The Summer Triangle

Sony Cyber-shot DSC-RX100、広角端(換算28mm)f/1.8、三脚固定で撮影した夏の大三角形をTokina AT-X 116 PRO DXを装着したNikon D90、望遠端(換算24mm)f/2.8で撮影したものと比較してみました。いずれのカメラもISO 3200、露光20秒に設定し、高感度長秒時でのノイズの出方を比べました。Nikon D90はRAWで撮影し、Sony DSC-RX100はJPEGで撮影してApertureで補正しました。できる限り、条件を合わせるため、D90で撮影した画像はRaw Fine TuningによるDe-noiseは実行していません。画角を合わせるため、換算24mmで撮影したD90の画像は少し切り取ってあります。

Summer Triangle with Sony Cyber-shot DSC-RX100

上の画像Aと下の画像Bを比べてどちらが高感度長秒時ノイズが多く現れているかといえば、結果は歴然としています。有効画素2,020万画素、1″センサーを搭載したDSC-RX100で撮影した上の画像Aは切り取っていないこともあり、周辺部にコマ収差が現れているものの、黒っぽいまだら模様の高感度長秒時ノイズはほとんど確認することができません。また、f/1.8で撮影しているのでより暗い星が写っています。

Summer Triangle with Nikon D90 and Tokina AT-X 116 PRO DX

有効画素1,230万画素、APS-Cサイズのセンサーを搭載したNikon D90の方が当然のように高感度耐性は優れているだろうと思っていましたが、結果はそうではないようです。Nikon D90で撮影した上の画像Bにはまだら模様のノイズが現れています。(Raw Fine Tuningを実行すればある程度のノイズは消すことができます。)

予想に反して意外な結果となりました。点光源の星の撮影を行えば高感度長秒時耐性、レンズのコマ収差の処理などの性能が如実に現れます。これは現実と受け止めて、Nikon D90を使って三脚固定で星の撮影をする時は今後もISO 1600ぐらいを上限に設定します。Sony Cyber-shot DSC-RX100は星の撮影に関してはサブではなく、メインの座を獲得したように思います。

RX100での星空撮影時のピント合わせは一昨日、苦労しましたが、昨夜の撮影ではアルクトゥルス(光度0.0等)を視野に入れて、拡大すればマニュアルでのピント合わせが容易にできました。カメラの向きを変える時に誤ってコントロールリングに触れてしまうと、ピント位置がずれることがあるので注意が必要です。カメラの設定は光害が少ない場所ならISO 3200、露光20秒、広角端で絞り開放(f/1.8)を標準として問題なさそうです。

追記:昨夜(7月18日)、上の写真を撮影する前に自宅敷地内で同居人が火球を目撃したそうです。時刻は午後9時半頃のことです。高度40°ぐらいの北の空にハンドボールぐらいの大きさの白っぽい火球らしきものが母屋の三角屋根に突き刺さるような光跡で飛んで行ったそうです。直後(1〜2分後)に同じような光跡で明るい流れ星が北の空に流れたそうです。たぶん、2個目も火球クラスの流れ星だと思われます。1個目のハンドボールは燃え尽きるところを見ていないそうなので、隕石となり、燃え尽きずに地上か海上に到達していてもおかしくないかもしれません。

The Milky Way with Cyber-shot DSC-RX100

The Milky Way with Sony Cyber-shot DSC-RX100

RX100で夏の大三角形を試写してみました。高感度耐性が良好であり、絞り開放からシャープな画像で撮影できることは祇園祭宵々山での試し撮りでわかっていましたが、長秒時撮影による熱ノイズはどんな感じであるのか全く未知の状態でした。上の画像は広角端f/1.8、露光20秒、ISO Speed 3200で撮影しています。JPEGで記録して補正していますが、熱ノイズが少ないことに驚きました。

DSC00121

同じ設定で撮影した上の画像にはアンドロメダの左上に小さな流星が写っています。

DSC00147

こちらはf/1.8、露光30秒、ISO Speed 800の設定。

DSC00144

同じフレーミングでf/1.8、露光20秒、ISO Speed 1600の設定。ISO 800で撮影したものと比べると暗い星がより多く写っています。

The Milky Way with Sony Cyber-shot DSC-RX100

最後に1枚目と同じ設定で補正方法を大幅に変えた天の川。ピントは合っていると思うのですが、無限遠の設定が慣れないため少しずれているかもしれません。

Olympus PEN E-P1よりも星の撮影にはずっと適していることがわかりました。これなら流星写真の撮影にもサブのカメラとして使えそうに思います。赤道儀に載せて追尾すればどんなことになるのだろう。

Gion Matsuri Yoi-Yoi Yama 2012

Yoi-Yoi Yama 2012

蒸し暑い夕暮れから夜にかけて、数万人規模の人混みの中をカメラをぶら下げて京都の街を歩いてきました。Sony Cyber-shot DSC-RX100の試写会を兼ねて。

Yoi-Yoi Yama 2012

最低限必要な部分のみ、マニュアルをさっと読んだだけなので、カメラの使い方が全然わかっていません。他の使い慣れたカメラと同じように絞り優先で撮影しました。Mac OS(ApertureとiPhoto)がまだこのカメラのRAWに対応していないので、画質はRAW + JPEGではなく「ファイン」に設定しました。画像サイズはL: 20M。絞り開放の上の画像、コンデジとは思えないほど、背景が綺麗にボケています。ISOは500ですが、高感度ノイズはないに等しいかと思います。

Yoi-Yoi Yama 2012

宵山(宵々山)の写真で難しいのは露出をどこに合わせるか、悩みどころです。RAWで撮影できれば後から大幅な補正が可能ですが、今回はJPEGなので、撮影時の設定とフレーミングが適正でなければ後からどうすることもできません。RX100で撮った上の画像は提灯に露出を合わせています。フレームの中で暗い部分が多ければ黒つぶれが目立ちますが、この程度なら提灯が主役と言うことで黒つぶれをごまかすことができます。

Yoi-Yoi Yama 2012

上の画像は同じ位置からほぼ同時刻にNikon Coolpix P300で同行者が撮影。提灯の色が随分と異なります。どちらがより実際の色に近いかと言えば、たぶんRX100で撮った方だと思います。Coolpix P300も夜景は得意分野です。RAWでの記録はできないけれど、流し撮りも可能だし、まだまだ手放すことはできません。

Yoi-Yoi Yama 2012

RX100で撮った上の画像、絞り開放(f/1.8)なのに小さな文字がくっきりと読み取れることに少々、驚きました。厳しい撮影条件であるにも関わらず、このカメラはかなりシャープな画像が撮れます。

SonyのImage Data Converterを使えば、RAWで撮影した画像ファイルをMacで現像することができるそうなのですが、お世辞にも使い勝手が良いと言える代物ではなく、ダウンロードしてインストールしてみたものの、使う気が全く起こりません。Aperture/iPhotoのRAW対応を気長に待ちながら、当分の間、JPEGで撮影することになりそうです。

Jacket Case for DSC-RX100 (LCJ-RXA)

Jacket Case for DSC-RX100

DSC-RX100専用ジャケットケースをマルチメディア京都で入手。先月、ソニーストアで実物を確認していた速写ケースです。材質はポリウレタンで、レンズ部分は本革だそうですが、非レンズ部分との区別がつかないほ上質な本革の質感があります。

Jacket Case for DSC-RX100

ケースに付属するショルダーストラップは長めにできているので、斜め掛けにも対応します。

Jacket Case for DSC-RX100

レンズ部分を完全に外さなくても撮影可能。ケースに入れたまま三脚に取り付けることもできます。

Jacket Case for DSC-RX100

マイクロUSB端子にもアクセス可。

AmazonBasics 32GB Class 10 SD Flash Memory Card

amazon basics 32GB SDHC Class 10

Amazonアソシエイトの紹介料でいただいたギフト券で32GBのSDHCメモリーカードを入手しました。当ブログサイトを経由してAmazonでお買い物をされた方、お礼申し上げます。

amazon basics 32GB SDHC Class 10

容量を示す大きな数字はたいへんわかりやすい。AmazonBasicsブランドの価格は32GBでY1,752でした。現在、同じClass 10のSDHC 8GBは¥731、16GBは¥1,446、32GBは¥1,782になっています。(価格は日々変動します。)

AmazonBasicsブランドの商品は他にもシンプルデザインで費用性能比に優れた商品があるみたいです。すべて、1年間限定日本国内保証付きだそうです。今後、いただいたギフト券はAmazonBasicsの商品を買って、紹介しようと思います。Amazonが全世界で展開するプライベートブランド、Amazonベーシックストアは下のリンクから。
AmazonBasics

Sony Cyber-shot DSC-RX100 – Unpacking

Sony Cyber-shot DSC-RX100

Sony製品を入手したのは随分と久しぶり、同じCarl Zeissのレンズを搭載したCyber-shot DSC-W30以来ではないかと記憶しています。(DSC-W30はF2.8–5.2のVario-Tessar)DSC-RX100はソニーストアで発売前日に確認してから是非とも入手したいと思い、価格が下がるのを待っていました。直営店では価格は下がらないので、Amazonやカメラのキタムラでの販売価格を毎日、チェック。先週末、カメラのキタムラで数量限定特価¥57,400で下取りのカメラがあればさらに¥3,000値引(現在は¥1,000値引)になっていました。ということは目安としていた¥55,000を切る価格。6月15日発売当初の価格と比べて1ヶ月が経過していないのに約¥5,000も安くなっています。

いつものカメラのキタムラ実店舗に電話で問い合わせると、在庫があり、ネットショップと同じ価格にしますということだったので、店を訪問してカメラを入手することにしました。販売価格の5%で5年保証も同時に購入。

Sony Cyber-shot DSC-RX100

予め用意しておいた純正の「モニター保護セミハードシート」をお店で貼ってもらいました。

Sony Cyber-shot DSC-RX100

現在、充電中です。空の状態から満充電させるには約155分、要するとのことです。

RICOH GR Digital III Macro Shot

Eastern Pale Clouded Yellow

車での移動が多い私は電車を利用するのは数ヶ月に一度ですが、晴れていたので散歩がてらに電車を利用しようと駅まで歩いていると、こんな光景に出くわしました。首からRicoh GR Digital IIIをぶら下げていたので、そっと近付いてマクロモードに設定し、お食事中のモンキチョウを一枚。絞りの値を変更する時間がなかったので、若干絞り過ぎになっています。

Sony Cyber-shot DSC-RX100 Hands-on

Sony Store Osaka

発売前日の6月14日、午後から梅田のハービスPLAZA ENT 4FにあるSony Store Osakaで展示機に触れてきました。普段は縁がないSony製品を展示販売する直営店を訪問するのは初めて。

Sony Store Osaka

VaioシリーズのノートブックPC売場を通り越して、Cyber-shot DSC-RX100展示エリアに一直線。展示機は2台ありました。

Sony Cyber-shot DSC-RX100

手にした時の第一印象は高級感がある適度な重さ。そして、沈胴式のCarl Zeissブランドの広角端(換算28mm)で開放F1.8の大口径レンズを繰り出した時、レンズが思っていたよりも大きいこと。カメラボディー自体もCanon S100と比べると適度に大きくて手に馴染みやすい。直線的でシンプルなデザインはNikon P300にも似ているけれど、質感はずっとRX100の方が良い。発売時の価格が2倍以上も高価であることを考慮すれば期待通りの質感。F値の設定やマニュアルフォーカス時のピントリングとしても機能する「コントロールリング」の動きも滑らか過ぎずに適度な重さがあり良い感じに仕上がっています。

3.0型約122.9万ドットの「エクストラファイン液晶」は明るい場所でも見易いそうですが、屋外に持ち出すことはできないので確認はできませんが、高精細であることは一目でわかります。

しばらく展示機に触れていると、お店のスタッフがちょうど良いタイミングで商品説明に来てくださいました。直営店の店員らしく、商品知識は豊富で、どんな質問にも応えられるような印象があるスタッフでした。そこで、Sonyのサイトやカタログに記載されていないことを一つ、聞いてみました。(意地悪な質問ではなく、本当に知りたかったことに関する質問です。)何でもできそうで、欠点がなさそうに思えるこのカメラで「流し撮り」が可能なのかどうかという質問です。「シャッタースピード優先に設定すればできるかもしれないけれど、流し撮りの専用モードや自動的に横方向の手ブレ補正機構を無効にする機能はありません」ということでした。流石に直営店のスタッフは商品知識が豊富。ついでにレンズの材質がガラス製であることと、ボディーの製造は国内であることも教えていただきました。

直営店のソニーストアは定価販売(¥69,800)だろうから、購入するとしたら量販店かカメラ専門チェーン店、価格次第では通販でと考えていましたが、ソニーストアでは来店客に限り、10%引きで販売しているとのことです。(割引に関してはお店でいただいたパンフレットに記載がなかったので、大きな声で言えないのかもしれません。)3年ベーシックの長期保証も無償であり、アクセサリーを購入すればソニーポイントも5%付くそうです。

Cyber-shot DSC-RX100

Sonyの高級コンデジ新製品、これは何としても手に入れたいと思わせるデザイン。

Carl Zeiss Vario-Sonnar Tが光っている。レンズの品質に見合ったボデイーのように見えます。ボディーの材質はアルミ製。1″ Exmor-CMOS 2020万画素の高感度センサー。

発売は6月15日だそうで、是非、店頭で実機に触れて確認したいと思います。質感だけは実機に実際に触れてみないとわからない。画像はデジカメWatchの記事にリンクしています。

カメラのキタムラ「ネットショップ」では販売価格が¥62,980になっています。

Annular Solar Eclipse and Baily's Beads

DSC_0992
6:21:59

Nikon D90 w/Nikkor 75-300mm f/4.5-5.6で撮影した記念すべき一枚目の写真。練習した成果が生かされていない露出不足の画像になってしまいました。数枚撮影してから気付きましたが、Exifデータを確認すると、ISO640、f/11、SS: 1/640秒になっています。何故にISOとSSが同じなのか?

第1接触(6:17:56)の頃は薄い雲がかかっていました。私は部分日食も見たことがなかったので、太陽が欠けるのを見るのは人生初の体験です。周囲の人はまだ撮影機材の準備をしていません。

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こちらはコリメート法採用のコンデジ(Nikon Coolpix P300)で撮影した欠け始めの太陽。上の一枚目と二枚目の画像は共にクロップ(トリミング)なしですが、これだけ大きさが違います。

R0014309

光学ズーム望遠端(焦点距離17.9mm)に設定したコンデジを双眼鏡のアイピースに押し当ててオートフォーカス。露出はマニュアル設定。双眼鏡の倍率は7倍、コンデジは4.2倍。単純に掛け合わせれば良いわけではありませんが、倍率は20倍以上にはなっていると思います。

Annular Solar Eclipse 2012

この場所での第2接触予想時刻を確認しようと、iPhoneでAnnular Solar Eclipse 2012を立ち上げてみると、何と、リアルタイムでシミュレーション実行中でした。試しにARで欠け始めた太陽にiPhoneをかざしてみたのが上のスクリーンショット。ぴったり予測位置と時刻が合っています。この画像は二度と撮影できないので、この素晴らしいiOS Appと共に永久保存しておこうかと思います。

DSCN5247

こちらもコリメート法のCoolpix P300で撮影。空はほぼ快晴ですが、この頃から気温がどんどん下がり、長袖のシャツ一枚で肌寒く感じた私は車に常備してあるブランケットを取りに行くほど。

DSC_1030
7:24:33

金環食まであと5分58秒。本当にベイリービーズは見れるのだろうか?

R0014295
7:24:48

月の陰に隠れて大部分が欠けた日食進行中の太陽は、それでも輝いているけれども、日光を反射する地表の景色は通常の晴天時とはどこか違う。曇天時とも何か違う。言葉で表現できない異様な風景でした。琵琶湖の上を欠けて行く太陽が見れるこの場所を選んで良かった。

DSC_1036
7:28:38

リングが繋がって本当に金環になるのだろうか。第2接触まであと1分53秒。太陽は暗くなって来たのでISOを800にまで感度を上げました。

DSC_1038
7:30:15

あと16秒の時点で撮影した上の画像、右下に凸凹した黒い影が見えます。ひょっとしてこれがベイリービーズ?倍率8倍の双眼鏡を使い、目視で確認するとそれは確かに数珠状の光と影。近くで「来たっー」という声が聞こえました。私は双眼鏡での目視とカメラでの撮影に忙しくて、釣り人が発した言葉なのか、日食観察している人が叫んだ言葉なのか確かめることができません。

Baily's Beads
7:30:38

ブラックバスでも釣れたのか?と一瞬、思いましたが、やって来たのはビーズの方でした。第2接触後7秒が経過しているのでこの時点でリングは繋がっている筈。

Baily's Beads

金環食真っ最中の上の画像ではリングは確実に繋がっており、ベイリービーズも見えます。双眼鏡ではもっと鮮明にビーズが見えていました。

Baily's Beads
7:31:00

たまたま捉えた第3接触。ベイリービーズはこの後、7:31:23まではカメラで記録できているので、1分8秒間以上は見えていたことになります。ちょうどベイリービーズが見えていた時の画像は、太陽の縁が月の影に吸い込まれるように直線状に見えます。金星や水星の日面通過第2、第3接触時に起こるブラックドロップ現象に似たような現象でしょうか?それとも目の錯覚か。

Baily's Beads

コリメート撮影のNikon Coolpix P300でもリング状になった太陽の縁と月の影が接触する部分が吸い込まれたように直線状に写っています。

DSCN5347

「来たっー」と叫んだ人がもういなくなった後、第4接触までずっと観察と撮影を続けました。月の影に隠れていた大きな黒点群が再びくっきりと見えています。

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予備のカメラ、Olympus PEN E-P1でも第4接触直前に活躍してもらいました。

DSCN5234

ちょっとわかり辛いですが、ピンホールを通して紙に投影した太陽が欠けて行く様子も確認しました。

R0014298

日食の開始から終了までの3時間ほど、ずっと雲に遮られることなく、琵琶湖を前景に日食とベイリービーズの観察と撮影ができたのはこの上なく幸運でした。

最後に撮影の直前に時刻合わせをしたNikon D90の内蔵時計が正確であることを示す画像(帰宅後に撮影)を掲載しておきます。ExifデータはJST午前11時26分00秒になっています。

Photography Equipment and Observation Tools for Annular Solar Eclipse and Baily's Beads

DSCN5179

計画通り、和邇川河口の公園に午前6時頃に到着。こんなに朝早くから行動するのは空港に向かう時ぐらい。河口には釣り人と日食の観察、撮影を目的とした人の車がすでに数台。この後、どんどん車の数は増えて行きます。今回の金環日食でほぼ完全なドーナツ状に漏れた太陽光が見えるのは、金環日食帯の中心線上に位置する九州最南端、潮岬、静岡県太平洋岸、箱根、東京、千葉県北部辺り。金環は1分も見えない、北限界線に近いこの場所を敢えて選んでやって来る他府県の人は、ベイリービーズの撮影と観察を狙っていると思われます。それとこのブログを見た人?

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観察、撮影機材を準備しているところ。太陽の進行方向には雲はほとんどありません。直前の天気予報に反してほぼ快晴。雲の合間から撮影しなければならないだろうから、ND400フィルターを入手しようと昨日、家電量販店に在庫を尋ねてみると、太陽撮影用NDフィルターはどこも完売状態でした。こんなに晴れているので結局、ND400フィルターは不要でした。

DSCN5304

慌てて準備した観察、撮影用機材はManfrotto 190CX3+Manfrotto 484 Mini Ball Head(脚部100%カーボンファイバー製三脚とボール雲台)、Nikon D90(迷った挙げ句、より自然な発色で写るD90をメインボディーに)、Nikkor 75-300mm f/4.5-5.6、Manfrotto 7322YB(ボール雲台付きアルミ製小型四段の三脚)とNikon製7×50 7.3° IF WP HP Tropical双眼鏡、それとコリメート法を用いた撮影で使用するNikon Coolpix P300。望遠レンズと双眼鏡に星ナビ付録の下敷きを加工した簡易減光フィルターを装着してあります。

R0014317

目視観察用としてNikon 8×40 6.3° TALONとKenkoブランドの太陽観察専用サングラス、宝島社の「超高級ガラス製金環日食グラスBOOK」に付属する日食グラスを用意。観察場所の状況を撮影するカメラとして、Ricoh GR Digital IIIと予備のコンデジRicoh PXも待機。倍率8倍のTALON双眼鏡の対物レンズにも工作した簡易減光フィルターを装着しています。

DSCN5312

慌てて自宅を出た私はベルトの着用を忘れました。

Sunspots Taken With Nikon Coolpix P300

Sunspots Taken With Nikon Coolpix P300

いわゆるコリメート法と呼ばれる方法でNikonの双眼鏡(7×50 7.3° IF WP HP Tropical)とコンデジ(Coolpix P300)を用いて太陽の撮影を試みました。コリメート法とは望遠鏡や双眼鏡の接眼レンズ(アイピース)にカメラのレンズを押し当てて撮影する方法。

Nikon Binoculars 7x50 7.3º IF WP HP Tropical

上の画像はクロップ(トリミング)を含め、補正は一切していません。双眼鏡の倍率は7倍、コンデジは光学4.2倍ですが、カメラの焦点距離は15.2mm(換算85.0mm)に設定しました。双眼鏡対物レンズには簡易減光フィルターを装着してあります。換算600mmの望遠レンズで撮影した場合よりも太陽は若干大きく写っています。

Sunspots Taken With Nikon Coolpix P300 (Cropped)

クロップすれば黒点がくっきりと写っているのがわかります。補正しなくても金色に写っています。コンデジと双眼鏡の組み合わせでこんなに綺麗に撮れるとは驚きました。

DIY ND Filters for Nikon Binoculars 7×50 7.3º IF WP Tropical

Nikon Binoculars 7x50 7.3º IF WP HP Tropical

星ナビ5月号増刊付録の「日食観察プレート」を用いた工作シリーズの続編です。特別付録の使用上の注意に次のようなことが書いてあります。

「日食観察プレート」を使って双眼鏡を絶対に覗かないでください。目を傷めたり、プレートが熱で変形するおそれがあります。

この注意書きをさらにわかりやすくする写真があります。加工していない「日食観察プレート」を双眼鏡の接眼鏡(アイピース)にあてがって遠方を覗いているシーン。確かにそんなことをすれば目を傷めるおそれがあります。接眼鏡ではなく、対物レンズの前方にしっかりと固定すれば十分な減光が可能なので、問題はないと思います。

Nikon Binoculars 7x50 7.3º IF WP HP Tropical

重量が1350gとヘビー級なので、最近は全く使っていなかったNikonの古い双眼鏡。倍率7倍、対物レンズ有効径50mmの大口径で明るい(相対光度50.4)クラシカルな防水性双眼鏡。対物レンズの枠が着脱式になっています。

対物レンズの枠を外し、円形に切り抜いた「日食観察プレート」を枠の内側にはめ込んで、双眼鏡に戻しただけの簡単な工作です。できる限り真円に近い円形にプレートを切り抜くには、ドロー機能があるワープロソフトなどで描いた円をプリントアウトして型紙を作ると容易にハサミで切り抜くことができます。

換算600mmのカメラ用レンズで撮影した場合よりもオレンジ色の太陽は大きく見えます。黒点も観察可能です。実はこの工作物、製作したのは3日ほど前のことです。太陽を見ても眩しくないかどうか、目を傷めることはないかどうか、検証していました。そうした危険性はないようなので、公開することにしました。

注意:日食や金星の太陽面通過の観察を目的として工作した簡易減光フィルターを双眼鏡の対物レンズ前方に固定させる方法は、目を傷める危険性が全くないとは言えないので、参考にされる場合は十分に注意してください。特に、双眼鏡の視野に太陽を入れようとする時に、日光を直視する恐れがあります。太陽を直視する恐れがある場合は、十分な減光が可能な日食グラスなどを用いるようにすると安全です。

ISO Bracketing

P5162270

5月21日の金環日食に向けて予行演習を続けています。昨日はISOを高めに設定して試し撮りをしようと、マニュアル設定にしたOlympus PEN E-P1のMENUボタンを触っていて偶然にも「ISOブラケット撮影」の機能があることに気付きました。カメラを入手してからもうすぐ3年になるというのに。

「ISOブラケット撮影」の機能を使えば、撮影時のシャッター速度と絞り値を固定したまま、ISO感度を自動的に変えて、一回の撮影で三枚の画像が記録されます。補正量は1/3EVステップで、設定したISO感度を中心にマイナスとプラスに補正した画像が記録されます。例えば、ISOを640に設定していてISO BKTで3F 0.3EVを選ぶと、ISO640の画像に続いてマイナス補正の500とプラス補正の800の画像が自動的に記録されます。

金環日食進行中に光量の変化に合わせてISOの設定を手動で変更しようと私は考えていましたが、ISOブラケット撮影の機能を使えばその必要はなさそうです。

上の画像は5月13日に撮影した画像と同様、「日食観察プレート」を用いて工作した簡易減光フィルターを通して撮影。ISOは500、シャッター速度1/125秒、絞りはたぶん8。補正すれば白っぽくなりました。レンズ焦点距離は換算600mmですが、クロップ(トリミング)してあります。

ベイリービーズを撮影できるかどうか、全く自信がありませんが、ISOは高めの方が良いかと考えています。金環日食はゴールドでなければならず、設定するISOは逆に低めの方がゴールドに近い色に写るので、200か320ぐらいで良いかもしれないと思うようになりました。

Sunspots - Version 2

5月13日の「肉眼黒点」(たぶんAR-1476)は太陽の自転と共に西に消えて、昨日はまた別の大きな黒点群が見えていました。上の画像は5月13日に撮影した「肉眼黒点」をApertureでトリミングし、補正してあります。Saturation(彩度)を触ると白っぽくなります。

Nikon 遊 4×10 DCF 10º

Nikon 遊 4x10DCF 10º

倍率が4倍のNikon製双眼鏡を直営店で入手しました。色はエボニーブラック。ソフトケースとストラップが付属します。

Nikon 遊 4x10DCF 10º

Nikon製双眼鏡の中で最も薄く(厚さ19mm)、最も軽量(65g)で「視度調整機構」が省略されており、操作は眼幅調整とピント合わせのみ。レンズは明るくて見易いと思います。

Nikon 遊 4x10DCF 10º

直線的なデザインはシンプルそのもの。これだけ軽いと常時バッグに入れておけそう。