58 x W18
Weight630g
Interpupilary Distance Adjustment58.5~71.5mm

仕様表には記載がありませんが、プリズムは製造コストが抑えられるBK7を採用しているようです。ひとみ径(Exit Pupil)の二乗が明るさ(20.8)になります。星空観察に最適とされる7×50の双眼鏡は、ひとみ径が7.14mmであり、明るさは51.0なので、この双眼鏡と比べると理論上は二倍以上、明るく見えることになります。しかしながら、加齢と共に私の暗所瞳孔径は7mmも開いてないだろうから、双眼鏡のひとみ径が7.14mmもあっても無駄が発生しているだけで、明るさは20もあれば十分なのかもしれません。(暗所瞳孔径の平均値は20代で8.0mm、30代で7.0mm、40代で6.0mm、50代で5.0mm、60代で4.1mm、70代で3.2mm、80代で2.5mmとするデータがあります。)性的に興奮すると瞳孔は平常時よりもちょっと開いて一時的に若返るそうですが、残念ながら星を見ながら性的に興奮することはありません。

高級なBaK4と比べて低価格のBK7は光の屈折率が低く、接眼レンズと人の瞳孔に達する光量が少なくなる傾向があるので、BK7のプリズムを採用した双眼鏡の明るさはさらに暗くなるはずです。しかし、実際に星空を観察すると、BK7プリズム採用のこの双眼鏡はBaK4プリズム採用のより明るく見えるはずの高級な双眼鏡と比べても、遜色なく綺麗にくっきりと見えます。この現象は光害により、空全体が明るくなっているので、明るく見える双眼鏡で星空を見ると、背景となる空の明るさが邪魔になり、コントラストが低下して暗い星が見づらくなるのが原因と考えられます。

ひとみ径4.57mm、明るさ20.8のこの双眼鏡が、加齢と共に開かなくなった私の暗所瞳孔径に合っているのかもしれません。

The Man Who Fell To Earth

©Masayoshi Sukita
©Masayoshi Sukita

1976年に「地球に墜ちて来た男」はおよそ40年後の2016年1月10日、宇宙に帰って行ったそうです。浜大津と京都三条を結ぶ京阪電車京津線に乗車するDavid Bowieの写真、今でも鮮明に覚えています。当時、山科にDavid Bowieの別荘があったという都市伝説があるそうですが、四ノ宮方面から京都三条へと向かう京阪電車(当時は路面電車)に乗車していたことは、証拠写真があるので間違いありません。(上の写真は京阪電車ではなく阪急電車ではないかという人もいます。)

ギター小僧、カメラ小僧でもあった元天文少年の私は、1970年台後半は音楽雑誌を購読していました。記憶は定かではありませんが、当時、購読していた音楽雑誌か写真週刊誌に京阪電車京津線に乗車する「地球に墜ちて来た男」の写真が掲載されていました。

©Masayoshi Sukita
©Masayoshi Sukita

そんな京阪電車に乗って京都のとある小さなライブハウス(サーカス・サーカス)に行くと、演奏が始まる前に出演するテクノバンド(P-MODEL)とは直接関係のないDavid Bowieの曲が流れていました。何でだろう?ステージにバンドメンバーが現れて演奏が始まるとしばらくして、観客の中に「地球に墜ちて来た男」がいることが判明。世界的なスーパースターがこんな小さなライブハウスにやって来ることは極めて稀なことだったので、一生涯忘れ得ない記憶として脳裏に残っています。この出来事に関してP-MODELの平沢進氏が回想されています。1980年頃の記憶です。

Beats 1でBowie追悼特集やってます。

MISOKA-AN Kawamichiya

京都が好きなDavid Bowieは河道屋にも足を運んでいたようです。Steve Jobsとも嗜好に関して共通点があるみたいです。

Quadrantids 2016

年間3大流星群の一つとは言え、数多くの流星が観察できることは極めて稀なしぶんぎ座流星群が1月4日午後5時(JST)に極大を迎えました。放射点が地平線の上に昇るのは夜半過ぎであり、午前2時過ぎには輝度22%の月が東の空に昇ります。この流星群は極大時刻にピークが集中する傾向があるので、7時間も経過すれば、天候条件に問題がなかったとしても見える流星の数は限られます。

午前2時頃になれば、C/2013 US10 (Catalina) が月と共に東の空に昇ってきます。彗星は光度6.4等なので、ポータブル赤道儀で追尾しながら望遠レンズで撮影したら写るでしょうから、流星群は二の次で彗星を狙ってみようと考えています。

追記:昨晩はPM2.5の影響か、空全体が薄い靄に覆われており、撮影は断念しました。しかし、Arcturusと共に昇ってきた彗星はNikon 7×50の双眼鏡で辛うじて確認することができました。しぶんぎ座流星群とは相性が悪いのか、今年も一つも流星を確認することができずじまいでした。