Broken Bamboo Fly Rods

P5115259

先日の釣行時に折れてしまった同行者のバンブーロッドのティップがJimnyの荷台と化した後部座席から出てきました。同行者に連絡すると廃棄してということでしたが、同じ中国製のZhusバンブーロッド(6'6" #3)を所有する私は折れた原因が気になるので、折れた部分をマクロ撮影し、原因を検証してみることにしました。同行者は中学時代の同級生であり、お互いの性格は知り尽くしているので、捨てろと言っても捨てずに何か別の用途で使う時があるかもしれないので、私なら取っておくだろうと思っているはずです。

折れた部分は竿先から16cmぐらい、一つ目と二つ目のスネークガイドの間であり、ミディアムファーストのロッドであれば、力が加わる角度(例えば横方向から)によっては最も負担がかかる部分です。木の枝に引っかかった毛鉤をロッドごと引っ張って取ろうとした時に折れたそうですが、折れた断面が綺麗すぎるような気がします。(本人曰く、気付いたら先端が曲がっていたので、正しくは「折れた」のではなく、自分で「折った」そうです。先端が曲がっていたことを普通は折れていたと言いますが。恐らく6本の三角柱のうち、何本かが切断されずに繋がっていたのを自分で折ったのだと思われます。折れたロッドを修復するのなら決して繋がっている部分を折ってはいけません。)

P5115260

バンブーロッドの中でもフライフィッシング用のスプリットケーンロッドは、リールシートを取り付けるバット部分からトップガイドを取り付ける竿先まで、傾斜がある三角柱に削った6本の竹材を貼り合わせて製作するので六角状になっています。このロッドの場合は全長が6'6"と短いので、一般的な2ピース構造になっています。その竿先側(ティップ側)の先端からおよそ16cmのところで折れています。ポキッと綺麗に折れている。

P5115261

上の画像を見れば、竿先の部分まで六角状になっている様子がわかります。

J. Bailey Bamboo Fly Rod

比較検討するために4年前に折ってしまったJ. Baileyの7'0" #4-#5バンブーロッドの断面をマクロ撮影しました。急な斜面を無理して登ろうとして滑落しそうになった時に破損してしまったバンブーロッドです。米国ミシガン州在住のビルダーが製作したこのロッドも、竿先からおよそ3"(8cm)ぐらいの部分で折れています。こちらの方は、擬音で表現すればミシミシポキッと粘りながら折れた感じでしょうか。折れた時の状況が異なり、適合するフライラインの番手も違うけれど、Zhusバンブーロッドの方は元から強度的に弱いのではないかと推測します。

折れた竿先の部分は、お気に入りのOrvisのハットと共に崖下に落ちて行ったので、手元になく、このJ. Bailey製作のロッドは修復不可能です。が、折れたロッドのバット部とティップ部を繋げてみてあることに気付きました。同級生の折れたロッドティップのトップガイドを取り外して、私の折れたロッドティップに移植すれば、アクションは変わってしまうけれども6'9" #4-#5のロッドとして蘇らせることができるということ。それでもZhusのロッドよりも2"ほど長くなります。トップガイドを移植する作業なら手元にある工具と接着剤、コーティング剤、スレッドで実行できそうです。

Zhus Rods on eBay

中国人ビルダーが製造するフライフィッシング用バンブーロッド、Zhus RodsはeBayで少なくとも二名の業者(flyfishing699zyzreel)が定期的に出品されているようです。ビルダーは同じ福建省のZhuさんの会社。

SONY DSC

zyzreelさんの商品紹介ページにZhus Rods Co., Ltd.の工房を撮影したと思われる画像があります。ステンレス製プレーニングフォームを用いて三角形の大きさを微調節しながらトンキンケーンを削っているようです。

SONY DSC

左に見える木片は荒削り用のフォームでしょうか。ストリッピングガイドも各種あるようです。

SONY DSC

ブランクを接着する時のバインディングでしょうか。アップロック式のリールシートと年季が入った鉋が置いてあります。伝統的な製法に従って、バンブーロッドを一本ずつ、職人が製造している様子がよくわかります。

Zhus Rodsに関する情報をネットで検索していると、イギリスやアメリカのフライフィッシングに関する掲示板がいくつかヒットしました。これまでになかったこのような低価格のバンブーロッドの品質や性能はどうなのか?疑問に思う人が多くおられるのでしょう。eBayで落札した人がレビューを書いています。概ね、評価は高く、二倍の価格でも喜んで買っていただろうと言う人もいます。また、Hardy製の高級バンブーロッドと比較しても違いがそれほどわからないと書く人も。私の場合も、これまで使っていた米国人ビルダー製作のバンブーロッドよりも、価格は数分の一ですが、Zhus Rodsの方が外見を含む品質と性能の両方でより優れていると思います。

Zhus Rodsはバンブーロッドの他にクラシックなフライリールやシルク製フライラインも販売しているようです。今度はeBayからオークションで落札してみたいと考えています。私はこれまで、オークションで落札したことがなかったので、これを機にeBayのアカウントを作成しました。

Zhus Rod 6’6″ #3 Split Cane Fly Rod — Unpacking

Zhus Rods 6'6" #3

バンブーフライロッドの素材として昔から使われているトンキンケーンの産地に近い、中国福建省のロッドビルダーが製作した安価なバンブーロッドを試しに購入しました。購入先はAmazonに出店している広島のn-VISION。ウェブサイトに書かれていたように、商品は40mm径の塩ビ管に入れて「はこBOON」(クロネコヤマト)で届けられました。サイトにはまた、「専用のキャップを付ければ簡易ロッドケースとしても使用できます」と書いてありますが、その専用キャップが上下2個付けた状態で配送されました。この塩ビ管とキャップ、好みの色に塗装すれば、確かにロッドケースとして使えそう。

関西地方までの配送料および手数料は¥580だったので、商品代金¥22,800と合計すると¥23,380でした。世界的に有名なロッドビルダーが製作するバンブーロッドは安くても10万円、名が知られていないビルダーが製作するバンブーロッドは最低でも4万円近くはすることを考えると、この価格は信じ難いほど低価格。注文してすぐに出荷できる状態にある、つまり在庫があるということも、普通はあり得ない。納期は数ヶ月先というのが一般的でしょうか。

しかし、本当に安価な製品であるのかどうかは開梱してじっくりと調べてみないとわかりません。購入を検討されている方も多くおられるでしょうから、マクロレンズで撮影したオリジナルサイズの画像をFlickrに多数、アップロードし、このポストにリンクを張っておきます。

Zhus Rods 6'6" #3

塩ビ管の中には納品書とロッドを収納する袋、そしてツーピースのバンブーロッド本体が入っていました。もちろん、梱包材も。

Zhus Rods 6'6" #3

手にした時の第一印象は、「これは良い!」価格のわりに良いということではなく、二倍の5万円で買っていたとしても「これは良い!」ということです。そして、次に思ったことは、自分でブランクから製作するバンブーロッドは製作コストを考えると恐らく、このバンブーロッドにはいろんな意味で敵わないだろうということ。

細長いロッドの全体像を撮影するのは困難なので、そうした写真は販売者のサイトにお任せするとして、ここでは各パーツにズームインした画像を使ってこのロッドの見かけ上の品質を精査して行きます。

Zhus Rods 6'6" #3

先ずはアップロック式のリールシート。この美しい木目のインサートはオーク材でしょうか。インサートには控え目な光沢があるコーティングが施されています。オイルフィニッシュかもしれません。

5月30日追記:ebayに出品されているzyzreelさんによると、インサートの素材はLongan(リューガン)だそうです。リューガンはライチと似た果実を実らせる常緑樹であり、主な生産地は中国では福建省など。リールシートのインサートも地元で入手できる素材を使っていることになります。

Zhus Rods 6'6" #3

光沢があるニッケルシルバー(リールシートの金具)の取り付けに問題はありません。リールの重さと重力を利用してリールをリングで固定するシンプルなダウンロック式の方がクラシックなバンブーロッドにはより適していると思いますが、このロッドに関してはよりモダンな感じがするデザインを狙っていると思われます。

Zhus Rods 6'6" #3

コルクグリップには汚れを防ぐシュリンクラップが付いた状態で納品されます。きめが細かな少し柔らかいコルクが使われています。

Zhus Rods 6'6" #3

柔らかめなコルク素材が原因なのか、リールシートに近い方に一カ所、目立つ凹みがありました。シュリンクラップの上から付いた凹みなので、製造後にできたものだと推測されます。ラップを外してから、Wayne Cattanach氏の"Handcrafting Bamboo Fly Rods"の第13章"STEAMING CORK"に記載のメンテナンス方法に従い、湿らせたクロスの上からアイロン(蒸気)をかければ凹みは消えてなくなりました。水蒸気で加熱することにより、コルク内の空気が膨張し、コルク表面が膨らむことで凹みが消えたと考えられます。

Zhus Rods 6'6" #3

このロッドビルダーについてネットで調べると、90年代から欧米に安価なバンブーロッドを輸出しているようであり、初期の頃は米国の有名な河川名を入れていたことがあったようです。現在は自社名を堂々と刻印しています。ロッドビルディングの経験を積んで、誇らしく自社名を刻印できるようになったのでしょう。刻印は節を処理した部分に入っています。シリアル番号の桁数から想像すると、ビルダーは少なくとも10名以上でしょうか。

コルクグリップ上部にあるワインディングチェックは大型なのでコルクが欠けるのを防ぐことができそうです。フックキーパーはありません。

Zhus Rods 6'6" #3

2色のシルクスレッドが綺麗に巻いてあり、上からしっかりとエポキシで固めてあります。ブランクは傾斜を持たせた三角柱を6本張り合わせてありますが、接合部に小さな隙間はなく、かなりの精度で組まれていることがわかります。ブランクの塗装は防水性と耐光性に優れたSpar Varnish(スパーワニス)の3回塗り。

Zhus Rods 6'6" #3

ラインを通すガイドで最もリールシートに近いものをストリッピングガイドと言います。リールシート金具と同様に光沢があるガイドが使われています。

Zhus Rods 6'6" #3

下から二つ目以降はスネークガイド。バット部に1個、ティップ部に6個、取り付けてあります。スレッドは巻く作業に慣れていないとエポキシに気泡が出る場合がありますが、そうした気泡の痕跡は一つもありません。

Zhus Rods 6'6" #3

ニッケルシルバーのフェルール。ティップ部との接合に問題はありません。取り外す時に心地よい音がします。

Zhus Rods 6'6" #3

節と節の間隔はバット部で37cmほど。竹材の強度を維持するため、6本の材で節の位置は意図的にずらしてあります。

Zhus Rods 6'6" #3

先端に近いほど張り合わせた竹材は細くなりますが、先端までしっかりと六角形になっています。上の画像も処理した節の部分を撮影したものです。

Zhus Rods 6'6" #3

小さめのトップガイド。

Zhus Rods 6'6" #3 with Orvis Battenkill 3/4

バンブーロッド専用のフライラインを巻いたOrvis Battenkill 3/4をリールシートに取り付けてみました。重量バランスは良いけれども、今一つ、デザインがマッチしていない気がします。

Zhus Rods 6'6" #3 with Abel TR Light

Abel TR Lightの方がこのバンブーロッドには合っている。如何にも高級素材を使用していますと主張するロッドとは違い、このロッドの全体的なデザインは上にも書いた通り、シンプル且つモダンな感じがあります。

ロッドに適合する#3のフライラインをガイドに通し、外で試し振りをしてみました。その第一印象は、見た目と同じように「これは良い!」でした。それほどバンブーロッドらしくないアクションに好印象を持ちました。ピンポイントでドライフライを落とす細かな操作ができるのではないかと感じました。明日、フィールドで実地試験を行おうと計画しています。

Zhusrods Company Bamboo Rods

画像での判断になりますが、この高級感溢れるスプリットケーンのバンブーロッド、フライフィッシング通販ショップ、n-VISIONで何と税込¥22,800で販売されています。(クラシカルなデザインのリールは別売)

6'6"のツーピースで、適合するフライラインは#3。短めのロッドですが樹木が覆う源流部での釣りには適していそう。

予備のティップ同梱の方は¥29,800。別売のクラシックリールも¥14,980と驚くほど安い。トンキンケーンを素材として用いたZhusrodsバンブーロッドは、産地に近い中国福建省の工場で職人が製作しているそうです。材料費と人件費を安く抑えているからこのような末端価格が実現できるそうです。試しに私も一本、買ってみようか検討中です。これだけ安いと自分で製作しようかという意欲が薄れてしまいます。

AP Tape Measure 5m x 19mm

AP Tape Measure 5Mx19mm
AP Tape Measure 5m x 19mm

久しぶりに訪れたアストロプロダクツ京都南店で見つけた5m x 19mmのスケール。センチとインチ両方の表示があります。こういうのを探していました。バンブーロッド製作時に役に立つはずです。この製品にはJISマークなどありませんが、精度は問題ないと思います。JISマーク付きのスケールを横に並べてみたところ、目盛のずれはなかったです。

AP Tape Measure 5M x 19mm
AP Tape Measure 5m x 19mm

正面にフルロックボタン、横面と底面に簡易ロックボタン付き。テープの材質はスチール、ケース本体はプラスチック、外側カバーはTPR樹脂。価格は何と¥248。

上の写真二枚はOlympus PEN E-P1にマウントアダプター経由でAF Nikkor 35mm f/2Dを装着して撮影しました。 いつものZuiko Digital 35mm F3.5 Macroとは違い、黒つぶれがないように思います。

Bamboo Earpicks

私がこれまで長年愛用していた竹製の耳掻きは、今から20年近く前に、友人から餞別の一部としていただいたものです。期間未定で米国ミシガン州シカゴ郊外に海外研修(赴任)となり、東京から飛行機で出発した際に、東京の新聞会社で勤務していた友人が空港で手渡してくれたものです。なぜか、アメリカには竹製の耳掻きがどこにも売っていなかったので、そのいただいた耳掻きが重宝しました。二度目の米国在住時にもその耳掻きを持って行きました。帰国後もずっと愛用していました。

耳掻きの文化や歴史を調べてみると奥が非常に深いことがわかりました。Wikipediaによると、耳垢の性質には遺伝による個人差があり、乾燥した乾型と湿って粘り気がある湿型に大別されるそうです。日本人の8割以上の耳垢は乾型であり、竹製の耳掻きは乾型の耳垢が取り易いとのこと。西洋人の耳垢は湿型が多いのでしょうか。だとすれば、それが米国で竹製など木製の耳掻きが売っていない理由かもしれません。湿型の耳垢は、竹製の耳掻きよりも綿棒や金属製のらせん状のものが取り易そうです。

Bamboo Ear Pick (Fast Action)

上の写真は、京都銀閣寺名代おめん高台寺店の向かいにある竹細工のお店で購入した竹製の耳掻き。さじから少し下の先端部分が薄く削ってあり、「しなり」があるタイプ。フライロッドで言えば、ファーストアクションの耳掻きです。「しなり(大)」のタイプも売ってました。そちらは根元の方からしなるスローアクションになります。今回は「しなり(小)」のタイプを買い求めたのですが、耳穴の中での先端部分のアクションは絶妙であり、小さな力で容易に耳掃除ができます。

Smoked Bamboo Ear Pick

こちらは素材に煤竹を用いた丈夫な耳掻き。茅葺き屋根古民家の屋根裏や天井に使われていた煤竹を材料にしているそうで、耐久性は抜群と店主は言われていました。いずれのタイプも竹繊維が凝縮したパワーファイバーの部分を手作業で削ってあるのだと思われます。使用している竹は中国産ではなく、日本産の真竹、孟宗竹、破竹などだそうです。冬季に伐採し、十分に寝かせた後、材料として加工するのだそうです。中国産の竹は殺虫剤が多量に使われていて、十分に乾燥させていないものが多いと店主は教えてくれました。

竹細工のお店を訪問して、バンブーロッド製作のことを思い出しました。作業はガレージで行う予定ですが、今はガレージ内が蒸し暑くて作業できない状況です。

Bamboo Hatchet

Kanbunsaku Bamboo Hatchet 165mm

フライフィッシング用六角竹竿製作のための工具収集が延々と続いています。(15年以上)上の画像は日本製の竹割ナタ。この種の道具は日本製が信頼できます。

Kanbunsaku Bamboo Hatchet 165mm

刃渡り165mmの両刃になっています。丸竹を縦方向に割る時に使用する鉈ですが、片刃の鉈ではうまく竹を割ることができないという情報を得たので、竹割専用の鉈を入手したという次第です。

竹割用の鉈とは別に、日本には「竹割器」という便利な道具が昔からあります。近くのホームセンターには4つ割と5つ割の竹割器がありましたが、6つ割がなかったので取り寄せ中。丸竹を一度に6分割する時に用いる道具です。

J.C&S Utility Knife made in 1952

6等分に分割したそれぞれの竹片をさらに二回、二等分して合計24本の細片に竹を割くには竹割ナタとは別に小さなナイフがあれば便利そうです。万力などに小さなナイフを固定し、竹片の方を水平方向に動かして割く方法です。木片に釘を打ち、ナイフ代わりにする人もいるようです。上の1952年製のオールステンレス万能ナイフが使えないかどうか、検討中。

J.C&S Utility Knife made in 1952

しかし、この古い万能ナイフ、磨いたらきれいになりました。コレクターにとっては貴重なものかもしれないので、万力で固定するのは別のチープな替え刃か何かを使った方が良いかもしれません。

Handcrafting Bamboo Fly Rods by Wayne Cattanach

Handcrafting Bamboo Fly Rods

15年ほど前に米国ミシガン州で購入した"Handcrafting Bamboo Fly Rods"はCopyrightが1992年になっているので、自費出版された初版だと思います。3穴バインダーに綴じられた手作りのガイドブックです。このバインダー版は今となっては入手困難。ページめくりが容易ではないので、「自炊」して電子ファイル化しようかと考えています。それをiPadにインストールして、ワークベンチ(作業台)の上で読みながら、製作の作業を進めようと計画しています。

Handcrafting Bamboo Fly Rods

この本を書店で購入したのか、釣具店で入手したのか、記憶は定かではありません。Cattanach氏はミシガン州に住むロッドビルダーなので、地元の釣具店でこのガイドブックを販売されていたのかもしれません。どちらかと言えば、一貫して実務的な内容が記されており、具体的に使用する工具のモデル名やメーカーの連絡先まで書いてあります。"A Master's Guide To Building A Bamboo Fly Rod — by Everett Garrison & Hoagy B. Carmichael"の影響もあると思います。文体は決して格調高いものではありませんが、その分、必要最低限のことが簡潔に綴られています。

当時(90年代後半)はAmerica Online全盛期でインターネットは普及していなかったので、バンブーロッドを製作しようとする人にとっては本当に貴重な最新情報がこの本に満載されていたのです。

所々にマーカーを使った痕跡があります。この本を工具屋さんや金物店に持参し、バンブーロッド製作に必要な工具を集めていた頃の記憶が蘇ります。特に日本では入手困難であったインチ表示のメジャーやノギス、デプスゲージなどの計器類をこの本を参考に集めていました。

付録としてフロッピーディスクが茶封筒に入っていました。オリジナルテーパーの計算式か何かだと思います。今日、初めてその茶封筒を開けてみました。どうせ、Macには対応していないと思い、開けようともしなかったのですが、今はフロッピーディスクドライブすらないので、ファイルを開くことはできません。コンピューターを用いてテーパーを算出する手法を考え、それを普及させたのもCattanach氏ではないかと思います。

現在は、製本されたものがAmazonで売っています。

Stanley Block Plane G12-020

Stanley Block Plane G12-020

30代の頃から私はある年齢に達したら、フライフィッシング用のスプリットケーンロッドを製作することを趣味にしようと画策していました。自分で巻いた毛鉤で魚が釣れれば幸せですが、自分で製作した竹製のロッドで魚が釣れれば、至福の時が過ごせるはずです。ロッドを製作すること自体、たいへん面白そうです。竹製フライロッドの製作過程で最も頻繁に使用するハンドツールは西洋鉋であり、ロッドビルディングの象徴とも言えます。上の画像は、英国製Stanleyのブロックプレーン、品番はG12-020。ノブの部分が真鍮製で、光沢のあるブラックとゴールドのカラーは今年のLotus Renaut GPチームカラー。(話が逸れました。)

Stanley Block Plane G12-020

西洋鉋は押して使うものですが、私はこのブロックプレーンを逆に持ち、日本人らしく引いて使っています。これまではワークベンチやテーブルなどの木工作業で使っていましたが、これからは竹を削るという本来の用途で使用することになります。

Stanley Block Plane G12-020

分解するとこんな感じになります。刃の高さや前方ソールの位置などを微調整することができます。

Stanley Block Plane G12-020

ソールの一部に錆があったのでサンドペーパーで磨きました。このブロックプレーンは仕上げ用として購入したものなので、金属製のプレーニングフォームを使って竹材をテーパー通りに削る際は、ソールが完全に平坦になるように、粒度の高いサンドペーパーで磨く必要があります。#1500のサンドペーパーでミラーフィニッシュにする人もいるようです。いつか、やってみます。

こちらは荒削り用として購入したStanley G12-220。ソールが一体型なので刃が出るスリットの幅は調整することができません。いずれのモデルもStanley 9 1/2改良型と呼ばれるブロックプレーンです。

刃も同様に砥石で研ぐ必要があります。G12-020に付属する刃は錆を防ぐために、クロミウムが高炭素鋼に混ぜてあるそうで、そのためエッジの部分の耐久性に問題があり、頻繁に刃を研がなければならないそうです。解決策としてはHock Toolsなど、別のメーカーの刃を使用する方法があります。

私が理想とする「ガレージライフ」を送るロッドビルダーのビデオを下に張っておきます。ブロックプレーンで竹を削るシーンが一部、映っています。簡潔に工程を紹介した格好良いビデオだと思います。この方、コーヒー豆をご自分で焙煎されているようです。

Bamboos Imported from China

テーパーを持たせた六角柱になるように、割いて、削り、貼り合わせた竹製フライフィッシング用ロッドブランクを製作しておられる方のブログで、材料となる竹材に関する非常に興味深い記事を見つけました。その方は、近くのホームセンターで仕入れた中国産の竹材を用いてフライロッドの製作を試みたそうです。ロッド製作時に最も重要となるパワーファイバー(ロッドブランク製作時に使用する竹の繊維)断面の様子が同じ中国産のトンキンケーンに酷似しているそうです。

トンキンケーンとはアメリカや英国のフライロッド用竹材の輸入業者が主に用いた名称であり、産地(広西荘族自治区、広東省のSui川沿いの地域)ではch'a kon chuk(茶カン竹)と呼ばれているそうです。学術名はarundinaria amabiris。アメリカや英国の名だたるロッドビルダー達はこのトンキンケーンの根元に近い太い部分を材料に使い、フライフィッシング用ロッドを製作しています。先端近くの細い部分はかつてはスキーのストックとしても使われていたそうです。

1915年からこのトンキンケーンを中国から米国に輸入しているオハイオ州シンシナティのCharles H. Demarest, Inc.によると、トンキンケーンは天然の状態で真っ直ぐであり、枝がなく、傾斜が緩やかであり、パワーファイバーが硬くて弾力性があり、節がほぼ平坦であることが特徴だそうです。これらすべての特性は、フライフィッシング用ロッドブランクの用途に適しています。

日本でこのトンキンケーンを輸入している業者から購入する場合、長さ3.6メートルのものが1本で送料を加えると一万円近くもします。こんな高価な材料を使って一本目のバンブーロッドを製作することはできません。たぶん、試行錯誤の繰り返しになるでしょうから、練習用としてはもっと安価な竹材を使うべきかと考えていました。真竹ならあちこちに自生しているので、譲ってもらおうかとも思っていました。

"Konan" Cane

そこで見つけたのが、ホームセンターで販売されているという、中国産の竹材に関する記事。私も近くのホームセンターに行き、試しに2.4mのものを一本、買って来ました。僅か360円です。車に載らないので半分に切断して持ち帰りました。

"Konan" Cane

たいへんきれいな竹材で、表皮部分に傷や虫食いがありません。残念ながら節間が短く、肉厚は根元に近い方は十分にあるけれど(下左の画像)、半分に切断した上の方は、急激に肉厚が薄くなっています。(下右の画像)径は1 3/4"から2"ぐらい。

Bamboo Imported from China

Bamboo Imported from China

価格が安価なので、2本買ってきて、下の方だけを使えば良いのですが。

Bamboos Imported from China

帰宅後、店内の別の売場で撮影した写真を見て気付いたのですが、こちらの方に節間の長いものが混ざっています。これはまた買いに行かなければ...

Lamiglas® Fly Rod

Lamiglas® Fly Rod

米国Lamiglas®製グラファイトのブランクを個人輸入し、自分で作ったフライロッド。ブランクの製造年をもとに記憶を辿ると、この2ピース、8' #4 Line wt.を作ったのは15年ほど前のこと。

Lamiglas® Fly Rod

スネークガイドを固定するエポキシ樹脂を塗布するのに手こずっていたのを覚えています。気泡ができたり、乾燥しなかったり。このロッドは3本目だと記憶しています。決して美しくはありませんが、15年経過した今も、劣化はほとんどありません。

Lamiglas® Fly Rod

リールシートはゼブラウッド。ブランクの色と合っていると思います。バンブーロッドと比べて、グラファイトは軽量なので、キャスト回数が増えても疲れにくいという特性があります。しかし、現在の私のフィッシングスタイルは、できる限り、無駄なキャストはしない主義ですから、重くても大丈夫なのですが。

TOP