Annular Eclipse on May 21, 2012

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早起きが苦手な私は、5月21日(月)早朝に本州太平洋側で見られる金環日食を見るかどうかしばし迷いましたが、結局見ることにしました。元天文少年である私は、彗星や流星、星雲、星団、天の川や月食に興味はあっても太陽は対象外でした。観察してみようと思ったのは、Baily’s beads(皆既日食の直前・直後に現れる月の回りのビーズ状の光)が見れるかもしれないからです。ベイリービーズは凸凹に富む月の地形によって、日食の直前と直後に日光がビーズのように見える現象。日食の経路中心線周辺では数秒間だけ見られるが、本影部の端付近ではビーズが見える時間が最大になり、1〜2分も続くそうです。今回の金環日食でもビーズが見れると思われます。

AstroArtsの「金環アプリ2012」をダウンロードしてiPhone 4にインストールしました。上の左側の画像でオレンジの斜めの線が金環日食の北限界線。(この辺りに来たらビーズがより長時間、見えるかもしれません。)日食の見え方をシミュレーションすることができる優れたアプリケーションです。iPhoneがオフラインの状態でもGoogleの地図データで現在地を表示させることができます。地図データは日本国内だけではなく、世界各地のデータも表示できるようです。(注意:下の追記をお読みください。)

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Time Tableをタップすると食の始まり、金環食の始まり、食の最大、金環食の終わり、食の終わりの時刻がわかります。CameraをタップすればiPhone内蔵カメラがオンになり、日食の様子をシミュレーションすることができます。精度がどの程度のものかは不明ですが、これは便利。

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浮御堂では食の最大が07:30:50ですが、思いの外、月と太陽は高い位置にあり、堅田の浮御堂を前景に撮影することは困難であることがわかりました。境内に入れば可能かもしれませんが、ビーズの撮影には換算600mmの望遠レンズを使用する予定なので、画角が狭くなり、建物といっしょに撮影することはほぼ不可能と思われます。

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AstroArtsの月刊星ナビ5月号増刊を買って来ました。「マンガでわかる金環日食」や各地の「日食時刻表」に加えて「金環日食や部分日食をカメラで撮る」方法も書いてあります。

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A5版の「日食観察プレート」が付属します。プラスチック製のこの黒いプレート(下敷き?)を適当な大きさに切り取り、ステップアップリングに貼り付けて写真撮影用簡易減光フィルターを工作しようと計画しています。余ったプレートで日食めがねも作れます。本来は専用のNDフィルターを使用すれば良いのですが、Kenkoの製品はすでに売り切れているようで入手困難。

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宝島社の「超高級ガラス製金環日食グラスBOOK」も入手しました。こちらは目視用として使う予定です。

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確かに高級ガラス製です。DIN規格EN169適合、遮光度番号は13番。プラスチック製のプレートとは異なり、傷が付きにくい。試しに太陽を見てみるとこちらのガラス製の方が、より鮮明に見えます。星ナビ付属のものはオレンジ色に見えるのに対し、宝島社のガラス製日食グラスは太陽本来の色に近い黄色に見えます。

今回の金環日食は月が地球から離れた遠い位置で太陽と重なるため、月が小さく見え、月の周囲から漏れる日光の量が多いので皆既日食のようには暗くならないそうです。日食の観察では目を保護するため、専用の日食グラスが必要となります。見てみようと思う人は、日食グラスを早めに用意されるよう、お勧めします。6月6日に金星が太陽面を通過しますが、こちらの天体現象も日食グラスがあれば観察できます。

追記:上で紹介した「金環アプリ2012」には不具合があるようです。北アメリカや香港など、国外の金環日食観測地点でシミュレーションを行ったところ、アプリケーションが起動しなくなりました。iPhoneの再起動を試みても改善しないので、一旦削除してから、再インストールするしか解決の術はないようです。代わりにAnnular Solar Eclipse 2012を紹介します。こちらも無料で公開されています。

2 thoughts on “Annular Eclipse on May 21, 2012

  1. 筆者 様

     私は生まれてこの方、金環食や月食、日食等の自然現象にお目に掛かった事がありません。勿論、大人になってからこの様なニュースを観たり聞いたりしましたが、あやふやな記憶で恐縮ですが、全く知らなかったり天候が悪かったり、お仕事中だったり、住んでいる国では観られない等々があって、今日まで本当にお目に掛かった事がありません。残念な事です。

     話は違いますが、掲載されている写真の中に堅田の浮御堂を見て懐かしく思いました。この写真を見て理由はありませんが、久し振りに「ほっと」しました。

    Jim,

    1. 今回の金環日食はお住まいの地域(特別行政区の近く?)でも日本時間で午前7時過ぎ頃に金環食が最大になりますよ。日本ではまだマスコミが派手に報道していませんが、来週末には大きく報道されることでしょう。そうなれば日食グラスや専用の眼鏡がどこに行っても売っていないという状況になるかもしれません。

      浮御堂を前景に日食の写真撮影でもと思いましたが、画角が狭いという問題の他に、よくよく考えてみると、減光フィルターを使用するので、太陽以外は真っ暗になって何も写らないことに気付きました。

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