M.Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro

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Olympus M.Zuiko Digital ED 12-50mm F3.5-6.3 EZと同時にM.Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macroも京都駅前家電量販店で入手しました。私が考えるこのレンズの主な被写体は、星雲、星団、彗星などの天体と、F1ナイトレース流し撮り、それと夜間に離着陸する飛行機です。換算120mmの単焦点でF2.8のスペックは、暗い被写体や動体を撮影する場合に威力を発揮しそうで魅力的に感じます。等倍マクロ機能を生かして、このレンズの本来の主な被写体であるだろう植物や昆虫も撮影したいと考えています。

M31 (The Andromeda Galaxy)

早速、レンズの性能試験としてアンドロメダ銀河を撮影してみました。iOptron SkyTrackerにPEN E-P5を載せて追尾しながら、絞り開放f/2.8、ISO 2000、50秒間の露光で撮影した画像1枚をDxO OpticsPro for PhotosでPRIMEノイズ除去し、Photosで補正しました。周辺部で減光があったので少し、クロップしてあります。周辺部光量落ちを補正するにはフラットフレームを用意しなければならないかと思います。しかし、フラットフレームを用意したとしても、どのようなMac用ソフトウェアを使って処理すれば良いのか、現時点で不明です。画像の左上の辺りで収差なのか、星が流れているのかよくわからないズレがあります。色収差はほとんどないと思います。

アンドロメダ銀河をこんなに大きく撮影できたのはデジタルに移行してから初めてかもしれません。M110も判別可能です。レンズの視野は20ºとかなり狭いので、目的とする被写体を中央に導入するのに手子摺りました。

このレンズの主な仕様を以下に記しておきます。


Focal Length60mm (35mm Equivalent Focal Length: 120mm)
Maximum / Minimum ApertureF2.8 / F22
Lens Construction13 Elements in 10 Groups (1 ED Lens, 2 HR Lenses, 1 E-HR Lens)
Splash ProofingDust and Splash Proof Mechanism
Angle of View20º
AF ModeHigh-Speed Image AF (MSC Mechanism)
Closest Focus Distance0.19m
Maximum Image Magnification1.0x (35mm Equivalent Maximum Image Magnification: 2.0x)
Minimum Field Size17 x 13mm
Number of Diaphragm Blades7 (Circular Aperture Diaphragm)
Filter Sizeø46mm
Size: Maximum Diameter x Lengthø56 x 82mm
Weight185g

M31 (Andromeda Galaxy) with M.Zuiko Digital 45mm F1.8

M31

Olympus PEN E-P5にM.Zuiko Digital 45mm F1.8を装着し、iOptron SkyTrackerで追尾しながら軒先からM31(アンドロメダ銀河)を撮影してみました。

このレンズで星を撮影するのは初めてのこともあり、ピント合わせに苦労しました。PEN E-P1の頃は17mm F2.8ならレンズリセットONでほぼ無限遠に焦点が合いましたが、PEN E-P5と45mm F1.8の組み合わせではそう簡単には無限遠にピントが合いません。レンズリセットはOFFにして、マニュアルでピント合わせしなければなりません。

このレンズに距離指標はなく、フォーカスリングはどこまでも回転するタイプであり、実際に星が見えてピントが合う幅が狭いので、ある程度の明るさがある星を基準にピントを合わせなければなりません。今回のように目的とする星が暗い場合、ポータブル赤道儀を載せた三脚とは別の三脚にカメラを載せて、より明るい星をフレーム内に導入した方がピントが合わせやすい。カメラの電源をオフにした時に、苦労して合わせた無限遠がリセットされないよう、レンズリセットはOFFにすべきです。(スリープの場合は、合わせたピントは維持されるようです。)

夜でも周囲の気温が高い今の季節、赤や緑の輝点ノイズがファインダーを覗けば見えます。緑の星は彗星以外にはあり得ないけれど、赤い星はいくらでも存在するので、赤い輝点ノイズを星であると勘違いしてピント合わせをしていました。尚、この輝点ノイズのほとんどは現像時に除去することができます。

このカメラで初めてインターバル撮影の機能を使用しました。一眼レフのNikon D7000にも同じ機能が搭載されていますが、使い方がちょっと違います。30秒の露光(シャッタースピード)で、5秒間隔で連続撮影する場合、Nikon D7000では撮影間隔は露光時間を足して35秒に設定しなければなりませんが、Olympus PEN E-P5の場合は撮影間隔は5秒に設定します。また、Olympus機では「撮影開始待ち時間」で1枚目を撮影するまでの時間を設定できます。撮影はシャッターボタンを押せば開始になるのに対し、Nikon機ではインターバル撮影をONにした時に撮影開始となります。

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長時間の撮影で気になるのはバッテリー残量ですが、三脚固定での通常撮影の場合はFnボタンを押してバックライトをオフにして電力消費を節約する設定にしていますが、インターバル撮影時はVF-4を取り外してもバックライトがオフにならないようです。但し、撮影開始待ち時間、撮影間隔を1分31秒以上に設定すると1分でモニターを消灯してカメラの電源が切れるそうです。撮影10秒前に自動的に復帰。撮影間隔が1分31秒以上となれば、流星撮影には向かないので、バックライトを最も暗くなるように設定して節電する以外に方法はないようです。

上の一枚目の画像はISO 1000、露光30秒、f/2.0で追尾撮影した24枚のRAWファイルをPhotosの機能拡張であるDxO OpticsPro for Photosを用いて高感度、熱ノイズをPRIMEノイズ除去し、JPEGで書き出した24枚のファイルとダーク減算処理用のファイル1枚をStarStaxで比較明合成し、さらに仕上がったファイルをPhotosで読み込んで、レベル補正、ホワイトバランス、露出などの調整をしてあります。

35mm換算で90mmのレンズを使用して、合計12分間、追尾したことになりますが、極軸がぴったり合っているのか、星は流れていません。ISOとシャッタースピードが控えめだったため、露出不足になりました。右下に目視でも確認済みの流れ星の光跡が一本、写っています。小さな粒子状に写っているもののほとんどは、ノイズではなく、微光星です。

DxO OpticsPro for Photos Updated To Version 1.2.1

Photosの機能拡張プラグイン、DxO OpticsPro for PhotosがVersion 1.2.1にアップデートされ、以下の比較的新しいカメラ6種がサポートされるようになったそうです。DxO OpticsPro for Photosは現在、App Storeで50%引きで販売されています。

  • Nikon D500
  • Sony A68
  • Canon EOS 1DX Mark II
  • Canon EOS 1300D
  • Olympus PEN E-PL6
  • Olympus PEN F

Sakura and Starry Night Sky

Sakura and Stars

自宅から徒歩で行ける公園の桜が満開、今夜は晴れていて月明かりもない、風も吹いていないので撮影条件は揃っている。この日を逃せば、次に条件が揃うのが一年後かもしれないので、新しいカメラ機材を車に積み込んで、公園に向かいました。昼間は花見をしている人もいましたが、夜になると誰もいない公園。夜なら桜と星空を独り占めできます。

Sakura and Stars

先ずは、OLYMPUS M.17mm F1.8を装着したPEN E-P5で三脚固定撮影。公園近くの道路に街灯があるので一段分絞ってf/2.0で20秒間の露光。ISOも控えめに1250に設定。この程度の絞り値ならVF-4(電子ビューファインダー)のライブビューで北斗七星が見えるので、構図が容易に設定できます。撮影後もVF-4で再生して拡大表示すれば、ピントが星に合っているかどうかの確認も可能。手元に焦点が合わないメガネ着用時も電子ビューファインダーなら焦点が合います。

Sakura and Stars

レンズをTokina AT-X 116 PRO DXに交換しました。K&F Concept Nikon (G) – M4/3マウントアダプターを使用しています。マウントアダプターに電子接点がないので、レンズに関する情報はExifに表示されません。

Sakura and Stars

公園から帰る途中にこぢんまりした桜並木があり、そこに車を停車して撮影続行しました。周囲は田んぼで、街灯がないのでISOを1600まで上げても桜の花が白とびすることはありません。

Sakura and Stars

シャッタースピードを20秒から25秒に伸ばしました。長秒時ノイズ低減はなしの設定ですが、Photosで現像するときに熱ノイズは自動的に除去されます。

Sakura and Stars

桜の木の右下に写っている明るい星はぎょしゃ座のアルファ星、カペラ。この写真のみ、DxO Optics Pro for Photosでノイズ除去し、桜の花が際立つようにPhotos Appで補正してあります。

DxO OpticsPro for Photos Updated To Version 1.1

Photos Appのプラグイン、DxO OpticsPro for PhotosがVersion 1.1に更新され、補正スライダーで微妙な調節が可能になりました。また、UIが改善され、処理している画像ファイルがRAWなのかJPGなのかを確認しやすくなりました。

DxOJ DxOR

左がJPGファイル補正時の画面、右がRAWファイル補正時の画面。いずれの場合もスライダーが表示されるようになりました。RAWファイルのNoise Reductionでは強力に高感度ノイズや熱ノイズを除去できるPRIMEを適用することができます。

3月31日現在、DxO OpticsPro for PhotosはMac App Storeで50%引きになっています。

Evening Landing at Osaka (Itami) International Airport

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この前はあまりの寒さに負けて、早めに退散しましたが、今回は午後7時半頃まで千里川堤防で撮影を続けました。

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空港が管理する敷地のすぐ外側から撮影を始めました。多分、この辺りが最南端だと思います。

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滑走路周辺の街灯は誘導灯と誤認しないよう、何らかの配慮があるのでしょうか。

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伊丹空港滑走路の南側(着陸側)周辺で働く人や暮らす人にとってはこれが日常の景色。

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この日も多くのカメラマンが千里川堤防に。暗くなるとどんどんカメラマンが増えます。

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夕暮れまで少し時間があったので、スカイパーク南駐車場に行ってみましたが、ここにいたのは30分ほど。流し撮りしている時に、Olympus PEN E-P5のシャッターが切れなくなりました。電源スイッチをオフにしても電源が切れないという不具合に見舞われました。バッテリーを取り出して、電源を切り、再びバッテリーを入れると元に戻りました。

Evening Landing at Osaka (Itami) International Airport

千里川堤防に戻ると、日没間際でちょうど良い時間帯でした。シャッタースピード1/125秒で軽く流しながらシャッターを切りました。ISOは上限を3200に設定。露出プログラムはシャッタースピード優先モード。光量不足なのでISOは設定した上限の3200になり、絞りをもっと開けろと、f/1.8が点滅してカメラに叱られます。しかし、これ以上、絞りを開けることはできないので警告を無視。

Evening Landing at Osaka (Itami) International Airport

流し撮りしなくてもシャッタースピード1/125秒で被写体ブレしないのはそれだけ被写体である航空機の速度が遅いということでしょう。伊丹空港で飛行機の写真を撮り始めて気付いたことが一つあります。

Evening Landing at Osaka (Itami) International Airport

それは飛行機は着地する前から減速しているということ。着地してから減速するものだとばかり私は思っていました。それと飛んでいる飛行機を後ろや前から撮影する場合は、機体が止まっているように見えるので、低速シャッターであってもカメラを振って流し撮りする必要がなく、背景の誘導灯も点像にすることができるということです。

Evening Landing at Osaka (Itami) International Airport

千里川堤防に通い始めて、今回が4度目になりますが、ようやく目標とした写真に近いものが撮れました。上の画像はOLYMPUS M.45mm F1.8を装着したOlympus PEN E-P5で撮影しました。夜間の動体撮影ではボディーの5軸手ぶれ補正も重要ですが、それ以上に明るいレンズが果たす役割の重要度を実感しました。絞り開放のf/1.8だからこそシャッタースピード1/100秒でこれだけ明るく写すことが可能です。

35mm換算焦点距離が100mm前後の中望遠レンズで絞り開放f/1.8となれば、Nikon Fマウントのボディーに装着する前提なら高価なレンズが必要になります。しかし、マイクロフォーサーズ規格のボディーに装着する場合は比較的、安価なレンズでこの焦点距離と明るさを達成することが可能です。尚、このレンズ(OLYMPUS M.45mm F1.8)は2万円台で入手できますが、価格以上の画質であることは間違いありません。

Evening Landing at Osaka (Itami) International Airport

暗くなってから撮影した画像はすべて、DxO OpticsPro for Photosでノイズ除去(PRIME)してあります。また、PhotosでLight、Color、White Balanceなどを大幅に補正してあります。

Olympus E-P5 Test Shots — Part 1

Olympus E-P5 Test Shot with Olympus M.17mm F1.8
OLYMPUS M.17mm F1.8 f/1.8, 17mm, 20s, ISO 1000

Olympus PEN E-P5ボディーにM. Zuikoレンズ(OLYMPUS M.17mm F1.8)とNikon Fマウント規格のTokina AT-X 116 PRO DX (AF 11-16mm f/2.8)を装着して星景写真の試写を行いました。画像はすべて、RAWで撮影し、Photosで補正しました。(DxO Optics for Photosも併用して補正)

先ずは、OLYMPUS M.17mm F1.8を装着してISOは控えめの1000で絞り開放(f/1.8)、20秒の露光。ピントは背面液晶を拡大表示して木星をもとに合わせました。天頂付近にある星でピント合わせするときは、3.0型可動式液晶が便利。ピーキング表示色は白か黒の二択であり、白に設定しましたが、どちらを選んでも星のピント合わせには見づらくなるので、ピーキングはオフの方が良いかもしれません。このレンズ個体の特性か、距離指標が3mぐらいの位置で無限遠になりました。単焦点レンズなのに無限遠マークの位置でピントが無限遠にならないのは釈然としません。3月7日追記:無限遠マークはフォーカスリングを手前に引くと現れる、「スナップショットフォーカス」用の距離指標であり、星空撮影時のマニュアルフォーカスではこの距離指標は参考にならないものかもしれません。)

長秒時露光時に電池を節約するため、バックライトはオフにしました。オンとオフを切り替える専用のボタンがないので、「Fnボタン機能」を「バックライト」に設定。Fnボタンを押すと背面液晶のバックライトがオフになります。VF-4は取り外しておかないと、ボタンを押してもオフにならないので注意

Olympus E-P5 Test Shot with Olympus M.17mm F1.8
OLYMPUS M.17mm F1.8 f/1.8, 17mm, 20s, ISO 1000

最初の一枚を撮影した直後に背面液晶で画像を確認したら、赤い輝点ノイズが現れていて慌てました。やはり、熱ノイズが… 自作のレンズヒータ2号機が熱くなりすぎたのか?E-P5はE-M5などと同じSony製の撮像素子を採用しているので、高感度、長秒時の熱ノイズには優れた耐性を持ち合わせているはずなのですが。

カメラの「長秒時ノイズ低減」はオフに設定しているので、一枚目撮影時と同条件で、UNブランドのレンズキャップを取り付けてダークフレームを撮影しました。天体撮影ではダークフレームを撮影しておいて、パソコンで補正するときに長秒時熱ノイズを減算処理するのが一般的です。

上の画像は熱ノイズがわかりやすくなるよう、極端なレベル補正をしてあります。左上に写ってはならない母屋の破風が写っています。なぜだろう?レンズキャップはしっかりと取り付けてあります。しばし原因を考えると、レンズキャップに紐を通す穴から光が漏れていることが判明しました。応急処置としてガムテープで穴を塞ぎ、再度、ダークフレームを撮影。(「長秒時ノイズ低減」をオンにすれば、カメラが自動的にダークフレームを撮影し、減算処理してくれます。天体撮影や花火の撮影ではカメラに減算処理させている間、次の写真が撮れなくなります。)

Olympus E-P5 Test Shot with Olympus M.17mm F1.8
OLYMPUS M.17mm F1.8 f/1.8, 17mm, 20s, ISO 2000

ISOを一気に2000まで上げました。特に高感度ノイズが増えたようには見えません。熱ノイズも気になりません。三脚固定で試写しているので、換算34mmの焦点距離で星をできるだけ点像にするには露出20秒ぐらいが限界です。熱ノイズを意図的に強調した二枚目の画像を除き、すべてDxO Optics for Photosでノイズ除去PRIMEを適用させています。ダークフレームで減算処理しなくても、輝点ノイズ(熱ノイズ)を除去できることがわかりました。保存時に時間はかかりますが、天体写真の画像処理にもDxO Optics for Photosは機能します。

撮影した画像を拡大表示してみると、周辺部にコマ収差が確認できますが、私の許容範囲内です。絞り値を一段か二段分、上げると収差が目立たなくなるかもしれません。ISO 2000でもノイズは少なく、除去可能であるので、星空撮影にもPEN E-P5とOlympus M. 17mm F1.8の組み合わせは十分に使えるという判断になりました。どちらかといえば、星空撮影に適しているかもしれません。

Part 2ではマウントアダプターを介して試写した結果を記録する予定です。

The Senri Riverbank — Part 2

大阪国際空港(伊丹空港)に着陸する航空機を間近で見れる千里川堤防を再訪問しました。今回は夕暮時から夜にかけての時間帯を狙っていましたが、現地に到着したらすでに暗闇でした。昼間とはまるで状況が異なるので、撮影の難易度が大幅に上がります。

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F1では唯一の公道ナイトレースを開催するシンガポールGPでの撮影条件と比べても、光量が圧倒的に少なく、オートフォーカスが機能しません。ISOオートで上限を3200に設定しましたが、持参した超広角と標準ズーム、望遠ズームではF値が暗いので、全然光量不足の写真になります。

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被写体が何なのか説明しなければわからないレベルの写真になってしまいました。本来は公開できるレベルではありませんが、難易度の高さを説明するには良いだろうと思い、公開することにしました。暗いズームレンズよりも明るい単焦点レンズを持参すべきでした。

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高感度ノイズはDxO OpticsPro for PhotosのPRIMEを適用すれば除去できるので、ISO感度は6400まで上げても大丈夫かもしれません。この日は三脚を持参するのを忘れたので、軽く流しながら高速連写しました。シャッタースピードは上の写真で1/125秒ですが、さらに落とすべきかもしれません。課題は航空機や滑走路照明灯の明るい部分でしかオートフォーカスできないことです。マニュアルフォーカス、置きピンに設定すべきかもしれません。また、シャッタースピード優先ではなく、露出もマニュアルにすべきなのか?試行錯誤が必要です。F1ナイトレースの撮影よりも、星空の撮影に近い気がします。

次回は明るい単焦点レンズと三脚と一脚を忘れずに持参して、夜間撮影に再チャレンジします。

Part 3へと続く。

DxO OpticsPro for Photos

DxO

去年の1月に画像管理補正AppをApertureからPhotosに完全移行しました。Photosを使用するようになって特に大きな不満はないものの、画像補正機能がApertureほど充実しているわけではないのは事実であり、サードパーティー製の機能拡張が開発されるのを待機していたところです。そんな時にDxO OpticsPro for PhotosがMac App Storeで発売となり、期間限定50%オフ(¥1,200)で入手できるようになりました。

早速、去年のシンガポールGPで撮影した、補正のしがいがある画像2枚を試験的に補正してみました。Extensions(機能拡張)からDxO OpticsPro for Photosを選ぶと、5つの補正項目が右のサイドバーに現れます。レンズ歪曲収差、色収差などを補正するOptical CorrectionsとWhite Balance、DxO Smart Lighting、Noise Removal、DxO ClearViewです。右のスクリーンキャプチャのOptical Correctionsには使用したカメラボディーとレンズが表示されています。ボディーとレンズの組み合わせが登録されていない場合は、このような表示はありません。

ヘイズの影響を受けた今一つな画像がDxO ClearViewを適用すると、どの程度の効果が得られるのか試してみました。金融街を背景にBay Grandstandの様子をFujifilm XQ1で撮影したJPEG画像ですが、遠くの高層ビル群と空がヘイズで霞んでいます。

DxO ClearView Test (Before)
DxO ClearView適用前

ほぼ見たまま撮れているわけでカメラと画像処理エンジンに何の問題もなく、どちらかと言えば、実際よりも鮮やかに写っています。コンデジとしては優れたカメラだと思います。

DxO ClearView Test (After)
DxO ClearView適用後

DxO ClearViewを適用すると、高層ビル群がくっきりと見え、適用前には気付かなかった電線も見えています。Photos標準の補正項目であるコントラストを高めに調整すると、同様の効果が得られそうではありますが、異なる点は深緑シートの背もたれ背面などの暗部が黒つぶれしていないことでしょうか。

DxO Noise Removal Test (Before)
DxO Noise Removal適用前

OLYMPUS M.14-150mm F4.0-5.6を装着したOlympus E-M5 Mark IIで撮影したPharrell Williamsのコンサート画像はISOが5000になっていて、かなりノイジー。カメラの高感度耐性に問題ありと思わせるような残念な画像になっています。

DxO Noise Removal Test (After)
DxO Noise Removal適用後

ISO高めの設定でRAWで記録した画像の場合は、自動的にHQとPRIMEがサイドバーのNoise Removal(ノイズ除去)に現れるようです。上の画像はPRIMEを適用したもの。細部を残しながら暗部のノイズが取り除かれています。ノイズ除去適用時は動作が重くなりますが、このような効果が得られるのであれば、その代償だと思えば受け入れることもできます。Apertureのノイズ除去機能ではここまではっきりとわかるような補正はできないことを考えると、DxO OpticsPro for Photosを組み込んだPhotos Appは、ノイズ除去機能に関しては、Apertureを上回っていると捉えることができます。