ロータリーエンジン不調の根本的な原因はイリジウム・レーシングプラグとその使い方にあったようです。点火プラグ4本のうち、2本か3本が完全に被っていて、エンジンの異常燃焼を起こしていたと思われます。レーシングプラグからNGKの純正プラグに戻すと、吹け上がりの不良が改善されることがMazdaディーラーで確認できたので、エンジン不調はレーシングプラグとその使い方が原因であることが判明しました。
県内に2台しかない高機能診断機をMazdaディーラーで取り寄せてもらい、ロータリーエンジンの圧縮圧力を点検していただきました。圧縮圧力の基準値は8.3 kPa、下限値は6.8 kPaだそうで、数値が高いほど十分な圧力があるそうです。結果は、フロント側が7.3、7.4、7.5 kPa @250rpm、リヤ側が7.8、7.8、7.8 kPa@250rpmと、幸いにもエンジン圧縮圧力は正常範囲とのことでした。圧縮圧力は使い古した純正プラグを用いて測定しているので、点火プラグを新品に交換すれば、圧縮圧力はもう少し、高い数値になりそうです。（ロータリーエンジンは二室とも無事であり、カーボンロックも発生していない。）
エンジン異常燃焼の結果、触媒内部が完全に溶損していました。蜂の巣状のセラミック素材がこんなことに。気化したガソリンは触媒内部で燃焼していたようです。この状態では排気ガス浄化機能が全く機能していません。エンジンルームから見えていた白煙の原因は、O2センサー被覆が異常な高熱で燃えたためと思われます。
純正の点火プラグに戻すと、排気ガス浄化機能は働かないものの、エンジンの異常燃焼はなく、自走することも可能です。しかしながら、この状態では車検には通らないし、O2センサーが正常に機能していないので燃調がおかしくなります。
溶損した純正触媒は、金属素材の車外品に、O2センサーと点火プラグは純正品新品に交換しようと考えています。
筆者 様
ロータリーシリンダーの中に「悪魔の爪痕」が出来ていなくて良かったですね。酷い言い方で恐縮ですが「素人が、知識や口コミだけで車の心臓部分に改造を加えると痛い目に遭う」実践を見せて頂いたのだなと思います（筆者様が、人柱になってしまう訳ですが）。
ま、男というモノ、「これが良い、あれがもっと良い」と聴くと試してみたくなる生き物で（笑）、やらずにいられない（オイタをしてみたい）のは、男の末席に居ます私も同じです（笑）。今回、この様な「遺贈発生」は、筆者様に神様が「お灸」を据えられたのかも知れませんね。何れにしましても、MAZDAの往年の名車名車、RX-8が、不幸中の幸いで、エンジンの分解整備まで行かずに、純正プラグに戻す事により「復活」したのは何よりの事だと、お喜び申し上げます。これ、高速道路上や、鈴鹿Runで発生していたら命に関わりますからね。
純正プラグで、愉しい、そして快いエンジン音と走りを末永くお楽しみ下さいませ。筆者様のRX-8 が大事にならずに済んだ事、「良かった！エンジンが逝かれていずに」と、心より思っております。
Jim,
エンジン圧縮圧力の測定結果から判断すると、アペックスシールの損傷はなく「悪魔の爪痕」もない綺麗な状態でした。触媒内部の溶損は、ずっと以前から進行していたように思います。RX-8セラミック製純正触媒は脆いのかもしれません。触媒内部の状態は取り外さないと確認できないので、溶損した状態で知らずに使用している人も多くおられると思われます。
エンジン不調の原因となったイリジウム・レーシングプラグの厄介な点は、プラグが被っているにもかかわらず、エンジン始動ができてしまうことです。エンジンが始動するので、プラグは被っていないと思い、使い続けると、今回のようにエンジンが異常燃焼を起こして触媒とO2センサーを破損させてしまうことになります。
筆者 様
考えたら、目には見えない悪い症状への進行でしたのですね。また、恐ろしいですね。確かに触媒の劣化を確認するのは難しいかも知れませんね。記憶違いかも知れませんが、確か何処かの会社の車は触媒センサーが設置されていてその健康状態を運転席のフロントパネルに（あ、そうだ！確かホンダのクーペ、私が昔使用していた車にあった様な記憶があります）表示してくれるモノがあった様なな気がします。
それにしてもレーシングプラグは「力（スパーク発火力）」ありますね！それだけ被っていてスパークが飛ばせるとは「お見事」と言うより「怖い」ですね。
ま、この二つの大きな要因が、もう少しでRX-８を「お釈迦」にする所だったのに、RX-８が早い時期に（？）「悲鳴！」をあげてくれたのは、筆者様にとっては月並みで恐縮的な言い方で恐れ入りますが「不幸中の幸い」でしたね。
これからは、純正品で（触媒は、筆者様の説明では一寸疑問ですが）RX-8を労ってあげて下さい。
Jim,
まあ、車にフェイタルな被害が無く、大きな事故になる前で良かったですね。
エンジンルームから水蒸気ではない白煙が出ており、これは大事だと思っていました。実際、火災の危険性もあったと思います。その原因が点火プラグにあったのは驚きです。