Making A Packing Case For Greco EG-800R

Greco EG-800R (Red Sunburst)

“Japan Vintage”という言葉と共に価格が高騰する、1970年代に日本の楽器メーカー(特にFUJIGEN)が製作したエレキギターは、新コロ騒動の前後で価格が急騰しているようです。新コロ騒動が始まる前の2019年1月6日のポストで、「海外では状態が良いモデルがUS$1,000以上で取り引きされている」と書きましたが、Greco製エレキギターで状態の良いものは、5年後の現在ではUS$1,500(US$1.00 = ¥150で換算すると送料別で¥225,000)ぐらいに跳ね上がっているものもある。

私が所有するGreco EG-800Rは1970年代半ばに富士弦楽器製造株式会社が製造し、神田商会が成毛滋の教則本とカセットテープ同梱で販売したシリアル番号の刻印がない希少モデルなので、取引相場は不明。指が異常に短い私にはギター演奏がそもそも不向きなので、1976年の春に入手したこの希少なGreco製エレキギター(EG-800R 成毛滋モデル)を売却することにしました。

ギターが入っていた48年前の段ボールが手元にあり、この古びた段ボールも価値がありそうなので、段ボールに入れた状態で発送できるよう、梱包用木製ケースを自作することにしました。使用する材はパレットに使われていた板と合板の端材。

直角になっているのはこの部分だけ。他のコーナー部分は板を斜めにカット。

ビスは使わず、フレームも釘打ち。

底の方は厚み12ミリの合板を釘留め。

蓋側は厚み6ミリの薄い合板を使用。

サイズに問題はなさそうですが、蓋を閉じた時に不恰好な段差ができるので、底側に幅が短い板を張りました。

底面を除き、全体的に塗装して完成。

海外に輸送する場合など、梱包用の木製ケースが便利。但し、空輸する場合は梱包用木製ケース自体の重量がギター本体の重量と同程度に重いので送料が高くなるかもしれません。

ギターの売却先は未定。

Greco EG-800R (Red Sunburst)

Greco EG-800R (Red Sunburst)

GrecoのGibsonレスポール型エレキギターの素性が判明しました。(より詳しい情報を入手次第、当ポストに加筆します。)

本体外部にはどこにもシリアル番号の刻印がないので、1970年代半ば以前のモデルであることは確かです。ピックアップを固定するビス4本を緩めて、ピックアップ本体の裏側を見ると、パーツの製造年月日がわかりました。”16119″の5桁の数字が意味するのは、ピックアップの製造日が1976年1月19日。フロント側、リア側共にピックアップに刻印された数字は同じ。製造日の特定にはこちらの方のサイトを参考にさせていただきました。

このカバーがないハムバッキングピックアップは、Maxon(日伸音波)製のU-2000であると思われます。『1976楽器の本』に掲載されたGrecoの広告によると、U-2000は「ハムバッキングピックアップ特有の粘りあるサウンド、高音部の泣きが特徴。ゴールドプレイト、シルバープレイトの他に写真の様なカバーを取ったモデルもあります。¥12,000」とあります。

PUのようなパーツを取り外してみると、このギターの構造を垣間見ることができます。ボディーはトップがメープル、バックがマホガニーの分厚い無垢材を削って加工しているようです。ソリッドボディーとも呼ばれる構造で、重量感があります。

私が所有するモデルもカバーを取ったピックアップです。

腰が当たる部分を削り落としたバックコンターは成毛滋の提案だそうです。本家Gibson Les Paulにはこのような加工は施されていません。

メイプルのネック部分は着脱不可のセットネック。ボルトオンによる製法と比べて見た目がすっきりしていてより頑丈になります。

指板にはエボニー(黒檀)、ポジションマークインレイとロゴマークには白蝶貝が使われています。

ピックアップ裏の刻印からパーツの製造年月日が判明しましたが、ギター本体のモデル名はすっかり忘れていました。小屋に保管しておいたケースを確認して、モデル名がEG-800Rであることがわかりました。1976年の春に大阪梅田の某楽器屋さんで入手したことは覚えていても、モデル名はすっかり忘れていて、こんなに高級なギターであるとは…

Grecoの製品は品番が定価を示していました。EG-800なら8万円、EG-650なら6万5千円。およそ43年が経過した今なら十数万円の価値になりますが、海外では状態が良いモデルがUS$1,000以上で取り引きされているようです。

Happy New Year 2019!

昨年秋に引っ越して来たギタリストのお向かいさんを元日の夕食に招きました。40年以上前に入手したGrecoのエレキギターを自慢げにお見せしたら、チューニングしましょうということになりました。

新しい弦を張っていただき、VOXのアンプも持参してくださいました。ピックアップの片方が接触不良で音が出ていなかったので、CRC 5-56で接点復活させれば両方のピックアップが機能するようになりました。

およそ40年ぶりに懐かしい音を聴かせていただきました。といっても私の当時の技量ではこんなに素晴らしい音は出せなかったので、このジャパンヴィンテージギターが奏でる音色を聴かせてもらったのは初めてになります。

動画はGoogle PhotosにアップロードしたものをGoogle Driveを経由してURLを埋め込みました。