Hardy The Flyweight (Made in England)

Hardy The Flyweight
Hardy The Flyweight (Made in England)

90年代に入手したHouse of Hardyのライトウェイトリール、The Flyweightを紹介します。フライフィッシングをする人にとって、フライリールと言えば、真っ先に思う浮かぶ英国のメーカーがこのHardyだと思います。

Hardy The Flyweight
Hardy The Flyweight (Made in England)

当時の製品はご覧のようにフレーム側表面にMade by House of Hardy Englandの刻印がある立派な英国製ですが、現在、このライトウェイトシリーズは韓国製のようであり、この部分の刻印は単にHardyになっています。価格も幾分安くなっていて入手しやすいのですが、このような嗜好品はやはり、少々、高くてもMade in Englandであって欲しい。英国製のリールは生涯保証付き。

Hardy The Flyweight
Hardy The Flyweight (Made in England)

韓国製の現行品はスプール裏側にも穴が空いているようですが、英国製のものには穴は表側にのみ空いています。軽量化とフライラインの速乾性を考えるとスプール裏側にも穴があった方が良さそうですが、フレームの方には現行品にも穴が空いていないので、速乾性に関してはさほど効果があるとは思えません。

Hardy The Flyweight
Hardy The Flyweight (Made in England)

フレーム裏側に貼られたシールにはHardyの代理店である「FLYイナガキ」と書いてあります。購入したのはイナガキではなく、福井市にあったフライフィッシング用釣具の専門店、トラウトバム?であったように記憶しています。Hardy製のグラスロッドもこの店で購入しました。リールは購入時のまま、左巻き用に設定してあります。この時代のフライウェイトは、ドラッグのテンションを調節できないシンプルなクリック式になっています。

Hardy The Flyweight
Hardy The Flyweight (Made in England)

左巻きから右巻き用に変更する際はラインガードを取り外して逆側に付け直す必要があります。

Hardy The Flyweight
Hardy The Flyweight (Made in England)

このリールの最大の特徴はその長い歴史にあると思います。数十年も前から定番のフライリールとして確固たる地位を築いてきました。二番目の特徴はリールを巻いた時の音。比較的大きな音がします。水量が少ない源流部では魚が驚いて逃げてしまうのではないかと思うほどですが、多分、水のホワイトノイズに紛れて魚には聞こえないでしょう。

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Photo Courtesy of “bulldog1935” on Classic Fly Rod Forum

いつものように話は大きく逸れますが、このクラシックで美しいリール、eBayで現在、BIN(即決)価格、US$88.95で販売されています。メーカーは安価なバンブーフライロッドと同じ中国のZhuさんのようですが、このリールはアメリカのリール職人、Bill Ballan氏が手作りで製作するフライリールの模造品のように見受けられます。(バーミンガムスタイルの伝統的なデザインのリールであると言えばそれまでですが。PEERLESSもLOOPもHardyもこのタイプのリールを作っています。)

heirloom

こちらが本物、BILL BALLAN HEIRLOOMシリーズ。プレートは穴空きタイプとソリッドタイプの両方が用意されています。この写真からは細部がよくわかりませんが、似て非なるものだと思います。

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Photo Courtesy of “bulldog1935” on Classic Fly Rod Forum

Zhuさんの模造品リールの画像を掲示板にアップロードしたbulldog1935さんによると、そのリールはご自身が落札したものではなく、修理を依頼されたものだそうです。チェックの部分が硬すぎるので修正して欲しいとのことで。分解されたリールを見ると、やはり価格相応という感じがします。修理したbulldog1935さんは本物(BILL BALLAN)を勧めています。

Hardy The Flyweight
Hardy The Flyweight (Made in England)

話題は元に戻ります。このHardy Flyweightは私が所有するフライロッドの中ではHardy Perfection Glass 6’6″ #3が最も似合っています。同じメーカーだから当然かもしれません。ロッドを購入した時にHardy Club Japanに入会しました。上の画像に写っている色褪せた会員カードは12年も前に有効期限が過ぎています。カード裏に一風変わった会則が書いてあります。

  1. 紳士・淑女であること。
  2. 20歳以上であること。
  3. 会則違反者は除名処分とする。

このカードを発行したのはHouse of Hardyの総代理店であったFLYイナガキだと思います。フライフィッシングをする人は当時からちょっと変わった人が多いのも納得します。ネットでHardy Club Japanを検索しましたがヒットしないところから考えると、既にクラブ自体が存在しないのかもしれません。

4 thoughts on “Hardy The Flyweight (Made in England)

  1. 筆者 様

     Originalと言うものは、えもいわれぬ美しさがありますね。また、メカ的に見ても(以前のブログで拝見しましたが)シンプルこの上ないShape をしているが故の、メカの美しさとその個々の部品に秘められた「技術のこだわり」、例えばラッチの爪、その爪がホールドするラッチ・ディスクを見ても、どちらの材料を硬くしておくのか?対摩耗たいさくにどの金属を使用するのか?ラッチの爪が、ラッチ・ディスクの「歯」の一つを乗り上げ下って行く時の手に感じる重さ・軽さを快いものにするラッチ爪を支えるバネ鋼の硬度、弾力度(K・・・等々、想像を馳せるだけでも楽しいですね。

     シンプルな形状故に、デザインバリエーションも、メーカー同士で似てしまう(似せてしまう<笑>)事があっても可笑しくないでしょうが、最初にデザインされたものは、試行錯誤の上の最高傑作な訳で、それを材質を調べ同じ材料、メカ設計をしたとしても、最終的に「使う人」が感じる感じ方は違う、と、私は思います。それは、「鋼で無ければならない!」と言う、ものを目標として作ったものと、そうで無いものの違いとして現れると思います。

     長く「使い込んだ」後に、その使い勝手が良くわかる製品だと思います。

    Jim,

    1. リールメーカーのBill Ballan氏は、クリック音に拘りがあるそうです。満足できるものだけを市場に送り出すそうで、販売する製品はすべて生涯保証付きだそうです。メーカーのBill Ballan氏ご自身か、製品を買ったユーザーのいずれか短い方の生涯に対して保証すると書いてありました。1872年に始まる伝統的な企業、Hardyの場合とはまた違ったこだわりがあるようです。

      Zhu(朱?)さんの模造品リールについてさらに調べました。eBayで同じ商品を販売している業者が2名いますが、二人はどうやら兄弟のようです。Zhuさんはバンブーロッド、ZYZさんはリールを作っているそうです。バンブーロッドを製作するZhuさんが兄弟が作るリールも販売しており、その逆もあります。ロッドは模造品ではなく、一般的なGarrisonの製作方法に従って製作していると思いますが、リールの方はそれほど一般的ではないBill Ballan氏のものをコピーしているように思われます。

      1. 筆者 様

         この様な「釣りの道具」や「工具」でも、模倣のみの「格好だけしている」ものは直ぐに「淘汰」されて行きますが、ベストに近づこうと努力ししている経緯が見える製品には、その取り組み姿勢の違いが見えると思います。私は模倣品には100%賛成しませんが、ebayでの販売業者さん達が、倣い、倣い乍ら自分のオリジナリティーを、チャレンジを入れながらの成長をしているとしたら、それを見守るのも、面白いWatchingではないかなと思います。シンプルな商品故に、似てくるものも有り、又、やはりその最終Shapeに行き着いてしまう・・・、本当に竿を愛し、リールを愛し試行錯誤してその完成品の精度を機能を高める事を怠らない取り組みは、「単なる模倣」ではないのでは?と思います。上手く言えませんが・・・。

        Jim,

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