Restoring An Old Bamboo Fly Rod — Part 2

Sport King Bamboo Fly Rod 3pc. 8'7"

元はこのような赤いスレッドがスネークガイドを固定していました。細めに切ったマスキングテープはガイドの位置を記録するため。スレッドは恐らくニス塗りで固めてあったと思われますが、半世紀も経過したのでコーティングは剥がれています。

Sport King Bamboo Fly Rod 3pc. 8'7"

古いスレッドを取り除くと下地は塗装されていないように見えます。薄い色の絹糸を巻いて透明にすると、この部分が目立つと困るので、ニス塗りすることにしました。

Sport King Bamboo Fly Rod 3pc. 8'7"

ニス塗りすると目立たなくなりました。

Sport King Bamboo Fly Rod 3pc. 8'7" (Restored)

絹糸を巻いてFlex Coatを塗布すればレストアは完成。

Sport King Bamboo Fly Rod 3pc. 8'7" (Restored)

フェルール近くの飾り巻きの部分はオリジナルの赤いスレッドを残し、Flex Coatのみ塗布しました。

Sport King Bamboo Fly Rod 3pc. 8'7" (Restored)

アメリカで購入したこの古いバンブーロッドは8’7″と長くて重く、日本では一度も実地で使用したことがありません。適合するフライラインは恐らく5番とか6番で、サーモンやスティールヘッドを対象とする竿だと思われます。この竿でロングキャストするのは容易ではありませんが、キャスティング練習には適していると思います。このロッドで狙い定めた遠くのポイントにフライを落とすことができれば、他のたいていのロッドは容易に扱えるようになるでしょう。

Restoring An Old Bamboo Fly Rod — Part 1

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薄い色の絹糸でラッピングして、エポキシコーティング剤を塗布すれば、絹糸は透明になるという情報を入手したので、早速、レストア中の古いSport Kingブランドのバンブーロッドで試してみました。

絹糸はホームセンターの手芸用品売場で購入しました。釣竿製作用として通販で販売されているシルクスレッドよりも少し安く入手できるし、実物を見て色と糸の太さを確認することもできます。手芸用品売場で物を買うのは初めてで、番手の規格がよくわからなかったので、売場を担当する店員さんに尋ねてみると、何に使われるのですか?と逆に尋ねられました。「ミシンですか、それとも手縫いですか。手縫い用の絹糸ならあちらの棚にもございます」と案内されましたが、手縫い用の糸はボビン巻きではないので、店員さんには言わなかった私の用途(釣竿のガイドを固定するラッピング用)ではミシン糸が適しているようです。#50がちょうど良い太さだったので、絹100%のミシン糸#50/100mのベージュを買い求めました。GUDEBRODのAサイズよりも若干、細い。

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恐らく半世紀以上も前に製造された米国製8’7″ 3 pc.のバンブーロッドには赤いスレッドが巻いてあり、コーティング剤(多分、ニス)はほぼ完全に剥がれていました。國重の片刃ナイフで古いスレッドを剥ぎ落とし、新しい絹糸を巻いてガイドを固定しました。Flex Coat(2液性エポキシコーティング剤)を塗布すれば、本当に透明になるのか半信半疑でした。

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本当に透明になりました。グラファイトロッドの製作を始めたおよそ20年前、「薄い色の絹糸にFlex Coatでコーティングすれば、糸は透明になる」といった、ロッドビルダーしか知らないであろう情報を入手するのは困難でした。当時、私が参考にしていた、L. A. Garciaの”Handcrafting A Graphite Fly Rod”やWayne Cattanachの”Handcrafting Bamboo Fly Rods”、それにかの有名なバンブーロッドビルダーのバイブル、”A Master’s Guide To Building A Bamboo Fly Rod” by Everett Garrison & Hoagy B. Carmichaelにもそのような記述はなかったと思います。ネットで何でも情報を共有しようとする風潮のおかげで、今ではこのような貴重な情報をインターネットから得ることができます。

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拡大すると小さな気泡が見えていますが、ヘアドライヤーで熱風を当てると、気泡は消えました。今回はエポキシコーティング剤を塗布する際に刷毛ではなく、加工した竹製の割り箸を使用しました。(カメラレンズやセンサーをクリーニングする際に使う、加工した割り箸)ガイドの立ち上がり部分は針を使用して下の方にもコーティング剤が行き渡るようにしました。ブランクを回転させながら乾かす際に垂れるほど厚く塗ってしまった場合は、ヘアドライヤーで熱風を当てて粘度を下げれば加工した割り箸の先端で余分をきれいに取り除くことができます。

Part 2へと続く。