Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 6

Pleiades (M45) and Comet Lovejoy (C/2014 Q2)

プレアデス星団に接近中の彗星Lovejoy (C/2014 Q2) を70mm(換算105mm)のレンズでカメラ横置きで狙ってみました。薄い雲の切れ目であったことと、すぐ近くに街灯がある場所で撮影したこともあり、彗星の尻尾は辛うじて確認できる程度でした。Vixen POLARIE用ポーラーメーターで極軸を合わせたつもりが、少しずれていたようで、星が流れています。上の画像は露出30秒の画像を10枚(およそ5分)、加算平均(露出プラス1.0)でスタックしてあります。

不本意な画像ではありますが、プレアデス星団と同じフレームで且つ35mm換算105mm相当の焦点距離で撮影できるのは恐らく、この日が最後なので、記録として公開します。

極軸望遠鏡なしでの極軸合わせに限界を感じるようになりました。広角レンズであれば、露出5分で星が大きく流れるようなことはありませんが、換算で105mmの望遠レンズともなれば、歩留まりが悪くなり、点像にできるかどうかは運まかせにならざるを得ません。

極軸合わせの精度を向上させるため、Vixen POLARIE専用の極軸望遠鏡と微動雲台を入手しようと色々と調べてみました。POLARIEには専用として使用しているSLIKの高価な自由雲台2つとGitzoの三脚、ポーラーメーターなど、かなりの投資をしています。さらに、極軸望遠鏡と微動雲台をオプションとして追加すると、オプション価格がPOLARIE本体の価格を遥かに超えてしまいます。

POLARIE専用の極軸望遠鏡は、極軸を合わせた後に極軸望遠鏡を取り外してカメラ用雲台を同じ極軸(回転軸)に取り付けるという過程を必要とする構造です。(その過程でせっかく合わせた極軸がずれる可能性がある。三脚を蹴飛ばしてずれてしまった極軸を元に戻そうとすれば、カメラを雲台ごと取り外す必要がある。)しかも、極軸望遠鏡には暗視野照明がないので北極星の導入が容易になるよう、何らかの照明装置を自作しなければなりません。

極軸合わせの精度を向上させる他の解決策はないかと調べていて、たまたま、ヒットしたサイトに今月末までセール中のiOptron SkyTrackerを見つけました。2年ほど前に当ブログで紹介したポータブル赤道儀です。メーカー直販サイトの価格が冬のセールでUS$100安くなってUS$299!送料がいくらになるのか、調べている時に、別のサイト(B&H Photo)を見つけました。カメラ関連用品を扱うニューヨークにある専門店で、海外にも発送してくれるようです。今ならすぐに使えるUS$100のキャッシュバックがあるので、極軸望遠鏡と三脚用雲台込みの製品価格はUS$199!日本へのUPSの送料$70.20を加えても合計US$269.20で入手できることになります。(iOptronの製品を扱う日本の販売代理店では6万円近くで販売されています。)

今朝、極軸望遠鏡と微動雲台らしきものが付属するそのiOptron SkyTracker(ポータブル赤道儀)をニューヨークにある専門店に発注しました。UPSで3日〜5日後に届くそうです。極軸合わせの精度が飛躍的に向上することを期待しています。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 5

Comet Lovejoy (C/2014 Q2)
30 sec. single exposure

焦点距離35mm(換算52mm)のレンズならおうし座アルデバランとプレアデス星団と共に同じ視野に彗星Lovejoy (C/2014 Q2) が入りそうなことがわかり、実行してみました。星の撮影でAF Nikkor 35mm f/2Dを使用するのは久しぶり。このレンズは若干、絞らないと、周縁部にコマ収差が現れ、減光もあります。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) StarStaX_DSC_9646-DSC_9655_lighten
30 sec. exposure x 10 stacked

この日は北の空が曇っていて北極星が見えたり、見えなかったり。こういう時は、ポーラーメーターを用いて極軸を合わさざるを得ません。Vixen POLARIEは7ºではなく、東に4ºだけずらしました。それが功を奏したのか、露出30秒x10コマ(5分)を比較明合成しても、それほど星は流れていません。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) StarStaX_DSC_9731-DSC_9737_lighten
20 sec. exposure x 7 stacked

彗星ISON撮影用に一昨年、購入したAF Nikkor 50mm f/1.8Dにレンズを交換し、露出20秒x7コマ(2分20秒)で山の向こうに落ちそうな彗星Lovejoyをプレアデス星団と共に撮影。今回、初めてC/2014 Q2の尻尾を捕まえることに成功しました。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2)
20 sec. single exposure

この前、近地点通過直後に撮影した時よりも、彗星は増光しているように思います。この日は肉眼でも辛うじて確認できる明るさでした。こんなに明るくなる彗星は滅多に現れません。元天文少年の私でも記憶に残る肉眼彗星は数えるほどしかありません。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

換算24mmの広角レンズでもアルデバランの方に伸びる尻尾を確認することができました。

Venus and Mercury Conjunction

Venus and Mercury Conjuncttion

地球よりも太陽に近い水星と金星は、日没直後や日の出直前でなければ見ることができませんが、今週は夕暮れ時にこれら二つの明るい惑星が大接近しています。画像の右のほうに金星、その右に水星。焦点距離70mm(換算105mm)

Venus and Mercury Conjuncttion

100mm(換算150mm)画像の中央少し下に金星、その右に水星が写っています。

Venus and Mercury Conjuncttion

135mm(換算202mm)夕暮れ時は光量が秒単位で変化するので、シャッタースピードとISOの調整が忙しくなります。撮影後の補正も難しくなります。焦点距離を変えると、その都度、ピント合わせもしなければなりません。

Venus and Mercury Conjuncttion

焦点距離200mm(換算300mm)では-3.9等の金星はより大きく、-0.6等の水星はより小さく写っています。

二つの惑星が大接近する様子を撮影し、帰宅すると、彗星Lovejoy (C/2014 Q2) が肉眼で見えていました。今夜は天候条件が良さそうなので、この後、彗星の撮影に挑みます。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 4

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

月が昇るまで急いでカメラをVixen POLARIEに載せて、近地点を通過したばかりの彗星Lovejoyを50mm(換算75mm)のレンズで追尾しました。7×50のNikon双眼鏡で容易に見つけることができましたが、肉眼では確認不可でした。上の画像はISO 1600、f/2.5、20秒露出の画像を2枚、スタック(比較明合成)しています。本来はもっと多くの画像を合成したいところですが、極軸がずれていたのか、20秒x2が許容限界です。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

体感気温零度(実際は+2ºCぐらい)の中、月明かりの影響が出始めるまで少し時間があったので、思い切って広角の16mm(換算24mm)にレンズをセットしてISO 2000、f/2.8、20秒露出で追尾しながら撮影したのが上の画像。広角レンズでも容易に彗星を捉えることができました。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

ISOを3200に上げてみました。より多くの暗い星が写っていますが彗星の尾は確認できません。他の星と比較すると、彗星は3等台まで明るくなっていると推定されます。今後は1月30日(UT)の近日点に向かって、地球から遠ざかるので、彗星は次第に暗くなると思われます。プレアデス星団に近づく1月18日頃、写真撮影に絶好の機会です。

Quadrantids 2015

1月4日午前11時頃(JST)に極大となったしぶんぎ座流星群、昨晩から今朝にかけて観察+撮影を予定していましたが、今年も天候条件に恵まれずに残念な結果になりました。年間三大流星群の一つとはいえ、放射点が高く昇るのは午前零時以降となり、厳冬期なので観察するにはそれなりの覚悟が必要です。昨晩は一晩中、満月に近い明るい月が夜空を照らしていたので、晴れていたとしても、特別に明るい流星しか確認できなかったことでしょう。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 3

C-2014 Q2 on December 30, 2014

輝度70.2%の眩しいほどの月明かりの影響を受けながらも、70mm(35mm換算105mm)のレンズで捉えた彗星Lovejoy (C/2014 Q2) はまだまだ増光中。撮影時は高度が30ºぐらいでした。ISO 2000、f/4.5、露出15秒。Vixen POLARIEで追尾。極軸は少しずれています。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 2

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

体感気温零下5ºCの凍てつく年末の深夜、増光中のComet Lovejoy (C/2014 Q2) をカメラで捉えようと、防寒具を身にまとい、出陣しました。久しぶりに晴れていたので、先ずは軒先からNikon 8×40の双眼鏡で確認。SiriusとRigelを結んだ線を底辺に下の方に二等辺三角形を作り、その頂点辺りに手持ちの双眼鏡を向けると、ぼんやりと淡い星雲のように見える彗星が視野に入りました。去年のLovejoy (C/2013R1) と比べると少し暗いけれど、生涯で観察できる彗星の中ではかなり明るい方です。

撮影機材一式を、後部座席を倒したジムニーの荷台に積み込み、エンジンを始動させてからフロントウィンドウの霜を取り、視界を確保してから近所の雑木林へ。通行の邪魔にならないところに車を止め、撮影機材を設置。(撮影中、車は一台も通らなかったので、その必要はなかった。)

8×40の双眼鏡であんなに簡単に彗星が視野に入るということは、焦点距離50mm(換算75mm)の単焦点レンズで、地上の風景と共に同じ視野に入れて撮影できるかもしれない。iOS用App、SkySafari+で彗星の現在位置を確認し、カメラのアクセサリーシューに取り付けたポーラーメーターを使ってカメラを目標とする方向に向けて、一枚、撮影すると、ほぼ中央にエメラルドグリーンの彗星が写りました。ポータブル赤道儀、ポラリエで追尾速度1/2の星景モードで追尾したので、星が少し、流れています。画像に写った他の星と比較しながら明るさを推測すると、彗星は5等星ぐらいの等級。視力に自信がある人なら肉眼で辛うじて確認できる明るさです。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2)

レンズをAF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-EDに交換して、広角端の70mm(換算105mm)で、恒星モードで追尾して露出20秒で撮影したのが上の画像。注釈を挿入する必要もないほど、中央に輝くグリーンの星がComet Lovejoy (C/2014 Q2) です。右上にうさぎ座の球状星団M79も写っています。双眼鏡で見ると白くてぼんやりした小さな雲でしかありませんが、カメラで撮影するとエメラルドグリーンが際立ちます。画像を詳しく分析すると、イオンテール(尻尾)が右上に伸びている様子がわかります。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 1

C:2014 Q2
Comet Lovejoy (C/2014 Q2) on January 1, 2015 (JST)

彗星Lovejoy (C/2014 Q2) はすでに肉眼で見えているようです。予想されていた光度よりも急速に明るくなっています。現在は5〜6等星と明るく、条件さえ良ければ、低倍率の双眼鏡で容易に確認できると思います。Spaceweather.comに投稿されたこちらの最新の画像では、5等星で、肉眼で何とか見える程度だそうです。撮影地は米国ニューメキシコ州で観察条件には恵まれた場所だと思います。天候条件に恵まれない私はまだ確認できていません。

上のSkySafariスクリーンショットは、年が変わる来週1月1日午前零時の南の空をシミュレーションした画像です。高度が次第に高くなり、シリウスが見える場所ならその少し下なので、焦点距離50mmぐらいのレンズでも、追尾すればエメラルドグリーンの核とその尻尾を捉えることができるかもしれません。但し、元日は輝度80%の月の光の影響を受けて、彗星は見づらくなるでしょう。

肉眼彗星は人の一生の間で数えることができるぐらいしか見ることができません。肉眼彗星の定義が定かではありませんが、今回のLovejoy (C/2014 Q2) は去年のLovejoy (C/2013 R1) ほど明るくはならないと思われますが、それでも小型双眼鏡で確認できる極めて明るい彗星であることは確かです。2年連続で同じ彗星ハンター(オーストラリアのTerry Lovejoy)が発見した彗星が、肉眼で確認できる程度に明るくなるのは稀なことであることは間違いありません。

C/2014 Q2が地球に最も近づく近地点(0.469 AU)は2015年1月7日(UT)、太陽に最接近する近日点(1.29 AU)は2015年1月30日(UT)。

KAVU Hand Warmer

Kavu Hand Warmer

竜王のA&Fで初めてKAVUブランドの製品を入手。表地は分厚いウール100%、裏地はポリエステル100%のネパール製ハンドウォーマー。指先が出るタイプなので、着用した状態で指紋認証やスマートフォンの操作が可能。

Kavu Hand Warmer

お店で試着したら懐炉を持っているかのごとく瞬時に暖かさが伝わりました。真冬の流星観察や彗星の撮影にはちょうど良い暖かさ。星景写真撮影時は必ずiPhoneを操作するので、Touch IDが可能な手袋が必要になります。指先が露出するタイプのものでなければ、指紋認証はできません。

Kavu Hand Warmer

ポリエステルの裏地は手のひらと甲の部分のみライニング。指の部分は裏地がないので指先の動きを妨げることはありません。

Kavu Hand Warmer

スマートフォンを使わない義父にも一着。このハンドウォーマーはフリーサイズになっています。指が短い人は指先(第一関節から先)が露出しないかもしれませんが、スマートフォンやタブレットを使わないのであれば、その方が却って暖かいかもしれません。私の場合は親指だけ先端のみ露出。こちらはギフトラッピングしていただきました。

Geminids 2014 — Part 3

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ふたご座流星群極大日に撮影した画像をStarStaXで合成しました。北極星が真の北極から西の方にずれている様子がよくわかります。北極星も天の北極を中心に円周運動しています。

9075:9220

火球クラスの明るい流星を含め、ふたご座流星群に属する複数の流星が写っています。

12月14日午後9時から12月15日午前1時までの4時間の間にインターバル連続撮影した20秒x520枚のスティル画像を用いて、iMovieでタイムラプス動画を制作しました。前半は低空に厚い雲がありましたが、次第に雲の量が減少し、抜群の流星観察条件になりました。

Geminids 2014 — Part 2

ふたご座流星群極大日の夜は予報に反して晴れました。12月14日午後9時頃から観察+撮影を始め、東の空に半月が昇り、月光の影響を受け始めた15日午前1時頃までインターバル撮影を続けました。

DSC_8803

ガレージの屋根上にカメラを設置して流星群の撮影を行うのは今回が初めてとなります。35mm換算で焦点距離16mmの超広角レンズで撮影開始。屋根上に登らなければ見えない景色。撮影開始時には東の空低空は厚い雲に覆われていました。ふたご座流星群の放射点はすでに地平線の上に昇っていますが、流星の出現数がピークとなる極大時刻でも流れる流星の数は多くはありません。

A Bright Geminid Meteor

極大時刻からおよそ3時間後、日付が変わろうとした15日午前零時頃にオリオン座の方に向かって火球クラスの明るい流星が流れました。カメラを屋根上に設置し、露出20秒で150枚のインターバル連続撮影中のことでした。私は梯子から母屋のポーチに降りて、軒下から眼視観察していました。その軒下からは見えない方角にカメラを向けていたので、残念なことに私はこの火球クラスの明るい流星を見ていません。

A Bright Geminid Meteor - Version 2 (Cropped)

画像を切り取って拡大すると、2009年10月23日に撮影したオリオン座流星群の火球と同程度の明るさであることがわかります。-1.44等のシリウスよりも遥かに明るく、-2.6等の木星よりも少し明るい。

DSC_9207 - Version 2 (Cropped)

流星痕(赤い円の中)が残るような火球クラスの流星は、二度と撮影できないだろうと思っていただけに非常に嬉しく思います。連続撮影した画像で確認すると、流星痕は3分ぐらい見えていたようです。

Geminid Meteors 2014

同じ一枚の画像に2本の明るい流星が写りました。

Geminid Meteors 2014 - Version 2

2本の明るい流星の軌跡を伸ばせば、ふたご座カストルのすぐ近くにある放射点が一目瞭然。

DSC_9235

35mm換算で24mmの望遠端にレンズの焦点距離を変更して、カメラを母屋がある北西方向に向けて連続撮影した画像にも複数の明るい流星が写っていました。外はあまりに寒いので、撮影者である私は薪ストーブで暖めた室内に入って休憩中でした。煙突からは煙が出ているはずです。

Geminid Meteor 2014

半月が東の空に昇り、月明かりの影響を受けるようになったので、カメラ機材をガレージ屋根上から降ろし、別荘として使われているお向かいさんのウッドデッキに移動して何枚か撮影。その中にも複数の明るい流星を捉えることができました。天候に恵まれて、外気温2ºCの寒さに耐える覚悟さえあれば、ふたご座流星群は、年間3大流星群の中でも最も確実に多くの明るい流星を観察することができます。

対地速度が遅いことがこの流星群の特徴の一つです。上の画像に写っている極めて明るい流星は、ゆらゆらと火の粉が降るような感じでした。しかし、写真を見ると真っ直ぐ一直線に流れています。放射点からオリオン座方向に向かってログハウスの屋根をかすめるように流れてくれないかと、希望した通りの写真になりました。

次の主要流星群は2015年1月4日11時頃に極大を迎えるしぶんぎ座流星群ですが、輝度98%の満月に近い月明かりが邪魔になり、観察条件は良くありません。

Geminids 2014 — Part 1

geminids

12月14日午後9時(JST)頃に極大を迎えるふたご座流星群。今年は15日午前0時前に輝度50.33%の半月が昇るので、暗い流星も含めて効率的に数多くを観察したい場合は、ふたご座Castorの近くにある放射点が高度20ºぐらいに昇る午後8時頃から日が変わって午前1時頃までが観察に適しています。月明かりが邪魔になる午前1時以降は月明かりの影響が少ない方角にカメラを向けた方が良いでしょう。

C:2014Q2

あるいは、15日午前1時過ぎに高度が14ºぐらいになるComet Lovejoy (C/2014 Q2) を探してみるのも面白いかもしれません。C/2014 Q2はオーストラリアの彗星ハンター、Terry Lovejoy氏が今年の8月17日に発見した5個目の彗星。近地点(0.469 AU)を通過する来年の1月7日には実視等級が5〜6等になると予測する人もいます。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) and A Geminid Meteor - Cropped Version
Comet Lovejoy (C/2013 R1) and A Geminid Meteor Photo taken on December 14, 2013

彗星の光度を予測することは極めて困難であることは、去年、太陽に近づいた3つの彗星(Pan-STARRS C/2011 L4、Lovejoy C/2013 R1、ISON C/2012 S1)の例で実証済みです。去年のLovejoy (C/2013 R1) は予測されていた以上に明るくなり、ちょうど去年の今頃、ふたご座流星群極大時に35mm換算で焦点距離75mmのレンズで、青白く輝く彗星を流星と共に奇跡的に捉えることができました。

Lovejoy (C/2014 Q2) はすでに7等級台まで急激に増光しているようです。今年のLovejoyも予想に反して明るくなりそうです。近地点、1.29 AUを通過するのは2015年1月30日。

A Wooden Ladder To Rooftop

Ladder To Rooftop

Handy Home製輸入木製キットガレージ、Huronは二段勾配のギャンブレル屋根を採用しています。アメリカ中西部の田舎に行けば、ギャンプレル屋根の小屋はかなり一般的ですが、日本ではあまり見かけません。屋内の屋根裏スペースを物置として有効利用できるという利点以外に、屋根の修復作業も切妻屋根と比べると容易です。

私は予てからギャンプレル屋根の上に登って星空を眺めたいという願望がありました。南東側すぐ近くに街灯があるけれど、条件が揃えば天の川もうっすらと見えなくもありません。二段勾配の棟に近い方は、勾配が緩やかであり、カメラ用三脚を設置したり、折りたたみ式のリクライニングチェアーを置くことも可能です。問題はどうやって三脚やリクライニングチェアーを屋根の上に安全に持って上がるのかということでした。そこで、専用の木製梯子をSPF 2×4と1×4の端材を使って製作することにしました。

Ladder To Rooftop

側板にはSPF 2×4の6’を2本使用しました。6フィートあれば、ポーチの手摺から勾配の緩やかな屋根上にちょうど届きます。手摺と接する部分は直角三角形をノコギリで切り取り、切り欠きを設けました。これでしっかりと手摺に固定できます。

Ladder To Rooftop

踏み板には1×4の端材を使用。側板に深さ15mmの溝を切ってあります。溝掘りにはRYOBIのトリマーを使用しました。12.0mmストレートビットを使い、二回に分けて溝を掘りました。踏み板と側板は2本のビスを内側から斜め打ちで留めています。側板に2×4材を使用したため、完成した梯子はかなり重くなりました。溝の深さを10mm程度に浅くすれば、側板を1×4材にすることも可能だと思います。但し、その場合、踏み板は側板の外側からビス留めすべきかもしれません。いずれの場合もドリルで下穴を空ける作業を怠ると、木が割れる可能性大。

ギャンプレル屋根の上に登ることを専用とするこの木製梯子の最大の特徴は踏み板の取り付け角度。屋根の上に梯子を置いた時に踏み板が水平になるように工夫しています。この角度なら階段のように、三脚やリクライニングチェアーを片手に持った状態で、梯子を登ることが可能。但し、下りる時は梯子らしく後退しながらになります。

Ladder To Rooftop

普段は使わないこの専用梯子の収納場所はガレージの屋根裏。

Ladder To Rooftop

梯子が落下しないよう、フック部には三角の2×6端材とL型金具を使用しています。

作業の難易度:5段階で3

Leonids Tonight

2001年の流星雨を見過ごして以来、しし座流星群についてはあまり良い記憶がないので、最近は観察すらしていません。IMOの予測によると、ZHRは極大時刻(JST18日午前7時)で15ほど。7月末のみずかめ座δ南流星群と同程度。最適な条件でプロフェッショナルな方々がカウントできる出現数が15ほどと言うことは、条件に恵まれない普通の人なら、明日の薄明が始まる前に一時間に多くて複数個、見れればラッキーな程度です。

木星の近くにある放射点が東の空に昇るのは日が変わる午前0時頃。そのおよそ2時間後に輝度21%の下弦の月が昇ります。昨夜11時半頃にギャンブレル屋根の上から撮影した上の画像にはまだ放射点は見えていません。屋根の上なら換算16mmの超広角レンズで東の空が見渡せます。

11月18日追記:昨夜は天気予報に反して曇り時々雨で、稲妻は見えても星はひとつも見えない状況でした。しし座流星群とは相性が今ひとつのようで、よろしくない記憶がまた一つ増えました。

Orionids 2014 — Part 2

DSC_7270

極大日は過ぎましたが、秋雨前線が南下して漸く、オリオン座流星群の観察+撮影ができるようになりました。

IMOが集計したデータによると、極大日のZHRは25ぐらいと例年通りだったようです。オリオン座流星群は極大日時の出現数が集中するわけではないので、前後数日は観察に適しています。2009年に撮影した火球クラスの明るい流星は極大日時から48時間以上経過していました。

Orionids 2014

10月24日午前1時前に流星を1本、漸くカメラで捉えることができました。といっても撮影した本人か流星写真を見慣れている人にしか判別できない画像です。2時間半で合計367枚撮影した中で、流星が写っていたのはこの一枚のみ。目視では5〜6本、確認しています。2年前のIMOの活動グラフと比べると、今年は極大日時2日後の出現数が少ないように思います。

DSC_7821

防湿ケースに入れたままほとんど使用していないTamron AF 18-250mm f/3.5-6.3 Di II LD Aspherical (IF) Macro (A18)に交換して、広角端(換算27mm)でオリオン座を中心に配置して何枚か撮影してみました。このレンズで星座の撮影は初めて。広角端で撮影する場合、無限遠のマークからかなり戻した位置で星にピントが合います。より正しくは無限遠の幅が広いように思います。

周辺部で減光がある以外、絞り開放でもなかなかシャープです。コマ収差も少ないようです。これなら星の撮影に使えそう。モーター非内蔵でオートフォーカスが遅く、手ブレ補正機構もありませんが、星の撮影にはそのいずれも使いません。VRをオフにする手間が省けてかえって好都合。レンズの性能さえ良ければ、天体撮影には問題なく使用できます。