THE TOASTMASTER MODEL 1-A-1

THE TOASTMASTER MODEL 1-A-1

1990年代後半にミシガン州デトロイト郊外で定期的に開催されていたアンティーク・フリーマーケットで、複数台のヴィンテージ・トースターを買い、日本に持ち帰りました。画像のトースターは1929年発売のTOASTMASTERブランドのモデル1-A-1。1995年出版の”Toasters and Small Kitchen Appliances — A PRICE GUIDE”に掲載されている当時のカタログには以下のように紹介されています。

“Toasts automatically without watching or turning. Drop the bread into the slot and press down the two levers, the toast will pop up automatically when finished.”
じっと見ていなくても、向きを変えなくても自動的にトーストが焼き上がります。パンをスロットに入れて、二つのレバーを押し下げます。トーストが仕上がると自動的に飛び出します。

自宅で埃まみれになっていたこのトースター(THE TOASTMASTER MODEL 1-A-1)をクリーニングして、メルカリで売却する予定です。モデル名から推察すると、TOASTMASTERのポップアップトースターとしては最初期のものだと思われます。調べてみると、ポップアップトースターとしては世界初の製品であることがわかりました。

THE TOASTMASTER MODEL 1-A-1

6本のマイナスネジを緩めてトッププレートを取り外しました。

金属磨きの固形ピカールを塗布後、フェルトのビットを取り付けたミニルーターで全体を磨きました。

THE TOASTMASTER MODEL 1-A-1

レバーの素材は、L. H. Baekelandが発明した”Bakelite”「ベークライト」であると思われます。辞書によるとベークライトとは、「フェノールとホルムアルデヒドから作るフェノール樹脂の商標名。発明者ベークランドに因んだもの」とあります。Wikipediaによると「合成物質から作られた世界初のプラスチック」だそうです。

THE TOASTMASTER MODEL 1-A-1

100年近く前の電源コードのプラグに使われている素材もベークライトだと思います。非伝導性且つ耐熱性である性質から電気製品にも使われたそうです。

THE TOASTMASTER MODEL 1-A-1

電源コードの長さはおよそ2.6メートル。ベークライト製プラグが付いたこの古いコード自体もコレクターアイテムになっているそうです。

THE TOASTMASTER MODEL 1-A-1

裏側の蓋は着脱式ではない。もう少し、後に製造されたトースターの中には裏蓋が着脱式になっていて、パンクズが掃除しやすくなっているものもあります。