Sori Yanagi Stainless Kettle Matte Finish

Sori Yanagi Stainless Kettle Matte Finish

日本を代表する工業デザイナー、柳宗理のステンレスケトルを磨いたら新品時の輝きが蘇りました。この製品を購入したのがいつのことだったかすっかり忘れてしまうほど、ずっとガスレンジの上に置いてあります。手に入れたのは恐らく、15年以上前のことだと思います。ヤカンのすぐそばで油を使った調理をしているので、油汚れがこびり付いていしまい、どんなクリーナーを使っても汚れが落ちない状態でした。

Sori Yanagi Stainless Kettle Matte Finish

先日、このヤカンを載せたアラジンブルーフレームの写真を撮影していてその酷い汚れ具合が気になったので、思い切って耐水性のサンドペーパーで磨くことにしました。塗装はしていないようだったので、塗膜が剥がれることもないだろうと思い、粗めの#240で汚れを削り落とした後、ピカールとクリームクレンザーで仕上げました。この製品はつや消しとミラー仕上げの二種類が販売されていて、購入したのはつや消しですが、磨くと新品時よりも輝きが増し、ミラー仕上げのようになりました。

柳宗理デザインシリーズを販売するのは佐藤商事であり、同社から修理用パーツが販売されています。ケトル本体の焼け取り・汚れ落としのサービスも提供されているようで、ステンレスケトルの場合は1,700円+税とのことです。修理と交換部品に関する詳細は、こちらのページに記載があります。

Sori Yanagi Stainless Kettle Matte Finish

ここまで磨き上げるのに2〜3時間要しています。それでもマクロで撮影すると落とせていない汚れが所々に残っています。プロに依頼すればそのようなことはないだろうと思いますが、自分で磨いたおかげで、これまで気付かなかった、ケトルの底にある火星人マークと18-8ステンレス(SUS304)の刻印に気付きました。18-8ステンレスとは18%のクロムと8%のニッケルを添加したステンレスとのことです。非常に固い金属であるクロムの配合比率が高いということは、耐摩耗性、耐腐食性、耐熱性、離型性により優れていることを意味するようです。

Sori Yanagi Stainless Kettle Matte Finish

このケトルのデザインは”Form follows function”(物の形状はその機能や用途に基づく)の考えを具現化したものだと思います。水が沸騰した時でもハンドルが熱くならないよう、蒸気が出る蓋の穴が蓋の上ではなく側面にあることで、ハンドルの機能美が完成するのではないかと思います。

底が大きく上の方が若干、細くなっているのはヤカンの安定性を高めて、すぐに沸騰しやすいようにするためだそうです。ヤカンを磨いていて部位により、ステンレス18-8の厚みが異なることに気付きました。底の部分が側面と比べて薄くなっているように思います。これも沸騰するまでの時間を短縮するための工夫でしょうか。

冬の間はアラジンブルーフレームの上に常駐するので、今後は油汚れがこびり付くこともないでしょう。

追記:サンドペーパーの粒度を#240 > #400 > #600へと上げて、さらに研磨しました。キッチンの調理器具を見ていると、火星人が他にも数名いたので後日、紹介します。

作業の難易度:5段階で1(手間は5段階で3)

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