Nikon Binoculars Sky & Earth 8×40 CF Talon

Nikon Sky & Earth 8x40 CF Talon

今から16年前の1997年の春、米国ミシガン州デトロイト郊外に滞在していた頃、ちょうどHale-Bopp彗星(C/1995 O1)が近日点に到達しようとしていました。当時、住んでいたアパートの部屋から長い尻尾を輝かせたほうき星が西の空に肉眼でも見えていました。こんなに明るい彗星を見るのは人生で初めてのことだったので、そのより大きく輝く姿を観察して記憶に留めておこうと思い、急遽、手に入れたのがこの双眼鏡です。対物レンズの口径が40mm、集光力が高いので星空の観察には適しています。

Author: E. Kolmhofer, H. Raab; Johannes-Kepler-Observatory, Linz, Austria, Taken on April 7, 1997

16年も月日が経つと、記憶に留めたはずのあの美しい彗星は、実際にどんな感じだったのか、ちょっとあやふやになりつつあります。カメラで撮影しておけば良かったと後悔しています。と言っても上のような写真は到底、撮れませんが。しかし、画像があれば、その時の記憶を思い出すことができたはずです。当時はまだフィルムカメラの時代でしたが、コンパクトカメラなら手元にあったはず。記憶が定かではありませんが、多分、三脚がなかったのでしょう。

Nikon Sky & Earth 8x40 CF Talon

この双眼鏡は比較的軽量なので、手持ちで星の観察をするには適しています。3月上旬から北半球から見えるであろうPan-STARRS(C/2011 L4)の観察でも活躍してくれそうです。現時点ではPan-STARRSの3月上旬予想光度は明るくても3等ぐらいとのことなので、Hale-Boppのようには明るくならないと思われます。Hale-Boppの明るさを超えるかもしれないのは年末にやって来るISON(C/2012 S1)の方です。

Nikon Sky & Earth 8x40 CF Talon Box

ネットでこの双眼鏡のスペックを調べてみようとしましたが、同じ品名の製品に関する情報が検索でヒットしませんでした。スペックが不明であると、私は不安になる性分なので、どうしたものかと検索を続けましたが結果は芳しくありません。良く似た製品に関する情報はあるのですが。ひょっとしたら、双眼鏡が入っていた箱の中に使用説明書があるのではないかと思い、箱を探してみると、ありました。埃まみれの箱の中には製品保証書まで入ってました。その保証期間を見て驚きました。25年保証。この双眼鏡はまだ保証期間内ということになります。但し、効力を発するのは米国本土とアラスカ、ハワイ州のみとなっています。

備忘録としてスペックを下に転記しておきます。私と同じようにこの双眼鏡のスペックを探している人がおられるかもしれません。

Porro Prism Central Focusing Type
Magnification: 8x
Effective Diameter of Objective Lens: 40mm
Angular Field of View (Real): 6.3°
Angular Field of View (Apparent): 50.4°
Field of View at 1,000m: 110.1m
Exit Pupil: 5mm
Brightness: 25
Eye Relief: 18.3mm
Close Focusing Distance: approx. 5m
Interpupilary Distance Adjustment: 56mm ~ 72mm
Length: 163mm
Width: 174mm
Weight: 790g

付属品:双眼鏡本体、ソフトケース、ネックストラップ、キャリングストラップ、接眼レンズキャップ、対物レンズキャップ

Nikon Sky & Earth 8x40 CF Talon

主な特徴はアイレリーフが18.3mmと長いので眼鏡を装着したまま使用できること、クリック式の視度調節、BAK-4ハイインデクス・プリズムの採用、レンズのマルチコート、それと25年保証。

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8 thoughts on “Nikon Binoculars Sky & Earth 8×40 CF Talon

  1. 筆者 様

     写真が無いので分からないのですが・・・(と言うより、今のページ表示では、私のアクセス下では、残念乍ら見えません<笑>)。余計な事で恐縮ですが、この国では「Gxxgle」は意地悪されているので、筆者様の「」のワードでYahooで検索したら、こんなのが引っかかりましたので、多分違うのかも知れませんが、Linkを下に貼っておきます。

    http://en.wikipedia.org/wiki/Binoculars

     間違っていたらごめんなさいです。

    Jim,

    1. 筆者 様

       やっと写真が見えました。先のレスでは「Porro Prism Central Focusing Type」で探したので、一般的な解説のwebだけでしたね。失礼しました。

      Jim,

      1. リンク先のwikipedia、双眼鏡の基本的な仕組みがわかり易く解説してあります。わざわざ検索してくださってありがとうございます。

        イタリア人ポロが発明したポロプリズム式の双眼鏡は、クラシックなデザインの双眼鏡に多く採用されています。天体観測には今でもポロプリズム式が好んで使われているようです。

      2. 筆者 様

         筆者様が見つからないと「お嘆き(?)」だったので見つからないものか?と思い挑戦しましたが、見つけたのは双眼鏡の仕組みのみで残念でしたが、見つけた資料がお役に立った様で、少し「ほっ」としています。

         でも、この双眼鏡、とても16年前の代物とは思えない程、現在の製品だよ言われても違和感を感じない作り込みですね。筆者様が16年前と書いておられなければ、「最近の双眼鏡は良いデザイナのだなー・・」と思ってしまう位です。作り込みは写真で拝見する限りに於いては、メカ屋の目から見ても無駄はデザインが無い完璧に近いフォルムです。良く16年もレンズにカビも生えず良好な状態で保管されていたものだと感心しきりです。

        Jim,

      3. この双眼鏡は防水性能はありませんが、不思議とレンズ内にカビがありません。当時のNikon製双眼鏡は日本製であり、鏡筒部分も多分金属製でしっかりとした造りです。

        先日、京都駅前のヨドバシカメラで最新式の双眼鏡を片っ端から手に取り、覗いてみました。入門機、中級機のほとんどがチープなプラスチック素材が多用されていて、ちょっとがっかりしました。

  2. こんばんは

     オフトピではありますが、このHale-Bopp彗星を1997年の3月に見たことを良く覚えています。当時は、カナダのヴァンクーバーに住んでいて、この彗星が中空にしっぽをなびかせている姿を見ました。今まで見たことがないくらいの大きさで、とても印象的でした。記憶だけが残る彗星ですね。

    1. お久しぶりです。VancouverでHale-Boppを見られたのですか。確か、緯度が高い北米は長い期間、肉眼で観察できたと記憶しております。前年96年にやってきた百武彗星も明るい彗星でしたが、見られた期間が短かったこともあり、双眼鏡でかろうじて確認したことしか記憶がありません。

      あのヘールボップに匹敵すると言われている年末のISONを確実に撮影できるよう、3月のPan-STARRSで練習しようと私は計画しています。

  3. いつも貴重な情報をありがとうございます。

    おっしゃるとおりで、ヴァンクーバーは北緯49度ですから、大きく見えました。小さな月(具体性に欠けますが)程度にHale-Boppが見えました。怖いくらいですね。

    3月の天体ショウも楽しみですね。

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