いつもの撮影地で私も彗星46P/Wirtanenの撮影に挑戦しました。オリオン座と同じ視野に彗星を入れようとすると、17mm(換算34mm)のレンズでぎりぎりでした。Kenkoの双眼鏡(Pro Field 7×32)を使えば目視で確認できましたが、慣れた人でないと困難かもしれません。SkySafariを参考に、リゲルとアルデバランと共に三角形を形成する辺りに淡い星雲のような彗星を捉えました。写真撮影すれば、緑に写るのですぐにわかります。
Olympus M.Zuiko Digital ED 12-50mm F3.5-6.3 EZと同時にM.Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macroも京都駅前家電量販店で入手しました。私が考えるこのレンズの主な被写体は、星雲、星団、彗星などの天体と、F1ナイトレース流し撮り、それと夜間に離着陸する飛行機です。換算120mmの単焦点でF2.8のスペックは、暗い被写体や動体を撮影する場合に威力を発揮しそうで魅力的に感じます。等倍マクロ機能を生かして、このレンズの本来の主な被写体であるだろう植物や昆虫も撮影したいと考えています。
早速、レンズの性能試験としてアンドロメダ銀河を撮影してみました。iOptron SkyTrackerにPEN E-P5を載せて追尾しながら、絞り開放f/2.8、ISO 2000、50秒間の露光で撮影した画像1枚をDxO OpticsPro for PhotosでPRIMEノイズ除去し、Photosで補正しました。周辺部で減光があったので少し、クロップしてあります。周辺部光量落ちを補正するにはフラットフレームを用意しなければならないかと思います。しかし、フラットフレームを用意したとしても、どのようなMac用ソフトウェアを使って処理すれば良いのか、現時点で不明です。画像の左上の辺りで収差なのか、星が流れているのかよくわからないズレがあります。色収差はほとんどないと思います。
Olympus M.Zuiko Digital ED 12-50mm F3.5-6.3 EZが先月初めから異常に安く販売されていたので、京都駅前の家電量販店(ヨドバシ)で入手しました。ネットで調べると、店内在庫がなかったので、予約して取り置きしてもらいました。このレンズは去年のシンガポールGP観戦旅行時にOM-D E-M5 Mark IIと共に兄から借りたレンズ一式の中の一本でしたが、当時は3万5千円ぐらいの値が付いていました。それが、現在、ほぼ半値の1万円代前半の叩き売り状態です。マイクロフォーサーズ規格のキットレンズとしては大きくて(最大径57mm、長さ83mm)少し重く(212g )、望遠端50mmでの開放絞り値がF6.3と暗いことが人気がなかった原因かと思われます。しかし、この価格はまるで在庫一掃セールのようであり、在庫が捌けると新しいモデルが発売されるのかもしれません。
私としては12mm(換算24mm)の広角端でF3.5から使える点が、この防塵防滴、電動ズームレンズの最大の魅力です。マイクロフォーサーズ規格に準拠した広角ズームといえば、M.Zuiko Digital ED 9-18mm F4.0-5.6がありますが、広角端の9mm(換算18mm)で開放絞り値が4.0とどちらかといえば暗い。
ISO 2500, 12mm, f/3.5, 50s x 20 stacked with StarStaX上の試写画像はiOptron SkyTrackerにカメラを載せて、広角端12mm、絞り開放f/3.5、50秒の露出で追尾撮影したRAW画像をJPEGで書き出して、StarStaXに読み込み、Average + Increase Exposure by 0.9の設定でスタックし、Photosで補正してあります。周辺部での減光と歪み(コマ収差)は思っていたよりも少なく、許容範囲内ですが、それよりも白鳥座を構成するDeneb以外の明るい星が赤く写っているのが気になります。これは色収差だと思われます。この色収差はOlympus Viewer 3で補正できそうですが、macOS Sierra PB4との互換性に問題があり、確認できません。
Mac用の星空画像編集AppであるStarStaXには日本語の説明がなく、使い方を調べようと当ブログサイトに来られる方が多くおられます。夏の大三角形を撮影した上の画像は、Average + Increase Exposureのモードを使用しています。ピクセル単位で画像を比較して明るい方を採用するLighten(比較明合成)と何が違うのか、StarStaX Help Browserによると、「Average(加算平均合成)とは個々の画像を平均化することであり、同じシーンを撮影した一連の写真からランダムノイズを取り除くことができ、結果としてよりなめらかな画像を得ることができる。特に暗くて色の変化がある部分に対して効果がある。」と書いてあります。このモードでは同時に露出を補正することもできます。上の天の川では露出を+0.9に設定してあります。
上の一枚目の画像はISO 1000、露光30秒、f/2.0で追尾撮影した24枚のRAWファイルをPhotosの機能拡張であるDxO OpticsPro for Photosを用いて高感度、熱ノイズをPRIMEノイズ除去し、JPEGで書き出した24枚のファイルとダーク減算処理用のファイル1枚をStarStaxで比較明合成し、さらに仕上がったファイルをPhotosで読み込んで、レベル補正、ホワイトバランス、露出などの調整をしてあります。
ISOを一気に2000まで上げました。特に高感度ノイズが増えたようには見えません。熱ノイズも気になりません。三脚固定で試写しているので、換算34mmの焦点距離で星をできるだけ点像にするには露出20秒ぐらいが限界です。熱ノイズを意図的に強調した二枚目の画像を除き、すべてDxO Optics for Photosでノイズ除去PRIMEを適用させています。ダークフレームで減算処理しなくても、輝点ノイズ(熱ノイズ)を除去できることがわかりました。保存時に時間はかかりますが、天体写真の画像処理にもDxO Optics for Photosは機能します。
撮影した画像を拡大表示してみると、周辺部にコマ収差が確認できますが、私の許容範囲内です。絞り値を一段か二段分、上げると収差が目立たなくなるかもしれません。ISO 2000でもノイズは少なく、除去可能であるので、星空撮影にもPEN E-P5とOlympus M. 17mm F1.8の組み合わせは十分に使えるという判断になりました。どちらかといえば、星空撮影に適しているかもしれません。
というのは自作のレンズヒーターが、円筒形なら巻きやすいからです。また、熱の影響を受けるセンサーからできるだけ離してヒーターを取り付けたいからです。M. Zuiko Digital 17mm F1.8に装着可能なフードは他にETSUMIメタルインナーフード+キャップセット46mm(ETM-9545)もありますが、ヒーターは装着不可になります。