ロンドン市街地公道サーキット(Battersea Park)で開催されたFormula E最終戦で、Nelson Pique Jr.が7位に入賞し、Sébastien Buemiと僅か1ポイント差でFormula Eの初代年間チャンピオンの座を獲得しました。テレビ観戦していて久しぶりにワクワクドキドキさせるレースでした。チェッカーフラッグが振られるまで年間チャンピオンの行方がわからない、想像力豊かな脚本家が書いた、まるで筋書き通りのようなレース展開。マシンを乗り換える前のレース前半でエネルギーを節約して、他のマシンよりも最初のスティントの周回数を増やしておき、乗り換える直前に一気に加速して順位をアップ。次のスティントでもバッテリー残量に余裕を持たせるという戦略でした。Sébastien Buemiはマシン乗り換え直後のスピンでBruno Sennaに追い越されたことが響いて年間チャンピオンの座を逃しました。
筋書き通りのようなレース展開とNelson Pique Jr.と言えば、2008年のF1シンガポールGPでのクラッシュゲートを思い出します。クレーンが配置されていなかったT17の近くで、故意にマシンを壁にクラッシュさせて、セーフティーカーを出動させ、チームメイトのFernando Alonsoを有利にさせるという、前代未聞の事件でした。この意図的なクラッシュを指示したルノーチーム代表のFlavio BriatoreとチーフエンジニアのPat Symondsは、FIAが承認するすべてのイベントに参加することが禁止されました。Briatoreは生涯出場禁止、Symondsは5年間の出場禁止の判決が下されましたが、2010年1月にこの判決が覆されました。