一週間ほど前から探していたMOSSのテント、”Olympic”が漸く見つかりました。ガレージ屋根裏収納スペースの奥まった所に赤い袋を発見。この専用バッグを見るのはおよそ9年ぶりのことです。ガレージ建築当時から比べると屋根裏収納スペースは広くなり、滅多に使わないものが所狭しと山積みになっています。先週末に木製小屋を探したけれど見つからなかったので、誤って捨てていなければ、ありそうな場所と言えば、ガレージの屋根裏か母屋の縁の下ぐらい。縁の下を捜索した後、ガレージ屋根裏に置いたものを今日はすべて下ろして整理しながら探そうと段ボール箱を3つほど下ろした時点で見つかりました。
専用バッグから取り出したテントはMOSS特有の強烈な臭い(どちらかと言えば悪臭)があり、ベトベトしてテントの生地がくっ付いていました。団子状にくっ付いたテント生地を慎重に拡げてみました。ポール(MOSSテントではアーチと言います)4本とフライシート、ペグの一式が揃っていました。この前、先に見つかったのは床下に敷くフットプリントのようです。
黒地に白抜きロゴにはSEATTLE U.S.Aと書いてあるので、REIに買収された後の製品だと思われます。(前期の製品にはCAMDEN MAINE U.S.Aと書いてあるようです。)デザイン重視でこのテントを買い求めたのは1990年代後半のこと。最後に設営したのは多分、99年の夏ですからこのテントを張るのは14年ぶり。Moss Tent Worksの創業者であるC. William Moss (Bill Moss)は1994年に亡くなっています。Olympicが製品化されたのはBill Mossが亡くなる少し前のことだそうです。
この背骨のラインに私は惚れ込みました。こんな美しいテントは他にないと思っていました。ポールにテントを吊り下げる方式ではこのラインは作れない。アーチをスリーブに通す方式だからこそ、この曲線美は生まれるのだと思います。創業者のBill Mossは芸術家であり、その1982年の作品の一つであるテント、Star Gazer IIはニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品になっているようです。
テントのサイズは大人二人と小さな子ども一人ぐらいでしょうか。出入口は2カ所。マニュアルを見なくても容易に設営できます。
フライシートもかけてみました。ペグを使っていないので弛みがありますがそれでも美しいシルエットだと思います。今夜は陰干しを兼ねて、ガレージ内にテントを張ったままにしておきます。MOSSテント臭はそのうちに気にならなくなるでしょう。ベタベタも暫く干しておけばましになるでしょう。ベビーパウダーを振っておくと良いとも聞きました。