京都三条大橋西の内藤商店でシダ製帚を入手しました。道路に最も近いところに吊るしてある帚、一本¥2,000でした。奥のレジに近いところに吊るしてあるのは棕櫚帚で、こちらは一本¥25,000。
棕櫚と比べるとシダは硬くて腰があります。棕櫚箒が座敷用とすれば、シダ製の帚は土間や玄関など、主として外回りで使用するのに適しています。
5本の束をそれを1本に束ねるのに使われているのは銅製の針金。特に凝った造りではないのでシンプルそのもの。
ガレージのコンクリート床を掃除するには棕櫚帚よりもシダ製の帚の方が適しています。しかし、繊維が太いので、隅部分に溜った細かな埃は取り除くことができません。そうした部分は繊維が細い棕櫚箒を併用。
カメラを引くと…
この帚、何と自立します。
柄の部分は燻した竹。ブラシの部分を含めた全長はおよそ123cmと、短めなので、使用する人の身長にもよりますが片方の手のひらは先端を覆い被せるような持ち方になります。重量はおよそ530gとどちらかと言えば重い。シダに弾力性があるので掃く時はあまり力を入れないようにすることが大事。
内藤商店の帚について調べていると、The New York Timesのアーカイブにある、1987年の記事(英文)がヒットしました。記事のタイトルは“SHOPPER’S WORLDS; KYOTO’S HANDMADE BRUSHES” かなり古い記事になりますが、書いてある内容は商品の価格以外は今も変わらないと思います。
筆者 様
以前にも確か、お部屋用の棕櫚箒でしたっけ、Blog書いておられましたよね。写真のお店、雰囲気ありますね。懐かしさが自然に込み上げてきます。箒の方も「使うのが楽しくなり、ついついお掃除したくなる、電気掃除機にはない楽しさと、箒の使いこなしの腕(?)を確認する」のにも、楽しみが出て来ますね(笑)
Jim,
以前紹介させていただいたのは小型の棕櫚製荒神帚でした。店内の様子は昭和初期の頃から大きく変わっていないと思います。
屋内で使う棕櫚帚は電気掃除機よりも高いですが、メンテをしっかりすれば一生ものだそうです。確かに、この帚を使いたいので掃除したくなります。
この店は知っています。京都って杖屋さんがあったり、紙屋さんがあったり、面白いですね。そういう専門の店がいまだに存続できるのが凄いと思います。自立にも驚きました。
杖屋さんは東山通りの清水に近いところにあるお店ですね。そうした専門店はロンドンにも多くありました。共通点は観光地であり、内藤商店の客も半分ぐらいが観光客だと思います。小さな帚や束子ならお土産としても需要があるのでしょう。手作りの刷毛も販売されていますが、職人さんも買い求めるそうです。
確かに客のある割合は観光客が物珍しさで買っていくのでしょうね。でもいいナと思うのは、商品が本気で作られていると事です。京都の筆屋さんも「初心者が買えるような筆はあるのでしょうか?」と聞いたら丁寧に説明してくださいました。その時に、天井まで何段もある棚の平たい引き出しから筆を出してくれて、時代劇のようでそれだけで感動でした。
その筆は今でも使っています。しっかりした作りのものは、丈夫です。