C/2020 F3 (NEOWISE) — Part 3

北極星が見えない状況で、iOptron SkyTrackerで簡易的に極軸合わせを行う方法を試行中です。Vixen POLARIE使用時はポーラーメーターをポラリエのアクセサリーシューに取り付けて極軸を簡易的に合わせていました。iOptron SkyTrackerにはアクセサリーシューがないので、ポーラーメーターを赤道儀本体に取り付けることができません。

そこで考えたのが、カメラボディー(Olympus PEN E-P5)のアクセサリーシューにポーラーメーターを取り付ける方法です。普段つけっぱなしになっているOlympus VF-4(電子ビューファインダー)を取り外して、代わりにポーラーメーターを取り付けてみました。カメラは赤道儀と平行(極軸に対して直角)になるように固定。

三脚上の自由雲台と赤道儀の間に挟んだレベリングプレート(SUNWAYFOTO LP-76)で水平を出して、赤道儀の仰角は撮影地の緯度に合わせてあります。

磁気偏角が東に7ºで真北に向くかどうかは、北極星が見えている時に確認する必要があります。

この方法で簡易的な極軸合わせができれば、北極星が見えない時間帯、あるいは雲で隠れていても、望遠レンズで彗星の追尾撮影が可能と思われます。明るい時間帯に準備できるという大きなメリットもあります。

C/2020 F3 (NEOWISE) — Part 4へと続く。
C/2020 F3 (NEOWISE) — Part 2に戻る。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 7

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on January 20, 2015

昨夜はVixen POLARIEでの極軸合わせがうまく行ったようで、星はほぼ点像に止めることができました。上の画像は恒星時追尾モードで30秒x5フレームをスタックしてあります。画像中央から少し左下にエメラルドグルーンに輝いているのが彗星Lovejoy (C/2014 Q2)。彗星の明るさは核の部分が4等星ぐらいだと思いますが、肉眼では見えそうで見えない。加齢のため、私の目の瞳孔が開いていないのか、見えるはずの星が見えません。7×50の双眼鏡では、彗星は星雲状に見えました。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on January 20, 2015

レンズの焦点距離35mm(換算52mm)、露出30秒の5フレームをスタックすると、尻尾がはっきりと確認できます。画像は少し、クロップしました。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on January 20, 2015

同じ35mm(換算52mm)でスタックなしの露出30秒。前回撮影時はアルデバラン、プレアデス星団と三角形を形成する位置に彗星はありました。今は、ほぼ直線上に西に移動しています。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on January 20, 2015

こちらは50mm(換算75mm)、露出30秒の3フレームをスタック。昨夜はいつもの流星群観察地まで出かけたため、周囲に街灯はなく、光害がより少ない条件での撮影となりました。彗星の尻尾は長くなっているように思います。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 6

Pleiades (M45) and Comet Lovejoy (C/2014 Q2)

プレアデス星団に接近中の彗星Lovejoy (C/2014 Q2) を70mm(換算105mm)のレンズでカメラ横置きで狙ってみました。薄い雲の切れ目であったことと、すぐ近くに街灯がある場所で撮影したこともあり、彗星の尻尾は辛うじて確認できる程度でした。Vixen POLARIE用ポーラーメーターで極軸を合わせたつもりが、少しずれていたようで、星が流れています。上の画像は露出30秒の画像を10枚(およそ5分)、加算平均(露出プラス1.0)でスタックしてあります。

不本意な画像ではありますが、プレアデス星団と同じフレームで且つ35mm換算105mm相当の焦点距離で撮影できるのは恐らく、この日が最後なので、記録として公開します。

極軸望遠鏡なしでの極軸合わせに限界を感じるようになりました。広角レンズであれば、露出5分で星が大きく流れるようなことはありませんが、換算で105mmの望遠レンズともなれば、歩留まりが悪くなり、点像にできるかどうかは運まかせにならざるを得ません。

極軸合わせの精度を向上させるため、Vixen POLARIE専用の極軸望遠鏡と微動雲台を入手しようと色々と調べてみました。POLARIEには専用として使用しているSLIKの高価な自由雲台2つとGitzoの三脚、ポーラーメーターなど、かなりの投資をしています。さらに、極軸望遠鏡と微動雲台をオプションとして追加すると、オプション価格がPOLARIE本体の価格を遥かに超えてしまいます。

POLARIE専用の極軸望遠鏡は、極軸を合わせた後に極軸望遠鏡を取り外してカメラ用雲台を同じ極軸(回転軸)に取り付けるという過程を必要とする構造です。(その過程でせっかく合わせた極軸がずれる可能性がある。三脚を蹴飛ばしてずれてしまった極軸を元に戻そうとすれば、カメラを雲台ごと取り外す必要がある。)しかも、極軸望遠鏡には暗視野照明がないので北極星の導入が容易になるよう、何らかの照明装置を自作しなければなりません。

極軸合わせの精度を向上させる他の解決策はないかと調べていて、たまたま、ヒットしたサイトに今月末までセール中のiOptron SkyTrackerを見つけました。2年ほど前に当ブログで紹介したポータブル赤道儀です。メーカー直販サイトの価格が冬のセールでUS$100安くなってUS$299!送料がいくらになるのか、調べている時に、別のサイト(B&H Photo)を見つけました。カメラ関連用品を扱うニューヨークにある専門店で、海外にも発送してくれるようです。今ならすぐに使えるUS$100のキャッシュバックがあるので、極軸望遠鏡と三脚用雲台込みの製品価格はUS$199!日本へのUPSの送料$70.20を加えても合計US$269.20で入手できることになります。(iOptronの製品を扱う日本の販売代理店では6万円近くで販売されています。)

今朝、極軸望遠鏡と微動雲台らしきものが付属するそのiOptron SkyTracker(ポータブル赤道儀)をニューヨークにある専門店に発注しました。UPSで3日〜5日後に届くそうです。極軸合わせの精度が飛躍的に向上することを期待しています。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 5

Comet Lovejoy (C/2014 Q2)
30 sec. single exposure

焦点距離35mm(換算52mm)のレンズならおうし座アルデバランとプレアデス星団と共に同じ視野に彗星Lovejoy (C/2014 Q2) が入りそうなことがわかり、実行してみました。星の撮影でAF Nikkor 35mm f/2Dを使用するのは久しぶり。このレンズは若干、絞らないと、周縁部にコマ収差が現れ、減光もあります。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) StarStaX_DSC_9646-DSC_9655_lighten
30 sec. exposure x 10 stacked

この日は北の空が曇っていて北極星が見えたり、見えなかったり。こういう時は、ポーラーメーターを用いて極軸を合わさざるを得ません。Vixen POLARIEは7ºではなく、東に4ºだけずらしました。それが功を奏したのか、露出30秒x10コマ(5分)を比較明合成しても、それほど星は流れていません。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) StarStaX_DSC_9731-DSC_9737_lighten
20 sec. exposure x 7 stacked

彗星ISON撮影用に一昨年、購入したAF Nikkor 50mm f/1.8Dにレンズを交換し、露出20秒x7コマ(2分20秒)で山の向こうに落ちそうな彗星Lovejoyをプレアデス星団と共に撮影。今回、初めてC/2014 Q2の尻尾を捕まえることに成功しました。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2)
20 sec. single exposure

この前、近地点通過直後に撮影した時よりも、彗星は増光しているように思います。この日は肉眼でも辛うじて確認できる明るさでした。こんなに明るくなる彗星は滅多に現れません。元天文少年の私でも記憶に残る肉眼彗星は数えるほどしかありません。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

換算24mmの広角レンズでもアルデバランの方に伸びる尻尾を確認することができました。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 4

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

月が昇るまで急いでカメラをVixen POLARIEに載せて、近地点を通過したばかりの彗星Lovejoyを50mm(換算75mm)のレンズで追尾しました。7×50のNikon双眼鏡で容易に見つけることができましたが、肉眼では確認不可でした。上の画像はISO 1600、f/2.5、20秒露出の画像を2枚、スタック(比較明合成)しています。本来はもっと多くの画像を合成したいところですが、極軸がずれていたのか、20秒x2が許容限界です。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

体感気温零度(実際は+2ºCぐらい)の中、月明かりの影響が出始めるまで少し時間があったので、思い切って広角の16mm(換算24mm)にレンズをセットしてISO 2000、f/2.8、20秒露出で追尾しながら撮影したのが上の画像。広角レンズでも容易に彗星を捉えることができました。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

ISOを3200に上げてみました。より多くの暗い星が写っていますが彗星の尾は確認できません。他の星と比較すると、彗星は3等台まで明るくなっていると推定されます。今後は1月30日(UT)の近日点に向かって、地球から遠ざかるので、彗星は次第に暗くなると思われます。プレアデス星団に近づく1月18日頃、写真撮影に絶好の機会です。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 3

C-2014 Q2 on December 30, 2014

輝度70.2%の眩しいほどの月明かりの影響を受けながらも、70mm(35mm換算105mm)のレンズで捉えた彗星Lovejoy (C/2014 Q2) はまだまだ増光中。撮影時は高度が30ºぐらいでした。ISO 2000、f/4.5、露出15秒。Vixen POLARIEで追尾。極軸は少しずれています。

Vixen Polarie and Quick Polaris Locator Compass

Vixen Quick Polaris Locator Compass

Vixenポーラーメーターをポラリエのアクセサリーシューに取り付けて、簡易的な極軸合わせを行う際に、ポラリエ本体内部にある磁性体との干渉によると思われる大きなずれがあることを見つけました。ポーラーメーターは元々、北極星が見えない場合に簡易的に極軸を合わせる場合に使用することがその主な用途なので、大きなずれがあったとしても、製品としては不具合ではないのかもしれません。

しかし、その大きなずれは、毎回、同じ方向(東)に同じだけ(3º以上)ずれるようです。カメラのアクセサリーシューに取り付けて「彗星キャッチャー」として使用する場合は、そのような大きなずれは起こりません。ということは、ポーラーメーターとポラリエとの組み合わせに問題があるのではないかという結論が自ずと見えてきます。

東にずれるということは、ポラリエを背面から見て右側に何か強力な磁性体があるに違いないと思い、調べてみると、FIRST LIGHT OPTICSの上の動画が見つかりました。ポラリエの筐体はビスやボルトで留めてあるのではなく、自分で分解しようとすると、壊してしまう可能性が大きいので、このような動画は貴重です。この動画は前面から見た様子ですが、左にステッピングモーターが見えます。このモーターが強力な磁力を発しているのではないかと思われます。

Vixen Quick Polaris Locator Compass

実際の磁気偏角は7º偏西であるので、東に3ºずれるのなら、4º偏西であると仮定して東に7ºではなく4ºだけずらせば、ポラリエの極軸がNCP (North Celestial Pole) を向くはず。上の画像は、北極星覗き穴のほぼ中心に北極星を導入した時のポーラーメーターの様子。北極星が見えているのなら、視野角8.9ºの北極星覗き穴の中心に苦労をしてでも北極星を導入して確認した方が賢明であると思います。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 2

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

体感気温零下5ºCの凍てつく年末の深夜、増光中のComet Lovejoy (C/2014 Q2) をカメラで捉えようと、防寒具を身にまとい、出陣しました。久しぶりに晴れていたので、先ずは軒先からNikon 8×40の双眼鏡で確認。SiriusとRigelを結んだ線を底辺に下の方に二等辺三角形を作り、その頂点辺りに手持ちの双眼鏡を向けると、ぼんやりと淡い星雲のように見える彗星が視野に入りました。去年のLovejoy (C/2013R1) と比べると少し暗いけれど、生涯で観察できる彗星の中ではかなり明るい方です。

撮影機材一式を、後部座席を倒したジムニーの荷台に積み込み、エンジンを始動させてからフロントウィンドウの霜を取り、視界を確保してから近所の雑木林へ。通行の邪魔にならないところに車を止め、撮影機材を設置。(撮影中、車は一台も通らなかったので、その必要はなかった。)

8×40の双眼鏡であんなに簡単に彗星が視野に入るということは、焦点距離50mm(換算75mm)の単焦点レンズで、地上の風景と共に同じ視野に入れて撮影できるかもしれない。iOS用App、SkySafari+で彗星の現在位置を確認し、カメラのアクセサリーシューに取り付けたポーラーメーターを使ってカメラを目標とする方向に向けて、一枚、撮影すると、ほぼ中央にエメラルドグリーンの彗星が写りました。ポータブル赤道儀、ポラリエで追尾速度1/2の星景モードで追尾したので、星が少し、流れています。画像に写った他の星と比較しながら明るさを推測すると、彗星は5等星ぐらいの等級。視力に自信がある人なら肉眼で辛うじて確認できる明るさです。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

レンズをAF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-EDに交換して、広角端の70mm(換算105mm)で、恒星モードで追尾して露出20秒で撮影したのが上の画像。注釈を挿入する必要もないほど、中央に輝くグリーンの星がComet Lovejoy (C/2014 Q2) です。右上にうさぎ座の球状星団M79も写っています。双眼鏡で見ると白くてぼんやりした小さな雲でしかありませんが、カメラで撮影するとエメラルドグリーンが際立ちます。画像を詳しく分析すると、イオンテール(尻尾)が右上に伸びている様子がわかります。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) and The Geminids

Comet Lovejoy (C/2013 R1) and A Geminid Meteor - Cropped Version

彗星Lovejoy (C/2013 R1) と流星、そして地上の風景を同じフレームに収めたいと希望しながら、凍てつくいつもの流星観察地で観察と撮影を続けると、その希望が叶いました。時刻は12月14日午前5時過ぎ。画像の中央少し左下に尾が長くなっている彗星Lovejoy。ヘルクレス座にある球状星団M13も左端に写っています。レンズ焦点距離50mm(換算75mm)では年間三大流星群とは言え、同じフレーム内に収めるのは奇跡的。使用したレンズは彗星ISONを撮影することを意図して購入したAF Nikkor 50mm f/1.8D。絞り開放ではコマ収差が現れるので、2.8まで絞っています。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) on December 14, 2013

Vixen POLARIEで追尾しながらインターバル撮影した6枚の元画像をStarStaXを用いてスタック(合成)すると、彗星の尻尾が判別しやすくなります。実はこの観察地から北東の低空がこんなに見渡せるとは思いもしなかったので、彗星の撮影を開始するのが少し遅れました。画像に写っている星を元にSkySafariでシミュレートしてみると、北東の空は高度6ºぐらいまで見えています。

Geminid Meteor and Orion - Cropped Version

この日の主な被写体はふたご座流星群に属する流れ星。冬を象徴する星座、オリオン座が山の向こうに沈む前にカメラを南西の空に向けました。この時、ふたご座流星群の放射点は天頂付近にあります。狩人オリオンに突き刺さるように天頂付近から明るい流れ星が降ってきました。

Geminids 2013

オリオン座が沈むと今度は北斗七星に平行して流れる流星を狙おうと、北の空にカメラを向けてインターバル撮影すると、何枚かに流星を捉えることができました。

A Bright Geminid Meteor - Cropped Version

これは間違いなく火球クラスの明るい流星ですが、残念ながら眼視で確認していません。ぼちぼちLovejoyが昇って来る頃だから双眼鏡を取りに行こうと車に戻っている時に流れたものと思われます。

Geminids 2013

放射点が山の稜線に近付いて来たので再びカメラを南西の空に向けました。眩しく感じるほど明るい星は木星。15秒露光のこの一枚の画像には放射点の左右に流星が二つ写っています。長い線は人工衛星。

今年もふたご座流星群は安定して多くの流星を見ることができました。次回の主な流星群、しぶんぎ座流星群は天候条件以外は最高の条件です。極大が日本時間で来年1月4日午前4時頃。月明かりはほとんど無視できるレベルです。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) on November 20, 2013

Comet Lovejoy (C/2013 R1) on November 20, 2013
f/2.5, ISO 800, SS:20 sec., Single Shot, Tracked with Vixen POLARIE

昨晩から今朝にかけて、久しぶりに空の透明度が高く、月明かりの影響を除けば、理想に近い空でした。夜明け前のISON彗星を撮影する前に自宅ポーチから地球に最接近中(6,140万km)のLovejoy (C/2013 R1) を彗星撮影用として入手したAF Nikkor 50mm f/1.8Dで撮影。50mm(換算75mm)のレンズでこんなに大きく且つ明るく写っている。フレームの中で最も明るいということは、3等星のおおぐま座プサイ星(Lovejoyの左上に写っている明るい星)よりも明るい2等星代?

今日は正体不明のレンズフィルターなしで撮影しました。明るい大口径単焦点レンズなら、カメラ背面の液晶モニターでピント合わせするときや、目的の星をフレーム内に入れる時に非常に見やすい。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) and Comet ISON (C/2012 S1)

M44 and C/2013 R1 (Lovejoy) on November 8, 2013

M44散開星団を通過したばかりのLovejoy (C/2013 R1) 、二日経てば彗星はこんなに移動します。予想に反して増光中の彗星は、70mm (換算105mm)のレンズ焦点距離で容易に撮影可能。光度は6.0等だそうですから、条件さえ良ければ肉眼でも見える明るさ。上の画像はスタック(合成)すらしていません。昨日は、7 x 50 と8 x 40 の双眼鏡で簡単に視野に捉えることができました。但し、双眼鏡で見た場合、こんなに綺麗なグリーンには見えません。星雲のようにもやっとしています。

Comet ISON (C/2012 S1) on November 8, 2013

この日の目的は近日点まで3週間を切ったISON (C/2012 S1)。いつ崩壊してもおかしくない彗星だけにしっかりと画像に記録しておこう。

Comet ISON (C/2012 S1) on November 8, 2013

おとめ座ベータ星、Zavijavaを同じ視野に入れれば、ISONは写るだろうと思い、レンズの焦点距離、ISO値、露光時間を変えながら、何枚か追尾撮影すると、カメラの背面モニターでその淡い光を確認することができました。現在の光度は8〜9等星ぐらいでしょうか。微かにエメラルドグリーンのイオンテールが写っています。上の画像で焦点距離200mm、露光41.5秒、ISOは控え目の800。現在、画像は合成したくても合成できない状況なのでシングルショットになります。(この焦点距離で撮影した画像をスタックすれば、星は流れてしまいますが。)

A Taurid Meteor, Comet Lovejoy (C/2013 R1), and Horsehead Nebula

A Taurid Meteor

昨夜から今朝にかけては雲一つない満天の星空でした。若干の靄があるものの、月明かりの影響がなく、流星と彗星を観察+撮影するには滅多にない機会でした。Lovejoy (C/2013 R1) が高い位置に昇るのを待ちながら、おうし座流星群に属する流星を三脚固定で狙いました。

カメラ(Nikon D7000)のインターバル撮影機能を利用して連続撮影した一枚に軌跡が長い流星が写っていました。枯れた木の間を右上から右下に向けて流れています。中央やや右下の明るい星は木星。右上にオリオン座の一部が写っています。流星が写っている辺りが赤くなっているのは街灯の光。おうし座流星群は数は少ないものの、超低速の明るい流星が多いのが特徴です。目視では他にもそうした特徴の流星を数個、確認しました。

Autumn Milky Way

いつも利用しているMac用画像合成アプリケーション、StarStaxがOS X Mavericks未対応なので、Vixen POLARIEで追尾しながら、1/2星景モードで露光121.2秒の長時間撮影を試みました。天の川の密度が濃い部分が山に落ちて行きます。

M44 and Comet Lovejoy (C/2013 R1) on November 6, 2013

木が邪魔にならないところに移動して、Vixen POLARIEを再設定。最近は極軸合わせに専らポーラーメーターを使用しています。ポラリエ本体にある北極星覗き穴が使い辛いので、ポーラーメーターを使っているのですが、撮影地の磁気偏角を考慮して東に7度ほどずらせば追尾精度は思いの外、高いです。北極星が見えていたので、ポーラーメーターで極軸を合わせてから、試しに使い辛い北極星覗き穴から覗いてみると、北極星が小さな穴の中に微かに見えました。

上の画像は広角端の70mm(換算105mm)で捉えたM44(プレセペ星団)とLovejoy (C/2013 R1)。散開星団にエメラルドグリーンの彗星が接近しています。

100mm(換算150mm)、露光60.9秒でもこの小さな赤道儀はかなりの精度で星を追尾しています。被写体を追いながらカメラの向きを回転させるように移動させるわけですから、星の追尾撮影は、超低速の流し撮りとも言えます。

200mm(換算300mm)、露光60.8秒になると、許容範囲ではありますが、彗星以外の星が流れています。

300mm(換算450mm)、露光38.2秒ではどうか?彗星とM44散開星団がぎりぎり同じ視野に入りますが、上の写真は被写体ブレしたというより、ピントが合っていません。望遠ズームレンズを使用して星の撮影を行う際は、焦点距離に応じて無限遠を合わせなければなりません。これはうかつにもそれを怠った失敗作。

同じ300mm(換算450mm)、露光43秒でもピントをしっかりと合わせると、望遠端でも許容範囲に収まる写真が撮れます。しかしながら、望遠端では追尾精度の問題で、露光時間を伸ばすことができないので、淡い彗星を際立たせることができません。望遠端ではおよそ40秒の露光が限界かもしれません。

M42, Great Orion Nebula

ISON (C/2012 S1) が東の空に昇ってきましたが、7 x 50 の双眼鏡で確認することができなかったので、代わりにオリオン座大星雲を試し撮りしました。

M42, Great Orion Nebula

このカメラ(Nikon D7000)で馬頭星雲を撮影するのは初めての試みですが、意外と綺麗な紫が写りました。焦点距離200mm(換算300mm)、30秒の露光でここまで綺麗に写るとは… (Apertureで大幅に補正してあります。)

この日も双眼鏡とカメラボディー、三脚などの機材は結露でびしょ濡れになりましたが、巻きポカのおかげでカメラに装着した望遠レンズは一度も曇ることなく、快適に撮影を続けることができました。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) — Part 2

M44 and Comet Lovejoy (C/2013 R1) on November 2, 2013

上の画像は11月2日早朝、午前2時頃にAF Nikkor 35mm f/2Dを装着したNikon D7000で撮影したM44とLovejoy。 (C/2013 R1)画像はおよそ二倍に拡大されるよう、クロップしてあります。この単焦点レンズは周縁部の減光が酷いので、暗い部分をクロップしてちょうど良い感じになります。35mm(換算52mm)、ISO 800、f/2.2、30秒間の追尾でも彗星が放つイオンテールのエメラルドグリーンが際立っています。

彗星は三脚に固定した7 x 50の双眼鏡でも微かな光を確認することができました。iOS用SkySafari+で彗星の位置を調べながら、あのもやっとしたのが多分、彗星だろうという程度です。7 x 50の双眼鏡で確認するにはある程度の経験が必要。

画面の左端にM44(プレセペ星団)を配置させました。Lovejoy (C/2013 R1)はこの後、M44の方に移動します。11月7日頃にこの散開星団に最接近するので、その頃に望遠レンズで狙おうと考えています。

Orion and His Belt

天候条件に恵まれたこの日はオリオン座が綺麗に見えていました。35mm(換算52mm)のレンズでベルトを中心に狩人オリオンの胴から足の部分が視野に入っています。敢えて、電柱の先部分を切り取らずに残してあります。

Perseids 2013 — Part 5

Perseids 2013

昨夜も晴れていたので月が沈んでからペルセウス座流星群の観察と撮影に出かけました。この数日では最も薄雲が多く、午前1時頃から次第に雲の量が増えてきました。極大から45時間ほど経過しましたが、それでも一時間に数個はペルセウス座流星群に属する流星が流れていました。

Satellite Flare?

インターバル27秒で25秒露光の画像3枚をStarStaXを用いてスタックした上の画像に写っているのは流星ではなく、人工衛星です。光跡は北西から南東方向に進んでいます。当初、イリジウムフレアかと思い、iOS用SkySafari+で調べてみると、撮影した時刻にこの進路で移動するイリジウム社の人工衛星はなく、時刻と軌道から推測すると、GLOBALSTAR M062の可能性が高いことがわかりました。衛星のアンテナやソーラーパネルに反射した太陽光が数秒間、光る現象を衛星フレアと言います。画像一枚のみに写っていたら、流星と勘違いしそうですが、27×3秒間に渡って記録されているのだから、明らかに流星ではありません。

6813-6827
Tracked for 06’45” on Vixen POLARIE

この日もポーラーメーターを用いて極軸を合わせたVixen POLARIEにカメラを載せて追尾撮影しています。広角レンズ(換算18mm)使用の場合、何分ぐらいの追尾撮影が許容範囲なのかを調べるためにスタックしてみました。上の画像は27秒間隔で撮影した15枚の画像をスタックしてありますから合計6分45秒の追尾。

6808-6827
Tracked for 09’00” on Vixen POLARIE

さらに5枚を重ね合わせた合計9分00秒の追尾。周辺部が少々流れていますが、これは広角レンズの収差による影響もあります。結論ははっきりとしませんが、換算18mmであれば10分ぐらいは私の許容範囲であると言えそうです。主な被写体を視野の中央に持ってくれば、もっと長時間の追尾撮影ができると思います。

極軸はポーラーメーターを用いて合わせていますが、磁気偏角を考慮して7°ほど東に向けると真北を指すはずです。しかし、7°もずらすと北極星は明らかに少し西に見えます。ポラリエ本体かカメラ用雲台と干渉している可能性もあるので、7°ではなく、5°ぐらいの補正に留めると、追尾精度はより高くなる気がします。

Perseids 2013 — Part 2

Occulation of Spica by the Moon

スピカが月の背後から出て来たところを捉えていますが、これでは見えないかもしれません。

Occulation of Spica by the Moon - Version 2

ここまで拡大すると粗が見えますが、三日月の外側右上にスピカが確認できます。双眼鏡ではもっと鮮明に見えていました。去年の金星日面通過と似たものがありました。

現在、空は晴れています。昨夜と同程度の好条件です。午後11時頃から出陣します。

Perseids 2013

極大を迎えた8月12日深夜から13日未明にかけては前日よりもさらに天候条件に恵まれました。上の流星は放射点から南へ向けてアンドロメダ座を縦断するように流れた流星。

Perseids 2013

露光25秒でインターバル撮影した一枚に明るい流星が2個、写っています。この2本の光跡を延長して交差する点がペルセウス座流星群の放射点です。撮影時刻は8月13日午前0時33分。ポータブル赤道儀(ポラリエ)で追尾しながらインターバル撮影した複数の画像をスタック(合成)して、放射点から天の川方向に放射状に飛ぶ流星を撮影したいと意図しましたが、この一枚の画像でその目的が達成できています。

Perseids 2013

超広角ズームレンズの広角端11mm(換算16mm)でこれだけの長さと明るさですから、この一本は火球クラスと言っても良い流星。撮影時刻は8月13日午前1時20分。

今回はカメラ2台で合計496枚の写真を撮影しました。(同行者がさらに数百枚)そのうちの何枚に流星が写っているのか未確認です。これからスタッキングしながら確認する予定です。