Nov 172013
 

天気予報通りであれば、日の出前には雲が切れて晴れるはずでしたが、自宅からすぐ近くの観察+撮影地に着くと、空の大部分を薄い雲が覆っている。暫く雲の切れ目を双眼鏡で探しましたが、彗星ISON (C/2012 S1) は見えず。Lovejoy (C/2013 R1) も雲の背後。撮影用の機材一式を車から降ろすことなく、自宅に戻りました。流星と彗星担当の元天文少年はこのような事態に慣れているので、がっかりはしていません。

天体の中でも彗星の観測や撮影には最も大きな困難を伴います。特に太陽をかすめるような放物線状の軌道を移動するサングレーザーと呼ばれる彗星は、太陽に接近するのが最初で最後なので、その光度を正確に予測することが事実上、不可能です。彗星核の構成物質の比率もそれぞれで異なるし、同じような軌道を辿っているとしても、地球からの距離もまちまち。楕円軌道を描きながら何度も周期的に太陽に近付く回帰彗星と比べると、放物線軌道を描きながら太陽に初めて大接近する彗星は、より多くの物質を放出すると考えられており、その量がどの程度なのかは誰にもわからない。そうした彗星は太陽接近時に核が分裂して消滅する可能性も高いと言われています。放出される物質の種類や量によって、尻尾の長さや色、形状が異なります。どの彗星も個性があり、過去に撮影された写真を見れば、それがどの彗星なのか、大体の見当がつくほどです。

彗星が見えるかどうかはその日の天候条件や観察地、月光の干渉程度に左右されるのは当然ながら、彗星自体の活動によって予想以上に明るく見えたり、突然減光したりもします。いつ消滅してもおかしくはない、予測不可能なそのようなサングレーザーこそ、数ある天体の中で私は最も大きな魅力を感じます。彗星ISONは期待通りに近日点通過後に立派な尾を見せてくれるかもしれません。あるいは近日点に到達する前に消滅するかもしれません。何れにしても一期一会ですから、それなりの対応で彗星観察と撮影に望む所存です。

追記:REAL TIME IMAGE GALLERYに世界各地から投稿された画像によると、現在、ISONはクラゲのような複数の尾が見えており、今にも崩壊しそうです。近日点通過まで後、11日。

  2 Responses to “Comet ISON Behind Clouds”

  1. 今日は堅田でも星が見えています。オリオンが目の前にいます。満天の星空を見に行きたい気分になります。

    • 今夜は寒いですが、その分、透明度が良くて綺麗に星が見えていますね。星を見るには月明かりが邪魔ですが、Lovejoy (C/2013 R1) 彗星なら視力に自信がある人は肉眼で見えるかもしれません。明け方のISONはまだ肉眼では厳しいです。

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