南側ログを雨水から保護する目的で上の方に被せてあった薄いアルミシートを取り外してみると、木材の腐朽が想像を遥かに超える程度まで進行していました。見て見ぬ振りしてアルミシートを元通りに戻そうかと… いやいやそんなことは微塵も考えておりません。
5、6年前にベランダの床板と手摺、フェンスを新材で作り直したそうですが、その時にすでに丸太の腐朽はある程度、進行していたものと思われます。修復時に薄いアルミシートが被せられたようですが、その目的は雨水から木材を保護すること以外に見たくはないものを覆い隠そうとしたのではないかとの疑念が浮上します。
施主様はエアコン室外機から排水される水が腐朽の原因と考えておられましたが、それが主な原因とは考えにくい。破風板とログの間にある隙間がほとんどなく、ログウォールから突き出た丸太が雨で濡れた際に、破風板の影になっていて風通しが悪いので、すぐに乾燥しないという構造的な問題が主たる原因だろうと私は考えます。湿って弱った部分に大きな黒い蟻が営巣したのではないかと思います。
仮組みした杉角材を一旦、取り外し、南側のログを壁面に近い部分からチェーンソーで切断しました。先端に近い部分は非常に脆くなっていて手で触れただけで腐朽した木片が落下しました。これまでにベランダが自然倒壊しなかったのが幸いなほど、危険極まりない状態だったと思われます。
取り外した杉角材の根太と柱を元通りに戻しましたが、丸太を壁近くから切断したのならこの位置に新材を取り付ける必要はないので、取り付け位置を再考します。切断した丸太の直径が230mmであるのに対し、杉角材は一辺の長さがおよそ90mmなので、切断した丸太の中央を切り欠いてそこに杉角材を接合しても、破風板との隙間は十分に確保できるので、取り付け位置を変更しようと考えています。
取り外したWRC製の床材は自宅ガレージに持ち帰り、電気鉋で表面を削って整えました。
ビス穴はウッドパテで埋めて床材は再利用する予定です。
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