Orionids 2015 — Part 2

Orionid Meteor

どちらかと言えば、ZHR (Zenithal Hourly Rate) が極大日の前後数日でそれほど大きく変動しない特徴があるオリオン座流星群。20日夜半過ぎの時点で昨夜(極大日の21日)のZHRが予想できていたことになりますが、結果はその予想通りでした。午前0時頃からおよそ2時間半の目視観察で、オリオン座流星群に属すると思われる流星はわずか、2、3個でした。露光時間25秒で連続撮影した合計308枚の写真に捉えることができたのは2枚のみ。

Orionid Meteor

IMO (International Meteor Organization) の予想では、今年のオリオン座流星群のZHRは15となっていました。この数値は、マニアックな人が好条件下で天頂付近を見ながら観察した場合に一時間に確認できる流星の数であり、それほどマニアックではない人が光害とPM2.5の影響を受けながら観察すれば、ZHRは半分ぐらいになると思います。テレビの天気予報で「オリオン座流星群が見ごろである」ことを知った普通の人が同じ条件下で観察すれば、確認できる流星の数はさらにその半分以下の2、3個になると思われます。これでは主要流星群であるとは言えず、普通の人を対象に期待を持たせるようなことはテレビの天気予報で言わないほうが良いように思います。実際、一時間当たり20〜30個は見れるかもしれないと気象予報士は話していました。それよりもPM2.5に関する情報をもっと報道すべきです。最近、地平線に近い空はかなり霞んでいます。

二日連続で残念な結果となりましたが、流星担当の元天文少年の私は今夜も晴れたら、観察+撮影しようと計画しています。昨夜の撮影でポータブル赤道儀が故障したかもしれないので、その検証をする必要もあります。

Orionids 2015 — Part 1

Orion and Pampas Grass

昨夜も晴れていたのでオリオン座流星群の観察+撮影に出かけました。カメラのレンズを焦点距離13mm(換算19mm)に設定すると、上の方から牡牛座プレアデス、アルデバラン、オリオン座、左には双子座も視野に入りました。放射点は双子座とオリオン座の中間辺り。撮影時刻は日が変わって午前1時頃。

Orion and Pampas Grass

シリウスが樹木の上に昇る午前2時頃まで連続撮影を続けましたが、残念ながら流星は一つも捉えることができませんでした。目視では2、3個確認できましたが、いずれも別の流星群に属すると思われる流星でした。この数年、オリオン座流星群の活動は通常に戻ったのか、天の川が見れる条件でも、確認できる流星は限られています。極大時刻にさらに近づく今夜深夜から明日の明け方にかけての時間帯ならもっと数多くの流星が見れるかもしれません。

Orion and Pampas Grass

Orion and Pampas Grass

 22日(木)の午前8時頃に極大となるオリオン座流星群の観察にはまだ少し早いけれど、連日、天候条件が良く、月明かりの影響もないので、午後11時過ぎから1時間ほど撮影を試みました。

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天頂付近から続くうっすらとした天の川が西の空に沈んで行き、南東の空には全天で最も明るい恒星、シリウスが昇ってきました。

StarStaX_DSC_1895-DSC_1986_lighten

25秒の露光で撮影した92枚の画像をStarStaxで合成したグルグル写真。オリオン座が昇ってくる様子を撮影しましたが、牡牛座アルデバランの方が目立っています。放射点がまだ低い時間帯だったので、流星は一つも流れていません。

グルグル写真撮影時はカメラを三脚に固定し、インターバルタイマーを使って自動連続撮影します。カメラが自動で撮影する間、私はリクライニングチェアに腰掛けて星を眺めるか、手元のiPhoneを触っているかのどちらか。この日は高さ2メートルぐらいの超低空をこちらの方に向かって滑空する鳥を二回目撃しました。一回目はコウモリかと思いました。しかし、コウモリならもう少し高いところで蝶のように羽を常に動かせながら、複数で飛行することが多いので、コウモリではないと考えました。立っていたら当たりそうな勢いで滑空したので、夜行性猛禽類のフクロウではないかと思います。

Orion and Pampas Grass

ちょうど日付が変わった頃にApple Store Appから一週間後のGenius Barを予約することができました。購入後、もう直ぐ二年になるiPad mini with Retina Wi-Fi + CellularのAppleCare+の保証期限が迫っています。しばらく前から音量ボタンが時々機能しない問題が発生しており、延長保証期限が切れる前にGenius Barで診てもらおうということになりました。特に週末は予約がいっぱいで、一週間前の午前零時過ぎでないと希望する時刻で予約が取れない状況になっているようです。

Perseids 2015 — Part 3

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極大時刻から36時間ほど経過すると、晴れていても確認できる流星の数は大幅に減ります。8月15日の丑三つ時に1時間半ほど軒下でペルセウス座流星群の観察と撮影を行いました。東の空を見ていて、眼視で確認できたのは1個か2個程度。

上の画像右上に明るい軌跡が写っていますが、これは流星ではなく、イリジウムフレアであると思われます。露光20秒、シャッター間隔22秒でインターバル連続撮影している時に写りました。この画像の一つ前のコマにも同じ軌跡が写っていたので、流星ではあり得ません。

Perseids 2015 — Part 1

夏の風物詩、ペルセウス座流星群の活動が始まりました。見頃は8月12日〜8月14日頃の午前0時頃から日の出の影響が始まる薄明前です。極大日時はJSTで8月13日15時頃と昼間になっていますが、放射点が見える真夜中から薄明にかけての丑三つ時であれば、極大日の前後数日間は数多くの流星が見られます。15分ごとに更新されるIMOの活動グラフによると、すでにZHRが20近くになっています。今年は月明かりの影響をほとんど受けないので期待できる年です。天候条件さえ整えば。

猛暑が続いていましたが、今日(8月11日)は比較的、涼しくなりました。WEATHER UNDERGROUNDの10日間天気予報によると、極大の13日は雷を伴う雨になっています。予報精度が高いだけに残念なことになりそうです。晴れるかもしれない今夜から明日の早朝にかけての丑三つ時、そして8月15日早朝が狙い目かもしれません。

lightpollution

IMOのサイトに光害マップへのリンクがあったので、こちらにも張っておきます。黒い所が最も光害の影響が少なく、緑、黄、橙、赤の順に光害の影響が大きくなります。びわ湖周辺では湖南と湖東が明るく、湖西と湖北が暗くなっています。湖西を拡大して詳しく見ると、びわ湖バレイの辺りに強烈な光源がありますが何だろう。

Part 2へと続く。

Daishogun Hachi Shrine

Daishogun Hachi Shrine

京都市上京区一条通御前西入にある大将軍八神社を訪れました。今出川通を東から行ったのですが、左折すべき御前通を通り過ぎてしまい結局、仁和寺街道まで南下して天神通を北上し、一条通を左折しました。境内の周囲が細い一方通行の道に囲まれているので車で行くと迷いがちになります。車3台分の駐車場はあります。

Daishogun Hachi Shrine

☆印が強烈な印象を残す神社です。テレビの取材でこのマークを見て一度、訪問してみたいと思っていました。

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参拝を記念して北斗七星の図柄が特徴的なお守りを入手。神社の名称となっている大将軍とは東洋の星座の名前だそうです。西洋の星座ではアンドロメダ座近くにあります。境内にある方徳殿に天球儀など、陰陽道阿部家に関わる古天文暦道資料が収納されているそうですが、一般公開は春と秋の年二回のみ。予約すれば、一般公開時以外でも見せてくれるそうですが、写真撮影は禁止とのことです。

宙ガール、うららんさんのレポートがわかりやすいのでリンクを張っておきます。

Sky Guide

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Apple Store Appのユーザー向けに今月末まで、Apple Design Award 2014を受賞したiOS用プラネタリウムAppが無料でダウンロードできるということで、Apple Store App経由でギフトコードを入力して無料ダウンロードしました。ギフトコードなしで、App Storeからダウンロードする場合は¥250になっています。

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ISS(International Space Station)など、観察地点での人工衛星の通過をシミュレーションしてくれるだけではなく、通知センターに登録しておくと、人工衛星の通過を通知してくれます。通知対象となる天文現象には主要流星群や食など興味深いイベントも含まれます。また、現在地だけではなく観察地点を都市名リストから選ぶことができるので、(緯度と経度がわからなくても)旅先での星空を出発前に確認することができます。9月に行くマレーシア、シンガポールから大小二つのマゼラン雲が見えるのかどうか、シミュレーションしたら、見えなくはないけれど高度が低くて観察や写真撮影は難しいことがわかりました。WATCHにも対応しているそうです。

Venus and Jupiter Conjunction

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6月下旬から7月上旬にかけて日没後の西の空にマイナス4等の宵の明星、金星とマイナス2等の木星が接近します。最接近は7月1日。この日は満月ですが、マイナス等級の星を観察するのに月明かりの影響はほとんどないでしょう。この時期、天候条件は良くありませんが、梅雨の晴れ間に望遠よりのレンズで撮影してみよう。

Strawberry Moon

Full Moon

Nikon D7000にAF Zoom-Nikkor 75-300mm f/4.5-5.6を装着して望遠端の300mm(換算450mm)で撮影した満月の写真。シャッタースピード1/250秒でf/20.0まで絞りましたが、 これ以上絞ると露出不足になります。テレコンバーターなしの300mmの望遠レンズではこの程度が限界のようです。カメラ用レンズを使用した天体写真の中では、満月は最も撮影困難な被写体です。

満月は明るすぎてピント合わせができないので、近くに見える土星でピント合わせをしようとカメラの視野に土星を入れました。レンズを望遠端にして、ライブビューモードで拡大すると星はなぜか点像になりません。まさかと思いながら、すぐ下の赤い星、アンタレスでピント合わせをしたら、星が点像になり、ピントが合いました。土星は点像にならず、レンズのコマ収差を見ているように、上下から押しつぶしたように見えます。これはひょっとして土星の環が見えているということでしょうか?それ以外に考えられません。0等星の土星は現在、観察の好機を迎えています。

NGC 7000 — The North America Nebula

NGC 7000 The North America Nebula

昨晩も月没後に天候条件に恵まれたので、軒下から天の川デネブ周辺を単焦点レンズ(AF Nikkor 35mm f/2D)で追尾撮影してみました。iOptron SkyTracker™を使用した軒下追尾撮影でどこまで撮れるかの限界を探っています。極軸望遠鏡を標準装備しないVixen POLARIEでは35mm(換算53mm)の標準レンズで10分も追尾すれば、星が流れましたが、極軸望遠鏡が付属するiOptron SkyTrackerなら星は点像のままで流れることはありません。露出時間が伸ばせると、暗い星雲を写すことが可能になります。上の画像はISO 1600、f/2.5、30秒露光の20枚(およそ10分の露光)をStarStaXでスタック(Increase Exposure by 0.8)し、周辺部のコマ収差をカットするため、アスペクト比16:9でクロップしてあります。

NGC 7000 The North America Nebula

ISOを2000に上げて、他は同条件で30枚(およそ15分の露光)をスタックしました。スタック時にIncrease Exposure by 0.4に設定したら露出不足気味になりました。が、画像中央下の白鳥座デネブのさらに下に捉えた北アメリカ星雲(赤っぽいところ)がよりくっきりと写っています。

NGC 7000 The North America Nebula

二枚目と同じ30枚をIncrease Exposure by 0.8に増光してスタックし、その後にPhotosで、レベル補正による光量調整を実施すると、北アメリカ星雲がよりくっきりと浮かび上がりました。街灯の影響を直に受ける自宅軒下でここまでくっきりと暗い星雲が撮影可能であることに驚きました。次回は50mm(換算75mm)の中望遠で15分以上の追尾撮影にチャレンジしてみようと考えています。

The Milky Way and “Photos” App

The Milky Way
30s x 20 shots stacked with StarStax,. Adjustments made with Photos App for Mac
photosadjust

昨晩は春の霞がほとんどない、絶好の星空観察+撮影条件に恵まれました。玄関ポーチ軒下に設置したiOptron SkyTracker™にカメラを載せて、辛うじて視界に入る北極星を基準に極軸を合わせ、東の空に昇ってきた天の川を追尾。シャッター間隔を33秒に設定し、露出30秒で20枚を連写。

Photos Appで現像した20枚の画像をJPEGに変換し、StarStaXに読み込んで合成。(Average + Increase Exposure by 0.8)合成した画像ファイルを再びPhotosで読み込んで、Light、Color、Noise Reduction、White Balance、Levels補正などを施してあります。(StarStaxの最新バージョン0.70では画像のドラッグ&ドロップが機能しないバグがあります。このバグが改善されるまでは、File > Open Imagesで処理する画像ファイルを選ぶ必要があります。)

星空写真の場合、ApertureではCurvesを補正していましたが、Photos Appではそのような補正機能がないようなので補正できません。それでも、肉眼では位置を指摘されないとわからない天の川がくっきりと確認できる程度まで補正できるのであれば、天体写真の補正も含めてPhotos Appに完全移行しても問題ないのかなあと思いました。

Photos Appは初期設定のままでは、機能が大幅に限定されているように見えますが、補正項目をすべて追加すれば、Aperture並みとは言えませんが、天体写真以外の一般的な写真であれば、大抵の補正は可能であり、しかも簡単にできます。Apertureの機能の7割程度しか使っていなかった私にはPhotosでの補正と管理で十分なような気がします。

Curves補正機能がPhotosでは省略されていること以外で大きく異なるのはFlickrにアップロードした写真の同期機能がないことでしょうか。元々、ApertureでもFlickrとの同期がうまく機能しないことが多々ありました。Flickrアップロード後に修正を加えた画像ファイルの同期不良が原因で、リンク先のブログで、上書きされた画像が見えないという問題もありました。Flickrとの同期に関しては、そうした問題がどうしても発生するのであれば、同期機能を省略したPhotosの方がかえって都合が良いことになります。

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追尾撮影終了後、ついでに完成したばかりの細長いウッドデッキを前景に北西の空に沈もうとしている北斗七星を三脚固定で一枚。11mmの広角端で撮影しているので周辺部が大きく歪曲しています。これはこれで良いと前向きに妥協することにします。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 9

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on February 20, 2015
AF Nikkor 35mm f/2D, f/2.5 ISO 1600, 20.0s x 10 stacked

中央やや下の緑の星がカシオペア座に接近中の彗星Lovejoy (C/2014 Q2)。右上にはペルセウス座の二重星団が写っています。iOptron SkyTrackerで追尾。焦点距離35mm(換算52mm)の標準レンズなら200秒の露出でも星は流れずに止めて撮影することが可能でした。

山の樹木の背後にカシオペア座のWが見え隠れしています。この日は雲がほとんどない最高の天候条件でした。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on February 20, 2015
AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED, f/5.0 ISO 2000, 30.0s Single Exposure

165mm(換算247mm)ではスタックできないほど流れるので、上の画像は30秒露出一枚を補正してあります。核の部分はまだまだ明るいものの、尻尾は向きが辛うじてわかる程度に短くなりました。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 8

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on February 12, 2015

しばらく月明かりの影響を受けて、彗星Lovejoy (C/2014 Q2)の観察+撮影は休止中でしたが、月入りが午前0時頃となった昨晩、ほぼ3週間ぶりに観察+撮影を再開しました。7×50のNikon双眼鏡で星雲状の彗星を確認後、撮影機材一式をお向かいさんのデッキに持ち運び、機材のセッティング。iOptron SkyTracker™にカメラを載せて、彗星の撮影をするのは初めてになります。先ずは70mm(35mm換算105mm)で30秒の露出に設定して撮影したのが上の画像。彗星は近地点、近日点共に通過しましたが、まだ青く輝いています。4等星ぐらいに見えます。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on February 12, 2015

レンズの焦点距離を195mm(換算292mm)に伸ばし、同じ30秒の露出で数枚、連続撮影しました。極軸が若干、ずれていたのか、スタックすると流れている様子が気になります。上の画像はスタックなし。前回撮影時と比べると、尻尾が短くなったように思います。それでも核の部分はまだまだ明るい。

Comet Lovejoy (C/2014 Q2) — Part 7

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on January 20, 2015

昨夜はVixen POLARIEでの極軸合わせがうまく行ったようで、星はほぼ点像に止めることができました。上の画像は恒星時追尾モードで30秒x5フレームをスタックしてあります。画像中央から少し左下にエメラルドグルーンに輝いているのが彗星Lovejoy (C/2014 Q2)。彗星の明るさは核の部分が4等星ぐらいだと思いますが、肉眼では見えそうで見えない。加齢のため、私の目の瞳孔が開いていないのか、見えるはずの星が見えません。7×50の双眼鏡では、彗星は星雲状に見えました。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on January 20, 2015

レンズの焦点距離35mm(換算52mm)、露出30秒の5フレームをスタックすると、尻尾がはっきりと確認できます。画像は少し、クロップしました。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on January 20, 2015

同じ35mm(換算52mm)でスタックなしの露出30秒。前回撮影時はアルデバラン、プレアデス星団と三角形を形成する位置に彗星はありました。今は、ほぼ直線上に西に移動しています。

Comet Lovejoy (C-2014 Q2) on January 20, 2015

こちらは50mm(換算75mm)、露出30秒の3フレームをスタック。昨夜はいつもの流星群観察地まで出かけたため、周囲に街灯はなく、光害がより少ない条件での撮影となりました。彗星の尻尾は長くなっているように思います。