C/2020 F3 (NEOWISE) — Part 1

SkySafari

北半球の住人にとっては1997年のHale-Bopp (C/1995 O1) 以来の肉眼彗星、C/2020 F3 (NEOWISE) を一目見ようと、7月3日の近日点通過以来、観察+撮影チャンスを待っていました。現在は日の出前よりも日没後の北西の空に見えるようになりましたが、まだ梅雨明け前なのですべては天候次第。昨夕は雲が多いものの、雲の切れ間があれば撮影チャンスとなるので、Nikon双眼鏡とOlympus PEN E-P5持参でいつもの近くの山に出かけました。

iPhone 11 Night Mode

雲さえなければ、この辺りに見えるはず。星を被写体としては久しぶりに使うOlympus PEN E-P5を三脚に載せて、カメラを設定しました。マニュアルフォーカスに設定し、無限遠でピント合わせしようとしても付近に明るい被写体がない。仕方なく、稜線でピントを合わせて、雲が切れるのを待機。

SkySafari

数分待っても雲が切れず、カメラの電源が自動的に切れました。再び、電源を入れると無限遠にピントが合ってない。私としたことが、レンズリセットがオンになっていました。また、ピント合わせしながら雲が切れるのを待っていたら、そのうちに雨粒がカメラの上に。

午後9時前には止むを得ず、退散しました。今夕の方が、天候条件が良さそうなので、観察と撮影に再挑戦します。今夜はポータブル赤道義、持参予定です。97年のHale-Boppはデトロイト郊外で飽きるほど見たけれど、写真撮影していないので、今回は何としても撮影したいと考えています。これだけ尻尾が長い彗星を観察できるのは人生最後の機会かもしれない。

世界各地で撮影された彗星の画像はSpaceweather.comで閲覧できます。

C/2020 F3 (NEOWISE) — Part 2へと続く。

C/2019 Y4 (ATLAS) — Part 1

Twitterでフォローを始めたTerry Lovejoyさんの遠隔操作での観測によると、増光すべきC/2019 Y4が急速に減光しているそうです。3月29日7.9等 > 3月31日8.1等 > 4月3日8.4等 これは良くない兆候です。現在の傾向が続けば、最大光度は2-4等級になるのではないかと予想されています。


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What is Karl talking about C/2019 Y4 (ATLAS)?

C/2012 S1 (ISON)が太陽に接近して蒸発消滅した2013年11月に、最新情報を求めて辿り着いた、米国海軍研究試験所の天体物理学者、Karl Battams氏のTwitterから目が離せない状況が6年4ヶ月ぶりに再び訪れました。

March 31, 2020

話題沸騰中の彗星は、およそ2ヶ月後の5月31日(UT)に、水星よりも太陽に近い0.25AUで近日点に達するC/2019 Y4 (ATLAS) 彗星。iPadOS用SkySafariによると、3月31日現在の推定眼視等級は+7.8等、キリン座方向に見え、火星軌道の外側にあります。4月から5月末にかけて北半球では肉眼でも観察できる大彗星になる可能性があります。

May 15, 2020

5月15日夕方には+3.0等で北西の空にこんな風に長い尻尾をなびかせる姿が見れれるかもしれません。近日点通過時の推定眼視等級は-0.3等となっています。

C/1844 Y1

特筆すべきは軌道周期がおよそ4,400年であり、1844年の大彗星(C/1844 Y1)と同じ軌道要素であることです。これが意味するのは、同じ母天体から分裂した彗星であるかもしれないということです。

Twitterアカウント(@monomaniac12)登録しました。

C/2019 Y4 (ATLAS) — Part 1へと続く。

Comet 46/P Wirtanen — Part 4

Single Exposure f/2.8, 50s, 60mm, ISO 1600

彗星46/P Wirtanenが近地点を通過する16日は天候条件が芳しくないので、15日夜におうし座のプレアデス星団とアルデバランに近づく彗星を撮影しました。ふたご座流星群の撮影も同時進行で継続しましたが、極大日を過ぎると流星の数が激減して広角レンズの視野に捉えることはできませんでした。

f/2.8, 60mm ISO 1600, 50s x 20, Stacked with StarStaX, Tracked on iOptron SkyTracker

60ミリ(換算120ミリ)のマクロレンズでちょうど二つの明るい星団と彗星を同じ視野に配置することができました。露出50秒の画像ファイルを20枚、比較明合成(Lighten)でスタックすると、彗星が際立ちます。この日は月明かりの影響か、肉眼では確認できませんでした。

f/2.8, 60mm ISO 1600, 50s x 20, Stacked with StarStaX, Tracked on iOptron SkyTracker

同じ20枚の画像ファイルをAverage, +0.7EVの露出で合成すると、プレアデス星団の雲もはっきりと見えるようになります。

f/2.8, 60mm ISO 1600, 60s x 5, Stacked with StarStaX, Tracked on iOptron SkyTracker

ついでにオリオン大星雲も。こちらは露出60秒の画像ファイルを5枚、スタックしてあります。

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Comet 46/P Wirtanen — Part 3

Single Exposure f/2.5, 45mm ISO 1600, 40s

Nikon D7000とTokinaの超広角ズームレンズでふたご座流星群の三脚固定撮影中に、Olympus PEN E-P5はiOptron SkyTrackerに載せて、45mm(換算90mm)のレンズで彗星46/P Wirtanenを追尾撮影しました。この画角で思惑通りにプレアデス星団とアルデバラン、そして増光中の彗星を捉えることができました。露出40秒でインターバル撮影している時に、運良く、ふたご座流星群に属すると思われる流星が写りました。

f/2.5, 45mm ISO 1600, 40s x 20, Stacked with StarStaX, Tracked on iOptron SkyTracker

iOptron Polar Scopeを参考にした極軸合わせが成功し、換算90ミリのレンズで20枚の画像(およそ14分)を比較明合成しても星はほぼ点像に写っています。Photosで編集して緑に輝く彗星がより際立つようにしました。この日は肉眼でも位置さえ把握していれば、彗星を確認することができました。肉眼ではぼんやりとした白っぽい雲状に見えます。

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Geminids 2018 — Part 2

f/2.8, 20s, 16mm, ISO 1600

ふたご座流星群極大時刻(12月14日21時頃)のおよそ23時間前の昨夜22時頃からいつもの撮影地で流星群の観察と撮影を開始しました。間もなく近地点を通過する彗星46P/Wirtanenも同時に撮影します。流星群の撮影にはNikon D7000と超広角ズームレンズ、Tokina AT-X 116 PRO DXを三脚に載せて固定撮影。

f/2.8, 20s, 16mm, ISO 1600

撮影開始1時間後に意図した通りの構図にシリウスよりも明るい火球クラスの流星がオリオン座の方に流れました。広角レンズでこれだけの大きさの流星を撮影したのは久しぶり。上の画像に写っているカメラはポータブル赤道儀、iOptron SkyTrackerに載せて彗星を追尾撮影中のOlympus PEN E-P5。今回は自作のレンズヒーターを二つ、使用しましたが、片方の電源として使っていたモバイルバッテリーが充電不足が原因で、電池切れとなりました。直後にレンズが曇ったので、早めに撤収しました。

f/2.8, 20s, 15mm, ISO 1600

天気予報通りに日が変わる頃までは空は晴れて澄んでいました。帰宅後に天候が急変して雨が降り出しました。

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Geminids 2018 — Part 1

今年のふたご座流星群は期待できそうです。極大時刻が12月14日21時頃で、輝度40.54%の月は当地では22:53に地平線の下に沈みます。西に山が連なるこの辺りでは22時頃には山の向こうに沈むので、天候条件さえ良ければ、ZHRが100を超えるかもしれません。

Taken on December 14, 2014

これだけ条件が揃っているふたご座流星群は2014年以来でしょうか。天候条件が良さそうな今夜から観察と撮影を始める予定です。カメラ二台体制で片方は彗星46/P Wirtanenを追尾撮影し、もう片方は三脚固定で流星を狙おう。

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Comet 46/P Wirtanen — Part 2

ISO 1250, 25mm, f/2, 60s x 5 Stacked with StarStaX, Tracked on iOptron SkyTracker

二日前と比べて若干、増光した彗星46P/Wirtanenがプレアデス星団に接近しています。今回は25mm(換算50mm)のレンズで、プレアデス星団とアルデバラン、46P/Wirtanenを同じ視野に入れることができました。制限はありますが、何とかStarStaxがMojaveでも機能しているようなので、5枚の画像をスタックして補正しました。尚、StarStaxはダーク引きがMojaveで機能しないようです。

彗星の光度は4等星ぐらいだと思われますが、加齢と共に瞳孔が開いても小さくなった私の肉眼では確認できませんでした。慣れた人なら双眼鏡では容易に確認できます。

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Comet 46/P Wirtanen — Part 1

滅多に見れない肉眼彗星が北半球の各地で観察、撮影されています。彗星の名は46P/Wirtanen。SkySafariの予想では今夜の光度は+4.2等。光害が少ない場所なら肉眼でも辛うじて見える光度です。12月16日の近地点では地球との距離が0.0775AUとなるそうですが、この距離は科学的に記録されている彗星の中では10番目に近い。地球に接近する彗星で肉眼等級まで明るくなった彗星はたった二つしかないので、46P/Wirtanenは三つ目ということになります。次に肉眼等級まで明るくなることが予想されているのは、2061年の104P/Kowal 2。詳しくはこちら

いつもの撮影地で私も彗星46P/Wirtanenの撮影に挑戦しました。オリオン座と同じ視野に彗星を入れようとすると、17mm(換算34mm)のレンズでぎりぎりでした。Kenkoの双眼鏡(Pro Field 7×32)を使えば目視で確認できましたが、慣れた人でないと困難かもしれません。SkySafariを参考に、リゲルとアルデバランと共に三角形を形成する辺りに淡い星雲のような彗星を捉えました。写真撮影すれば、緑に写るのですぐにわかります。

近地点を通過する16日頃はプレアデスに接近するので、60ミリ(換算120ミリ)の明るい望遠レンズで、同じ視野に彗星と星団を収めることができそうです。

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Orionids 2018 — Part 2

午前2時に起床し、天体撮影用カメラ機材一式を車に載せて、近くの山へ。空は快晴、三脚固定撮影を開始する頃には輝度92%の月はすでに山の下。オリオン座流星群輻射点が中央になるよう、カメラの向きを変えた時、結露防止用の自作レンズヒーターが動いたのか、視界に入ってしまいました。

焦点距離を望遠端の16.0mm (換算24mm) に変更してインターバル撮影を続けましたが、捉えた流星はオリオン座流星群に属するものではないようです。速度が速いので、瞬きしている間に見逃す流星もあったかもしれませんが、およそ一時間と少しで、目視で確認した流星は4個。大体、大方の予想通りの数値です。

薄明が始まる頃まで撮影を続ける予定でしたが、雲の量が増え、気温が一気に下がり、寒さに負けて、午前4時過ぎには機材をかたずけて退散することにしました。

画像はすべて、Photosで現像及び加工しました。天体写真もApertureと同様の加工ができるようになり、Photosの利便性が高まりました。

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Orionids 2018 — Part 1

今年のオリオン座流星群は極大日時が10月22日02時(JST)で、極大時刻は条件が良いものの、輝度90.69%の満月に近い月明かりが邪魔になりそうです。この流星群は比較的明るくて速度が速い流星が多く、ピークがなだらかなことが特徴です。

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Perseids 2018 — Part 2

P8140034

ペルセウス座流星群極大時刻に近い12日夜から13日未明にかけては、当地では天候条件が芳しくなく、撮影と観察を諦めました。12日午後10時頃は晴れていましたが、仮眠から目覚めた午前2時半頃は星は一つも見えない曇天でした。翌日13日は放射点が昇り始めた午後11時半頃から、久しぶりに空が開けた近くの空き地で撮影を始めました。カメラ機材は、Olympus PEN E-P5とK&F Concept Nikon (G) マウントアダプターを介したTokina AT-X 116 PRO DXの組み合わせで、三脚に固定してインターバル撮影を行いました。絞りはf/2.8開放、ISO 1600固定、露出は20〜25秒。レンズ焦点距離は11mm。(35ミリ換算で22mm)大接近中の火星が南の空で輝いています。写っているのは先客の車。同好者のようで、流星群を撮影されていました。

P8140074

残念ながら流星はカメラで捉えることができなかったのですが、目視ではおよそ1時間半の間に10個ぐらいは確認しました。

P8140060

天頂付近から南の方に下がってきた夏の大三角形を視野に入れると、レンズが夜露で濡れますが、自作のレンズヒーターが活躍してくれました。上の画像はすべてRAWで撮影したファイルをPhotosで現像及び加工しました。レベルとカーブを大胆に補正して初めて、天の川が見えるようになります。以前は肉眼でも天の川が見えていましたが、加齢と共に瞳孔が開かなくなるので、今では目視で天の川を確認するのは困難になりました。カメラに例えれば、若い頃は絞り値が開放1.2だったのが、歳をとると、眼球の経年劣化による暗視能力低下で、開放3.5とかになります。暗視能力の低下は老眼の進行具合とほぼ同時に進むように思います。まだ老眼が始まっていない人は、今のうちに天の川を見ておきましょう。

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Perseids 2018 — Part 1

今年のペルセウス座流星群極大時刻はJST8月13日午前10時頃なので、12日深夜から13日夜明けまでが観察するには最適の時間帯になります。新月なので、天候以外の条件は揃っています。

8月12日に予定されていた、西はりま天文台のスターダスト2018は天文台での開催が中止になったそうです。西日本豪雨の影響で、天文台へのアクセス道路が未だ、一部通行止になっているそうです。

上の画像は2013年に撮影したペルセウス座流星群の合成写真。比較明合成が可能なMac用フリーウェア、StarStaxを使用しています。最新バージョンはこちらからダウンロード可能。

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Mars Close Approach

手持ちのiPhone 7でも撮影できるほど明るい火星

本日、7月31日は15年ぶりに火星と地球が接近する日。距離はおよそ5,760万キロ。5,580万キロまで接近した前回の2003年は、およそ6万年ぶりでした。前回ほどではないとしても、月明かりにも負けない赤く輝く火星が南東の空に見えています。高度が上がる午後10時以降が見頃です。最接近時の今夜は木星よりも明るいマイナス2.8等級。

私にとって記憶に残る火星大接近は、5,620万キロまで近付いた1971年8月。買ってもらったばかりの屈折式天体望遠鏡で火星を見て、会員だった大津天文同好会先輩諸氏の指示を受け、スケッチを描いたのを覚えています。赤道儀付きだったとは言え、小さな口径の望遠鏡では倍率が低く、スケッチが描けるほどの鮮明な像は得られなかったのに、もっともらしい絵を描いていたように記憶しています。