StarStaX OS X Mavericks Experimental Version 0.60

StarStaXicon

貴重なMac用、天体写真合成フリーウェアである、StarStaXのMavericks対応試作バージョンが作者のMarkus Enzweiler氏のサイトからダウンロードできるようになっています。OSをMavericksにアップデート後、Version 0.60が起動できなくなり、困っていました。

先日、同氏のサイトでMavericks対応試作バージョン0.60を見つけ、ダウンロードしようとしたらそれがなぜかできなかったのですが、昨日、ダウンロードできました。

StarStaX

ダウンロードしたファイルをダブルクリックして立ち上げようとすると、見慣れない警告がありました。未確認の開発者からダウンロードしたファイルは開けない?(Mavericksで加えられた過保護でお節介な機能の一つ。)

StarStaXopen

こういう時はControlキーを押しながらファイルのアイコンをクリックし、Openを選ぶと起動します。一度、この方法で起動させれば、次回からはダブルクリックで起動できます。

securitysetting

あるいは、System Preferences… > Security & Privacy設定画面で”Allow apps downloaded from:”のAnywhereを選択すれば、どこからダウンロードしたファイルも開くことができます。しかし、セキュリティー上、問題が発生するかもしれないので、個々の開発者毎に設定できる、「Controlキーを押しながらファイルのアイコンをクリックしてOpen」がより安全です。

Orion Trail

作者の方が言われているように、試作バージョンであるにも関わらずMavericks上で問題なく動作するようです。Mavericks正式対応版はversion 0.70として12月下旬に公開されるそうです。12月下旬ならISON (C/2012 S1) には間に合いそうにないので、試作バージョンが問題なく動作して良かった。

Comet ISON (C/2012 S1) — Part 1

ISON C/2012 S1

昨日の早朝、4時過ぎに撮影した画像にISON (C/2012 S1) らしきものが写っていました。100%等倍の虫眼鏡で拡大しなければ確認できないほど小さな雲状の淡い光です。Apertureに取り込んだ時にひょっとしてと思っていましたが、近日点通過1ヶ月を切って、こんなに暗いはずがないだろうから、それがISONであると認めたくはなかったのです。周囲の星の明るさと比べると、光度は8〜9等程度であると思われるので、やはりこれが現実なのかもしれません。近くに細い月が見えていたことと、薄い雲があったので、実際よりも暗く写っただけということにしておきましょう。何れにしても、上の画像が記念すべき一枚目となりました。

写真は現像後にコンポジットするつもりで露出20秒で複数枚をインターバル撮影しました。比較明合成するときに使っている、いつものStarStaxを立ち上げようとすると、クラッシュ。画像の合成ができるMac用フリーウェアとしては貴重なアプリケーションですが、Mac OS X 10.9 Mavericks未対応のようです。したがって、今のところ、画像を合成できない状態です。

Perseids 2013 — Part 5

Perseids 2013

昨夜も晴れていたので月が沈んでからペルセウス座流星群の観察と撮影に出かけました。この数日では最も薄雲が多く、午前1時頃から次第に雲の量が増えてきました。極大から45時間ほど経過しましたが、それでも一時間に数個はペルセウス座流星群に属する流星が流れていました。

Satellite Flare?

インターバル27秒で25秒露光の画像3枚をStarStaXを用いてスタックした上の画像に写っているのは流星ではなく、人工衛星です。光跡は北西から南東方向に進んでいます。当初、イリジウムフレアかと思い、iOS用SkySafari+で調べてみると、撮影した時刻にこの進路で移動するイリジウム社の人工衛星はなく、時刻と軌道から推測すると、GLOBALSTAR M062の可能性が高いことがわかりました。衛星のアンテナやソーラーパネルに反射した太陽光が数秒間、光る現象を衛星フレアと言います。画像一枚のみに写っていたら、流星と勘違いしそうですが、27×3秒間に渡って記録されているのだから、明らかに流星ではありません。

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Tracked for 06’45” on Vixen POLARIE

この日もポーラーメーターを用いて極軸を合わせたVixen POLARIEにカメラを載せて追尾撮影しています。広角レンズ(換算18mm)使用の場合、何分ぐらいの追尾撮影が許容範囲なのかを調べるためにスタックしてみました。上の画像は27秒間隔で撮影した15枚の画像をスタックしてありますから合計6分45秒の追尾。

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Tracked for 09’00” on Vixen POLARIE

さらに5枚を重ね合わせた合計9分00秒の追尾。周辺部が少々流れていますが、これは広角レンズの収差による影響もあります。結論ははっきりとしませんが、換算18mmであれば10分ぐらいは私の許容範囲であると言えそうです。主な被写体を視野の中央に持ってくれば、もっと長時間の追尾撮影ができると思います。

極軸はポーラーメーターを用いて合わせていますが、磁気偏角を考慮して7°ほど東に向けると真北を指すはずです。しかし、7°もずらすと北極星は明らかに少し西に見えます。ポラリエ本体かカメラ用雲台と干渉している可能性もあるので、7°ではなく、5°ぐらいの補正に留めると、追尾精度はより高くなる気がします。

Perseids 2013 — Part 3

StarStaX_5960-5978_lighten

8月13日午前0時25分から0時33分に撮影した2枚の画像をApertureで補正し、StarStaxで比較明合成したもの。意図した写真に近いものが撮れました。放射点から放射状に流星が飛んでいます。

StarStaX_DSC_6252-DSC_6262_lighten

上の画像はペルセウス座流星群極大時刻に近い2時56分から3時00分の間に撮影した4枚の画像を同様に比較明合成したもの。右上の2本はペルセウス座流星群に属するものではありません。人工衛星かもしれません。

眼視担当の同行者は8月12日午後11時頃から13日午前4時頃までの4時間半ぐらいの間に合計168169個の流星を確認したそうです。普通の人が一生の間に見るであろう数の流星を一晩で見たのかもしれません。私もこれだけの数の流星をペルセウス座流星群極大日に見たのは初めての体験です。

The Milky Way in the Rainy Season

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梅雨の合間に見える天の川を夏の大三角形と共に視野に入れました。ISO 2500、f/2.8、30秒の露出で追尾しながら撮影した5枚の画像をStarStaxでスタック(比較明合成)し、金色が際立つようにApertureで大幅に補正してあります。

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設定を変えずに天の川がより濃くなっている南東方向にカメラ(Nikon D7000)を向けて一枚。東から南の空に向けると光害の影響を受けてしまいます。

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こちらはVixen POLARIEを用いて追尾撮影した10枚の画像ファイルをスタックしたもの。より多くの星が写っていますが、前景に入れた樹木が流れています。

Orionids 2012

IMOの集計結果をみると、今年のオリオン座流星群のピークはUTC10月20日(土)13時20分頃(JSTでは同日22時20分頃)だったようです。(追記:ピークを確定するのは時期尚早のようです。)10月19日(金)から21日(日)まで雲がほとんどない気象条件に恵まれ、深夜は月明かりに邪魔されることもなく、最適な観察条件が揃っていました。天の川が見える自宅近くの観察地にこの3日間、夜な夜な出かけました。しかし、この絶好の観察条件から期待できるほどの数は見ることができず、少々期待外れでした。

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19日(金)と20日(土)の深夜は夜露に悩まされながらの撮影になりました。20日午前2時20分頃に捉えたオリオン座流星群に属すると思われる流星。放射点に近いので軌跡は短いけれど比較的明るい流星でした。

去年の10月23日に撮影した上の画像は、NASAのMarshall Space Flight Centerが管理するグループ、”Orionid Meteor”から招待を受け、グループに投稿しました。この画像もレンズに付いた夜露を拭き取りながら撮影しました。

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9月20日(土)はメイン機材として使用しているNikon D90用のSDカードが突然読み取れなくなりました。(後日、別のカメラでSDカードをフォーマットしてから、再びNikon D90でフォーマットし直せば読み取れるようになりました。)サブカメラのRicoh GR Digital IIIでインターバル撮影した画像の一枚に暗い流星が写っていました。たぶん、おうし座流星群(南群)に属するものです。

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21日(日)はOM-Dユーザーのminority318さんが同行。3時間近く、撮影に専念しましたが、公開できるような明るいオリオン座流星群に属すると思われる流れ星は撮ることができませんでした。目視では数個、確認しています。それでも、満天の星空に大いに満足。上の画像に写っている流れ星ももおうし座流星群(南群)に属するものと思われます。

Orion Is Rising

30秒間の露光でおよそ100枚、撮影した画像ファイルをStarStaxで合成。東の空にオリオン座が昇って来る様子がわかります。画像中心から少し左の一際明るい星は木星。

Horsehead Nebula (Courtesy of minority318)
Photo taken with Olympus E-M5 (Courtesy of minority318)

同行者がOlympus OM-Dで撮影した馬頭星雲が綺麗に写っています。f/5.2、ISO 2000、60秒の露光。ポータブル赤道儀(Vixen POLARIE)を使って追尾しています。レンズは換算72mm、極軸は磁北に合わせただけですが、60秒の追尾には耐えられそうです。

今夜はAppleのSpecial Eventが日本では日が変わって24日の午前2時から始まります。極大日時の特定が難しく、ピークの前後数日の期間もまだまだ流れるオリオン座流星群を観察+撮影しながら、イベントの様子をiPhoneで確認しようかと計画しています。

September ε–Perseids

ZGR-1b

先月の発売直後に購入しておいたNikon DSLR用のGPS兼リモコンユニット、ZGR-1b(製品自体はDockケーブル)を星空撮影で初めて試すことができました。パッケージがApple製品そのもの。

ZGR-1b

この特殊形状の端子をカメラ(Nikon D90)ボディー側面にあるアクセサリーターミナルに接続し、もう片方の端子をiPhone 4に接続しました。iPhoneに予めインストールしておいた専用のAppを立ち上げて露光時間(シャッタースピード)とシャッターリリースの間隔、撮影枚数を設定。iPhoneから読み取ったGPS情報が撮影したそれぞれの画像ファイルに埋め込まれます。露光時間30秒、撮影枚数120に設定し、カメラボディーにはなかったインターバル撮影の機能を試してみました。

September ε–Perseids

日周運動の撮影はすぐに飽きるかと思っていましたが、撮影時の条件を変えると多種多様な写真が撮れてなかなか楽しいものがあります。今回は、Tokina AT-X 116 PRO DXを換算16mmの広角端に設定し、西の空を撮影しました。上の画像はStarStaxを使ってコンポジットしたもの。画像の中心部を右上から左下へと向かう白っぽい帯は天の川。左の方に何か明るい光が長い軌跡を残して流れています。

September ε–Perseids

合成する前の画像がこちら。超広角レンズでこんなに明るくて長い軌跡を残しているので火球と言っても差し支えないと思います。しかし残念なことに、目視では確認していません。Vixen POLARIEに載せたSony DSC-RX100を操作中でした。天の川とほぼ平行する軌跡を考慮すると、9月9日が極大のペルセウス座エプシロン流星群(September ε–Perseids)に属するものと思われます。軌跡がこんなに長い流星を捉えたのは記憶にないほど久しぶりのことです。

ZGR-1とiPhoneを用いたインターバル撮影は、流星狙いには適していると感じました。シャッターをリリースすれば、iPhoneをケーブルから外しても設定した撮影枚数に達するまで、自動的にインターバル撮影を続けます。Notification Centerをオンにしておけば、撮影が終わるとiPhoneが撮影終了を知らせてくれるので、撮影者は目視での流星観察に専念できます。

ZGR-1b, GPSユニットとタイマーリモートコントローラー/ニコンカメラ向け/iPhone用アクセサリー/対応するカメラ:Nikon D7000, D5100, D5000, D90, D3200, D3100

Star Trail Photography

Star Trail 081912

天体写真を趣味にする人は誰もがいつかは撮る星の軌跡を記録した写真。デジタルに移行してから私にとっては記念すべき初めての一枚です。この種の写真は天文少年だった頃にAsahi Pentaxのフィルムカメラで撮り飽きてしまい、星がぐるぐる弧を描くだけでつまらない写真だと決めつけていました。と言うのは自分を納得させるための口実であり、実際はデジタルカメラの時代になり、長時間の露光は熱ノイズの原因となるので、一回のシャッターリリースで数分程度しか露光できず、撮影したくてもできない状況でした。また、短時間露光させた複数の画像ファイルを合成するMac用のソフトウェアも手元になかったのです。

Mac OSで容易に利用できるフリーの天体写真用合成ソフトウェアは存在しないと思い込んでいたら、ありました。二つも。一つはApertureのプラグインとしても使用できるonOne SoftwareのPerfect Layers 2。もう一つはマルチプラットフォームで動くStarStaxという個人が製作された星の軌跡を画像にすることを主な目的としたソフトウェア。前者(Perfect Layers 2)は星の写真を加工することを主目的としたものではなく、動作が重いのが欠点のようであり、出来上がった合成画像ファイルはAdobe Photoshopの拡張子(.psd)が付きます。後者(StarStax)はUIが非常にシンプルでわかりやすく、動作が軽快なので、試行錯誤しながら簡単に使い方を習得することができます。

上の画像は換算28mmの単焦点レンズを搭載したRicoh GR Digital IIIを三脚に固定し、f/1.9、ISO 400、SS: 30秒間でインターバル撮影した合計130枚の画像を、StarStaxを用いてLighten(比較明合成)の設定でコンポジットした画像ファイルです。およそ2時間半の星の軌跡を記録したことになります。弧の角度は約38度。この時間帯(午後10時半頃から午前1時頃)は北極星が天の北極から少し東側にずれているのがわかります。右上を反時計回りに回転する比較的明るい星座はカシオペア座。

次回は前景となる景色の品定めを十分に行ってから撮影してみたいと考えています。