C/2020 F3 (NEOWISE) — Part 2

昨日は午後から埃まみれになっていたポータブル赤道義(iOptron SkyTracker™)を手入れしながら日没後の彗星撮影に備えました。一昨日よりも早めにいつもの撮影地に到着しました。C/2020 F3 (NEOWISE) が近日点を通過して以来、毎日のように雨か曇り空だったので、彗星が肉眼でも見える明るい頃に観察+撮影は無理かもしれないと半ば諦めていました。

一昨日よりも確実に天候条件が良さそうなので、観察+撮影機材一式を北西の空に向けてセットアップしました。

但し、赤道儀は北極星が見えるまで極軸合わせができません。極軸合わせができれば、雲台に載せたOlympus PEN E-P5は60mm f/2.8マクロを装着して追尾しながら複数の写真を撮影して合成する予定でした。(北極星が見えなくても簡易的に極軸合わせができるポーラーメーターを持参すべきでした。)

iPhone 11

運よく北西の空は雲が比較的少ない。Nikon 7 x 50双眼鏡で、山の向こうに沈んだばかりの太陽から逆方向に伸びる、尻尾が長い彗星を捉えました。気付いた頃には稜線の少し上。山の向こうに沈むまで10分もないだろう。北に目を向けると厚い雲、北極星は見えないので赤道儀の極軸合わせは断念しました。稜線の上に彗星を見るのは、2013年春のC/2011 L4 (Pan-STARRS) 以来ですが、減光中とは言え、Pan-STARRSよりもずっと明るい。人生最後かもしれない明るい彗星かと思うと感動ものです。無防備な足首を蚊に刺されながらそんな風に思っていました。

AF Nikkor 50mm f/1.8D ISO 200, f/2.2, 8.0s

三脚固定、APS-C 50mm、露出8秒で捉えたC/2020 F3 (NEOWISE)。Photos Appで補正済み。AF Nikkor 50mm f/1.8Dは2013年11月に太陽に突っ込んで消滅したComet ISON (C/2012 S1) 撮影用に購入したレンズです。

AF Nikkor 50mm f/1.8D ISO 200, f/2.2, 8.0s

クロップして拡大するとイオンテールも微かに確認できます。スタッキング(複数画像の合成)なしなので、補正はこの程度が限界。

OLYMPUS M.17mm F1.8 ISO 1000, f/2.0, 8.0s

Olympus PEN E-P5、17mm F1.8の広角寄りレンズで撮影した画像も追加しておきます。瞳孔が十分に開く若い人なら肉眼でも確認できるかもしれません。

OLYMPUS M.45mm F1.8 ISO 1000, f/2.0, 8.0s

追尾できなかったPEN E-P5のレンズを45mm/F1.8に交換した頃には彗星は稜線の下。時刻は7月19日、20時19分。SkySafariによると、この時の彗星の高度はおよそ17º。この撮影地では稜線が高度17ºぐらいだということを覚えておこう。

C/2020 F3 (NEOWISE) — Part 3へと続く。
C/2020 F3 (NEOWISE) — Part 1に戻る。

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