DxO OpticsPro for Photos

DxO

去年の1月に画像管理補正AppをApertureからPhotosに完全移行しました。Photosを使用するようになって特に大きな不満はないものの、画像補正機能がApertureほど充実しているわけではないのは事実であり、サードパーティー製の機能拡張が開発されるのを待機していたところです。そんな時にDxO OpticsPro for PhotosがMac App Storeで発売となり、期間限定50%オフ(¥1,200)で入手できるようになりました。

早速、去年のシンガポールGPで撮影した、補正のしがいがある画像2枚を試験的に補正してみました。Extensions(機能拡張)からDxO OpticsPro for Photosを選ぶと、5つの補正項目が右のサイドバーに現れます。レンズ歪曲収差、色収差などを補正するOptical CorrectionsとWhite Balance、DxO Smart Lighting、Noise Removal、DxO ClearViewです。右のスクリーンキャプチャのOptical Correctionsには使用したカメラボディーとレンズが表示されています。ボディーとレンズの組み合わせが登録されていない場合は、このような表示はありません。

ヘイズの影響を受けた今一つな画像がDxO ClearViewを適用すると、どの程度の効果が得られるのか試してみました。金融街を背景にBay Grandstandの様子をFujifilm XQ1で撮影したJPEG画像ですが、遠くの高層ビル群と空がヘイズで霞んでいます。

DxO ClearView Test (Before)
DxO ClearView適用前

ほぼ見たまま撮れているわけでカメラと画像処理エンジンに何の問題もなく、どちらかと言えば、実際よりも鮮やかに写っています。コンデジとしては優れたカメラだと思います。

DxO ClearView Test (After)
DxO ClearView適用後

DxO ClearViewを適用すると、高層ビル群がくっきりと見え、適用前には気付かなかった電線も見えています。Photos標準の補正項目であるコントラストを高めに調整すると、同様の効果が得られそうではありますが、異なる点は深緑シートの背もたれ背面などの暗部が黒つぶれしていないことでしょうか。

DxO Noise Removal Test (Before)
DxO Noise Removal適用前

OLYMPUS M.14-150mm F4.0-5.6を装着したOlympus E-M5 Mark IIで撮影したPharrell Williamsのコンサート画像はISOが5000になっていて、かなりノイジー。カメラの高感度耐性に問題ありと思わせるような残念な画像になっています。

DxO Noise Removal Test (After)
DxO Noise Removal適用後

ISO高めの設定でRAWで記録した画像の場合は、自動的にHQとPRIMEがサイドバーのNoise Removal(ノイズ除去)に現れるようです。上の画像はPRIMEを適用したもの。細部を残しながら暗部のノイズが取り除かれています。ノイズ除去適用時は動作が重くなりますが、このような効果が得られるのであれば、その代償だと思えば受け入れることもできます。Apertureのノイズ除去機能ではここまではっきりとわかるような補正はできないことを考えると、DxO OpticsPro for Photosを組み込んだPhotos Appは、ノイズ除去機能に関しては、Apertureを上回っていると捉えることができます。

Singapore GP 2015 Day 5 (Sunday) — Race

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残念なドライバーズパレード開始前からずっと立ったままT11で場所取りしていて疲れた我々は、ここで決勝最初の数ラップを観てから、自席のあるBay Grandstandへと移動します。頭上から降ってくる毛虫にもイライラ。iPhone 6で流さずに撮影するとこんな感じになります。

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1/250秒で真横から流し撮り。マニュアルフォーカスで置きピン。ISOが設定上限の5000になっていて、画像はかなりノイジーになりました。

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不調だったMercedesのマシン。T11の縁石に乗り上げて右フロントが浮いています。

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好調のFerrari。

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来期のパワーユニットを供給するメーカーが未定のToro Rosso。シンガポールでは二台のマシンがポイントを獲得しています。

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T11からT18へと移動中にMassaとHulkenbergのクラッシュでセーフティーカーが出動。自席に到着すると、今度は人がトラック内に侵入し、再びセーフティーカー登場でイエローフラッグ。

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今回のシンガポールGPで使用したOlympus OM-D E-M5 Mark IIには236万ドットの超大型高精細EVFが搭載されており、初期のEVFとは比較にならないほど、くっきりと見やすい電子ビューファインダーです。しかしながら至近距離で高速で移動するF1マシンの流し撮りをする時は、私の設定ミスなのか、被写体が追従してくれません。どうしても遅れがちになるので、視野の中央でシャッターをリリースしながらカメラを振っているにもかかわらず、狙った被写体は視野の外であったり、上の画像のように右端に辛うじて捉えていたりと…流し撮りには不向きであるという印象を持ちました。(低速で移動する被写体の場合は、特に問題なく、どちらかといえば容易に流し撮りできます。)

Olympusのサイトによると、OM-D E-M5 Mark IIのファームウェアVer.2.0が11月に公開される予定だそうで、その追加項目に、「肉眼に近い見えを実現するOVFシミュレーションモード」というのがあるそうです。このファームウェアを適用すると上述のような、「被写体が追従してくれない」問題が解消されるかもしれません。

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高感度耐性に関しても、OM-D E-M5 Mark IIは期待したほどではなく、RAWで撮影した画像をPhotosでノイズ除去を試みたものの、思い通りにノイズが除去できない状況です。上の画像はISOが1250ですが、暗部に高感度ノイズが現れています。ノイズが目立たないように補正してありますが、気になるレベルです。

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翌日は午前から忙しくなるので、決勝終了後のコンサート会場へ向かうことなく、Jubilee Bridgeを渡ってRaffles PlaceでMRTに乗車し、早めにホテルに戻りました。


Singapore GP 2015 Day 6 (Monday) — From Singapore To Malaccaへと続く。

Singapore GP 2015 Day 3 (Friday) — Practice 2

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P2は自席を離れてドリアン劇場屋上から写真撮影しようと、ちょっと早めに移動しました。金曜のP1終了後なのでほとんど人がいませんが、撮影に最適な場所を確保するには場所取りは必須。

ISO 4000で撮影したドリアン劇場の画像は、背景がノイジーですが、液晶モニターで確認した時は、ノイジーに見える原因はヘイズ(大気汚染)だろうと思っていました。しかし、ヘイズの影響がほとんどなくなった土曜と日曜にISO高めで撮影した画像も背景の暗部がノイジーだったので、原因はOlympus OM-D E-M5 Mark IIのセンサー自体と画像処理エンジン、それと私のカメラ設定方法にあるのではないかと考えるようになりました。

Singapore GP 2015 Practice 2

T15からT16へと向かう短いストレートを斜め後方から撮影します。トラック手前側のコクリートウォールと金網が後退しているところがあります。レコードラインは向こう側なのでこの部分はクレーンの通路になるのでしょう。

Singapore GP 2015 Practice 2

金網が後退しているところから”Fly Emirates”の看板までの短い直線を減速しながらマシンが通過する様子を流し撮りします。ちょうどこの辺りの路面がバンピーであり、火花が撮れればラッキー。

Singapore GP 2015 Practice 2

まずはこの撮影地でのベストショット。今年から見栄えを派手にしようと、意図的に火花が飛び散るようになっているそうです。

Singapore GP 2015 Practice 2

同じZone 4でありながら、8番ゲートに近い向こう側は大勢の人が観戦しています。

Singapore GP 2015 Practice 2

斜めに高速で移動する被写体の流し撮りは極めて困難。シャッタースピードは1/250秒に設定。

Singapore GP 2015 Practice 2

ISO上限を高めに設定すると、上の画像で4000になりましたが、背景によってはノイズが抑えられているというか、目立ちません。

Singapore GP 2015 Practice 2

遠くにT19も見えています。

Singapore GP 2015 Practice 2

被写体ブレを抑えようとシャッタースピードを1/320秒に上げるとISOは上限の5000に。

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P2終了を待たずにPharrell Williamsのコンサートが開催されるPadangメインステージへ。コンサートを最後まで楽しんで、City Hall駅からMRTに乗車しようとしたら、物凄い人混みだったので、Raffles Placeに乗車駅を変更。

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Raffles Place駅はいつも利用する入り口が閉まっていました。コンサートの余韻を楽しみながらfreedom!を歌う集団について行ったらClarke Quayの辺りまで迷い込んでしまい、Circle Line乗り継ぎ電車は終電になりました。時計は午前2時前。サンダルを履いていたら、鼻緒に接触する部分に擦り傷を負いました。


Singapore GP 2015 Day 4 (Saturday) へと続く。

Singapore GP 2015 Day 3 (Friday) — Practice 1

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1時間半の練習走行が二度、行われる金曜は走行中のF1マシンを撮影する絶好の機会です。この日はMRT Raffles Placeで下車し、今年新たに設置された7番ゲートからサーキットパークに入場しました。マーライオン公園とドリアン劇場とを繋ぐ歩行者専用のJubilee Bridgeに設けられたゲートです。

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ヘイズによる健康被害が想定されていたのか、耳栓とポンチョをセットにした例年のサバイバルキットに加えて、今年はN95マスクも用意されていたようですが、実際に販売寄付されることはなかったようです。

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サーキットパークに来れば先ずはダンカンに挨拶をしようと、T9内側の施設敷地内に立ち入ろうとしたら、予想通り警備スタッフに制止されました。このカード所持者でなければ敷地内に入ることはできないと一点張り。敷地内に入りたければインフォメーション・ブースでカードを発行してもらえと言われました。そんなことは無理だろうと思いながら、iのマークがあるインフォメーション・ブースの方に向かって歩いていると、この施設に毎年のように宿泊しているドイツ人二人組が夕食とビールを手にF1ビレッジの方から戻ってくるところを目撃しました。常連客仲間との一年ぶりの再会。施設に戻ろうとしていた二人に、ダンカンをゲートまで呼んでとお願いしました。

ほどなく現れたダンカンの権限で、宿泊客ではない我々も施設敷地内に入ることができました。施設のスタッフに持参したお土産を渡して、しばらくおしゃべりした後、P1は予定通り、自席のあるBay Grandstandへと移動。

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Bay Grandstand下でボリューム満点のハンバーガーとホットドッグを買い、ダークグリーン上段の自席へ。

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自席から望むT18方面。ここからは望遠レンズを使ったとしても迫力ある写真撮影は無理。

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金曜は観戦客が少ないので、写真撮影に適した席の近くは事実上、自由席になっています。毎年のことですが、P1の前半は警備スタッフと案内係が大目に見てくれます。P1後半になると、他人の視界を遮らないところで撮影していたとしても、自分の席に戻れと注意されるので、写真撮影はそれまでが勝負。去年、警備スタッフの注意を無視して口論していた中華系の子連れの男性、今年も同じ場所にいました。フルサイズの高級機を手に入れたようで、相変わらず、他人の視界のことは何も考えず、好き勝手に振舞っていました。

F1 Singapore GP Practice 1

minority318さんにお借りしたレンズ(OLYMPUS M.14-150mm F4.0-5.6)に活躍してもらう時が到来しました。望遠端の150mm(換算300mm)で撮影したSebastian Vettel。

F1 Singapore GP Practice 1

Williamsのフィンランド人ドライバー、Valtteri Bottas。超低速コーナーのT18は、マリーナベイ・ストリートサーキットの23のコーナーの中で最も難易度が高いコーナーであると私は考えています。T18の曲がり方を見ているとドライバーの技量とマシンのサーキットトラック適性がわかります。

F1 Singapore GP Practice 1

Sergio Perezはコーナーを曲がりきれずにランオフエリアに。クラッシュは避けることができたので、ドーナツターンしてトラックに戻りました。

F1 Singapore GP Practice 1

ベテランドライバーのKimi Räikkönenは安定しています。

F1 Singapore GP Practice 1

McLaren Hondaのマシンが通過するたびに日の丸片手に声援を送る人が近くにおられました。

F1 Singapore GP Practice 1

毎年、誰かがトンネル内のガードレールに激突し、セーフティーカーの登場となります。

F1 Singapore GP Practice 1

午後6時開始のP1も、終盤になると金融街の夜景が映えます。去年と比べると今年のマシンはエンジン音が若干大きくなりましたが、Hondaのエンジンだけ去年のターボエンジン特有の低い音でした。Hondaは開発が一年遅れているような気がします。


Singapore GP 2015 Day 3 (Friday) — Practice 2へと続く。

Panning with Olympus OM-D E-M5 Mark II

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シンガポールGP観戦旅行出発の前日に天候条件が整ったので、近くの流し撮り練習場所に行き、Olympus OM-D E-M5 Mark IIで試し撮りしました。使用したレンズはOLYMPUS M.12-50mm F3.5-6.3。シャッター速度優先モードでSSは1/100秒に設定し、手ブレ補正は縦方向のブレのみを補正するS-IS2を選択。

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撮影時はEVF(電子ビューファインダー)を使用しましたが、時速60kmにも満たない低速走行の車ならファインダーの追尾性能にそれほど違和感なく、被写体を追っかけながら撮影することができました。上の画像撮影時はシャッター速度を1/60秒に落としていますが、縦方向の手ブレ補正が機能しているためか、被写体が綺麗に流れています。

この後、納期に追われる仕事があったので、流し撮りの練習ができたのはわずか10分ほどですが、ミラーレス一眼のOM-D E-M5 Mark IIでも容易に流し撮りができることがわかりました。但し、被写体が高速で動くF1マシンの場合も、問題なくEVFで流し撮りが可能なのかどうかはわかりません。

Olympus OM-D E-M5 II

Olympus OM-D E-M5 II

Olympus OM-D E-M5 Mark IIボティーとマイクロフォーサーズ用レンズ4本を、Nikon D7000ボディーと望遠ズームレンズ2本と交換する形で兄から借用することになりました。借りたレンズは左からM. Zuiko Digital 45mm F1.8、Lumix G Vario 45 – 175 F4.0 – 5.6、M. Zuiko Digital 12 – 50mm F3.5 – 6.3、ボディーに装着しているのはM. Zuiko Digital 25mm F1.8、手前のシルバーは私が所有するM. Zuiko Digital 17mm F2.8。

Nikon D7000とNikkorレンズ一式と比較すると、マイクロフォーサーズ規格のOlympusのシステムは小型軽量なので、レンズは全部バッグに入れて持ち歩けそう。モータースポーツ観戦時はいつも、使用頻度が少ない重いレンズはホテルか車の中に置いていました。今回のシンガポールGP観戦旅行では、Lumix G Vario 45 – 175 F4.0 – 5.6を主に使うことになりそうですが、このレンズだけチープ感が漂っているのでちょっと心配。

Olympus OM-D E-M5 II

カメラのUIは基本的な部分がOlympus PEN E-P1と同じなので、使い方は熟知しているはずでしたが、暗い屋内で絞り優先モードでCat ISONを試し撮りしたら盛大な被写体ブレが発生しました。Exifを確認するとシャッタースピードが0.8秒になっていました。これでは動体の撮影は無理。ISOオートの設定でISOの上限値と基準値は設定できますが、Olympusのカメラではシャッタースピードの下限が設定不可であることをすっかり忘れていました。PEN E-P1はISO固定の設定で、三脚に載せて静止物専用で使用しているために、被写体ブレが起こり得ない状況でした。

Olympus OM-D E-M5 II

F1ナイトレースの撮影ではシャッタースピード優先モードで撮影するので、絞り開放になりがちではありますが、被写体ブレに関しては自分で管理できます。暗い屋内で動体撮影する時も、シャッタースピード優先モードを使うべきでした。

Olympus OM-D E-M1 Hands-on

Olympus OM-D  E-M1

今月上旬に発売されたOlympusのミラーレスフラッグシップ機、OM-D E-M1を京都駅前のヨドバシカメラで触ってきました。ちょうど一ヶ月ほど前にOlympusから立派なカタログとA4サイズの紙に印刷したサンプル写真、コンセプトムービーやプロカメラマン撮影の画像を収録したDVD入りの分厚い封筒が送られてきました。(2013年秋の新製品を紹介するのに何で時代遅れのDVD?)たまたま慌ただしくしていた、シンガポールに出発する日に届けられたので、封筒は未開封の状態でずっと放置していました。一ヶ月が経過してようやくその分厚い封筒を開封し、中に収められたあまりにも立派なカタログを見て、これは触りに行かなければと思い、実機を触って来たのですが…

手にした感じはOM-D E-M5を初めて手にした時と似た感じでした。E-M1はフォーサーズ規格の大口径レンズにも対応しているそうで、そのため、グリップが大きくて握りやすくなっています。価格(ボディーのみで¥144,800、12-50mm F3.5-6.3 EZレンズキットで¥168,000、12-40mm F2.8レンズキットで¥219,800、それぞれに+10%ポイント)に見合った質感であり、タッチパネル式、約104万ドットの3.0型可動式液晶の機構も不安にさせるようなことはないし、コントラストAFと位相差AFを融合させたDUAL FAST AFは何やらもの凄く速そうで、動体撮影も難なくこなせそうです。

一つ、気になった点は一眼レフカメラで言えば、ペンタ部に収められているEVF(電子ビューファインダー)の性能です。カタログにはこんなコピーが使われています。「大型電子ビューファインダー:広大な視界の先に広がる創造性。ひと目覗いた瞬間、すべての光学ファインダーが過去のものになる。」日本語コピーのすぐ上により大きな文字で英文コピーがあります。

“Electronic Viewfinder: Giving you creativity that extends your vision. Just one look into it and you will never go back to optical viewfinders”

コロンの使い方や一文目の表現から考えると、コピーの原文は英文の方だろうと思われます。”creativity that extends your vision”の部分の訳文、「広大な視界の先に広がる創造性」は誤解を招くのではないかと思います。原文が表現しようとしているのは、肉眼で見た通りに見える光学ビューファインダーではわかりにくい、被写界深度を含めたピント合焦位置、色彩や階調など、実際に仕上がるであろう画像が、EVFならシャッターを切る前にリアルタイムで確認できるということだと思います。それが人間の視覚だけでは想像できないような創造力をもたらしてくれるということです。

私は日本文コピー(大型電子ビューファインダー:広大な視界の先に広がる創造性。ひと目覗いた瞬間、すべての光学ファインダーが過去のものになる。)をカタログで読み、大きな期待を持って実機のEVFを覗いてみました。その印象は一言で言えば、「広大な視界ではなく、すべての光学ファインダーが過去のものにまだなっていない」ということ。流し撮りを想定して、EVFを覗きながら横方向にカメラを振ってみました。表示タイムラグはカタログによると、0.029秒であり、「動く被写体も快適に捉えられるレスポンスを実現」とありますが、そんなに速く振ってないのにEVFの画像が付いて来れない、つまりタイムラグを感じました。

大きなレンズを装着した時は背面液晶ではなくEVFを覗いた方が安定するでしょうから、このカメラのEVFはおまけではなく、非常に重要な部品です。その性能に満足できなければ大きなレンズを快適に使えないということになりかねます。マイクロフォーサーズ規格の小型レンズのみを装着するのであれば、EVFを使用せずにタッチパネル、可動式の背面液晶を主に使えばよいことになります。そうなると、今年の春に発売されたPEN E-P5、あるいは去年の春に発売され、価格がじわじわと下がっているOM-D E-M5の方がお買い得ではないかと思ってしまいます。

10月22日追記:残念なことにOlympusのこのフラッグシップ機は、星景写真には適していないそうです。価格.COMの掲示板スレッド、「高感度の長時間露光ノイズが異常に多い?」で長秒時ノイズリダクションをオフにして30秒以上(使用場所での気温により変動する)の露光を行った場合に、ISO感度に関係なく、酷い熱ノイズが現れるとの報告があります。ダークノイズ減算処理を行うしか方法は他にないようです。余りに酷い熱ノイズであるので減算処理を実施してもすべてのノイズを取り除くことは不可能だと思います。長秒時ノイズリダクションをオンにすれば、露光時間と同じ時間だけダーク処理しなければならず、実用的であるとは言えません。

原因は像面位相差AFを採用したローパスフィルターレスの撮像素子にあると思われます。E-P5やE-M5は優れたノイズ耐性を持つSony製のセンサーを使用しているようですが、このカメラ(E-M1)の撮像素子はSony製ではなく、別の他社製のように思われます。ファームウェアのアップデートで解決できるような問題ではないでしょうから、星景写真を撮ろうと思っている人にとっては深刻な問題です。三脚を用いた長秒時露光と言えば、星景写真、星野写真以外に、夜景や花火の撮影が考えられます。夜景の場合は長秒時ノイズリダクションをオンにすれば解決できそうですが、花火はオフにしておかないとシャッターチャンスを逃してしまいます。フラッグシップ機であれば、どんな撮影シーンでも他の自社製カメラと同等以上の優れた画質を誇るべきですが、これではフラッグシップ機とは言えないのではないかと思います。

Olympus OM-D E-M1

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満を持して登場したオリンパスのデジタル一眼フラッグシップ、OM-D E-M1。時速300キロ近くで夜の市街地サーキットを駆け抜けるF1マシンと毎時15ºの超低速で24時間をかけて空を一周する星、こんな両極端な被写体にこのカメラ一台で対応するのではないかと思わせるスペックになっています。

コントラストAFと像面位相差AFを融合させた超高速DUAL FAST AFなら従来のフォーサーズレンズも高速で高精度なオートフォーカスが可能になるとのこと。(E-M1はマイクロフォーサーズ規格なので、フォーサーズレンズを使用する時はマウントアダプターが必要)視野率約100%のEVFを覗きながら流し撮りも容易にできるでしょう。高感度耐性に優れた新開発の4/3型Live MOS(有効画素数1628万画素)センサーなので、1/8000秒の高速シャッターで被写体を流さずに止めて撮影することもできるでしょう。

3.0型の約104万ドット可動式液晶モニターを使えば、天頂付近の星撮影時にフレーミングが容易になるし、ピーキング機能も付いているので、マニュアルフォーカスでのピント合わせも容易なはず。インターバル撮影の機能もあり、タイムラプス動画を生成させることも可能。マグネシウムボディーは防塵・防滴、-10ºC耐低温性能を誇るので、厳寒期の星空撮影にも適している。

PEN E-P5のWi-Fi機能で不満に思ったワイヤレス撮影ですが、OM-D E-M1はiAutoのみではなく、P、S、M、ライブバルブ/タイムの各モードに対応しているそうです。それぞれのモードでシャッタースピード、露出補正、ISO感度、WB、連写設定がスマートフォンで行える。

気になるAmazonでの価格はフラッグシップ機らしく、ボディーのみ¥144,800、12-50mm EZレンズキットが¥169,800、12-40mm F2.8レンズキットが¥219,800になっています。

First Shots Taken with Vixen POLARIE and Olympus OM-D E-M5

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Photo courtesy of minority318

昨夜、親しくさせていただいているminority318さんとそのご友人が星撮りに来られました。ちょうど、私はVixen POLARIEをデビューさせようとしていたので、これを機にminority318さんのOlympus OM-D E-M5をPOLARIEに載せて試写させていただきました。北の空が曇っていて、北極星を目視で確認することができず、iPhoneのコンパスとPOLARIE付属の傾斜計を使って、三人がかりで四苦八苦しながら極軸を何とか合わせたと言うか、合わせたことにして撮影を開始。しばらくして北極星が見えるようになりましたが、POLARIEの小さな覗き穴から北極星を捉えるのは極めて困難だったので、そのまま撮影を続けました。

上の画像は、星追尾モードに設定し、ISO 2000で60秒間の露光、カメラのノイズ処理をオンにしてminority318さんが撮影したものを、私がApertureで補正しました。オリンパスと言えば高感度長秒時露光による横縞模様の熱ノイズが当たり前と思っていた私にとって、この画像は驚異的に熱ノイズが少ないものです。ISO 2000で60秒間という高感度長秒時露光は私にとっては未知の領域でしたが、銀河系を構成する無数の暗い星が写っています。

等倍で拡大すれば、周辺部の減光とコマ収差が目立ちますが、それは17mmパンケーキレンズのせい。お二人は天の川の写真撮影は人生初の体験だそうで、そんな貴重な体験に同行した私もワクワク。

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Photo courtesy of minority318

買ったばかりだというM.Zuiko Digital 45mm F1.8に交換し、カシオペア座の右上の方にカメラの向きを変えて撮影したのが上の画像。換算90mmの中望遠レンズで60秒間の星追尾モード。ISOの設定が400と控えめであるため、暗い星は写っていませんが、アンドロメダ星雲が綺麗に写っています。星がほとんど流れていないので極軸が本当に合っていたのかもしれません。1段絞ってあるためか、周辺部減光とコマ収差はほとんどありません。このレンズは星の撮影に適していそう。お値段を考えるとたいへんお買い得だと思います。

Olympus OM-D E-M5 Hands-on

Olympus OM-D E-M5

私と同様、Apple製品とF1好き、少年の心を持ち続けるあの人が発売日に京都駅前の家電量販店に予約してあるOlympus OM-D E-M5を取りに行くということで、厚かましくもその感動を共有させていただきたく、同行させていただきました。

Olympus OM-D E-M5

シルバーボディーは前面から見ると如何にもカメラらしい伝統的なデザイン。ミラーレスなのでペンタ部は本来、不要ですが、このピラミッドの中に高品質なEVFが内蔵されています。

Olympus OM-D E-M5

精算中に私も持たせてもらいました。予想通りにコンパクトでPEN E-P1よりも小さく感じます。レンズを装着していない時も適度な重量感があります。

Olympus OM-D E-M5 (Mockup)

上の画像はモックアップですが、たいへん良くできています。中身が空っぽなだけでモックアップも防塵・防滴マグネシウムボディーなのかもしれません。F社 X-Pro 1実機よりも、Olympus OM-D E-M5モックアップの方が質感が良い?(3月31日、店には実機の展示はありません。)

オートフォーカスは世界最速ということで、モータースポーツの撮影にも適しているかと思います。パナソニック製センサーを採用したPenシリーズと比べて、新しいセンサーを採用したOM-Dは高感度耐性も大幅に向上しているそうです。5軸対応メカニカル手ブレ補正も強力とのことです。ナイトレースのシンガポールGPでその威力が発揮できるのではないかと想像します。(カメラを購入した方、今年は人生初の海外旅行でF1シンガポールGP観戦旅行に我々に同行されることになるかもしれません。)

Samsung製?3.0型可動式有機ELの背面モニターが、星の撮影に便利そうです。PEN E-P1は長秒時撮影でISO500でもノイズが酷いことになっていましたが、OM-D E-M5は星景写真、流星写真にも期待ができそうです。

時速300キロ近くで至近距離を駆け抜けるF1ナイトレースと時速が地球の自転速度と等しい星の撮影、この両極端な撮影条件で満足の行く結果が得られれば、そしてデザインの好みが合えば、OM-Dは理想的なカメラに最も近いのではないかと思います。

Olympus OM-D E-M5 Leaked Officially

今朝、予定通り正式にリークではなくリリースされたOlympus OM-D E-M5。オリンパスフォトパスから届いたメールがこの新しいレンズ交換式デジタルカメラの主な特徴を簡潔にまとめています。(括弧内は私が勝手に補足しました。)

OM-D EVF 内蔵EVF電子ビューファインダー
作画に没入するために作られた、デジタル時代のファインダー
(オリンパスMicro 4/3規格のカメラでEVFを内蔵するのは初めて。これまでは外付けで対応していました。)

FAST AF SYSTEM 世界最速のFAST AFシステム
低輝度下でのAF性能や動体追尾性能も大幅に向上
(3Dトラッキングをやっと採用?)

IMAGE STABILIZER  5軸対応メカニカル手ブレ補正
あらゆる種類のぶれに対して絶大な補正能力を発揮
(オリンパスの手ブレ補正機構はレンズではなくボディーにあるので安価なレンズも強力な手ブレ補正機構の恩恵を受けることができる。今回のは機械式でさらに強力になったのでしょうか。)

MAGNESIUM BODY 防塵・防滴マグネシウムボディー
過酷な環境からカメラを守る鉄壁の防御
(エンプラボディーにステンレスを覆いかぶせたのではなく、筐体そのものがマグネシウム製。Micro 4/3規格で防塵防滴は初めて。防滴どころではなくPETボトルから直接水を浴びせても大丈夫!)

背面モニターは3.0型可動式有機EL、約61万ドットで静電容量式タッチパネルを採用。背面モニターの仕様は可動式であることを除けばE-P3と同じでしょうか。

詳しくはOM-Dスペシャルサイトへ。