Small Deck Stairs — Part 1

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BEFORE

細長いウッドデッキ西側に念願の階段を取り付けることにしました。上の画像は去年の5月に撮影したものです。デッキ完成直後に階段を取り付けようとしましたが、簡単には取り付けられない事情がありました。束柱の上に大引きを載せ、その上に根太と床材を載せる「大引き工法」には一つ、大きな弱点があります。構造上、通し柱が立てられないという欠点です。そのために、手摺やフェンスの柱は床の上に後付けで立てることになり、一直線の手摺やフェンスであれば、安定しません。ぐらつきをなくすために直角に接する別の手摺やフェンス、筋交いなどが必要になります。

階段を取り付けるとなれば、西側の手摺を撤去しなければなりません。上の画像では隠れて見えませんが、母屋ログウォールのノッチの向こう側にもう一本、床上に立つ柱があり、ログウォールに固定しています。こうすることで、手摺にぐらつきはなく、安定していますが、これでは階段を取り付けることはできません。

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AFTER

ノッチの背後に隠れていたWRC製の柱を取り外して、南の方に移設しました。床材には3つのシンプソン金具で固定。若干のぐらつきはありますが、許容範囲内です。これで階段が取り付けられるようになりました。ブロック基礎から床面までの高さがおよそ790mmなので、理想的な傾斜角度32.3ºを達成しようとすれば、4段の階段となり、最下段までの距離は1,000mmとなります。ポーチの階段のように毎日、頻繁に使用する階段ではないので、一段減らして3段の階段にすれば、傾斜角度は38.3ºとなり、少し急な階段になりますが、最下段までの距離は750mmで済みます。いずれの場合もストリンガーの幅は140+100=240mmで計算しています。今は一時的に脚立を置いているので、それと比べると随分と便利になります。

stairs790-240

blocklayer.comで階段の図面を引くとこんな感じになります。ストリンガーの首の部分が85mmで短すぎると警告がありますが、日本では雨ざらしの屋外の工作物は建築基準法の対象外なので無視します。

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木取り図まで作成してくれます。幅240mm、長さ956mmの板を二枚、用意して木取り図に従って切断すればストリンガーが出来上がります。直角三角形の頂点は下から122mm、441mm、760mm。

今回はできる限り廃材や余材などを有効活用しようと考えています。余材に2×10材はないので、幅140mmの2×6材を接合させたものをストリンガーに使おうと計画中。

Small Deck Stairs — Part 2へと続く。

Deck Fence — Part 5

Deck Fence

道路に面する西側のフェンスは、目隠し機能よりもデザイン統一感の達成が目的なので、19mm間隔で角材を取り付けました。東側にもフェンスを取り付けることにしたので、用意した角材が不足することがわかりました。そこで、図面を無視して柱に接触する角材を省略し、この部分の35mm角材は合計20本としました。する必要も意味もないけれど、図面は後から修正しておきます。

Deck Fence

東側も19mm間隔で10本の角材を取り付けました。こちらも目隠し機能よりもデザインの統一感を優先させました。

Deck Fence

「細かなことをしている、こんなフェンスは他に見たことない」とお向かいさんに、最高の褒め言葉をいただきました。恐らく、難易度が高い「大引き工法」を採用した基礎の部分を含めてのお世辞だと思います。納期に追われるプロの大工さんならこんな手間暇かけていられません。手間暇かけることを趣味とする素人大工だからこそできることかもしれません。

Deck Fence

現時点で階段がないのはちょっと不便ですが、防犯上は階段を取り付けない方が安全かもしれません。

フェンス部分製作に要した主な材料と費用:
赤松荒材6本入束 x 4束(¥1,058 x 4 = ¥4,232)
ステンレスコーススレッド21本
キシラデコール、ビニー1L~2L
パワービス4.2 x 50mmクロメート

目隠しフェンス作業の難易度:5段階で2

Deck Fence — Part 4に戻る。
Building A Small Deck — Part 1に戻る。

Deck Fence — Part 4

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中央部分の目隠しフェンス製作を続行します。溶融亜鉛メッキの釘が残りわずかになったので、コーススレッドを使用することにしました。

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ジグとして使っている幅14mmの端材を雨水に濡れるデッキの上に置きっぱなしにしておいたら、水を吸収して若干、膨らんでしまったようです。

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最後の25本目の間隔がかなり狭くなりました。ジグのサイズが変わったことと、柱が少し傾いているのが原因かもしれません。

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内側を塗装中ですが、この角度からは目隠しフェンスが完璧に機能しています。

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内側から見た様子。塗料はキシラデコールのビニー。

図面はLibreOffice 5.1.4.2で作成

図面にさらに手を加え、道路に面する西側にも目隠しフェンスを取り付けることにしました。この部分は、目隠し機能よりも外観向上とデザインの統一感を達成することが目的なので、35mm角材の間隔を19mmに設定しました。この部分の角材の本数は23本になります。赤松の荒材6本束が不足するので、追加で2束、入手しました。

Deck Fence — Part 5へと続く。
Deck Fence — Part 3に戻る。

Deck Fence — Part 3

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幅14mmの端材を治具として使って、等間隔になるように工夫しています。もし、間隔が図面に対して1mm短いと、25本目には25mmのずれが生じます。背後に見える受け材も35mm角の角材を使用。上下の受け材は錆びないステンレス製のコーススレッドで固定しています。

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道路に面する東側の部分のみ、柵が完成しました。目隠し機能だけなら東側と中央部分のみ、柵を取り付ければ良いのですが、階段を取り付ける予定がある西側以外、全面に柵があった方がデザインに統一感があります。

Molting Cicada

ポーチのネットでセミが脱皮中。セミは夜に脱皮するのか、朝になれば脱け殻だけが残っていました。

Deck Fence Part 4に続く。
Deck Fence Part 2に戻る。

Deck Fence — Part 2

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1束6本入り赤松の荒材を3束、ホームセンターで買って来ました。予定していた30 x 40 x 2,000mmの赤松がなかったので、代わりに35 x 35 x 2,000mmのものになりました。価格はほぼ同じで1束が税別¥980。木材は車に載る長さ(1,360mm)に切断してもらいました。(ジムニーのルーフキャリアに載せれば切断する必要はありませんが、前回からおよそ一年が経過してロープの結び方を忘れてしまいました。)

卓上丸鋸で長さ628mmに切断した木材を2本、仮留めしてみましたが、この間隔(およそ14mm)では取り付けてから塗装困難なことに気付きました。未塗装の赤松はSPFのように白っぽく見えますが、SPFと比べるとこれでも赤いです。耐水性はSPFよりも優れています。

溶融亜鉛メッキの釘を使用しています。面倒ではありますが、割れを防ぐために下穴は空けた方が良いです。

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取り付ける前にキシラデコールのビニーで、取り付け後に塗装困難な二面と上下を塗装。

Deck Fence — Part 3へと続く。
Deck Fence — Part 1に戻る。

Deck Fence — Part 1

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母屋南側に小さなウッドデッキを製作後、一年と少しが経過しました。製作後、間もない頃はデッキの椅子に腰掛けることもよくありました。しかし、今はこのデッキに椅子はなく、ほとんど使っていないというのが実情です。母屋の外観を向上させる意味では使わなくても存在するだけて機能していますが。

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図面はLibreOffice 5.1.4.2で作成

デッキは南向きなので、晴れた日には時々、ブランケットや布団を干すことはあります。外観向上と物干し台としての機能に加えて、目隠しの機能も担ってもらおうと、去年作成した図面に手を加えました。なぜ、デッキ製作時に目隠し機能を持つ柵を取り付けなかったのか? その頃はこの小さなデッキの前に小屋か車も入る物置を建築しようと考えていたからです。その計画が頓挫したので、デッキに柵を取り付けようということになりました。

Yakisoba on Deck

南側は道路に面しており、フェンス部分がちょうど通行する人の目線の高さになります。今は外から家の中が丸見えなので、常時、カーテンをしていますが、目隠しフェンス設置後はカーテン不要になるのではと考えています。

目隠し機能を担う部分の木材は35 x 35 x 2,000mmの赤松6本束を3束用意して、製作しようと計画しています。長さ629mmに切断した赤松角材50本をおよそ14mmの間隔を維持しながら並べると、目隠し機能を持った柵になるでしょう。

Deck Fence — Part 2へと続く。

Fixing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

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「水道/下水道代が異常に高いので漏水しているのではないか?」との疑問が事の発端となり、雨の中、敷地内に埋設されている量水器(水道メーター)を調べてみました。量水器にはパイロットと呼ばれる赤いクルクルがあります。家屋内のすべての水栓を閉めた状態で、このクルクルが回転していれば、どこかで漏水していることになります。パイロットは回転していなかったので、漏水はないようです。試しに洗車時に使うホースから少し、水を出すと、回転しました。いつもより水を大量に使った記憶はありません。水道/下水道代は普段の1.5〜2倍もの料金になっています。

同じアメリカ人ビルダーが建てたログハウスにお住いのXさんに水道/下水道代のことについて尋ねてみると、その料金は異常に高いですとのことでした。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)
左がフィルバルブ、右がフラッシュバルブ(オーバーフローパイプ)

思い当たる原因が一つありました。水洗後の水がなかなか止まらないことです。トイレタンクが満水になるまでの時間がかなり以前から徐々に長くなっていましたが、家主と共にトイレのタンクも老朽化しているだろうからそんなものだろうと思っていました。(家主も水切れが悪くなっている。)陶器製タンクの蓋を開けて、水を流してみると、満水になった後もフィルバルブから供給される水は延々と流れ続けていました。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)
Top of Fill Valve

タンクが満水になるまでの時間を1とすれば、その3〜5倍ほど長く水が流れた後に水は止まります。水道代が高くなった原因は、無駄に水を流し続けていたこのフィルバルブであることがわかりました。より詳しくは、フィルバルブのトップ部分にあるガスケットにゴミが蓄積していることが原因です。ガスケット自体も劣化しているだろうから、トイレタンク内のパーツ一式を交換することにしました。

Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

我々が住むログハウスもアメリカ人ビルダーが建てた完全輸入住宅であり、セントラルヒーティングを含め、電線とガス配管を除くすべての住宅用設備は、米国から輸入されたものが使われています。トイレやジャグジー付き浴槽、キッチンシンク、蛇口など水回り部品も輸入品であり、メンテナンスのことは何も考えずに建てた「訳あり物件」です。偏屈な我々はそこが気に入って、この中古ログハウスを購入したのですからそれなりに覚悟はしていました。

この「訳あり物件」に引っ越してから3年後、念願の木製ガレージ(これも100%アメリカンなキットガレージ)を建てた時に、日本から最も近いアメリカであるグアムに部品調達旅行に行きました。その時に、米国最大規模と言われていたKmartや電設、配管部品を扱うLEED ELECTRIC & PLUMBING SUPPLYに立ち寄り、日本国内では販売されていない交換用部品や消耗品をまとめ買いしました。その中に、トイレタンクの補修部品一式をキットにしたFluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK) が含まれていました。このキットを使う出番がやっと訪れたのです。今ではこの商品もAmazonから個人輸入することも可能なようですが、価格が異常に高い。グアムではUS$20もしなかったと記憶していますが、Amazonでは並行輸入品が¥16,371 + ¥1,020の送料になっています。ローカライズ(日本での生活に合わせた大掛かりなリフォーム)をせずにこの完全輸入ログハウスに住み続ける限り、メンテナンス部品を調達する目的で定期的にグアム旅行した方が安上がりです。水回り設備の消耗部品に関しては、2008年以降、毎年訪問しているシンガポールやマレーシアでも調達できるかもしれません。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

既存フィルバルブのトップカバーにFLUIDMASTER KOHLERの刻印があります。恐らくFluidmasterがトイレメーカーのKOHLERにOEM供給した部品であると思われます。(日本で言えば、KOHLERがTOTO、Fluidmasterが三栄水洗製作所?)

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トイレタンクの部品一式を交換する前に、タンク内の構造と水が流れる仕組みを十分に理解しておく必要があります。上の画像にはFlush N Sparkle Systemが描いてありますが、これは別売部品であり、修理するタンクにはないシステムです。(リフィルチューブはオーバーフローパイプに直接つながっています。)タンクレバーを操作すると、フラッパーが開き、便器に給水されます。同時にフィルバルブから新しい水が供給され、オーバーフローパイプに繋いだチューブから便器に給水されます。所定の水位までフロートが上がると水が止まる仕組みです。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)
フラッシュバルブ底面裏側

タンクに給水する水道管の元栓を閉め、タンク内の水をすべて排水し、残った水は洗車時に使う大きなスポンジで吸い取り、タンク内の部品一式を取り外しました。そして、タンクを便器に固定してある3本の真鍮製ボルトを緩めてタンク本体を取り外しました。既存パーツはトイレタンク > 円形ガスケット > プラスチック製ロックナット > 三角のガスケットとなっており、ガスケットは二つとも再利用できないことがわかりました。上の画像で黒く汚れているのは劣化したガスケット。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

新しいパーツは、トイレタンク > プラスチック製ロッックナット > ラバーガスケットの順に取り付けます。(円形ガスケットは使わない。)

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

キットに付属するラバーガスケットを取り付けました。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

3本の真鍮製ボルト、ラバーワッシャー、真鍮製ワッシャー、ナットもキットに付属するものに交換します。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

作業は同居人が睡眠中でトイレを使用しない深夜に行っています。3つの小さな穴にタンクを固定するボルトを通します。下から1/2″の六角レンチ、上から大きなマイナスドライバーを使ってボルトを締めます。大きな穴の内側にフラッシュバルブのラバーガスケットを密封する形になります。(既存の三角のガスケットを再利用したら、排水時にこの部分から水漏れしました。)実は給水側のホース接続部分からも取付不良が原因で夜中に水漏れしたことは内緒。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)
フィルバルブのトップ部分

元栓を閉めた状態でフィルバルブのトップ部分を反時計回りに1/8回転させてトップ部分を取り外します。そして、水が飛び散らないようにコップなどの容器を上から覆い被せてから、元栓を開け閉めして給水します。この工程は何が目的なのか、わかりづらい英文の取付方法説明書には記載がありません。目的がはっきりしないので、この工程を無視したら、給水チューブの方に水が流れずにトップ部分から水が流れました。目的はフィルバルブのトップ部分にあるガスケットのゴミやホコリなどの不純物を取り除くことにあるようです。新品のパーツ使用時でもこの工程を飛ばすと正常に機能しません。

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

タンクレバーは既存のものを再利用。レバーを操作して水を流してみると、所定の水位に達した時点で水はピタッと止まりました。これで無駄な水は流れなくなったので、水道/下水道代は元通りになるはずです。

トイレはその国の文化を表すと私は考えています。従来の日本のトイレは食習慣に合わせて水量を大と小で調節できるようになっていますが、アメリカのトイレはそのような調節ができない仕様になっています。水量としては大と小の中間ぐらいでしょうか。米や野菜を主食とした日本人の平均的な排泄量は、パンや肉を主食とした欧米人の平均的な排泄量と比べて多くなる傾向がありました。従って、勢いよく流れるように水量を調節する機能が必要だったということです。(ガダルカナル島、悲劇の舞台裏参照)

Repairing Toilet Tank with Fluidmaster Toilet Tank Complete Repair Kit (400AK)

補修キットにはタンクレバーも付属していました。同じアメリカ人ビルダーが建てたログハウスにお住いのXさん宅のトイレも輸入製品が使われています。Xさんのお宅でトイレをお借りしたらタンクレバーが故障していました。タンクの蓋が半開きになっていて、フラッパーに繋いだチェーンを手で引っ張ると水が流れるようになっていました。連絡してみると、修理部品が入手できないので今も状況は変わらずということでした。

キットに付属のタンクレバーは初期状態ではタンクの前面に取り付けるタイプになっていますが、アーム部分は折り曲げることが可能だそうで、タンク側面にも取り付けできるようです。不自由されているので、この余ったタンクレバーをXさん宅のトイレに取り付けることになりました。

作業の難易度:5段階で4(慣れたら3)

上の50分33秒の長い動画は作業を終えてから視聴しました。作業する前に観ていたら、水漏れせずに済んだかもしれません。動画に登場する髪の毛の薄い人(人のことは言えない?)も取付方法説明書を読まずに作業されていると思われます。補修キットは$16で買ったと言ってます。ボルトのワッシャーは2枚重ねにする必要はありません。

Fixing A Hook Keeper on Zhus Rod 6’6″ #3

Fixing A Hook Keeper on Zhus Rod 6'6" #3

中国製Zhusバンブーロッド6’6″ #3にもフックキーパーを取り付けました。今回は三角のゼミクリップを加工したものを使用しました。スレッドはGUDEBROD A5274。

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上の画像はebayのサイトに掲載されていたZhusrods Companyの工房だそうですが、スレッドは同じGUDEBRODのAサイズで同色かもしれません。

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Flex Coatでコーティングすると、スレッドの色が少し濃くなって、ワインディングチェック上の装飾用ラッピングとほぼ同色であることがわかります。

作業の難易度:5段階で3

Repairing A Broken Bamboo Fly Rod Tip — Part 5

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ティップが折れてしまったJ. Baileyの7’0″ #4-#5の修復がほぼ完了し、全長が少し短くなったけれども、私としては思い入れがあるこの2本目のバンブーロッドが4年ぶりに蘇りました。新たに取り付けたトップガイド下の装飾用ラッピングにナイロン製のスレッド(GUDEBROD A5274)を巻いて、Flex Coatでコーティングした結果、オリジナルのように透明にはなりませんでした。透明にするには薄い色のシルクスレッド(絹糸)を巻くと良いそうです。手元に絹糸はないので、次回は絹糸を入手して試してみようと考えています。

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ついでにゼミクリップを加工した自作のフックキーパーを取り付けました。

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記憶が曖昧ではありますが、このロッドは1996年か1997年にミシガン州ロチェスターにあるPaint Creek Outfittersという釣具屋さんで、バンブーロッド製作のためのお手本として購入しました。その後、バンブーロッドは未だに製作しておらず、このロッドはお手本というより、フィールドで実際に使用するお気に入りの一本になりました。折れた竿先は崖の下に落ちていったので、修復は不可能であると思っていました。短くして治すという発想がなかったからです。

バンブーロッドらしいスローアクションなので、キャスティングは決して容易ではありませんが、言葉で表現するには難しい不思議な魅力がこのロッドにはあります。

Repairing A Broken Bamboo Fly Rod Tip — Part 4に戻る。

Repairing A Broken Bamboo Fly Rod Tip — Part 4

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隙間があり、Flex Coatの厚みが均一ではなかったトップガイド下の装飾用スレッドを巻き直して、Flex Coatを再塗布しました。

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ついでに楕円型のゼミクリップを加工してフックキーパーを取り付けることにしました。今回はピンクのGUDEBRODナイロン製スレッドでラッピング。通常は片方のフット部をテープで仮留めしますが、十分な強度が得られなかったので、瞬間接着剤で固定しました。

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6 lbのティペットでループを作り、スレッドをループの上から何周か巻いてから切断したスレッドの先をループに通して右手でスレッドを押さえながら左手でループを引き抜きます。

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余ったスレッドは引っ張ってテンションをかけながらハサミで出来るだけ根元から切断。

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使用するFlex Coatは少量なので、ミキシングカップは使わずに逆さにしたアルミ缶の底で樹脂A(透明)と硬化剤B(茶色)を同じ配合比で念入りに混ぜ合わせました。意外なことに硬化剤の割合が多いとなかなか硬化しないそうです。ヘアドライヤーで加熱しながら混ぜると粘度が低下して効率的であり、気泡を取り除くこともできます。

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混ぜたコーティング剤を塗布するとピンクのスレッドが赤くなりました。J. Bailey氏が使用したものと同色のスレッドかもしれません。

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ロッドブランクは低速モーターで回転させながらFlex Coatを塗布し、垂れを防ぐために最低でも1時間半は回転を続けます。フェルールとモーター軸との接続に熱収縮チューブを使用しました。この低速モーターの回転速度を計測すると、およそ4RPMでした。

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1時間半でモーターのスイッチを切って、しばらくしてから確認すると、厚みがあるバット側のコーティング剤が垂れて固まっていました。完全硬化前であればヘアドライヤーで熱風を当てると、コーティング剤の粘度が低下するので、再度、モーターの電源を入れてブランクを回転させると修正可能です。

作業の難易度:5段階で3

Part 5へと続く。

Repairing A Broken Bamboo Fly Rod Tip — Part 3

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ロッドティップから一つ目のスネークガイドを取り外してトップガイドを取り付けたJ. Bailey 7’0″ #4-#5のトップガイド下の部分に装飾用のナイロンスレッド(GUDEBROD A5274)を巻いて、Flex Coatでコーティングしました。

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ロッド製作用ツールやコーティング剤、スレッドを収納した透明プラスチックケースをおよそ15年ぶりにクロゼットから取り出してみると、未使用のFlex Coatロッドラッピング用コーティング剤がありました。

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シリンジ2本とミキシングカップ4個、筆4本と攪拌棒4本がセットになったキット製品です。取扱説明書にわかりやすい説明文が書いてあるので転記しておきます。重要と思われる箇所に下線を引きました。

DIRECTIONS

  1. Visually study both syringes to become familiar with the graduated markings and to check for equal contents of the syringes. Have paper towels handy for clean up of any drips or spills. In cold weather, make sure finish is warmed prior to mixing for better results. See Helpful Tip #1. Support your rod horizontally. See Helpful Tip #9.
  1. Dispense from syringes equal portions of resin A and hardener B into mixing cup included. 3cc of each part should finish an average rod.
  1. Mix thoroughly with stir stick included. Mixture at first will become cloudy, then clear when thoroughly mixed.
  1. While rotating the rod, use a brush to apply the Flex Coat mixture to the rod wraps. Extend the finish slightly over the ends of the wraps to completely protect them. Coat all wrappings quickly, working around the rod to apply the finish. Apply a little more finish than needed to allow the finish to soak in. If required, remove excess later when leveling the finish. Let stand a few minutes and then level out the finish with lengthwide brush strokes.
  1. For even drying, rotate the rod ½ turns as needed to prevent sagging of the finish. Depending upon the thickness of the finish and the ambient temperature, rotate the rod from 15 minutes to 1½ hours. Flex Coat will set to touch in about 6 hours. A small slow gear motor (one to 30 rpm) can be used to continually turn the rod also. If desired, more than one coat may be applied without any surface preparation of previous coat.

混ぜ合わせた樹脂Aと硬化剤Bは、最初は白濁するが、念入りに混ぜると透明になるとあります。およそ20年前にTOHOの2液性エポキシコート剤を使用してグラファイトロッド数本のスレッドをコーティングしたことがありますが、その時はコーティング後に白濁が残り、苦労した記憶があります。Flex Coatの製品は白濁しないようです。

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低速モーターも透明プラスチックケースに入ってました。使用するのはおよそ20年ぶりになります。コーティング剤は乾燥するまで垂れるので、この低速モーターを用いてロッドを回転させる必要があります。手動で回転させることも可能ですが、垂れなくなるまでずっと側にいなければなりません。バルセロナで開催されたF1スペインGP決勝をテレビ観戦していると、ちょうど1時間半ぐらいが経ち、コーティング剤が垂れなくなりました。周囲の気温や湿度にもよりますが、完全に乾燥するまでは6時間以上、要します。

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巻いたスレッドに隙間があり、Flex Coatの厚みが均一ではありませんが、実用上、問題はありません。しかし、これでは美しくないので、完全に乾燥すれば、やり直そうと考えています。フライフィッシングは釣果ではなく、ロッドや毛鉤の製作、フィールドでのキャスティングなど過程こそが最も大事です。過程に満足できなければ、その過程をやり直して楽しむことができます。

Flex Coat取扱説明書に記載の役立つコツも以下に転記しておきます。

HELPFUL TIPS TO A PROFESSIONAL FINISH

  1.  Heating both A and B resins prior to mixing aids in measuring, mixing, and application of the epoxy finish. Heating thins the two parts and aids in thorough mixing. This heat thinning releases bubbles trapped in the finish during mixing and allows the finish to soak into the wraps more rapidly. Heat the A and B syringes with a lamp, hair dryer, or other heat source until the syringes are no longer cool to the touch, but not hot (about 80 to 90). On warm days this will not be necessary.
  1. It is recommended to dispense a minimum of 2cc from each syringe to insure accurate measurement.
  1. Bubbles surfacing at the base of guides and trapped under the finish can be popped by gently blowing on the bubbles.
  1. Unequal measurement of resin and hardener, incomplete or poor mixing of the two part epoxy may result in an uncured, “sticky” finish. To correct recoat the wraps, taking care to measure and mix thoroughly. A well mixed coat over a slightly sticky finish should cure the problem.
  1. Occasionally a frayed end or stick-up of thread may project from a finish. To correct this, allow the finish to dry and then slice off this projection with a sharp knife or razor. Recoat the wrap with Flex Coat Rod Finish.
  1. Yellowing of the finish can result from reaction with lacquer-based color preservers, incomplete mixing, or unequal portions of resins A and B.
  1. Damaged guides are best removed by shaving or plaining through the Flex Coat finish and thread with a razor knife down to the rod blank. Solvents will not work for cured finish removal.
  1. Under certain circumstances (such as when stored in cold areas), epoxy resin part A will crystalize much in same way as honey will crystalize. To restore the resin to its original state, heat the syringe in hot, not boiling water. NOTE: This crystalizing absolutely does not damage Flex Coat Finish.
  1. If you do not have a rod support for finishing, cut small “Vs” into the top of a cardboard box to support the rod while finishing.
  1. Flex Coat products are available through most rod component suppliers. If you are unable to locate what you need call us for the name of your Flex Coat dealer.

プロフェッショナルな仕上げを実現するための役立つコツ10点は、どれも重要ですが、特記すべきが#4の樹脂が硬化しない場合の原因と修正方法に関するコツ。所定の乾燥時間を過ぎても樹脂が硬化せずにいつまで経ってもベトベトするのは樹脂Aと硬化剤Bが同じ配合比になっていないか、十分に混ぜ合わせていないのが原因。ベトベトの状態がそれほどでもない場合は、正しい配合比(50:50)で十分に混ぜ合わせたコーティング剤を上塗りすれば問題が解決できるそうです。

今回、巻いたスレッドに隙間ができてしまった原因は、スレッドをロッドに巻く時にスレッドにテンションをかける自作の道具を使用せずに、毛鉤製作用のボビンホルダーを使ったことです。ロッドを回転させずに固定してスレッドを巻いたので、下の方にできた隙間に気づかなかったのが原因です。

作業の難易度:5段階で3

Part 4へと続く。

Repairing A Broken Bamboo Fly Rod Tip — Part 2

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同級生の折れたZhusバンブーロッド6’6″ #3のトップガイドをJ. Baileyの7’0″ #4-#5に移植する計画でしたが、サイズが合わないので、手元にあった#4用と思われるトップガイドを取り付けることにしました。(左が#4用と思われるトップガイド)

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#4用と思われるトップガイドも、短くしたティップ部の先端よりも内径が小さいので、ヤスリとサンドペーパーでロッドティップを削ってサイズを合わせました。

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ライターで炙って溶かしたホットグルーをティップ部先端に塗布して、トップガイドを挿入。

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挿入中にホットグルーが冷えて固まった場合は、トップガイドをライターなどで熱するとホットグルーは再び溶けるので作業しやすくなります。ホットグルーはロッドをフィールドで使用している時にトップガイドが外れた際に応急処置として使う接着剤ですが、冷えるとかなりの接着強度があるので、私はブランクから新たにロッドを製作する時も、ホットグルーを恒久的な接着剤として使用しています。

この時点で全長がおよそ6’8″になったロッドに#4のバンブーロッド専用ダブルテーパーのフライラインを通して試しにロッドを振ってみました。 ロッドの長さはおよそ4″短くなりましたが、7’0″だった頃のアクションと何が違うのか?正直に言ってよくわかりません。両手で同時に振れば違いがわかるかもしれない、その程度の違いだと感じました。

作業の難易度:5段階で2

Part 3へと続く。

Repairing A Broken Bamboo Fly Rod Tip — Part 1

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4年前に崖から滑落しそうになった際にティップが折れたJ. Baileyの7’0″ #4-#5バンブーロッドを修復することにしました。先ずは先端に最も近いスネークガイドを取り外します。スネークガイドはシルクかナイロン製のスレッドでラッピングした後に2液性のエポキシコーティング剤で固定してあります。カッターを用いてスネークガイド、フット部分のコーティング剤表面を少しずつ削りました。

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固着したイエローのスレッドが見えてくると、後は爪先で引っ掻くとスネークガイドが外れました。

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ラッピングスレッドをすべて取り除きました。カッターの刃が竹材に達しないように注意。

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折れたZhusバンブーロッド6’6″ #3のトップガイドをJ. Baileyの7’0″ #4-#5に移植する計画です。適合するフライラインの番手が異なり、竿先からおよそ3″下の部分に移植することになるので、トップガイドの内径とロッドティップの直径が適合しそうにありません。ロッドティップは少し切断する必要がありますが、切断すると太くなるのでさらに径が合わなくなります。ロッドティップを削って径を合わせるか、移植は諦めて適合するサイズのトップガイドを用意するか、何れかの選択肢になります。

作業の難易度:5段階で1

Part 2へと続く。

IKEA EKBY STÖDIS Brackets

IKEA EKBY STÖDIS Brackets

ガレージ北側の壁面収納レイアウトを変更中です。 毛鉤の製作はこれまで母屋の屋根裏部屋(2階)で行っていましたが、それをガレージのワークベンチで行えるようにするための変更です。

毛鉤の製作は座って作業することになるので、ワークベンチ天板の高さに合わせたバースツール(IKEA STIG)を導入しました。そして、今回はバイスなど、毛鉤の製作に必要なツール一式を置いておく木製の棚(IKEA EKBY TRYGGVE)を新たに壁面に取り付けました。ブラケットもIKEAブランドのEKBY STÖDIS(樹脂製の赤いブラケット)を使用。このブラケット、木ネジは付属しませんが1個100円です。

IKEA EKBY STÖDIS Brackets

ブラケットは先に棚板に取り付けてから壁面に棚板を取り付けた方が作業しやすいです。ブラケットの厚みは端の方が薄くなっているので、 木ネジが棚板を貫通しないように、棚に取り付ける端の方は短めの木ネジを使用します。棚板の樹種は恐らくスプルースだと思います。

作業の難易度:5段階で2

IKEA NESNA Nightstand

IKEA NESNA Nightstand

IKEAの竹製ベッドサイドテーブル、NESNA(¥1,999)を組み立てました。

IKEA NESNA Nightstand

フレームはすべて竹集成材が使用されています。

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節はすべて削り落してあります。この加工精度は竹材ならでは。

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棚の部分は平たい竹集成材を枠材のホゾ穴に挿入して左右から挟むようになっていますが、少しコツを要します。

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8本の六角穴付ボルトはすべて同じ長さ。脚部の竹集成材は幅がわずか16mmですが、ボルトを締めても割れが発生しそうにないのも竹材の特性でしょうか。

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VESSEL板ラチェットドライバーはヘックス対辺3mmのビットが適合します。

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天板の強化ガラスを枠材の溝に挿し込んで…

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組み立て完了。バンブーロッドの材料としても使えそうな肉厚の竹材が使われているようです。

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デザイナーはJon Karisson。覚えておこう。

IKEA NESNA Nightstand

この加工精度は繰り返し言いますが、驚異的です。

IKEA NESNA Nightstand

完成品をお店で見て、EKTORP JENNYLUND(一人掛けソファ)の横に置くサイドテーブルとしてちょうど良い大きさと思いましたが、実際に横に置いてみると、少し大きい。NESNAベッドサイドテーブルのサイズは幅36cm、奥行き35cm、高さ45cmです。もう一つNESNAを組み立てて、横に並べると、二人掛けのEKTORP用コーヒーテーブルになるかもしれません。二つ買ってもこのデザインと品質で¥3,998ですから、「お値段以上」であることは確実です。

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Cat ISONによる検品完了。耐荷重は公表されていませんが、体重およそ5kgのCat ISONが天板の上で飛び跳ねてもびくともしません。

作業の難易度:5段階で1