Geminids 2011 Before The Moon Rises

Geminids 2011

月が昇るまで、午後7時半頃から1時間半ほど、近くの工事現場でふたご座流星群の観察と撮影を試みました。確認できた流星は5個ほど。雲一つない天候で観察日和ですが、この時間帯は放射点が低くて数は期待できません。上の写真、左下の双子座辺りから牡牛座方向にゆっくり流れる明るい流星をとらえています。ふたご座流星群に属する流星は速度が遅いのが特徴です。

Geminids 2011

オレンジ色の月が見えてきました。朝日のように柔らかい光だったので記念に撮影したら、軌跡が短い流星が双子座カストルの近くに写っていました。画像をクリックすれば流星の位置がわかります。放射点に近い流星は軌跡が短くなる傾向があります。

極大時刻の少し前に、再び観察、撮影に出かける予定です。

The Moonlit Leonids

Waning Gibbous

月が昇るまで2時間ほど、しし座流星群の観察を東の空で行いましたが、放射点が昇っていない時間帯ということもあり、成果は今一つ。おうし座流星群北群に属すると思われる赤い流星がふたご座付近にゆっくり落ちてくるのを一つ、目視で確認できただけ。

Nikon AF Nikkor 75-300mm f/4.5-5.6をフォクトレンダーのマウントアダプターを介してOlympus PEN E-P1に装着し、マニュアルモードで月を撮影してみました。画像は望遠端で換算600mm、Shutter Speed 1/125秒、f/8、ISO 200の設定で撮影し、クロップしてからApertureで補正してあります。日本全国で見られる12月10日の皆既月食の撮影練習を兼ねています。天候次第ではありますが、去年12月21日の皆既月食よりも観測条件は良さそうです。皆既食の最大時刻(国立天文台23時31.8分)と南中時刻がほぼ同じで、しかも土曜日です。

The Northern Taurids

The Northern Taurids?

ぼちぼちしし座流星群の季節なので、月が昇る前に昨夜2時間ほど、撮影に出かけました。一枚目に写っていたのが、しし座流星群ではなく、おうし座流星群北群に属すると思われる流星でした。しし座はまだ地平線の下の方なので、目視では一個も確認できず。

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月が昇るまでは撮影を続けるつもりでしたが、あまりの寒さに負けて早々と退散。すすきをフレームに入れてみました。しかし、風にゆられてすすきはつねに動いているので撮影は困難。

しし座流星群の極大時刻は11月18日午前11時40分(JMT)、IMOによれば予想されるZHRは20+、今夜の月の出は午後10時23分、輝度は65.08%、しし座が昇ってくるのが午前零時過ぎ。天気予報によれば今夜は日が変わる頃から曇り。放射点が地平線より上に昇る頃から天気は下り坂なので、残念ながら、観察には適していないかもしれません。

The Taurids 2011

The Taurids 2011

おうし座流星群に属すると思われる超低速の流れ星をインターバル撮影していたRicoh GR Digital IIIが捕らえました。軌跡から推定すると、北群の方だと思います。この流星で2秒以上、見えていました。この他にもおうし座流星群ではない低速の非常に明るい流星を目視で確認しています。

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Ricoh GRDは露出30秒間、シャッター間隔1分に設定したまま自宅軒下に放置。三脚に載せたNikon D90を持って、徒歩で近くの工事現場へと向かい、数枚、星景写真を撮影。こちらの写真にはおうし座の一部とオリオン座をフレーム内に入れましたが、流星は写っていません。レンズフィルターが曇ったので、クロスで拭きながらの撮影になりました。

The Orionids 2011 Maximum ZHR

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今年のオリオン座流星群は予想に反して多くの流れ星が観測できました。IMOが予想したZHR (Zenithal Hourly Rate) 25に対して、10月22日 (UTC) に最大47になっています。(10月31日追記:最大ZHRは47から38に変更されています。)上の画像はJST10月28日午前1時43分頃に撮影したオリオン座流星群に属すると思われる流星。極大時刻から1週間近く経過していましたが、まだZHR20ぐらいで流れていました。

Almost A Fireball

The Orionids 2011?
2011年10月23日午後11時53分頃撮影

昨夜から今朝にかけては満天の星空、極大日時を二日ほど過ぎていたとは言え、オリオン座流星群の絶好の観測日和でした。天の川が見えていたので、急遽撮影機材を用意して午後10時過ぎからいつもの近くの山へ。オリオン座と流星群の輻射点が、ある程度の高度に昇るまでは、西の地平線に落ちる夏の大三角形と北の空に輝くカシオペア座の辺りを主に撮影していました。カメラを天頂付近に向けると、大量の夜露を受けてレンズに塗布した曇り止めも効果なし。レンズをクロスで拭きながらの撮影となりました。

輻射点が携帯電話基地局の上辺りに達した頃から、カメラを東の空に向け、しばらくして撮れたのが上の写真。こんなに明るい流れ星は久しぶり。火球一歩手前の明るさです。目視でも確認できましたが、スピードは極めて遅く、「火の粉が空から降って来る」ような感じでした。この「降って来る」という印象が脳裏に焼き付いてしまい、オリオン座流星群に属するものなのかどうか、特定するのに時間がかかりました。この時期はおうし座流星群(南群)の活動期でもあり、カメラが捕らえたこの非常に明るい流星は、オリオン座流星群輻射点とおうし座流星群(南群)輻射点を結んだ直線上にあります。地平線に向かって本当に降って来たのならおうし座流星群に属するものであり、携帯電話基地局の近くから天頂方向へ流れたのならオリオン座流星群に属する流れ星ということになります。

オリオン座流星群に属するものであるという根拠は、私の曖昧な記憶ではなく、直後に撮影した画像に写っていた流星痕の位置です。火球のように明るいこの流星は緑からオレンジへと色を変化させながら流れています。痕が写っていたのはオレンジの方なので、オリオン座流星群に属すると思われます。

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日が変わる頃に自宅に戻り、軒下から撮影を続けました。近くの山では目視で確認できた流星は5個ほど、自宅に戻ってからは2時間ほどで10個以上。オリオン座流星群に属するものとおうし座流星群(南群)に属すると思われる流星が交互に現れるような状況でした。上の画像に写っているのはおうし座流星群に属するものと思われます。こちらの流星は間違いなく空から降ってきました。

The Orionids 2011

The Orionids 2009
The Orionids 2009(2009年10月23日午前1時50分頃撮影)

先日の10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)は極大時刻(2011年10月9日午前5時頃)の前後1時間に集中してZHR100~300の流星雨として13年ぶりに主にヨーロッパで出現したそうですが、日本では残念ながら輻射点が低く、夜明け前ということもあり、ほとんど確認できなかったようです。私も当日午前4時半頃に10分ほど観察しましたが、一つも確認することはできませんでした。

次の大きな流星群は10月21日頃に極大となるオリオン座流星群です。ピークに集中する流星群ではないので今夜ぐらいから見られるかもしれません。しかし、今夜の月の出は私が住む地域では午後10時27分、輝度59.7%なので、日没から午後11時頃までが好機かもしれません。月が出てからも、2009年に撮影した上の画像のような火球を狙うのであれば、月明かりの影響はあまり考慮しなくても良いので、輻射点が高くなる11時以降が良いかもしれません。

週末(たとえば10月22日)になると月の出は翌日午前1時39分、輝度34.4%と条件は良くなりますが、天気は下り坂。今夜と明晩ぐらいが観察と写真撮影には適しているかもしれません。

10月20日午前零時追記

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午後9時頃から1時間ほど、近くの山で撮影を試みましたが、流星は一つも確認できませんでした。2時間は観察を続けるつもりでしたが蚊に刺されて退散。帰宅後、再び撮影を試みましたが、ご覧のように空は薄い雲に覆われ、月が昇り始めました。

10月20日午前11時追記

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午前2時頃になると雲が消えて、星空が戻ったので、30分ほど軒先で撮影と観察を再開しました。輝度59.7%の月明かりを視野に入れると、こんな感じで月明かりは眩しいほどに流星観測の邪魔になりますが、それでも暗い星も写っています。半時間ほどの観察で、東の空のみで目視で確認できた流星は5個。その内の4個はオリオン座流星群に属するものと思われます。この時間帯はカメラ一台での撮影だったので、残念ながら流星は写っていません。

IMOでは極大時の予想ZHRは25としていますが、極大日の2日前で30分、東の空だけで4個とすれば、極大時のZHRはもっと多くなるのではないかと私は思います。今晩も晴れていれば、観察と撮影を行います。月明かりが邪魔になるとは言え、やはり輻射点が高い位置になる午後10時以降ぐらいからが観察には適しているかもしれません。

(10月21日午後4時追記)

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昨夜午後11時頃から本日早朝午前2時過ぎ頃にかけて写真撮影と観察を行いました。東の空が薄い雲に覆われていたこともあり、目視で確認できた流星は0個、写真に写っていた暗い流星が1個でした。IMOでまとめられた観測データでもUTC10月19日16:36でZHR20に対し、UTC10月20日01:49でZHR16と減少しています。極大時刻は日本時間で明日の早朝ですが、なぜかZHRが減少?オリオン座流星群はピークを特定することが困難な流星群なのかもしれません。

上の画像は、Olympus PEN E-P1 w/17mm Pancakeで撮影したもの。(流星は写っていません。左下の明るい天体は輝度44%の月)このカメラはISO500ぐらいから長秒時露出(30秒間)で醜い横縞模様のノイズが現れますが、今回、試しにNoise Filterを”LOW”に設定して撮影した画像はそれほど醜いものではありません。(Apertureで補正はしてあります。)これまでは”STANDARD”の設定でした。横縞ノイズは天体写真には不適切なノイズ処理の結果であるかもしれません。天体写真に最適化したノイズ処理ではないことは確かなので、常識的な判断で設定すると酷いことになる一つの例だと思うことにします。

Ricoh GR Digital IV

コンデジに拘るRicohがGR Digital III後継機、GR Digital IVを昨日発表しました。1万台の限定カラーモデルである「ホワイトエディション」も同時発表。ボタン類やグリップもボディーカラーに合わせてあるそうです。ブラックの標準モデルではオプションになっている、電源ボタンロック機能付き専用色のメタルレンズキャップGL-1と本革製ハンドストラップGS-2が同梱。その分、ホワイトモデルの販売価格が高くなっています。(カメラのキタムラ「ネットショップ」ではブラックモデルが¥71,820に対し、ホワイトエディションは¥76,320)

IIIとの主な違いは、シャッタースピード換算で3.2段分の効果がある手ブレ補正機構をGR Digitalシリーズで初めて搭載したこと。開放F1.9の換算28mmの明るい単焦点レンズと、有効1,000万画素のコンデジとしては大きな1/1.7型CCDセンサーは2年前に発売されたGR Digital IIIと同じものを引き続き採用。

外観はIIIとほとんど同じ。前面グリップ幅と背面の親指スペースが少し大きくなり、十時ボタンが一体型に変更。オートフォーカスは、外部AFと従来のコントラストAFを併用したハイブリッドAFシステムが採用され、IIIと比べてAF合焦時間が最大約1/2に短縮。画像処理エンジンがGR ENGINE IVとなり高感度撮影時の色ノイズを低減したとか。さらに3.0型のVGA液晶は、約92万ドットから約123万ドットに。

6sec, F2.8, ISO100, EV±0, WB:MANUAL, 262枚

シーンモードに新たに追加された「インターバル合成」モードで撮影したという上のサンプル、これは何か凄い処理が施されてあるように思います。Ricoh公式サイトによれば、「インターバル合成は夜空を一定の間隔で連続撮影。それぞれの画像の高輝度画素データのみを抽出し、合成します。星や月の光跡を、風景と一緒に記録したいときなどに有効です。また、合成前の画像を、素材として保存しておくことも可能です。」こちらにある原寸大(3344K)の画像サンプルを見ておやっと思ったのは、ノイズがほとんどないこと。ISO100、6秒間の露出でインターバル撮影したもの262枚(47分間)合成してあるとのこと。ISO100なので高感度ノイズが現れないのは当然のことですが、それでもこの地上の夜景と星の光跡を捕らえた星景写真の画質は素晴らしいと思います。シャッター速度6秒間なので、ノイズ処理する必要もないのでしょう。星の光跡が途切れていません。

GR Digital IVの発売は10月中旬、これに合わせてGR Digital III用の機能拡張ファームウェア Ver2.50が公開されます。IVで新たに採用される新しい機能の一部がIIIでも使用できるようになります。既存ユーザーを大切にするRicohらしい措置ですが、残念ながらきれいな星景写真が撮れる「インターバル合成」はこの機能拡張ファームウェアには含まれていないようです。GR Digital IIIにもインターバル撮影の機能はあるので、同じ設定にして262枚の写真を撮影し、画像処理ソフトを用いて後から自分で合成すれば同じ結果になるかもしれません。

Ricohが買収したPentaxが開発したアストロトレーサーと「インターバル合成」の技術を組み合わせれば、どんなことになるのか興味深いところです。星を点像にすることが可能かと思いますが、それを実現するにはPentaxの手ブレ補正機構をレンズではなくボディーに搭載する必要があるでしょうから、デザインが大幅に変わってしまうのかもしれません。

Perseid Below

Credit: Ron Garan, ISS Expedition 28 Crew, NASA

流星観測や撮影を趣味にする地上の我々はこの日(8月13日夜)、避けようがない満月の明かりに悩まされながら、少しでも月明かりの影響が少ない方角を見上げていました。条件が悪くない年なら一時間に数十個は見れるのに、今年は数個程度。流れ星がほとんど見えないので、代わりにISS (International Space Station)を観察した人も多くいたはずです。そのISSに搭乗する宇宙飛行士Ron Garan氏がペルセウス座流星群に属する明るい流星をNikon D3Sで撮影。

ISSは高度約380kmの軌道を周回。スイフト・タットル彗星が残した塵が、大気圏内で光るのは、より大気の密度が高い、地表からおよそ100kmの高度。(ISS軌道の高度よりもずっと地表に近い。)地球を見下ろすと流星が見える、何か不思議な感じがします。流星は画像中心の少し右、airglow(夜光)が緑に輝き、流星の直ぐ上の方に牛飼座アルクトゥルスが見えます。右上フレームの外、ソーラーパネルの向こう側から太陽光が射しています。この画像は8月13日、北京の北西約400kmの上空で撮影されたそうです。

画像をダウンロードしてApertureのライブラリーに入れてみると、同日の午後8時30分頃に撮影した満月の写真のすぐ前に取り込まれました。Exifを見ると、撮影時刻は8/13/11 7:13:37 PM GMT+09.00、ISO 6400、焦点距離22.0mm、f/2.8、シャッター速度1.0sとなっています。このカメラ設定データから推測すると、流星は偶然に捕らえたものと思われます。

Perseids 2011

P8130131

満月を背にして西の空を撮影している時に不思議な飛行物体を見ました。山のすぐ上の明るい星は牛飼座アークトゥルス。そのアークトゥルスと同じぐらいの光度の星のようなものがゆっくりとした速さで南の方に移動する様子を撮影しました。目視では動いていることがわからないほど遅い速度。上の画像の撮影時刻は、Exifによると8月13日午後10時00分50秒。露出30秒間でこの移動距離ですから、飛行機や人工衛星ではありません。

P8130132

次のコマの撮影時刻は、午後10時02分02秒になっています。露出は同じ30秒。この日はISS(国際宇宙ステーション)が上空を通過するのは知っていましたが、撮影地での通過予想時刻は午後8時15分から午後8時20分(南西から北東)なので、時刻が一致しません。このような奇妙な光る物体が写真に写ったのは、2009年のオリオン座流星群の時以来です。しかし、あの時は目視で確認した訳ではないので撮影機材が原因とも考えられますが、今回は肉眼でも確認しているので実際に光る物体がゆっくりと移動したのは間違いありません。

Perseids 2011

近くの山では目視で確認できた流星は2時間弱で4個。撮影に成功したのはその内の1個。やはり、満月の明かりが強烈すぎて普段なら見える星が見えません。早目に帰宅して一旦、画像ファイルをiMacに取り込んでから、今度は自宅軒下で撮影を再開。上の流星は軌跡から推測するとペルセウス座流星群に属するものです。

そしてこちらが火球クラスの明るい流星!どこに?と言われそうですが、撮影者にとっては大きな収穫です。画像左下の樹木に突き刺さるような感じで右上から左下に。

カシオペア座とペルセウス座、右下の明るいのが木星。構図としては面白い写真ですが、写っている流星はペルセウス座流星群に属するものではないと思われます。自宅軒下では東の空を主に約2時間の観察で確認できた流星は4個ほど。すべて写真に撮影することができました。

次の大きな流星群は10月8日極大日を迎えるジャコビニ流星群(10月りゅう座流星群)ですが、この日も満月に近い月明かりが邪魔になりそうです。しかし、今年はかなりの数が期待できるかもしれないと考える研究者もおられます。

Getting Ready for Perseids 2011

DSC_0011

8月12日午前1時〜2時頃:南の空に明るい月と街灯、空は雲が多いという最悪の状況で、カメラ二台体制でペルセウス座流星群を狙ってみましたが、結果はご覧の通り。上の画像はNikon D90 w/Tokina AT-X 116 PRO DXを用いて、ISOを低めの800でRAW撮影したもの。放射点を枠に入れてみましたが、空が明るいので暗い星が写りません。合計100枚ほど撮影しましたが、写っていた流星は1個、目視で確認できたのも1個でした。

8月13日午前1時40分:昨日よりもさらに条件が悪い極大日当日の早朝。空は雲に覆われ月も見えません。去年も極大日は雲に覆われていました。今夜は天気予報では快晴なので期待できます。

8月13日午後8時30分:

Full Moon

満月の眩しい光が邪魔。これから撮影に出かけます。

A Freeway Under the Milky Way

A Freeway Under the Milky Way

Tokinaの超広角レンズを装着したNikon D90をBarbour® Tarrasに入れて肩からぶら下げ、三脚を片手に持ち、LEDフラッシュライトで足下を照らしながら、夜中に誰もいない工事現場へ。道路が開通すれば、天の川の写真は撮れなくなるだろうから、星空の夜はできる限り撮影に出かけるようにしています。

A Freeway Under the Milky Way

この角度だと天の川と工事中のバイパスがほぼ平行に。夏の大三角形もフレームに収まっています。

A Freeway Under the Milky Way

肉眼では確認していませんが、流星らしき光跡も。今回はISOを高め(1600)に設定したためか、ノイズがかなり出ていました。カシオペアとアンドロメダも写っています。

SkySafari 3

SkySafari 3

SkySafari 3、なかなか使い易くて良くできたAppだと思います。天の川の画像は実際よりも派手で、明るい星は異常に大きいですが、このぐらい誇張したグラフィックの方が星座早見盤としては使い勝手が良い。3種類のバージョンがあり、私が無料の時にダウンロードしたSkySafari 3に収録された星の数は12万個+220の星団、星雲。コンパスを使って星の位置を確認したり、月の出入りを知るには十分過ぎるデータ量です。

A Construction Site Under the Night Sky

iPhoneを夜空にかざして方角を確認しながら近所の工事現場で夏の大三角形を一枚。

A Construction Site Under the Night Sky

Aperture 3でホワイトバランスとエンハンスを調整すると空の色は激変します。

A Construction Site Under the Night Sky

北斗七星を視野に入れて一枚撮影したら、流星らしきものがうっすらと写っていました。(左下の方)

DC Watch Interview with Pentax Astrotracer Developers

 

Inside O-GPS1 (The white part is the GPS antenna) Image linked to DC Watch

本日発売のPentax GPSユニット(O-GPS1)の開発秘話をインタビュー形式でDC Watchが伝える記事が非常に興味深いと思ったので、記事(ペンタックスの「アストロトレーサー」に迫る)にリンクを張っておきます。

銀塩時代、しかもモノクロ写真を自分で現像する時代の元天文少年なら、天体写真用のカメラと言えば、Pentaxのカメラとレンズが良いと思っていたものです。私も五島光学の赤道儀付き屈折望遠鏡に雲台を取り付けて、Pentax SPを用いて手動でガイドしながら撮影したものです。北極星を頼りに極軸を合わせ、赤緯と赤経の両方向にガイドとなる星を両手で追尾しながら長秒時露出に挑戦していたのを覚えています。接眼鏡にはクモの巣で作った十時に横から赤い光を当てていました。今もそんな接眼鏡が押し入れに眠っているかもしれません。

今回、発売されるGPSユニットの一機能であるアストロトレーサーをPentax K-5かK-rで使えば、マニアが赤道儀を使わないとできなかったような星の追尾撮影が、極端な例では三脚も不要でカメラとレンズ、GPSユニットだけで容易にできてしまうということです。

ASTROTRACER

PENTAX O-GPS1

2011年6月2日付けのPENTAXニュースリリースによれば、

HOYA株式会社 PENTAXイメージング・システム事業部は、当社デジタル一眼レフカメラ用のGPSユニットで、一般的な位置情報に加えて簡易的な天体追尾撮影などの独自機能も備えた『PENTAX O-GPS1』を発売いたします。

本製品は、対応する当社デジタル一眼レフカメラのホットシューに装着するだけで、撮影画像に緯度・経度・高度・UTC(協定世界時)・方位情報を記録することができるGPSユニットです。GPS情報を記録した画像データは、パソコン上で撮影場所や位置情報の確認、表示を簡単におこなえるとともに、画像の整理などにも利用できます。

さらに、GPS情報とカメラ側の手ぶれ補正機構とを連動させることで、簡易的な天体追尾撮影が可能な“アストロトレーサー”をはじめ“直線ナビ”、“電子コンパス”など、ペンタックス独自の多彩でユニークな応用機能も備えています。

三脚固定で「簡易的な天体追尾撮影が可能」とありますが、カメラボディーを固定させた状態でどのようにして星を追尾するのか?甚だ疑問に思いつつ、詳しい説明を読むと、

GPS情報から取得した緯度と、内蔵している磁気センサーおよび加速度センサーから得られたカメラの状態(左右および上下の傾きと方位)から天体の動きを算出し、イメージセンサーを天体の動きに同調して移動させることで、長時間露光しても星が流れることなく、点像のままで撮影することができます。専用の赤道儀等を使用することなく、三脚だけで簡易的な天体追尾撮影が楽しめる便利な機能です。

磁力方式の手ぶれ補正機構を搭載している対応機種(K-5、K-r)のカメラボディー内にあるイメージセンサーを移動(シフト)させる仕組みのようです。レンズシフト方式ではなく、センサーシフト方式、しかも磁力で駆動させる機構を搭載したPENTAXのカメラだからこそ可能なシステムです。

アストロトレーサーの追尾可能時間は対応するカメラボディー(K-5とK-r)とレンズの焦点距離により異なるそうで、たとえば、K-5の場合、赤緯45ºで200mm/160秒、100mm/290秒、50mm以下/300秒となっています。星景写真であれば、広角レンズを使用することが多いので、300秒まで追尾可能ということになります。従来の三脚固定撮影では超広角レンズ使用時でも、30秒以上露出させると、星の軌跡とノイズが気になり始めるので、私は30秒間露出を上限にしていました。PENTAX O-GPS1を使用すれば、感度を落として60秒以上、追尾させることが可能かもしれません。

焦点距離50mm以上のレンズでは30秒間も露光すれば、星が大きく流れるので、三脚固定撮影では広角レンズのみを使用していました。追尾してくれるとなれば、100mmのレンズでISOの値を少し上げて、星野写真の撮影も可能かもしれません。

しかし、対応するPENTAXのボディーが手元にありません。このGPSユニットを使用するためにボディーと広角レンズを新たに購入するとなると… 大きな沼にはまりそうで、要注意。しかし、前から欲しいと思っていたポータブル赤道儀(モバイル赤道儀TOAST)はセットを購入すれば10万近く要するので、赤道儀を買ったと思うことでPENTAXの対応カメラとレンズが手に入るとすれば…

まさかGPSユニットが沼の入り口で客引きをしているとは思いもしなかったことです。