Wood Carport — Part 24

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6本目の柱Fを立てます。柱Eとの高低差は113mmなので柱Fは沓石上端からの高さ2,371mmで柱Eと水平になるはずです。

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柱Fを電気鉋で削って表面を整えて、梁Cを受ける切り欠きを製作し、柱を立てる前に作業スペースを確保しようと、Mazda RX-8を移動させようとしたらエンジンがかからない。セルの回り方が弱々しいので、バッテリー上がりです。Suzuki HUSTLERの元気なバッテリーを借りてエンジンをかけることができました。バイパスをひとっ走りしてバッテリーを充電してから、前後逆に車を停めました。ジャンプケーブルがぎりぎり届く距離だったので、車の向きを変えていつでも届くようにしました。

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道路側に立てる柱Fが倒れないよう、仮筋交い4本で一時的に固定しました。台風が接近するまでに桁Cを柱E、F間に渡したいと考えています。まだ固定していないので、雨風の様子をみながら、必要であれば柱Fは撤去します。

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Wood Carport — Part 23

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道路側の柱Eを立て、柱Dとの間に梁Bを渡します。枘を刻んだ5本目の柱Eは長めの仮筋交いで支えています。

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梁Aと相欠きで継ぐ梁Bは精確な刻み作業が要求されます。13mmのドリルビットで空けた穴は羽子板ボルト用。

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今回の一連の作業では修正後に目標とする誤差1mmを達成しています。

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柱Eに加工した切り欠きの大きさ(深さ20mm、高さ90mm)よりも梁Bとして使用した杉の角材が2~3mm大きかったので、梁Bの上面を2~3mm、削り落としました。下面を削ると梁Bの水平が維持できなくなります。

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梁Bと柱Eとは腰高羽子板ボルト(下側)とコーススレッドビス2本斜め打ち(上側)で固定しました。

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相欠き継ぎの精度は0.8mmぐらいでしょうか。梁A(右側)を固定する羽子板ボルトは腰高、梁B(左側)を固定する羽子板ボルトは腰高ではないものを使用しました。この部分はいずれも腰高ではない羽子板ボルトを使う計画でしたが、梁Aに最初に空けたボルト用の穴の位置では、柱Dの垂直維持ができなくなったので計画を変更しました。

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梅雨真っ只中で雨が止むのを待ちながら作業しています。

梁の相欠き継ぎ作業の難易度:5段階で4

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Wood Carport — Part 22

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梁Aを加工して柱Aと柱Dの間に渡します。長さ3,000mmの杉材は入手した12本がすべて90mm角ではなく、中には92mm角のものも含まれていました。梁Aとして使用する杉材が92mmだったので、柱Aとの接合部を2mm落として90mmとしました。

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柱Aに切り欠きを入れた部分が20mmあり、その部分を2mm落としてあります。

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梁の水平出しは一発勝負。一発で水平が出ないと、原因究明作業に時間を要します。

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梁Aの幅が92mmであるのに対し、柱Dの東西方向の幅は88mm。外側(西側)で面一にしました。したがって、4mmのズレは意図したものです。羽子板ボルトは梁ではなく柱を基準に中心線を出しています。

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パーゴラカーポート製作作業で目標とする誤差は1mm、許容誤差は5mm未満に設定しています。5mmを超えるような誤差があれば、その部分をやり直します。

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梁Bとは相欠き継ぎで継ぐ予定なので、加工済みの状態で柱Dの上に載せました。

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柱Aとは腰高羽子板ボルトで固定していますが、北側(母屋側)は突起物を出したくないのでボルトの先端が柱表面から突き出ないように座掘りを深めにしました。

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西側から見た図面を再修正しました。次回はいよいよ道路側の柱Eを立てます。作業中に柱が道路に向かって倒れないように細心の注意を払う必要があります。母屋側の柱はウッドデッキと母屋に固定できましたが、道路側は何もないので仮筋交いを増やそうと計画しています。

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Wood Carport — Part 21

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新たに図面に追加した柱Dを立てます。基準となる柱Aとの沓石上部からの高低差は700-682=18mm。柱Dは長さ2,092mmで柱Aと水平となるはずです。

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薪ストーブがあるご近所さんにいただいた古材を加工し、柱Dとしました。他の柱と比べて若干、細めですが、この部分は強度確保が目的ではなく、間柱として壁材を受ける役割を担うので問題ないかと思います。柱Bと同様に枘組みしないので柱の上端部は平らにしてあります。羽子板ボルト用の穴は梁Aと梁Bを柱に一時的に載せてから穴あけ位置を決める手順に変更しました。その方が現物合わせで正しい位置に穴を貫通させることができます。

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仮筋交いで一時的に固定しました。次回は梁Aを柱Aと柱Dの間に渡す予定です。

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柱Dの高さが判明したので図面を修正しました。柱Dの沓石が高めになったことも原因ですが、想定していたほど南北方向の勾配はなさそうです。

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Wood Carport — Part 20

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車の出入りがない西側は壁で塞ぐ予定なので、沓石を西側にもう一つ追加して柱を新たに立てることにしました。左がこれから追加する沓石、右が地中に半分埋めて固定した沓石。沓石の高さはいずれも240mm。

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少し掘ってみるとまたもや蒸発散設備の一部である重量ブロックが地中に埋まっているのがわかりました。ブロックを破壊して砕石を掘った穴に入れて、その上にモルタルを載せて、水平に注意しながら沓石を置きました。

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若干、高めですが、梁の水平は柱の高さで調整します。

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今回、施工した沓石は左(西)側の中央。

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iWork Numbersで作成した西側から見た図面を修正しました。南北方向にも若干の勾配があるので、柱の高さは実際に施工するまでわかりません。

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Wood Carport — Part 19

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ブンブンさんのウッドデッキ解体時にいただいた長さおよそ3,500mmの4×8材(幅は実測で188mm)を加工して梁を製作します。パーゴラカーポートの間口に合わせて長さを3,200mmに切断しました。上の画像はリンク先のFlickrで動画になっています。左手に定規として使っているのは屋根勾配も計測できる便利なスピードスクエア。

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ガレージ内で馬の上に大引きとして屋外で使われていたこの木材を載せてみるとかなり捻れていることがわかりました。小屋組も在来工法で建てる場合は、梁の上に束が載ってその上に母屋と垂木、屋根材となり、上からの荷重を受けるので、梁はできるだけ太くて重い材が適しているそうです。しかし、私が製作しているパーゴラカーポートは(そもそも屋根がないということはさておき)トラスを組む予定なので、梁の部分には真上からの荷重がほとんどかからない。どちらかといえば、左右に開こうとする力が屋根勾配の角度で加わる。

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4×8のままだと一人で柱の上に載せることは不可能なので、この長い材を丸ノコで縦挽きして4×4材を2本にします。丸ノコを使った縦挽きは練習した通りですが、材が長いので、途中で何回も休憩しながら丸ノコのモーターをクールダウンさせる必要がありました。DIY用のこの丸ノコには定格時間30分の表示があります。

このSHINKO製電気丸ノコSCS-165Kの仕様を以下に転記しておきます。

電動機:直巻整流子電動機
電圧:単相100V
周波数:50/60Hz
消費電力:680W
電流:7.1A
無負荷回転:4,100 r/min
ノコ刃の寸法:外形165 x 内径20mm
最大切り込み深さ:55mm
傾斜切断:0〜45º
寸法:250 x 230 x 210mm
重量:3.3kg

定格時間30分とは何を意味するのか、調べてみると「連続する1時間のうち力率(負荷率)85%の作業を30分使用しても問題がない」という意味だそうです。この丸ノコの最大切り込み深さはおよそ55mm。最大切り込み深さで硬い木材に対して使用するということは負荷率が100%?になり、5分も連続使用するとモーターが熱くなって回転数が下がり、今にも壊れそうになります。

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長い角材を裏返して、残り35mmを今度はMakitaの125mm丸ノコ(多分、業務用)で縦挽きしたらわずか3分ほどで切断できました。段差はHITACHIの電気鉋で削り落としました。2本になったこの角材は、東側と中央部分の梁として使用する予定です。

Makita製125mmマルノコ5230の主要機能を以下に転記しておきます。

電動機:直巻整流子電動機
電圧:単相交流100V
電流:7.5A
周波数:50-60Hz
消費電力:710W
回転数:5,600 min(回転/分)
ノコ刃寸法:外形125 x 内径20mm
最大切り込み深さ:46mm(90º)、30mm(右45º)
傾斜切断:右45º〜0º
本機寸法:長さ257 x 幅219 x 高さ211mm
質量:2.2kg

DIY用の丸ノコと職人さんが使うプロ用の丸ノコは価格以外に何が違うのか?大きく異なるのは電動機(モーター)の基本性能ではないかと思います。DIY用のSHINKO製丸ノコの回転数が4,100RPMであるのに対し、Makita製のものは5,600RPM。車で言えば、エンジンに相当しますが、高回転のMakita製丸ノコはSHINKO製のものと比べて駆動音が甲高く、それが切れ味に大きく影響しているのではないかと思います。

Wood Carport — Part 20へと続く。
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Wood Carport — Part 18

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方杖CとDを桁Bを支える二本の柱BとCに取り付けます。

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完成後は見えなくなるところも拘りを持って座金用の座掘り。

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方杖CとDの長さは876mm。図面よりも24mm、短くなったので図面を修正しました。

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地面に勾配があるので方杖BとCは段違いになるように取り付けました。同じ長さの方杖を同じ角度で取り付けることも可能ですが、その場合、より長いボルトを中間の柱を含めて3本の角材に貫通させる必要があり、穴空けの精度が高くなって難易度がさらに上がります。

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4本の方杖A、B、C、Dの取り付けが終了しました。この後、「パーゴラ」らしく、キシラデコール(防腐塗料)を塗装しました。

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Wood Carport — Part 17

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2本目の方杖Bを柱Bと桁Bの角部分に取り付けます。すでに柱Bにボルト用の穴を空けてあります。

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桁にも同様の穴を空ける必要がありますが、方杖にあらかじめ空けてある穴をガイドに垂直方向に下から空けます。

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座金用の座掘りがかなり難しい。45ºの角度で斜めに掘るわけですが、その位置を見極めるのが困難。方杖Bは方杖Aと同じ長さ695mmにしました。

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この日は22日で「にゃんにゃんデー」なので、Cat ISON用のペットフードを買いに行ったらこの夕焼け。琵琶湖大橋を西に向かう途中でiPhone SEで撮影しました。

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猫の身体能力の凄さにはいつも驚かされます。乗っても倒れないかどうかなど周囲の状況を察する能力も人並み以上ではないかと思わせられることがよくあります。ぐらぐらする枘組みの試作品には乗らないけれど、加工する木材を載せる安定した馬には真っ先に飛び乗ります。

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現在、ガレージは木材加工場となっており、Mazda RX-8は屋外駐車。車に乗られては困るので、普段はガレージにCat ISONが入ることはありませんが、作業を終えて、綺麗に掃除した後のガレージはISONの遊び場になっています。

Wood Carport — Part 18へと続く。
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Wood Carport — Part 16

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一本目の方杖Aを製作して取り付けます。macOS標準付属の辞書、スーパー大辞林によると、方杖とは「建築で、垂直材と水平材が交わる角に補強のために入れる短い斜材」です。

方杖は長い方が強度が増すと聞き、図面を修正し、長さ850mmの角材の両端を45ºの角度で卓上丸ノコを用いて切断しました。90mm角の杉材はウッドデッキのフェンスで使用していたものを再利用します。

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180mmのボルトを角材の上に置いてみてボルト穴の位置を確認しました。45º切断面の中心より少し上の方がより丈夫に固定できそうです。ボルトは両側で埋め込むことになります。柱側は面一になるように。

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45º切断面に対し、直交する貫通穴を空けます。Dowl-it(ダボ穴用の治具)を用いて細いドリルビットで下穴を空けてから13mm径のビットで穴を貫通させました。

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右手と左手がほぼ同じように使えることを自慢していると、こんなことにもなります。座掘り角度45ºで斜めに穴を掘ったのは良いけれど、掘る向きが逆になってしまいました。利き手がはっきりしないと向きを逆にすることがよくあります。これでは座金は収まらないしボルトを締めることもできません。

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修復不可能な廃材として薪にするには勿体無いので、この部分は2本の長いコーススレッドビスで留めようと考えました。方杖を柱Aと桁Aが直交する部分に持って行き、どんな感じになるのか試しにビス留めしてみると、長過ぎる。これではSuzuki HUSTLERの屋根が接触しそうです。掘る角度を間違えたのは不幸中の幸い。方杖の長さを短くして今度は向きに注意しながら座掘りをやり直しました。45º切断面と平行になるように掘れば良いのです。

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本職の大工さんなら方杖を取り付ける柱と桁(梁)に切り欠きを入れますが、その最大の目的はずれを防止するためだと思っていました。実際に自分で方杖を取り付けてみようとすると、短くして軽くなったとはいえ、脚立の上で重い角材を、柱と桁が直交する部分に隙間なく押し当てながら柱と桁に空ける穴の位置を精確にドリルビットでマーキングするのは至難の技というか、不可能に近い。そこで編み出したのが上の画像。方杖の下端に印を付けてその位置に板の端材を釘打ちして仮り固定。この板の上に方杖を置いて、方杖に空けた穴にドリルビットを通し、その先端で柱に印を付けるという方法です。

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印を付けた位置に13mm径のドリルビットで穴を貫通させ、ボルトの頭が収まる部分を座掘りしました。柱を立てる前、桁を載せる前に方杖用の穴を空けておくと作業が容易になります。しかし、基礎とした沓石の位置や羽子板ボルト用の穴の位置が微妙にずれているかもしれないし、そもそも木材が反っていると、図面通りには施工できません。ここはやはり現場合わせになります。

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苦戦しながら製作した1本目の方杖Aを取り付けました。切り欠きがなくてもずれそうにありません。

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柱Aと桁Aの角に取り付けた方杖Aは長さが695mmになりました。この高さなら背の高い乗用車が干渉することはないはずです。

Gable 300

方杖の長さを変更したので図面も修正しました。また、ご近所の設計事務所社長の助言に従い、垂木の本数を増やしました。垂木の本数を片面で2本増やすことで、スパンが566mmから493mmになり、積雪時の荷重に耐えることができると思います。屋根のフレームは在来工法ではなく、トラスを組む予定なので、垂木のスパンはもっと長くても良いかもしれませんが、念のため。

方杖製作と取り付け作業の難易度:5段階で4

Wood Carport — Part 17へと続く。
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Wood Carport — Part 15

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北側に3本の柱を立て、桁を載せた段階で、柱を細長いウッドデッキと母屋に固定しました。柱Aと柱Bはウッドデッキの2×6幕板に4×4の米杉(WRC)角材を渡し、シンプソン金具と専用ビスを用いて固定。角材の切断精度は1mm単位で行う必要があります。少しでもずれると柱が垂直に立ちません。

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柱Cは廃材を利用して母屋ログハウスのノッチ部分に仮り固定。

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次の作業に取り掛かる前に、近所にお住いの建築設計事務所兼工務店社長さん宅を訪れ、方杖の施工タイミングを聞いて来ました。ご自宅がショールームを兼ねているそうですが、カーポートを見に来る人も多いとか。

大津市中心部にある工務店の名称を聞き、ひょっとしてと思い、以前、自宅前をローバーミニで通りがかった社長さんに尋ねてみたら偶然にも40数年前に私の元実家を建てた工務店でした。外材(輸入木材)のブローカーを営んでいた父が先代の工務店棟梁と幼なじみだったということもあり、その工務店に自宅の建築を依頼したのでした。

話は元に戻り、方杖の施工時期ですが、社長さんによるとフレーム完成後ではなく、早い時期に方杖は取り付けた方が良いとのことでした。屋根を施工する時に屋根上に登らなければならなくなるので、補強材はその前に取り付けるべきだそうです。仮筋交いでも良いとのこと。

取付角度は45ºが最も強度があるそうで、長ければ長いほど建物が安定するそうです。カーポートの場合は車の高さぎりぎりまで伸ばせば良いとのことです。方杖を固定する方法も教えてくれました。「手に負えなくなったらいつでも注文受けますよ」とも。

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方杖や火打ちを固定する際に使うボルトを八幡にある大型ホームセンター、ムサシで入手しました。90mm角の角材で方杖を製作して同じ90mm角の桁や梁に45ºの角度で固定するにはボルトのサイズはどのぐらいが適切か?Zマーク金物売り場の近くにいた店員さんに聞いてみたら、正直に「わからない」の返答でした。来店中の本職の方に聞いた方が早いだろうと思い、いかにも職人さんの出で立ちをした人に聞いたら、庭師の方でやはり「わからない」の返答でした。製材している人に聞いたらわかるかもしれないと言われたので、そちらの方に移動して尋ねてみると、またしても「わからない、同サイズの角材を使って測れば良い」と言われました。

角材売り場の方に向かう途中で、合板の反り防止用の角材を見つけました。サイズは90mm角。長さが異なるボルト数本をZマーク金物売り場から持って来て、反り防止用の角材を使って、45ºの角度で直角二等辺三角形を作り、適合するサイズを調べると、どうやら180mmのボルトが適合するようでした。先ほどの店員さんが正直に私にはわからないと言った時、手にされていたのが180mmのボルトでした。

Wood Carport — Part 16へと続く。
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Wood Carport — Part 14

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左手に持っているのが「五郎謹製」の平鉋、右手に持っているのが細長い作里鉋。いずれも義父から頂いた年代物の鉋。

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作里鉋は桁や梁を繋ぐ相欠き部分の仕上げに重宝します。

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相欠きは本来、柱の真上ではなく少しずらせた位置で継ぐそうです。上の画像は在来工法で職人さんが建てたご近所さんの木製ガレージ内部。(車庫ではありません。)相欠きの重なる部分の長さが短いのは、強度を考慮してのことだと思います。物置兼ガレージの内部を見せていただき、参考にさせていただきました。

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当初の計画では相欠き部分の幅は柱の幅と同じ90mmでした。この部分を50mmに短くすることで、桁の全長を5,950mmとし、全長3,000mmの杉角材を無駄なく有効利用することができ、同時に柱から突き出た部分を東西で125mm分、確保できます。

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柱Bと柱Cの間に桁Bを渡しました。二次元で想像していた以上に背が高くて大きな「パーゴラ」になりそうです。

相欠き継ぎ作業の難易度:5段階で4

Wood Carport — Part 15へと続く。
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Wood Carport — Part 13

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3本目の柱Cを沓石の上に立てます。2本目の柱Bを立てた時に採用した独自の方法で柱Cの高さを確認し、水平を出しました。今回は脚立を使用して水準器で水平を出し、柱BC間に水糸を張りました。

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脚立の上に置いた水準器と平行になるように水糸を張って、二本の柱の高低差を測定しています。端材に打った釘の数が微調整した痕跡。水糸が釘の上か下かで3ミリほど高さが変わり、その違いが水準器に現れます。高低差は76mmでした。

South Revised

3本の柱の高さが決まった時点で地面の傾斜角度が判明したので、南側から見た(北側の)図面を修正しました。地面の勾配はおよそ2.7ºとなり、基準となる柱Aの高さ2,200mmに対して、地表に出ている部分の高さが低い沓石Bの上に立てた柱Bの高さは2,388mm、柱Cは2,464mmとなりました。

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作業場と化したガレージ内で柱Cを卓上スライド丸鋸で切断。枘の高さ35mm分を加えた2,499mmの位置で、二回に分けて直角に注意しながら切断しました。一回目におよそ85mmの深さまで切断し、裏返して残り5mm分を少し長めに切断します。意図した段差は作里鉋で削り落とせば、切断面が平らになります。(残り5mm分が短くなってしまった場合は、85mm分を削り落とさなければなりません。)

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柱を立てる前に枘の刻みと羽子板ボルト用の穴空けを実施。梁(上の画像で垂直に立っている端材)との接合部に使うのは腰高羽子板ボルト。ボルトを貫通させる穴の位置を柱Cの切り欠き部分からオフセットさせるために腰高タイプの羽子板ボルトが必要になります。

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穴を垂直に木材の中心に空けるには米国で購入したダボ穴用の治具(Dowl-it Model 1000)を使います。この治具、ダボの穴を空けるという本来の用途以外でも工夫次第で色々な場面で重宝します。細めのドリルビットで小さな下穴を途中まで空けてから、ジグを外して太いドリルビット(13mm径)で穴を貫通させます。この治具が対応する最大穴径は1/2″(12.7mm)なので、13mm径のドリルビットは残念ながら入らない。いきなり大きな穴を生木に空けようとすると、割れが入るので下穴用にこの治具を利用しています。

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13mm径のドリルビットの先端が裏側に貫通したら、木材を裏返して残りの部分を貫通させれば木材に傷を付けずに綺麗な穴を空けることができます。

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梁を受ける切り欠きと枘、(腰高)羽子板ボルト用の穴空け作業が完了しました。

Wood Carport — Part 14へと続く。
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Wood Carport — Part 12

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柱Aと柱Bの上に桁Aを載せます。柱Aの上に載る桁Aには枘穴を掘る必要があります。Wikipediaによると、桁(建築)とは構造物において柱間に架ける水平部材。短辺方向に渡された横架材を梁といい、その直交方向(長辺)に渡される部材を桁といいます。切妻屋根であれば、桁の上に垂木が載り、屋根からの荷重を受ける重要な部材。

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枘穴を掘るのは練習した通り。深さは35mmに変更しました。節があっても、使用する鑿の切れ味がよければ特に問題はないようです。

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柱Bとの接合は羽子板ボルトのみですが、桁Aと桁Bは相欠きで継ぎます。相欠きは継手としては単純で、一見簡単そうですが、重なる部分の長さや高さ、切断面の角度など、高い精度が要求されます。決めた寸法通りに刻まないと、隙間や段差ができます。直角に削る時に役に立つのがこのちょっと変わった細長い鉋。「作里鉋」といい、鉋台の幅と鉋刃の幅が同じになっているので隅の部分が際まで削れます。

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羽子板ボルト用の穴を空けて、座金用の座掘りをします。

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柱Aと柱Bの上に桁Aを載せました。

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柱Aと桁Aとは枘組みと羽子板ボルトで接合。

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桁Aに使用した杉の角材は反りがありました。山の部分が上になるように使用しています。積雪時の重みで下がってくるのではないかと期待しています。桁の中央部分に水準器を置いたら水平が出ていました。上下逆に渡すと撓むかもしれません。

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柱Aと桁A接合部を下から見たところ。

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羽子板ボルトは西側のみ仮固定。

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我々、施工してもらう側からみると、晴れているのになぜ大工さんは来ないのか?他の現場に行っていて後回しにされているのではないか?と疑うことがよくあります。枘組み加工を実際に自分でやってみて気付いたことが一つあります。現場で組み立てるよりも、刻み作業の方がずっと難易度が高く、手間もかかるということです。大工さんは他の現場に行っているのではなく、工務店の工場で刻み作業をしているのかもしれません。

柱と桁の接合作業の難易度:5段階で4

Wood Carport — Part 13へと続く。
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Wood Carport — Part 11

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二本目の柱Bを立てます。初めて立てた一本目と比べると、要領がわかっているので簡単そうではありますが。

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実は二本目の方がずっと難しい。「パーゴラ」を建てるのは傾斜地であり、基礎で水平を出すのは極めて困難なので、柱の高さを調整することで水平を出そうとしています。

一本目の柱は基準となるので、沓石上部から桁下まで2,200mmに決めてから切断しました。二本目はその一本目と水平にする必要があります。どのようにして水平を確認すれば良いのか?

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色々と考えた結果、一本目の柱Aの沓石上部から700mmの位置に水糸を張り、二本目の柱Bが水平になる位置を確認するという方法です。水平を測定する高さが低いので、単独作業でも水平となる位置を容易に確認することができます。水準器で測定したら、二本目の柱Bは沓石上部から888mmでした。つまり高低差は188mm。

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一本目の柱Aよりも柱Bは桁下までの高さがプラス188mmなので、柱Bは高さが2,388mmで柱Aと水平になるということです。実際に桁下部分に水糸を張り、水平を確認しました。

South 2017R

柱Bの高さがわかったので、この時点で図面を修正しました。地表面の勾配はおよそ4ºになります。当初、想定していた勾配は1ºなので、4倍もの違いがあります。しかし、こんなに急な坂とは思えません。地表に出た沓石の高さが一定ではないので、実際の勾配はもっと少ないかもしれません。iPhoneのコンパスAppで測定したら、傾斜角度は2~3ºでした。

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柱Bは枘組みしないので上端が平らになります。この部分で桁を継ぐ予定です。羽子板ボルト用の穴のみ空けてあります。

二本目の柱を立てる作業の難易度:5段階で4

Wood Carport — Part 12へと続く。
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Wood Carport — Part 10

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基準となる一本目の柱Aを沓石の上に立てました。長さ3,000mm、90mm角の杉材を枘の部分を含めて2,245mmになるように切断します。今回は、卓上丸鋸を使用して上下両側から二回に分けて切断。

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木材の置き方が間違っていると、切断面が直角にならないので細心の注意を払いました。

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切断面は直角ですが、段差ができました。こちらは上側で、枘を刻むので段差はその時に修正できます。

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柱は普通、木が本来生えていた「末」を上に、「元」が下になるように立てるそうで、逆に立てると「逆柱」と言って縁起が悪いそうです。節の中心が「末」の方に片寄っているので上下を見分けるのはそれほど難しくはありません。

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枘を刻み、羽子板ボルト用の穴を13mm径のドリルビットを用いて空けました。

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練習した通りに羽子板ボルトの穴を空けたつもりですが、なぜか穴が一つ多い。

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記念すべき一本目の柱を立て、デッキに仮固定しました。

Wood Carport — Part 11へと続く。
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