IRWIN® VISE-GRIP® 7CR (Fast Release™ Curved Jaw Locking Pliers)

IRWIN VISE-GRIP 7CR

VISE-GRIP®を名乗れるロッキングプライヤーは元祖メーカーのIRWIN®だけということで、セール販売されていた最新モデルの7CRをAstro Products京都山科店で入手しました。(税別¥1,430)「世界のアストロフェア2018年春こだわり工具特集」に掲載されていた製品の一つです。

IRWIN VISE-GRIP 7CR

親しくなったAstro Productsのエリアマネジャーによると、この最新製品は下顎先端部分が若干ずれていますが、握ってロックさせると先端部分が揃うようになるそうです。私が以前から所有しているVISE-GRIP® 7WR(75周年記念モデル)にはこのような機構はありません。

IRWIN VISE-GRIP 7CR

下顎のグリップ力は従来のロッキングプライヤーと比べて3倍の力があるそうです。

IRWIN VISE-GRIP 7CR

ロックを解除するリリースレバーが不在ですが、ロックは片手で解除可能です。こだわりは上顎側グリップ底部にある調整スクリューの中心にある六角穴。4ミリの六角ドライバーでグリップ具合を調整できるようになっています。全長185mm。VISE-GRIP®は錆び付いて頭が取れたビスや固着したスタッドボルトなどを引き抜く際に使用します。

Toyota SPADE — Replacing Tires

今季7台目のタイヤ交換はブンブンさんのToyota SPADE。母屋ログハウスの床下で保管していた夏用タイヤはすでにガレージに移動させておいたので、30分もあればタイヤ交換と空気圧調整作業を終えることができると思っていたら、ホイールナットの取り付けに意外と時間を要し、結局、所要時間は1時間強になりました。

純正夏用タイヤは鉄ちん(スチールホイール)であり、ホイールキャップを装着する仕様となっていました。ナットの種別が一般的な袋ナットではなく、貫通ナットが使われていました。私としたことが当初、逆向けにホイールナットを取り付けてしまい、規定の締め付けトルク値(105N•m)にプリセットしたトルクレンチでナットを締め付けようとしたら、異常に重い。なぜだろうとナットを見たら、向きが逆でした。

貫通ナットの場合、逆向きに取り付けてしまうことがよくあるそうです。袋ナットなら物理的に不可能なことですが、貫通ナットであればどちらからもボルトをナットに貫通させることができてしまいます。ホイールキャップを取り付ければナットが隠れて見えなくなるので、キャップを取り外さない限り、気付かないかもしれません。逆向きに取り付けた貫通ナットは緩む恐れがあるので、極めて危険です。

Wood Carport — Part 86

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南西側(道路側)に筋交いを2本取り付けて、強風による水平方向の揺れに対する強度を補強します。柱Iを挿入する位置を決めて、桁Cと土台Bに深さ10ミリの切り欠きを入れます。切り欠きは丸鋸と鑿で入れますが、両端のラインが真っ直ぐに切れるよう、スピードスクエアをガイドにします。両手が使えるようにスクエアをクランプで固定。頭上での作業になるので丸鋸を片手で持つには重すぎて真っ直ぐに切れない。

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北西側(母屋側)と同じ作業行程になるので、写真撮影は省略しました。土台Bの上に柱Iを垂直に立て、羽子板ボルトで固定。

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今回は短い方の筋交いから取り付けました。

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120ミリの筋交い用金物で長い方の米松の筋交いを固定。

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北西側(母屋側)と同じように、WRC2x4材の端材を土台Bの上に載せて、短い方の桧筋交いの長さを調整しています。

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南西側(道路側)の筋交い取り付け作業をほぼ終了しました。筋交いがあると、カーポートというより建築途中のガレージや住居のように見えます。

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翌日、土台BにM12の六角コーチスクリューを取り付けました。13ミリのドリルビットで深さ30ミリぐらいの穴を空けてから、ハンマーで叩き込み、

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AP製12ミリのディープソケットを装着したSnap-on製シールドラチェットで六角コーチスクリューを締めました。

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羽子板付き束石と束柱の間に入れたアスファルトシングルは束柱の高さを調整することと雨水対策が目的です。

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水平方向の揺れに対する強度はどうなのか?向かって左の柱Eと中央手前の柱Fを揺するようにして前後に強く押してみました。どうやら東西の水平方向の揺れはほぼ収まったようです。前回は南北方向の揺れが気になりましたが、不思議なことにそれもかなり少なくなりました。想像していた以上に筋交いの効果は絶大であることがわかりました。

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補強目的の壁は必要ないかなと思います。この程度の強度が維持できるのであれば、東側の筋交いも不要ですが、化粧目的の柵はあっても良いかもしれません。

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ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP) — Part 3

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

COSTCOで入手したARCAN 3.0トン、アルミ/スチール・ハイブリッドジャッキ(HJ3000JP)の受け皿にAP 2Tonアルミレーシングジャッキ用の溝付きゴムパッドをかぶせてみました。サイズはぴったりで問題なく使用できそうです。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

ARCANのハイブリッドジャッキ(税込¥12,280)はAstro Products製2Tonアルミレーシングジャッキ(税別¥29,800)と形状が似ています。(使用素材とサイズ、重量は異なります。)受け皿のサイズも1ミリしか違わないのでゴムパッドを使い回しすることができるのではないかと思い、被せてみると予想通り、ほぼぴったりでした。このパッドを取り付けると、無負荷時に最低位と最高位がそれぞれおよそ15mm高くなります。

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ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP) — Part 2

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

COSTCO京都八幡倉庫店で入手したARCAN 3.0トン、アルミ/スチール・ハイブリッドジャッキ(HJ3000P)をSuzuki HUSTELRの荷室から降ろして組み立て、実際にHUSTLERを前方のみジャッキアップしてみました。初期不良などがあると困ったことになるので、動作確認を兼ねています。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

箱から取り出した状態。付属する上下のハンドルを取り付ければ、すぐに使えそうではありますが、その前にハンドルヨークを固定するワイヤーを取り外す必要があります。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

傷防止のため、AP製マルチユースブランケットをガレージのコンクリート床上に敷き、ジャッキを裏返しにしました。ヨークが搬送時に動かないように固定するワイヤーをプライヤーを用いて取り外しました。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

取扱説明書に「ハンドルがヨーク内で回転しやすいように、ハンドルヨークの内側にグリスを塗布して下さい」と書いてあるので、グリスを塗布しました。元々、グリスが塗布してあったので、正しくはグリスを追加したということです。ちょっと塗りすぎかもしれませんが、少ないより多い方が良いだろうという判断です。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

上下分割式の太いハンドルをヨークに挿入してロックしました。これだけハンドルが長い(1147mm)と、車体側面から一輪ずつリフトアップする際にハンドルがガレージの壁に干渉しそうです。推奨される方法ではないものの、サイドシルにジャッキを掛けるときは、受け皿に溝入りアダプターを装着して、上ハンドルを取り外せば良いでしょう。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

アルミとスチールのハイブリッドということですが、赤い部分がアルミでより大きな力が加わるグレーの部分がスチール製だと思われます。磁石で確認済み。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

デュアルポンプが採用されており、素早くジャッキアップすることが可能。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

敢えて、ラダーレールを使わずにSuzuki HUSTLER 2WD車フロント側をジャッキアップしてみました。ジャッキアップポイントに受け皿を当てた状態で、フロントバンパー下ガーニッシュとの隙間はこのくらい。これだけあれば、最初は小刻みになりますが、ハンドルを上下に動かしてアームを揚げることが可能です。バンパーと接触しても傷を付けないように下ハンドルにクッションが巻いてあります。このガレージジャッキは最低位102mmですが、最低地上高が低い車の前方をジャッキアップする場合は、ラダーレール必須だろうと思います。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

キャスターの性能が良いのか、微妙な位置調整が容易に行えます。これまで使っていた2T Heavy Duty Trolley Jack(ノーブランドの超低床ガレージジャッキ)は、位置調整に難がありました。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

リジッドラック最下段までリフトアップした状態。ハンドルを反時計方向に回すとアームが降下します。ゆっくりと回せば意図した通りにゆっくりと降下するので安全です。前述の2T Heavy Duty Trolley Jackはドスンと落ちて来たので、リジッドラックの高さとジャッキアップポイントとの距離に細心の注意を払う必要がありました。

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リジッドラックは左右のサイドシル近くにあるU字型フックに掛けました。ピンは最下段の高さ390mmに設定。この状態で車の下に潜り、融雪剤による塩害の兆候がないかどうか、調べたところ大丈夫でした。

Specifications

Capacity3 Ton
Minimum Lift Height102 mm
Maximum Lift Height470 mm
Lifting Range369 mm
Caster Wheel Size45 mm x 23 mm
Front Wheel Size65 mm x 40 mm
Saddle Diameter116 mm
Handle Length1147 mm
Dimensions592 mm x 302 mm x 152 mm
Net Weight26.4 kgs.

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ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP) — Part 1

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昨日、雪の中を大阪池田を経由して京都八幡へと向かいました。除雪していない道路はスタックしそうですが、幸いにも自宅から国道へと向かう道路は除雪済みだったので、こんな大雪の日も車で出かけることができました。

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前を走行するのはご近所さんのSuzuki Ignisだと思われます。国道でこんなに雪が残っています。私がタイヤ交換させていただいた車です。最低地上高がSuzuki HustlerのFF車と同じ180mmの四駆SUVなので、この車なら除雪してなくても走行に問題なさそう。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

COSTCO京都八幡倉庫店で念願のARCAN 3.0 tonハイブリッドジャッキ(HJ3000JP)を税込¥12,280で購入しました。このクラスの業務用ガレージジャッキでは破格値です。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP)

Suzuki HUSTLER Aの後部座席背後の荷室にちょうど収まりました。重量が58.3 lbs. (26.4 kgs.) と、持ち運ぶには重いので腰痛に要注意。

ARCAN 3.0 TON STEEL/ALUMINUM HYBRID JACK (HJ3000JP) — Part 2へと続く。

IKEA HYLLIS Shelf Unit

IKEA HYLLIS

屋内外に設置できる亜鉛メッキ鋼板製のIKEAシェルフユニット、HYLLISを組み立てました。

IKEA HYLLIS

この製品に付属するビスはポジドライブのプラスネジ。適合サイズは2番のポジドライブのビット。BOSCH振動ドリルに付属するアクセサリーセットにPZ2がありました。フィリップスの#2プラスドライバーでも締め付けることは可能ですが、ネジの頭が潰れる恐れがあります。

IKEA HYLLIS

「転倒防止のため、必ず壁に固定してお使いください。」とIKEAのサイトに注意書きがあります。壁の材質により、使用するネジの種類が異なるので専用の取り付けネジは付属しません。ログウォールに固定したので、私は長めのコーススレッドビスを使用しました。壁に固定しないと、転倒するというより、ぐらぐらします。この棚は壁に固定することを前提に設計されているようです。

IKEA HYLLIS

まだ製作していないカーポートの収納スペースに設置する予定で、この製品を購入しました。ガレージで組み立てたところ、収納スペースができるまでの置き場所に困ったので、ポーチに仮置きしたら、薪置き場としても使えることがわかりました。

IKEA HYLLISの購入価格:¥1,499

KTC Combination Pliers (PJ-150)

KTC Combination Pliers PJ-150

Astro Productsの初売りでKTCのコンビネーションプライヤを入手しました。チラシをチェックしていて、デザインが優れていると思った製品です。KTCのサイトを見ると、「グッドデザイン賞受賞商品」とのことです。サイズが3種類あり、セール価格(税別¥980)で販売されていたこの製品は最も小さな呼び寸法150mmのプライヤ。重量200g、全長163mmで扱いやすいサイズ。

KTC Combination Pliers PJ-150

ソフトグリップの部分に「この商品ははさみ類としての機能をより一層発揮させるために、表面処理されておりません。使用後は油の塗布などのお手入れをしてください」と書かれたシールが貼ってありました。PJ-150は鉄線最大径2ミリまでの切断能力があるそうです。

Rebuilding Another Balcony — Part 11

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横に置く材は雨ざらしであればやがては腐朽菌被害に遭って腐ることになるので、その予防策としてトタン板を加工して板金処理することにしました。最初、実際に保護する梁兼根太となる90ミリ角の杉材の上にトタン板を載せて叩いて曲げようとしましたが、直角に折り曲げることはできなかったので、万力で挟んで折り曲げました。

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板金折り曲げ機なる専用工具もあるそうですが、滅多に板金作業しない私の手元にはそのような工具はありません。若干の傷は付くものの、万力とトンカチでここまで折り曲げることができたら良しとしましょう。

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羽子板ボルトの先端が梁上面から少し、突き出ていたのでディスクグラインダーを用いて先端を切断しました。

Rebuilding Another Balcony — Part 12へと続く。
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Rebuilding Another Balcony — Part 7

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ベランダを支える南側の柱をウッドデッキ上に取り付けました。柱を垂直に立て、梁と直角に交差させるにはデッキ上の固定位置はミリ単位の精度でなければなりません。強度を確保するため、柱はウッドデッキ大引の真上に根太の高さと同じ高さ138mmの角材を載せ、シンプソン金具を用いてウリン製床材の上に取り付けました。アイアンウッドとも呼ばれるウリンは、非常に硬く、端の方にビス用の穴を空けても割れが発生しません。但し、今回のように柱の固定位置を変更する場合、ステンレス製のビスを取り除こうとすると、ビスが空転して引き抜かなければならないことがあります。そんな時に役に立つのがVISE-GRIPロッキングプライヤー。

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柱と梁の接合は枘組みと羽子板ボルト。

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接合部は精度1ミリを目標とします。

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切断した丸太に深さ30ミリほどの切り欠きを彫り、梁を挿入し、L字型のシンプソン金具で補強しました。台風が接近しているので、丸太の木口と梁、柱を防腐塗料で塗装しました。

Tortoiseshell Cat

休憩時にコーヒーとおやつをいただいていると、いつもは近づいたら逃げる近所の三毛猫がこちらの方に忍び寄って来ました。

Tortoiseshell Cat

今にもデッキの階段を昇って来そう。

Tortoiseshell Cat

顔つきがCat ISONに似ているので兄弟かもしれません。

Rebuilding Another Balcony —Part 8へと続く。
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Wood Carport — Part 14

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左手に持っているのが「五郎謹製」の平鉋、右手に持っているのが細長い作里鉋。いずれも義父から頂いた年代物の鉋。

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作里鉋は桁や梁を繋ぐ相欠き部分の仕上げに重宝します。

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相欠きは本来、柱の真上ではなく少しずらせた位置で継ぐそうです。上の画像は在来工法で職人さんが建てたご近所さんの木製ガレージ内部。(車庫ではありません。)相欠きの重なる部分の長さが短いのは、強度を考慮してのことだと思います。物置兼ガレージの内部を見せていただき、参考にさせていただきました。

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当初の計画では相欠き部分の幅は柱の幅と同じ90mmでした。この部分を50mmに短くすることで、桁の全長を5,950mmとし、全長3,000mmの杉角材を無駄なく有効利用することができ、同時に柱から突き出た部分を東西で125mm分、確保できます。

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柱Bと柱Cの間に桁Bを渡しました。二次元で想像していた以上に背が高くて大きな「パーゴラ」になりそうです。

相欠き継ぎ作業の難易度:5段階で4

Wood Carport — Part 15へと続く。
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Wood Carport — Part 13

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3本目の柱Cを沓石の上に立てます。2本目の柱Bを立てた時に採用した独自の方法で柱Cの高さを確認し、水平を出しました。今回は脚立を使用して水準器で水平を出し、柱BC間に水糸を張りました。

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脚立の上に置いた水準器と平行になるように水糸を張って、二本の柱の高低差を測定しています。端材に打った釘の数が微調整した痕跡。水糸が釘の上か下かで3ミリほど高さが変わり、その違いが水準器に現れます。高低差は76mmでした。

South Revised

3本の柱の高さが決まった時点で地面の傾斜角度が判明したので、南側から見た(北側の)図面を修正しました。地面の勾配はおよそ2.7ºとなり、基準となる柱Aの高さ2,200mmに対して、地表に出ている部分の高さが低い沓石Bの上に立てた柱Bの高さは2,388mm、柱Cは2,464mmとなりました。

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作業場と化したガレージ内で柱Cを卓上スライド丸鋸で切断。枘の高さ35mm分を加えた2,499mmの位置で、二回に分けて直角に注意しながら切断しました。一回目におよそ85mmの深さまで切断し、裏返して残り5mm分を少し長めに切断します。意図した段差は作里鉋で削り落とせば、切断面が平らになります。(残り5mm分が短くなってしまった場合は、85mm分を削り落とさなければなりません。)

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柱を立てる前に枘の刻みと羽子板ボルト用の穴空けを実施。梁(上の画像で垂直に立っている端材)との接合部に使うのは腰高羽子板ボルト。ボルトを貫通させる穴の位置を柱Cの切り欠き部分からオフセットさせるために腰高タイプの羽子板ボルトが必要になります。

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穴を垂直に木材の中心に空けるには米国で購入したダボ穴用の治具(Dowl-it Model 1000)を使います。この治具、ダボの穴を空けるという本来の用途以外でも工夫次第で色々な場面で重宝します。細めのドリルビットで小さな下穴を途中まで空けてから、ジグを外して太いドリルビット(13mm径)で穴を貫通させます。この治具が対応する最大穴径は1/2″(12.7mm)なので、13mm径のドリルビットは残念ながら入らない。いきなり大きな穴を生木に空けようとすると、割れが入るので下穴用にこの治具を利用しています。

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13mm径のドリルビットの先端が裏側に貫通したら、木材を裏返して残りの部分を貫通させれば木材に傷を付けずに綺麗な穴を空けることができます。

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梁を受ける切り欠きと枘、(腰高)羽子板ボルト用の穴空け作業が完了しました。

Wood Carport — Part 14へと続く。
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Wood Carport — Part 12

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柱Aと柱Bの上に桁Aを載せます。柱Aの上に載る桁Aには枘穴を掘る必要があります。Wikipediaによると、桁(建築)とは構造物において柱間に架ける水平部材。短辺方向に渡された横架材を梁といい、その直交方向(長辺)に渡される部材を桁といいます。切妻屋根であれば、桁の上に垂木が載り、屋根からの荷重を受ける重要な部材。

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枘穴を掘るのは練習した通り。深さは35mmに変更しました。節があっても、使用する鑿の切れ味がよければ特に問題はないようです。

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柱Bとの接合は羽子板ボルトのみですが、桁Aと桁Bは相欠きで継ぎます。相欠きは継手としては単純で、一見簡単そうですが、重なる部分の長さや高さ、切断面の角度など、高い精度が要求されます。決めた寸法通りに刻まないと、隙間や段差ができます。直角に削る時に役に立つのがこのちょっと変わった細長い鉋。「作里鉋」といい、鉋台の幅と鉋刃の幅が同じになっているので隅の部分が際まで削れます。

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羽子板ボルト用の穴を空けて、座金用の座掘りをします。

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柱Aと柱Bの上に桁Aを載せました。

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柱Aと桁Aとは枘組みと羽子板ボルトで接合。

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桁Aに使用した杉の角材は反りがありました。山の部分が上になるように使用しています。積雪時の重みで下がってくるのではないかと期待しています。桁の中央部分に水準器を置いたら水平が出ていました。上下逆に渡すと撓むかもしれません。

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柱Aと桁A接合部を下から見たところ。

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羽子板ボルトは西側のみ仮固定。

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我々、施工してもらう側からみると、晴れているのになぜ大工さんは来ないのか?他の現場に行っていて後回しにされているのではないか?と疑うことがよくあります。枘組み加工を実際に自分でやってみて気付いたことが一つあります。現場で組み立てるよりも、刻み作業の方がずっと難易度が高く、手間もかかるということです。大工さんは他の現場に行っているのではなく、工務店の工場で刻み作業をしているのかもしれません。

柱と桁の接合作業の難易度:5段階で4

Wood Carport — Part 13へと続く。
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Japanese Hand Plane Made By Goro

Japanese Hand Plane

義父から譲り受けた年代物の和鉋を紹介します。恐らく少なくとも50年以上前に製作された和鉋です。

Japanese Hand Plane

鉋身の表に「剣」、裏に「五郎謹製」の刻印入り。調べてみると新潟県の田中鉋製作所先代、田中五郎次の作品のようです。息子の昭吾作の鉋に関してはある程度の情報が得られましたが、先代が製作した鉋に関してはほとんど情報がありません。極めて貴重なものであることは確かだと思います。

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刃の長さがおよそ70mmなので「寸八」と呼ばれるサイズです。私の手には大き過ぎますが、90mmの角材を削るにはこのぐらいあった方が効率的です。

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我流でおよそ30ºの角度で刃を研いでみたものの切れ味はこんなもん?

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樫の木でできた鉋台の頭の部分に割れがあったので、木工ボンドで接着しました。

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試しに廃材を削ってみましたが切れ味は今一つ。どちらかと言えば、替え刃式の鉋の方が良く切れる。刃の研ぎ方が間違っているかもしれないと思い、ネットで検索すると富山大学の研究資料用ビデオがヒットしました。

鉋刃を研ぐという行為の奥の深さが感じられる素晴らしい動画だと思います。

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この動画に触発され、私も三種類の砥石を使って五郎謹製鉋刃を研ぎ直しました。

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切れ味がかなり改善されましたが、私としてはこの切れ味で完全に満足できていないので、鉋刃をさらに研いでみます。鉋刃を研ぐという行為に嵌りそうな予感がします。