Bamboo Earpicks

私がこれまで長年愛用していた竹製の耳掻きは、今から20年近く前に、友人から餞別の一部としていただいたものです。期間未定で米国ミシガン州シカゴ郊外に海外研修(赴任)となり、東京から飛行機で出発した際に、東京の新聞会社で勤務していた友人が空港で手渡してくれたものです。なぜか、アメリカには竹製の耳掻きがどこにも売っていなかったので、そのいただいた耳掻きが重宝しました。二度目の米国在住時にもその耳掻きを持って行きました。帰国後もずっと愛用していました。

耳掻きの文化や歴史を調べてみると奥が非常に深いことがわかりました。Wikipediaによると、耳垢の性質には遺伝による個人差があり、乾燥した乾型と湿って粘り気がある湿型に大別されるそうです。日本人の8割以上の耳垢は乾型であり、竹製の耳掻きは乾型の耳垢が取り易いとのこと。西洋人の耳垢は湿型が多いのでしょうか。だとすれば、それが米国で竹製など木製の耳掻きが売っていない理由かもしれません。湿型の耳垢は、竹製の耳掻きよりも綿棒や金属製のらせん状のものが取り易そうです。

Bamboo Ear Pick (Fast Action)

上の写真は、京都銀閣寺名代おめん高台寺店の向かいにある竹細工のお店で購入した竹製の耳掻き。さじから少し下の先端部分が薄く削ってあり、「しなり」があるタイプ。フライロッドで言えば、ファーストアクションの耳掻きです。「しなり(大)」のタイプも売ってました。そちらは根元の方からしなるスローアクションになります。今回は「しなり(小)」のタイプを買い求めたのですが、耳穴の中での先端部分のアクションは絶妙であり、小さな力で容易に耳掃除ができます。

Smoked Bamboo Ear Pick

こちらは素材に煤竹を用いた丈夫な耳掻き。茅葺き屋根古民家の屋根裏や天井に使われていた煤竹を材料にしているそうで、耐久性は抜群と店主は言われていました。いずれのタイプも竹繊維が凝縮したパワーファイバーの部分を手作業で削ってあるのだと思われます。使用している竹は中国産ではなく、日本産の真竹、孟宗竹、破竹などだそうです。冬季に伐採し、十分に寝かせた後、材料として加工するのだそうです。中国産の竹は殺虫剤が多量に使われていて、十分に乾燥させていないものが多いと店主は教えてくれました。

竹細工のお店を訪問して、バンブーロッド製作のことを思い出しました。作業はガレージで行う予定ですが、今はガレージ内が蒸し暑くて作業できない状況です。

6 thoughts on “Bamboo Earpicks

  1. 耳掻きが大好きなのですが
    ときどき、一体どこまで奥へ進んでよいのやらドキドキします。
    出来る事ならいつでも肌身離さず持ち歩きたいくらいです。
    大事な耳掻きが折れないようなハードケースなんかがあったら胸キュンです。
    それにしても、美しい耳掻きですね。
    京都へ行くことがあれば、絶対に行くべきお店としてリストに加えておきます。
    どうもありがとうございました!

    1. 竹製の手作り耳掻きは、調べてみると一本、数千円のものもあるようです。店頭で竹製のしなりがある耳掻きを手にしてみてこれは高そうと思ったのですが、一本僅か315円でした。内職のおばちゃんが作っているそうですが、人件費を考えるとあり得ない価格だと思います。おめんの向かい側にあるお店の名前は「竹の店 かめやま」です。

      1. 内職のおばちゃんも高い技術を持っていらっしゃるのでしょうか。
        それとも柄のポンポンを糊付するだけとか。
        耳の中の形状も様々ですし、決して高級なものでなくても、使い心地が大事ですからね。
        「竹の店 かめやま」覚えておきます。
        どうもありがとうございました。

  2. 筆者 様

     耳掻き、私も実は「趣味」に近いのです。形状や、機能性、快さは絶対に外せない機能です。私の住んでいる国や、その特別行政区(二カ所)には、サウナ(いかがわしいモノではありません)が有り、たいていのプロは「ほー!結構なお道具をお持ちで・・」と言うような「耳掻き士」がおられます。爪楊枝の先端に近い細さで、その先には耳を掻く小さな篦が有り、一瞬「折れそうな」形状ですが、これが折れない(当たり前ですが)で、耳穴にこびり付いている垢を秘蔵にソフトで然も確実に取り除いて頂けます。筆者様が気を悪くされたら恐縮ですが、此の超極細の耳掻き、イメージだけで申し訳ありませんが、今思えば筆者様の釣り竿「フライ・フィッシュ」用の竹材と同じ仲間なのかなと思いました。
    勝手な思い込みかもしれませんが、私の住んでいる国の「耳掻き技術」4000年の歴史があるのかもしれません。

    Jim,

    1. 僕も10年程前にベトナムで素晴らしい耳掻きを体験しました。
      ツボを刺激するらしいのですが、あれは昇天するほど快感です。
      あー耳がこそばゆくなってきた。

    2. 東洋では竹製を含む木製の耳掻きの長い歴史があるそうです。バンブーロッドに使用される竹材はトンキンケーン(茶カン竹)と呼ばれる種です。細くて丈夫な耳掻きであれば、パワーファイバーの密度が高いトンキンケーンかもしれませんね。

      耳掻きを趣味にしている人は意外と多い。西洋人でそういう人は滅多にいないのではないかと思います。

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