Olympus PEN E-P5にM.Zuiko Digital 45mm F1.8を装着し、iOptron SkyTrackerで追尾しながら軒先からM31(アンドロメダ銀河)を撮影してみました。
このレンズで星を撮影するのは初めてのこともあり、ピント合わせに苦労しました。PEN E-P1の頃は17mm F2.8ならレンズリセットONでほぼ無限遠に焦点が合いましたが、PEN E-P5と45mm F1.8の組み合わせではそう簡単には無限遠にピントが合いません。レンズリセットはOFFにして、マニュアルでピント合わせしなければなりません。
このレンズに距離指標はなく、フォーカスリングはどこまでも回転するタイプであり、実際に星が見えてピントが合う幅が狭いので、ある程度の明るさがある星を基準にピントを合わせなければなりません。今回のように目的とする星が暗い場合、ポータブル赤道儀を載せた三脚とは別の三脚にカメラを載せて、より明るい星をフレーム内に導入した方がピントが合わせやすい。カメラの電源をオフにした時に、苦労して合わせた無限遠がリセットされないよう、レンズリセットはOFFにすべきです。(スリープの場合は、合わせたピントは維持されるようです。)
夜でも周囲の気温が高い今の季節、赤や緑の輝点ノイズがファインダーを覗けば見えます。緑の星は彗星以外にはあり得ないけれど、赤い星はいくらでも存在するので、赤い輝点ノイズを星であると勘違いしてピント合わせをしていました。尚、この輝点ノイズのほとんどは現像時に除去することができます。
このカメラで初めてインターバル撮影の機能を使用しました。一眼レフのNikon D7000にも同じ機能が搭載されていますが、使い方がちょっと違います。30秒の露光(シャッタースピード)で、5秒間隔で連続撮影する場合、Nikon D7000では撮影間隔は露光時間を足して35秒に設定しなければなりませんが、Olympus PEN E-P5の場合は撮影間隔は5秒に設定します。また、Olympus機では「撮影開始待ち時間」で1枚目を撮影するまでの時間を設定できます。撮影はシャッターボタンを押せば開始になるのに対し、Nikon機ではインターバル撮影をONにした時に撮影開始となります。
長時間の撮影で気になるのはバッテリー残量ですが、三脚固定での通常撮影の場合はFnボタンを押してバックライトをオフにして電力消費を節約する設定にしていますが、インターバル撮影時はVF-4を取り外してもバックライトがオフにならないようです。但し、撮影開始待ち時間、撮影間隔を1分31秒以上に設定すると1分でモニターを消灯してカメラの電源が切れるそうです。撮影10秒前に自動的に復帰。撮影間隔が1分31秒以上となれば、流星撮影には向かないので、バックライトを最も暗くなるように設定して節電する以外に方法はないようです。
上の一枚目の画像はISO 1000、露光30秒、f/2.0で追尾撮影した24枚のRAWファイルをPhotosの機能拡張であるDxO OpticsPro for Photosを用いて高感度、熱ノイズをPRIMEノイズ除去し、JPEGで書き出した24枚のファイルとダーク減算処理用のファイル1枚をStarStaxで比較明合成し、さらに仕上がったファイルをPhotosで読み込んで、レベル補正、ホワイトバランス、露出などの調整をしてあります。
35mm換算で90mmのレンズを使用して、合計12分間、追尾したことになりますが、極軸がぴったり合っているのか、星は流れていません。ISOとシャッタースピードが控えめだったため、露出不足になりました。右下に目視でも確認済みの流れ星の光跡が一本、写っています。小さな粒子状に写っているもののほとんどは、ノイズではなく、微光星です。