Perseids 2012

IMOによると、今年のペルセウス座流星群の予想極大時刻はUT8月12日午後12時から午後2時30分(JSTでは午後9時から午後11時30分)の間となっています。輝度17.57%の月の出はJST翌日午前1時42分なので、月明かりの影響をほとんど受けることなく、観察できそうです。

ペルセウス座流星群はすでに活動期に入っており、ピークに集中する流星群ではないので、極大日時の前後数日間は、流星観察が可能です。しかし、過去数年間は月の明かりが邪魔であったり、曇っていたりしてZHR3桁クラスの流星群らしさは体験できていません。今年は月の光の干渉が少ない分、期待できそうです。

Vixen Quick Polaris Locator Compass

Vixen POLARIE

北極星覗き穴が使い辛くて実用的とは言えないポラリエに別売のポーラーメーターを導入することにしました。ポラリエに付属する小さなコンパスと傾斜計を使って極軸を合わせることは不可能ではありませんが、精度を考えると専用のポーラーメーターを使った方が手っ取り早いし、アクセサリーシューを有効利用することができます。

Vixen Quick Polaris Locator Compass

使い方は簡単。ポラリエ本体のアクセサリーシューにポーラーメーターを差し込み、傾斜クランプを緩めて傾斜計の目盛が使用する場所の緯度になるように設定。クランプを時計方向に回して傾斜角度を固定します。傾斜計の目盛は5°単位(±70°以内)です。赤緯方向は大まかな合わせ方になっています。

Vixen Quick Polaris Locator Compass

傾斜計で角度を設定すれば、後は三脚に固定している雲台を緩めて、ポラリエ本体がほぼ北を向くようにコンパスを見ながら調節し、同時に水準器の気泡が水準器指標の中心に来るようにすれば、極軸合わせが完了します。

Vixen Quick Polaris Locator Compass

コンパス方位目盛は1°(100ミル)単位で読み取ることができます。取扱説明書によれば、「コンパスは地磁気の性質を利用して北を指す機器ですが、厳密には磁気偏角と呼ばれる分量だけ真北からずれた方位(磁北)を指します。磁気偏角は地域により異なり、日本国内におけるコンパスの指す向き(磁北)は真北から3〜9度西に傾いています。」とのこと。磁気偏角については国土地理院のホームページで公開されているとのことで、調べてみると私が住む地域は西偏7度20分。東の方に7度20分、ずらせば良い。赤経方向は高い精度で合わせることができそうです。

Vixen POLARIE

ポラリエ本体内蔵の傾斜計も大体同じ傾斜角度になっています。設定時はLEDが赤く点灯します。

Vixen POLARIE

これでいつでも星の撮影に出かけられますが、暫くは月明かりの影響で星の撮影は困難。8月12日から13日にかけて極大となるペルセウス座流星群の頃にポラリエとポーラーメーターをデビューさせる予定です。8月14日明け方の金星食にも活躍しそう。その前に、Nikonのリモートコードを用意して、Apertureで画像ファイルを合成する方法を練習しておかなければなりません。

Perseid Below

Credit: Ron Garan, ISS Expedition 28 Crew, NASA

流星観測や撮影を趣味にする地上の我々はこの日(8月13日夜)、避けようがない満月の明かりに悩まされながら、少しでも月明かりの影響が少ない方角を見上げていました。条件が悪くない年なら一時間に数十個は見れるのに、今年は数個程度。流れ星がほとんど見えないので、代わりにISS (International Space Station)を観察した人も多くいたはずです。そのISSに搭乗する宇宙飛行士Ron Garan氏がペルセウス座流星群に属する明るい流星をNikon D3Sで撮影。

ISSは高度約380kmの軌道を周回。スイフト・タットル彗星が残した塵が、大気圏内で光るのは、より大気の密度が高い、地表からおよそ100kmの高度。(ISS軌道の高度よりもずっと地表に近い。)地球を見下ろすと流星が見える、何か不思議な感じがします。流星は画像中心の少し右、airglow(夜光)が緑に輝き、流星の直ぐ上の方に牛飼座アルクトゥルスが見えます。右上フレームの外、ソーラーパネルの向こう側から太陽光が射しています。この画像は8月13日、北京の北西約400kmの上空で撮影されたそうです。

画像をダウンロードしてApertureのライブラリーに入れてみると、同日の午後8時30分頃に撮影した満月の写真のすぐ前に取り込まれました。Exifを見ると、撮影時刻は8/13/11 7:13:37 PM GMT+09.00、ISO 6400、焦点距離22.0mm、f/2.8、シャッター速度1.0sとなっています。このカメラ設定データから推測すると、流星は偶然に捕らえたものと思われます。

Perseids 2011

P8130131

満月を背にして西の空を撮影している時に不思議な飛行物体を見ました。山のすぐ上の明るい星は牛飼座アークトゥルス。そのアークトゥルスと同じぐらいの光度の星のようなものがゆっくりとした速さで南の方に移動する様子を撮影しました。目視では動いていることがわからないほど遅い速度。上の画像の撮影時刻は、Exifによると8月13日午後10時00分50秒。露出30秒間でこの移動距離ですから、飛行機や人工衛星ではありません。

P8130132

次のコマの撮影時刻は、午後10時02分02秒になっています。露出は同じ30秒。この日はISS(国際宇宙ステーション)が上空を通過するのは知っていましたが、撮影地での通過予想時刻は午後8時15分から午後8時20分(南西から北東)なので、時刻が一致しません。このような奇妙な光る物体が写真に写ったのは、2009年のオリオン座流星群の時以来です。しかし、あの時は目視で確認した訳ではないので撮影機材が原因とも考えられますが、今回は肉眼でも確認しているので実際に光る物体がゆっくりと移動したのは間違いありません。

Perseids 2011

近くの山では目視で確認できた流星は2時間弱で4個。撮影に成功したのはその内の1個。やはり、満月の明かりが強烈すぎて普段なら見える星が見えません。早目に帰宅して一旦、画像ファイルをiMacに取り込んでから、今度は自宅軒下で撮影を再開。上の流星は軌跡から推測するとペルセウス座流星群に属するものです。

そしてこちらが火球クラスの明るい流星!どこに?と言われそうですが、撮影者にとっては大きな収穫です。画像左下の樹木に突き刺さるような感じで右上から左下に。

カシオペア座とペルセウス座、右下の明るいのが木星。構図としては面白い写真ですが、写っている流星はペルセウス座流星群に属するものではないと思われます。自宅軒下では東の空を主に約2時間の観察で確認できた流星は4個ほど。すべて写真に撮影することができました。

次の大きな流星群は10月8日極大日を迎えるジャコビニ流星群(10月りゅう座流星群)ですが、この日も満月に近い月明かりが邪魔になりそうです。しかし、今年はかなりの数が期待できるかもしれないと考える研究者もおられます。

Getting Ready for Perseids 2011

DSC_0011

8月12日午前1時〜2時頃:南の空に明るい月と街灯、空は雲が多いという最悪の状況で、カメラ二台体制でペルセウス座流星群を狙ってみましたが、結果はご覧の通り。上の画像はNikon D90 w/Tokina AT-X 116 PRO DXを用いて、ISOを低めの800でRAW撮影したもの。放射点を枠に入れてみましたが、空が明るいので暗い星が写りません。合計100枚ほど撮影しましたが、写っていた流星は1個、目視で確認できたのも1個でした。

8月13日午前1時40分:昨日よりもさらに条件が悪い極大日当日の早朝。空は雲に覆われ月も見えません。去年も極大日は雲に覆われていました。今夜は天気予報では快晴なので期待できます。

8月13日午後8時30分:

Full Moon

満月の眩しい光が邪魔。これから撮影に出かけます。

Moon and Perseids 2011

月齢と月の出、月の入りがわかるシンプルなiOS Appを探していて、見つけたのがこの”Moon“というネーミングのたいへんわかりやすいアプリケーションです。iPhoneとiPadの両方に対応していますが、画面は横置きのみに対応。

上のiPhoneスクリーンショットは、2011年度ペルセウス座流星群極大の頃の月齢。月の出午後5時39分、月の入り午前4時30分で輝度が95.1%なので、観測条件としては最悪。年間三大流星群の一つでもあり、ZHR100ぐらいが予想されていますが、そのほとんどが月明かりで見えないという残念な状況です。しかしながら、月の位置と逆方向を観測すれば、明るい流星がいくつか見えると思います。

ペルセウス座流星群はすでに活動期に入っており、現在も条件が良ければ一時間に10〜15個ぐらいは見えるかもしれません。IMOのグラフが参考になります。

Let's Go and See the Milky Way!

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肉眼で天の川が見えるところに行ってみようということで、親しくしている人に教えていただいた兵庫県立西はりま天文台公園にやって来ました。中国自動車道佐用インターから10分ほど、見晴らしが素晴らしい大撫山の山頂に天文台公園はありました。

自宅からの距離は200km近くありましたが、道のりのほとんどが帰省渋滞とは逆方向に向かう高速道路だったので、給油と休憩時間を含めてもおよそ3時間で到着。(帰りは現地を深夜に出発したにもかかわらず、中国自動車道上り、神戸三田から豊中までの大渋滞に巻き込まれました。それでも帰路は4時間半ぐらい。)

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超広角レンズでの撮影、なかなか面白い。主な被写体は中央付近に配置させないと、周縁部が歪みます。被写体が星なら問題ありませんが、人物の場合は要注意。Tokina AT-X Pro 116 DXは写りがかなりシャープな印象を受けました。

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右手が天文台北館、洋風寺院をイメージした建物だそうです。写真はRicoh CX1で撮影。左は2メートルの公開望遠鏡「なゆた」を備えた天文台南館。この建物で開催された天体観望会にも参加しました。今夜の星空について説明する研究員は、iMacを使用していました。オープンソースのStellariumも。

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車を3時間ほど走らせれば、肉眼で天の川が見える場所があることに驚きました。天文台を背景に満天の星空、これだけで十分に満足。写真は過度な補整はしていません。肉眼でもこのくらいは見えていました。

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午後9時に駐車場が閉門になるので、門の外に車を移動。撮影機材を公園内に運びました。しばらくすると、駐車場の街灯が消され、午前零時頃には天文台の照明も消え、懐中電灯がないと歩くことすらできない暗闇。星空の観察や撮影には理想的な環境です。

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ペルセウス座流星群の流星と思われる星を数個、確認しました。中でも午前零時頃に現れた火球は、私がこれまでに見たものの中で最大級でした。青白く光る閃光が爆発し、一瞬、稲妻かと思ったほど。残念ながら写真には流星は写っていません。天頂付近にレンズを向けると、夜露でレンズが曇るので、レンズ保護フィルターをクロスで拭いていた時でした。

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この前、入手したsnow peakのLow Chair 30、なかなか快適でした。だらしなく座ると、天頂付近を仰ぐことができます。中国自動車道の渋滞を考えると、朝までいれば良かったと少し後悔。

Perseids 2010 Wrong Settings?

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Nikon D90 w/Tokina AT-X 116 Pro DX F2.8とOlympus PEN E-P1 w/17mm F2.8の二台体制で午前零時頃から午前2時過ぎまでのおよそ2時間で合計273枚を撮影し、捕らえた流星は2個。そのうちの一個がペルセウス座流星群に属すると思われる、非常に明るく、ゆっくりとした速度で地平線に向かって流れたオレンジ色の流星です。上の写真は、Aperture 3.03でレベル補整などを試みましたが、逆にノイズが目立ち、うまく補整できません。

メタデータを見ると、ISO 1250、焦点距離14mm(換算21mm)、f/2.8、露出20秒になっています。ISOを上げ過ぎていて、露出が短く、後から無理に補整しようとすると、ノイズが現れます。熱ノイズも別の原因として考えられます。撮影時の気温を考えると、ISO1250は上げ過ぎなのかもしれません。

Perseids 2010

8月13日、午前2時頃からペルセウス座流星群の撮影と観測開始。空は一面の厚い雲に覆われて、木星が時々、見え隠れする程度。カメラを準備している時に雲の合間を流れる非常に明るい星が一つ。雲が切れたのは30分程度でしたが、肉眼で確認できたのは一時間で10個ほど。

Tokina AT-X Pro 116 DXをNikon D90に装着しての、初めての撮影となりましたが、上の写真を含め、残念なことに流星は一個も写っていません。広角レンズでのピント合わせはほぼ、不可能のような気がしました。観測地は街灯がないところを選んだので、周囲に無限遠が設定できそうな明るい被写体が何もありません。このような状況で、ピント合わせは容易ではありません。ピントリングを無限遠の方向に回転が止まるまで回してから、少し戻しました。一枚、撮影後に液晶モニターで拡大してみると、ピントは合っているようだったので、その状態で合計45枚、撮影。

Perseids 2010

年間三大流星群の一つ、ペルセウス座流星群がぼちぼち活動期に入りつつあります。極大は世界時8月12日午後6時から13日午前7時にかけて。(日本では+9時間で13日午前3時から午後4時頃。)「通常」ピーク時で毎時100個もの流れ星が観察できるそうです。高速で流れる流星が特徴であるとか。

この流星群は過去20年間に時折、毎時150〜400を超える数の流星が出現したこともあるそうで、地球がより密度が高いダストトレイルを通過する時に、そうした大出現が発生します。今年も大出現を発生させるダストトレイルに遭遇するかもしれないと、シミュレーションをする科学者もいるそうです。しかしながら、「通常」のピークに加えるほどの著しい活動は残念ながら期待できないとのこと。

新月の8月10日が観測するには最適です。放射点が高い位置に来る夜半過ぎから早朝までが見頃。去年は月明かりに悩まされ、写真撮影は失敗しましたが、今年は月の影響がほとんどないので、撮影条件は良さそうです。

Source: International Meteor Organization

Astrophotographer

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中央にカシオペア座、右上にアンドロメダが写っています。シャッタースピード30秒、絞り開放、ISO640、今夜は快晴、まだ月が昇っていないのでピントは木星で合わせました。月よりも簡単に合焦できます。(追記:カスタム機能でレンズリセットをオンにすれば、電源を切った時にレンズのフォーカス位置をリセット(無限遠)するので、天体撮影ならピント合わせは不要になります。マニュアルを読まなかった私は無駄なことをしていました。)

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こちらは シャッタースピード30秒、絞り開放、ISO400、母屋の入り口を出てすぐのデッキの上で撮影しています。右下の黒っぽいものはガレージの屋根。ちょうど、北東の空が見渡せます。この前は手ブレ補正I.S.1に設定しましたが、どうせ三脚で固定しますから、タイマー2秒で手ブレ補正はオフの方がバッテリー消費が少なくて済みます。ノイズリダクションはオートではなくオンに設定しています。長秒時撮影の場合、メディア書き込みには露光時間と同じぐらい時間を要します。この辺りの性能はE-520も大差ありません。(追記:長秒時ノイズ低減を行うと、撮影時間は通常の約2倍になるとマニュアルに書いてあります。撮影後にノイズを取り除く動作をするとかで、処理中はカードアクセスランプが点滅し、カードアクセスランプが消えるまで、次の撮影はできないとのことです。つまり、メディアの書き込みに時間を要している訳ではなく、ノイズ低減処理に時間がかかっているということです。)

OlYMPUS PEN E-P1 w/M.Zuiko Digital 17mm F2.8

月とプレアデスがガレージ屋根の上に昇ってきました。シャッタースピード20秒、絞り3.2、ISO500、残念ながらペルセウス座流星群は今夜は見えずじまい。

Perseid Meteor Shower

肉眼では4、5個ほど確認できました。そのうちの1個はカメラを準備している時に北の空、地平線すぐ上をビューンと流れて行きました。火球の如く明るい流れ星でした。(逃した魚は必ず実際よりも大きいのと同じで、少し誇張しています。)シャッタースピード30秒〜50秒、ISO100〜1600、f/2.8〜11.0と設定を変えながら、マニュアルモードで何枚か撮影しましたが、流れ星は残念ながら写っていません。(何の参考にもなりません。)

流れ星の撮影も最難関の一つです。オートフォーカスでは合焦しないので、月を参考にマニュアルフォーカスでピントを合わせました。夜景でピントを合わせても同じだと思います。

昼間に撮影する場合と比べると、ISOを上げると高感度ノイズが目立ちます。600ぐらいが限界かもしれません。ISOを下げて、F値を下げた方がノイズは目立たないよう?バルブで数分間の長時間撮影すると、円周運動による軌跡が中途半端に大きくなるので、私の好みではありません。理想の設定値を探し当てるまでにバッテリー残量マークが赤になり、退散しました。長秒時撮影は通常の撮影よりもバッテリーの消耗が激しいことがわかりました。