auのネットワークインフラを利用するMVNO (Mobile Virtual Network Operator) であるmineoは、去年のサービス開始時にiOS 8が対応していないので、iOS 7.1.2以外をインストールしたSIMフリー及びauのiOS機器では使用できないという問題が発覚しました。2014年10月21日付のmineoユーザーサポート（抜粋）に、

本事象については、弊社での構成プロファイル等での対策が難しい状況のため、弊社として今後のiOS 8への対応の予定はございません。 しかしながら、Apple社に対して、mineoサービスがiOS 8およびiOS 8.1で利用できるように引き続き要望してまいります。

との発表がありました。ほとんどのiOS機器でmineoが使用できないということになり、mineoは事実上、Android OS専用のMVNOとの位置付けになりました。上の発表で、「弊社での構成プロファイル等での対策が難しい状況のため」とあります。

docomoの回線を使用するMVNOであるIIJ (Internet Initiative Japan) は、今年の3月から法人向けモバイルデータ通信サービスとして、KDDIのau 4G LTE網に対応したIIJモバイルサービス／タイプKを開始しました。そのIIJのエンジニアが運営する公式blog（てくろぐ）に、「KDDI au LTE網を使ったMVNOサービスでもiPhone、iPadが通信できる」とする内容のブログ記事が昨日、投稿されました。記事の最下部にIIJmio APN構成プロファイルCellular Payload版（パラメータ追加済み）ダウンロードリンクが公開されています。現時点ではまだβ版的な位置付けであるので、新しい物好き、実験好きの方はどうぞお試しくださいとのことです。

まるで示し合わせたかのように昨日、mineoが運営するマイネ王（β版）に「iPhone、iPadのAPN構成プロファイルの変更による動作確認テストについて」と題した記事が投稿されました。mineoの方でも動作テストを実施したとのことです。結果は、「テストにおいて、一部の端末にてデータ通信が安定しない端末が存在し、サービスとして快適にご利用いただける状況ではありません」とする紛らわしい表現で試験結果を報告しています。安定する端末ならサービスとして快適に利用できるということでしょうか。何れにしてもmineoの方でも引き続きテストして行く予定とのことです。

IIJmioか、7月1日から最低利用期間（縛り）が解かれたmineoのSIMが手元にあれば、auのiPhone 6かiPad mini 2を使ってこの実験に参加したいところですが…

追記：7月14日15時30分に更新された続報（mineo王国通信の方）によると、iOS 8.4を搭載したキャリア設定KDDI 20.1のau版iPhone 6 (及びPlus)では「今のところ安定」しているそうです。iOS 8.4を搭載したキャリア設定KDDI 20.0のSIMフリー版iPad mini 2も「今のところ安定」しているそうです。続報では「テスト用mineo APN構成プロファイル」が公開されています。auのnano SIMを挿入したiPhone 6で配布リンクをタップすると、APN構成プロファイルがインストールされそうになりましたが、キャンセルしておきました。実験に参加する意思がない人は誤まってインストールしないよう、注意が必要です。