義父から譲り受けた年代物の和鉋を紹介します。恐らく少なくとも50年以上前に製作された和鉋です。
鉋身の表に「剣」、裏に「五郎謹製」の刻印入り。調べてみると新潟県の田中鉋製作所先代、田中五郎次の作品のようです。息子の昭吾作の鉋に関してはある程度の情報が得られましたが、先代が製作した鉋に関してはほとんど情報がありません。極めて貴重なものであることは確かだと思います。
刃の長さがおよそ70mmなので「寸八」と呼ばれるサイズです。私の手には大き過ぎますが、90mmの角材を削るにはこのぐらいあった方が効率的です。
我流でおよそ30ºの角度で刃を研いでみたものの切れ味はこんなもん?
樫の木でできた鉋台の頭の部分に割れがあったので、木工ボンドで接着しました。
試しに廃材を削ってみましたが切れ味は今一つ。どちらかと言えば、替え刃式の鉋の方が良く切れる。刃の研ぎ方が間違っているかもしれないと思い、ネットで検索すると富山大学の研究資料用ビデオがヒットしました。
鉋刃を研ぐという行為の奥の深さが感じられる素晴らしい動画だと思います。
この動画に触発され、私も三種類の砥石を使って五郎謹製鉋刃を研ぎ直しました。
切れ味がかなり改善されましたが、私としてはこの切れ味で完全に満足できていないので、鉋刃をさらに研いでみます。鉋刃を研ぐという行為に嵌りそうな予感がします。