The Summer Triangle

Sony Cyber-shot DSC-RX100、広角端(換算28mm)f/1.8、三脚固定で撮影した夏の大三角形をTokina AT-X 116 PRO DXを装着したNikon D90、望遠端(換算24mm)f/2.8で撮影したものと比較してみました。いずれのカメラもISO 3200、露光20秒に設定し、高感度長秒時でのノイズの出方を比べました。Nikon D90はRAWで撮影し、Sony DSC-RX100はJPEGで撮影してApertureで補正しました。できる限り、条件を合わせるため、D90で撮影した画像はRaw Fine TuningによるDe-noiseは実行していません。画角を合わせるため、換算24mmで撮影したD90の画像は少し切り取ってあります。

Summer Triangle with Sony Cyber-shot DSC-RX100

上の画像Aと下の画像Bを比べてどちらが高感度長秒時ノイズが多く現れているかといえば、結果は歴然としています。有効画素2,020万画素、1″センサーを搭載したDSC-RX100で撮影した上の画像Aは切り取っていないこともあり、周辺部にコマ収差が現れているものの、黒っぽいまだら模様の高感度長秒時ノイズはほとんど確認することができません。また、f/1.8で撮影しているのでより暗い星が写っています。

Summer Triangle with Nikon D90 and Tokina AT-X 116 PRO DX

有効画素1,230万画素、APS-Cサイズのセンサーを搭載したNikon D90の方が当然のように高感度耐性は優れているだろうと思っていましたが、結果はそうではないようです。Nikon D90で撮影した上の画像Bにはまだら模様のノイズが現れています。(Raw Fine Tuningを実行すればある程度のノイズは消すことができます。)

予想に反して意外な結果となりました。点光源の星の撮影を行えば高感度長秒時耐性、レンズのコマ収差の処理などの性能が如実に現れます。これは現実と受け止めて、Nikon D90を使って三脚固定で星の撮影をする時は今後もISO 1600ぐらいを上限に設定します。Sony Cyber-shot DSC-RX100は星の撮影に関してはサブではなく、メインの座を獲得したように思います。

RX100での星空撮影時のピント合わせは一昨日、苦労しましたが、昨夜の撮影ではアルクトゥルス(光度0.0等)を視野に入れて、拡大すればマニュアルでのピント合わせが容易にできました。カメラの向きを変える時に誤ってコントロールリングに触れてしまうと、ピント位置がずれることがあるので注意が必要です。カメラの設定は光害が少ない場所ならISO 3200、露光20秒、広角端で絞り開放(f/1.8)を標準として問題なさそうです。

追記:昨夜(7月18日)、上の写真を撮影する前に自宅敷地内で同居人が火球を目撃したそうです。時刻は午後9時半頃のことです。高度40°ぐらいの北の空にハンドボールぐらいの大きさの白っぽい火球らしきものが母屋の三角屋根に突き刺さるような光跡で飛んで行ったそうです。直後(1〜2分後)に同じような光跡で明るい流れ星が北の空に流れたそうです。たぶん、2個目も火球クラスの流れ星だと思われます。1個目のハンドボールは燃え尽きるところを見ていないそうなので、隕石となり、燃え尽きずに地上か海上に到達していてもおかしくないかもしれません。

5 thoughts on “The Summer Triangle

  1. RX100の記事大変参考になりました。GRⅣを購入しようと思っていたので、RX100の発売は実際天体写真を撮られた方の意見を参考にしたいと考えていました。星野写真を撮るにはコンパクデジカメの中では適していて、かつ一般の写真の写りも良いようですね。
    18日私も火球とまではいかないものの流星を見ました。同じ21時半過ぎだったように思いました。大阪府内で光害がありそのなかで見た流星ですから、郊外ならかなり明るかったと思います。
    また参考になるレポートお願いいたします。

    1. Sakai様、
      初めまして、コメントありがとうございます。GR Digital IVのインターバル合成モードは私も興味がありました。しかし既に所有しているGR Digital IIIと外見が同じカメラなので二台も不要かなあと思い、久しぶりにSonyのコンデジ、 Cyber-shot DSC-RX100を選びました。星を撮影した作例はどこにもなかったので、たぶん星の撮影は無理だろうと思いつつ、試し撮りしてみたら一眼レフのNikon D90よりも綺麗な写真が撮れてたいへん驚きました。

      Sakai様が18日の21時半頃に目撃された流星?は、北または北東の空でしたら、同居人が見た二つ目の明るい流星(たぶん火球レベル)だったのかもしれません。火球は一般的に太陽以外の最も明るい恒星、シリウス(光度マイナス1.5等)よりも明るいものとされていますから、二つ目も火球である可能性が高いと思います。

      1. 都会の空で流星を見るなんて珍しいと思っていましたが、多分火球だったのでしょう。そちらにカメラを向けておけば良かったのに。
        折角ですから、RX100についてもう少し教えてください。リコーのGRにはインターバル機能がついていますが、SONYのRX100は星の軌跡を撮る場合このような機能があるのでしょうか。または別な方法で撮ることが可能でしょうか。よろしくお願いいたします。

      2. Ricoh GR Digital IVで新たに採用された「インターバル合成」モード(シーンモード)は比較明合成をカメラがやってくれる便利な機能であり、星の軌跡(日周運動)を記録することができるようです。DSC-RX100にはそのようなシーンモードはなく、自動でインターバル撮影もできません。カメラ任せではなく自分で大量に撮影した画像をパソコンで比較明合成すれば、同様の結果になると思います。

        RX100の場合、高感度耐性と長秒時露光による熱ノイズを処理する性能が極めて良好なようですので、星を点で撮影する星野写真、星景写真には向いていると思います。(たぶん、カメラの開発者は天体写真という用途は全く意図していないと私は思います。)星の軌跡を撮影するには熱ノイズの問題がない昔のフィルムカメラを使うのが最も手っ取り早いかと思います。基本的には三脚固定でバルブ撮影すれば星の軌跡を記録することができますが、デジカメの場合は熱ノイズの問題があるので、一回の露光は長くても数分の露光になると思います。

      3. コメントありがとうございました。いよいよほしくなったので、今週購入すると思います。いろいろありがとうございました。

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