LOPI Wood Stove — The Answer – 95

LOPI The Answer - 95

薪ストーブについてコメント(質問)をいただき、それに答えようとしてWebを調べると、意外な事実が判明しました。この薪ストーブは、米国ワシントン州シアトル郊外に本社があるTravis Industries, Inc.が製造したLOPIというブランドのAnswerというモデルです。Answerの中でも型番が色々とあり、手元にあるマニュアルではA1、A2、A3、A5など、特定することができずにいました。A5が怪しいかなと思っていましたが、マニュアルに記載の耐火煉瓦の配置が少し違うし。

この薪ストーブは別荘として使われていたログハウスを買ったらリビングに鎮座していました。より正しくは、薪ストーブがあるログハウスを購入したわけですが。自分で選んで買う薪ストーブなら徹底的に事前調査してから買い求めるので、型番が不明ということはあり得ません。引っ越して最初の冬を迎える前に、ストーブの扱い方を勉強しようと、ネットで検索、調査しました。しかし、当時はLOPIのメーカーであるTravis Industries, Inc.が検索でヒットしませんでした。ホームページが存在しなかったのかもしれません。

友人に紹介してもらった京都の某有名専門店に薪ストーブの写真を持参し、その素性を尋ねてみたら、「台湾製のストーブです」と言われました。「粗大ゴミとして捨てるのも大変でしょうから、住宅を購入した時に廃棄してもらうように売主に依頼されれば良かったのに」と言われ、それ以来、そのお店には近寄らなくなりました。バーモントキャスティングスやヨツールなど、日本で名が知れたブランド以外のストーブはすべて台湾製の安価なストーブにしたかったようです。

lopifirebricks

現在ではLOPI + wood + stoveで検索すると、こちらのサイトがヒットするし、Travis Industriesも別のサイトを運営しています。LOPIのサイトから生産が中止された旧製品のマニュアルを入手することができました。型番が不明だったのでAnswerシリーズのすべてのマニュアルをダウンロードしました。それぞれのマニュアルの最後のページにSAFETY LABELが貼ってあります。製品の背面にある「安全性ラベル」と同じラベルです。普段は見ることがない薪ストーブの背面を見ると、「安全性ラベル」が貼ってありました。ラベルにはEPA(米国環境保護庁)の認定を受けていることや、ストーブの設置位置などが記載されており、型番と製造年月日も記載されていました。ラベルによると、正しい製品名はThe Answer – 95であり、製造年月日は1992年9月17日とあります。型番が判明したので、正しいオーナーマニュアルを入手することができました。

マニュアルには詳しい特徴と仕様が書かれていました。特記すべきは使用素材が厚み3/16〜1/4″の鋼板(steel plate)であることと、燃焼室内に耐火煉瓦を用いていることが特徴であること。デザインが凝った薪ストーブは鋼板ではなく、鋳鉄(cast iron)が使われます。直線的でシンプルなデザインのストーブは鋼板製だそうで、鋼板は温まりやすく冷めやすいという特性があるようですが、そのような特性を補うために、ドアガラス部分を除き、上部を含む燃焼室内の5面に耐火煉瓦が使われています。

このストーブはヤカンで湯を沸かしたり、調理器具として使用できないのは耐火煉瓦のためでしょう。逆に耐火煉瓦がドア部分を除く燃焼室全面にない薪ストーブでは燃やさない方が良いとされる針葉樹(すぐに高熱で燃える)もガンガン燃やしても大丈夫という特性があると思います。

2 thoughts on “LOPI Wood Stove — The Answer – 95

  1. 知らない(分からない)って思われたくなかったのかもね(笑) 最近よく思うのですが、ネットのおかげでかなり多くのことを瞬時に知ることが出来るようになり、凄い事だなと。
    いい顔したストーブですね。ガラス面が広いのがいいナと思います。

    1. 生産を中止した製品のマニュアルがメーカーのサイトからダウンロードできるのは非常にありがたいです。今回の場合は手元にあったマニュアルが別の製品のものでした。交換部品もアメリカから輸入できそうなこともわかりました。日本にはない掲示板があり、同じストーブのユーザーが情報交換しているようで、そちらからも貴重な情報が即座に入手できます。

      ガラス面が広い、鋭いご指摘です。鋼鉄製の薪ストーブは、鋳鉄製のものと比べてドアのガラス面を大きくする加工がしやすいようです。

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