ハンガリーの首都、ブダペストで先週末に開催されたF1ハンガリーGP、2列目3番グリッドからスタートしたFerrariのSebastian VettelがLap 1のT1で先頭に立ち、逃げ切る形で最終ラップまで首位独走。チェッカーフラッグ後のビクトリーラップでフランス語で言ったメッセージが印象に残りました。英語にすれば、”Thank you, Jules! This victory is for you.”になります。7月17日に息を引き取ったフランス人ドライバーのJules Bianchiに向けて発した言葉です。Bianchiはいずれはこのチーム(Ferrari)の一員になることが約束されていたといった内容のことも英語で話していました。
事実上、Jules Bianchi追悼レースとなった今年のハンガリーGPではレースが始まる直前にJules Bianchiのヘルメットを中心に出走ドライバーたちのヘルメットがグリッド上に並べられ、円陣を組むようにして黙祷が行われました。グリッドにはBianchiの家族の姿もあり、国際映像に映し出されました。
スタートで出遅れたMercedesのNico RosbergはFerrariのKimi Räikkönenにも先を行かれたものの、年間チャンピオンを競うチームメイトのLewis Hamiltonよりも前を走っていました。タイヤがSoft > SoftのHamiltonは第3スティントはMediumの選択肢しかないけれども、異なるタイヤ戦略を採用したRosbergはSoft > Mediumなので、第3スティントはSoftを選択して前を行く二台のFerrariを追いかけることもできたはずですが、チームメイトよりも先を走ることにしか興味がないRosbergは第3スティントでチームメイトと同じMediumを要求。
2回目のタイヤ交換の後、フロントウィングに乗り上げるNico Hülkenbergの事故でVSC (Virtual Safety Car) からSC (Safety Car) 出動へと変わり、先頭を行くSebastian Vettelとのギャップが縮まりました。この時、Softタイヤを履いていたら、SCの周回分はタイヤを温存できていただろうから、前を見ながらプッシュすることもできたはずですが、逆にSoftタイヤを履いたRed BullのDaniel Ricciardoに先を行かれ、その時に接触した左後輪タイヤがパンク。結局、Nico RosbergはチームメイトのLewis Hamilton(6位)よりも後方の8位でレースを終了。