Geminids 2023

今年は久しぶりに月明かりがなく、極大時刻が夜明け前という好条件に恵まれたふたご座流星群でした。タイニーハウス建築中のBig Billさん宅の敷地内で午後8時半頃からインターバル撮影しました。眼視では数個の流れ星を確認できましたが、残念ながら撮影した画像には一つも写っていません。撮影開始直後から東の空は薄い雲に覆われて、2時間ほど粘りましたが、雲の量は変わりなく多い。私が撮影を停止して撤収した直後に晴れてきたそうです。

極大時刻により近い14日の夜は天候条件が悪い予報なので、観察と撮影は諦めます。

Geminids 2022

ふたご座流星群が極大を迎えた昨夜、当地では残念ながら天候条件に恵まれそうにないと判断した私は早めに床につき、iPhoneでweathernewsのライブフィードを見ながら眠ってしまいました。そのライブフィードで確認できた明るい流星と同じと思われるものが下の画像に捉えられています。

E-M5 Mark III, OLYMPUS M.17mm F1.8, ISO 200, 17mm, f1.8, 1.0 s

日が変わった今日の昼前にminority318さんからiMessage経由で流星を撮影した画像が送られて来ました。街中でこんなに綺麗にオリオン座と明るい流星が撮れている。Exifを見ると、シャッタースピード1.0s、ISO 200、f1.8。星の軌跡から判断すると露出時間は30分以上はあるはず。月明かりの影響がないのは撮影時刻が午後9時半頃になっているからです。

E-M5 Mark III, OLYMPUS M.17mm F1.8, ISO 200, 17mm, f1.8, 1.0 s

このノイズがほとんどない星空写真はどうやって撮ったのだろうかと不思議に思っていると、すぐに回答がありました。Olympus E-M5 Mark IIIに搭載されている、ライブコンポジット(比較明合成)の機能を使ったとのことです。シャッタースピード1秒で露出30分とすれば、60 x 30で1,800枚近くの画像を合成していることになります。(インターバル0秒で計算)カメラをしっかりと固定できる三脚さえあれば、いとも簡単に街中からこのような星空写真が撮れる。あの小さなカメラボディーに凄い技術が結集されている。

私が所有するPen E-P5はライブコンポジット非対応なので、インターバル撮影で何枚も撮影した画像ファイルをStarStaXで合成するしかないです。シャッタースピードは30秒ぐらいなので、それなりに長秒時撮影のノイズも出ます。

Geminids 2018 — Part 2

f/2.8, 20s, 16mm, ISO 1600

ふたご座流星群極大時刻(12月14日21時頃)のおよそ23時間前の昨夜22時頃からいつもの撮影地で流星群の観察と撮影を開始しました。間もなく近地点を通過する彗星46P/Wirtanenも同時に撮影します。流星群の撮影にはNikon D7000と超広角ズームレンズ、Tokina AT-X 116 PRO DXを三脚に載せて固定撮影。

f/2.8, 20s, 16mm, ISO 1600

撮影開始1時間後に意図した通りの構図にシリウスよりも明るい火球クラスの流星がオリオン座の方に流れました。広角レンズでこれだけの大きさの流星を撮影したのは久しぶり。上の画像に写っているカメラはポータブル赤道儀、iOptron SkyTrackerに載せて彗星を追尾撮影中のOlympus PEN E-P5。今回は自作のレンズヒーターを二つ、使用しましたが、片方の電源として使っていたモバイルバッテリーが充電不足が原因で、電池切れとなりました。直後にレンズが曇ったので、早めに撤収しました。

f/2.8, 20s, 15mm, ISO 1600

天気予報通りに日が変わる頃までは空は晴れて澄んでいました。帰宅後に天候が急変して雨が降り出しました。

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Geminids 2015 — Part 2

A Geminid Meteor

天候条件を除くと理想的な条件が揃った2015年のふたご座流星群極大日の夜、当地は日が変わる少し前から空全体に薄い雲が立ち込めて恒星の中で最も明るいシリウスさえ見えたり見えなかったり。残念なことに天気予報がほぼ的中しました。自宅近くの観察+撮影地に到着したのは午後10時半頃。極大予想時刻の4時間半前なので、昨晩のように天候さえ良ければ慌てる必要はないのですが。すでに雲がどんどん増えてきたので慌てた私はポータブル赤道儀の極軸合わせに戸惑いました。(極軸望遠鏡を持参するのを忘れたことに気付き、自宅に取りに帰ったりしていました。)

北の空は雲に覆い尽くされ、北極星がなかなか姿を現してくれない。北極星が見えないと赤道儀の極軸を合わせることができません。追尾撮影は諦めて三脚固定に切り替えてインターバル連続撮影を開始。雲の隙間に北極星がようやく見えたので、iOptron Polar Scopeを頼りに北極星を極軸望遠鏡のレチクルに導入しようとしましたが、仰角が大きくずれている。頭の中は?まあ良いか、三脚固定でも超広角レンズなら問題なく撮影できることだしと思い、撮影を開始しました。(帰宅後、iMacに画像を取り込んでみると、追尾したはずの星が点像ではなく大きく流れていました。これではスタックできない。)

雲の隙間に見えたおおぐま座α星のDubhe(1.82等星)を北極星(2.00等星)だと勘違いしていたのでした。北の空に唯一見えた2等星の星を北極星だと思い込んだのです。Dubheの高度はその時、およそ28ºだったので、この星が北極星だとすると、当地の緯度は沖縄と同じぐらいになります。妙に低い位置に北極星が見えるので、ふたご座流星群の極大日に寒くはないのは、地軸が大きく動いたせいかもしれないと、あり得ないことを考えていました。

A Geminid Meteor (Cropped)

薄い雲が地上の光を反射して空が明るくなるので、まるで満月の夜に星空の撮影をしているような感じになりました。露出時間を25秒から20秒に変更し、ISOも控えめに設定すると、明るい星しか写らない。極大時刻に近づくにつれて雲の量が増えましたが、それでも雲の隙間に流星が毎分1個ぐらいの頻度で確認できました。上の画像には、明るい星しか写っていないので、星座の位置がわかりやすい。左上のふたご座Castorの近くにある放射点から右下にうっすらと見えるシリウスの方向に流れた明るい流星が写っています。

昨晩撮影した画像をFlickrにアップロードしたら、テクノロジー分野のニュース記事をネットで配信するCNET、CBS Interactiveの編集主任からFlickr経由のメールが届きました。世界各地で撮影されたふたご座流星群の写真を集めたギャラリーに私が撮影した画像を使いたいので許可を求めるという内容でした。こんな写真で良ければどうぞお使いくださいと書いて、返信しました。撮影時刻や撮影地、撮影者のフルネームなど、簡単な説明も依頼されました。撮影地が大津市と言っても多分わからないだろうから京都の郊外と言っておきました。海外で日本のどこから来たの?と尋ねられたら、Kyotoの近くと言えば、大概は理解してくれます。

Geminids 2015 — Part 1

Image 12-14-15 at 1.03 PM

極大時刻(JST12月15日午前3時頃)に放射点が天頂付近にあり、輝度8.0%の月はすでに午後7時半頃には沈んでいる。流星群の観察+撮影条件としては天候を除くと最高の条件となるふたご座流星群。今年と同じような好条件になるのは11年後の2026年。

ふたご座流星群は年間三大流星群の中でも最も安定して多くの流星を捉えることができます。ピークは明日の午前3時頃ですが、当地の天候条件は極大日前日の13日深夜の方が良さそうなので、カメラ機材一式を車に積み込んで、自宅すぐ近くの観察地に出かけました。季節外れの比較的暖かな12月中旬となり、山はまだ紅葉している。

A Geminid Meteor

極大の一日前だけれども、条件に恵まれているためか、高く昇った放射点から四方八方に星が流れる。およそ2時間ほどの観察でふたご座流星群に属する流星は、30〜40個ほど目視で確認できました。

A Geminid Meteor

三脚固定で撮影した上の2枚の画像に比較的明るい流星がオリオン座を突き刺すように流れています。

Image 12-14-15 at 11.04 AM

明日、天候条件が持てば、赤道儀で追尾しながら撮影しようと考えています。

C/2013 US10 (Catalina)

C:2013 US10

Comet Catalina (C/2013 US10) が明け方の東の空に見えているようです。現在、6等星ぐらいなので条件が良ければ小型の双眼鏡で眼視観察できるかもしれません。上のスクリーンキャプチャは、ふたご座流星群が極大となる12月15日午前3時から1時間が過ぎた午前4時頃の東の空。C/2013 US10は高度+14º33’にあります。SkySafariの予想光度は+4.8等になっていますが、実際はそんなには明るくならないようです。

Spaceweather.comのREALTIME IMAGE GALLERYにComet Catalinaを撮影した画像が多く投稿されるようになりました。来週のふたご座流星群の撮影時に観察しようと計画しています。しかし、なぜ明るい彗星は北半球では秋から春にかけての寒い時期に現れることが多いのでしょうか。

C/2013 US10の近日点は2015年11月15日で、太陽からの距離は0.82AUでした。地球に最も接近する近地点は2016年1月16日で、地球からの距離は0.72AUとなり、予想光度は5.5等星。肉眼彗星となったC/2014 Q2 (Lovejoy)ほど明るくはなりませんが、ポータブル赤道儀による追尾撮影の対象にはなると思います。

Geminids 2014 — Part 3

9225:9324

ふたご座流星群極大日に撮影した画像をStarStaXで合成しました。北極星が真の北極から西の方にずれている様子がよくわかります。北極星も天の北極を中心に円周運動しています。

9075:9220

火球クラスの明るい流星を含め、ふたご座流星群に属する複数の流星が写っています。

12月14日午後9時から12月15日午前1時までの4時間の間にインターバル連続撮影した20秒x520枚のスティル画像を用いて、iMovieでタイムラプス動画を制作しました。前半は低空に厚い雲がありましたが、次第に雲の量が減少し、抜群の流星観察条件になりました。

Geminids 2014 — Part 2

ふたご座流星群極大日の夜は予報に反して晴れました。12月14日午後9時頃から観察+撮影を始め、東の空に半月が昇り、月光の影響を受け始めた15日午前1時頃までインターバル撮影を続けました。

DSC_8803

ガレージの屋根上にカメラを設置して流星群の撮影を行うのは今回が初めてとなります。35mm換算で焦点距離16mmの超広角レンズで撮影開始。屋根上に登らなければ見えない景色。撮影開始時には東の空低空は厚い雲に覆われていました。ふたご座流星群の放射点はすでに地平線の上に昇っていますが、流星の出現数がピークとなる極大時刻でも流れる流星の数は多くはありません。

A Bright Geminid Meteor

極大時刻からおよそ3時間後、日付が変わろうとした15日午前零時頃にオリオン座の方に向かって火球クラスの明るい流星が流れました。カメラを屋根上に設置し、露出20秒で150枚のインターバル連続撮影中のことでした。私は梯子から母屋のポーチに降りて、軒下から眼視観察していました。その軒下からは見えない方角にカメラを向けていたので、残念なことに私はこの火球クラスの明るい流星を見ていません。

A Bright Geminid Meteor - Version 2 (Cropped)

画像を切り取って拡大すると、2009年10月23日に撮影したオリオン座流星群の火球と同程度の明るさであることがわかります。-1.44等のシリウスよりも遥かに明るく、-2.6等の木星よりも少し明るい。

DSC_9207 - Version 2 (Cropped)

流星痕(赤い円の中)が残るような火球クラスの流星は、二度と撮影できないだろうと思っていただけに非常に嬉しく思います。連続撮影した画像で確認すると、流星痕は3分ぐらい見えていたようです。

Geminid Meteors 2014

同じ一枚の画像に2本の明るい流星が写りました。

Geminid Meteors 2014 - Version 2

2本の明るい流星の軌跡を伸ばせば、ふたご座カストルのすぐ近くにある放射点が一目瞭然。

DSC_9235

35mm換算で24mmの望遠端にレンズの焦点距離を変更して、カメラを母屋がある北西方向に向けて連続撮影した画像にも複数の明るい流星が写っていました。外はあまりに寒いので、撮影者である私は薪ストーブで暖めた室内に入って休憩中でした。煙突からは煙が出ているはずです。

Geminid Meteor 2014

半月が東の空に昇り、月明かりの影響を受けるようになったので、カメラ機材をガレージ屋根上から降ろし、別荘として使われているお向かいさんのウッドデッキに移動して何枚か撮影。その中にも複数の明るい流星を捉えることができました。天候に恵まれて、外気温2ºCの寒さに耐える覚悟さえあれば、ふたご座流星群は、年間3大流星群の中でも最も確実に多くの明るい流星を観察することができます。

対地速度が遅いことがこの流星群の特徴の一つです。上の画像に写っている極めて明るい流星は、ゆらゆらと火の粉が降るような感じでした。しかし、写真を見ると真っ直ぐ一直線に流れています。放射点からオリオン座方向に向かってログハウスの屋根をかすめるように流れてくれないかと、希望した通りの写真になりました。

次の主要流星群は2015年1月4日11時頃に極大を迎えるしぶんぎ座流星群ですが、輝度98%の満月に近い月明かりが邪魔になり、観察条件は良くありません。

Geminids 2014 — Part 1

geminids

12月14日午後9時(JST)頃に極大を迎えるふたご座流星群。今年は15日午前0時前に輝度50.33%の半月が昇るので、暗い流星も含めて効率的に数多くを観察したい場合は、ふたご座Castorの近くにある放射点が高度20ºぐらいに昇る午後8時頃から日が変わって午前1時頃までが観察に適しています。月明かりが邪魔になる午前1時以降は月明かりの影響が少ない方角にカメラを向けた方が良いでしょう。

C:2014Q2

あるいは、15日午前1時過ぎに高度が14ºぐらいになるComet Lovejoy (C/2014 Q2) を探してみるのも面白いかもしれません。C/2014 Q2はオーストラリアの彗星ハンター、Terry Lovejoy氏が今年の8月17日に発見した5個目の彗星。近地点(0.469 AU)を通過する来年の1月7日には実視等級が5〜6等になると予測する人もいます。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) and A Geminid Meteor - Cropped Version
Comet Lovejoy (C/2013 R1) and A Geminid Meteor Photo taken on December 14, 2013

彗星の光度を予測することは極めて困難であることは、去年、太陽に近づいた3つの彗星(Pan-STARRS C/2011 L4、Lovejoy C/2013 R1、ISON C/2012 S1)の例で実証済みです。去年のLovejoy (C/2013 R1) は予測されていた以上に明るくなり、ちょうど去年の今頃、ふたご座流星群極大時に35mm換算で焦点距離75mmのレンズで、青白く輝く彗星を流星と共に奇跡的に捉えることができました。

Lovejoy (C/2014 Q2) はすでに7等級台まで急激に増光しているようです。今年のLovejoyも予想に反して明るくなりそうです。近地点、1.29 AUを通過するのは2015年1月30日。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) and The Geminids

Comet Lovejoy (C/2013 R1) and A Geminid Meteor - Cropped Version

彗星Lovejoy (C/2013 R1) と流星、そして地上の風景を同じフレームに収めたいと希望しながら、凍てつくいつもの流星観察地で観察と撮影を続けると、その希望が叶いました。時刻は12月14日午前5時過ぎ。画像の中央少し左下に尾が長くなっている彗星Lovejoy。ヘルクレス座にある球状星団M13も左端に写っています。レンズ焦点距離50mm(換算75mm)では年間三大流星群とは言え、同じフレーム内に収めるのは奇跡的。使用したレンズは彗星ISONを撮影することを意図して購入したAF Nikkor 50mm f/1.8D。絞り開放ではコマ収差が現れるので、2.8まで絞っています。

Comet Lovejoy (C/2013 R1) on December 14, 2013

Vixen POLARIEで追尾しながらインターバル撮影した6枚の元画像をStarStaXを用いてスタック(合成)すると、彗星の尻尾が判別しやすくなります。実はこの観察地から北東の低空がこんなに見渡せるとは思いもしなかったので、彗星の撮影を開始するのが少し遅れました。画像に写っている星を元にSkySafariでシミュレートしてみると、北東の空は高度6ºぐらいまで見えています。

Geminid Meteor and Orion - Cropped Version

この日の主な被写体はふたご座流星群に属する流れ星。冬を象徴する星座、オリオン座が山の向こうに沈む前にカメラを南西の空に向けました。この時、ふたご座流星群の放射点は天頂付近にあります。狩人オリオンに突き刺さるように天頂付近から明るい流れ星が降ってきました。

Geminids 2013

オリオン座が沈むと今度は北斗七星に平行して流れる流星を狙おうと、北の空にカメラを向けてインターバル撮影すると、何枚かに流星を捉えることができました。

A Bright Geminid Meteor - Cropped Version

これは間違いなく火球クラスの明るい流星ですが、残念ながら眼視で確認していません。ぼちぼちLovejoyが昇って来る頃だから双眼鏡を取りに行こうと車に戻っている時に流れたものと思われます。

Geminids 2013

放射点が山の稜線に近付いて来たので再びカメラを南西の空に向けました。眩しく感じるほど明るい星は木星。15秒露光のこの一枚の画像には放射点の左右に流星が二つ写っています。長い線は人工衛星。

今年もふたご座流星群は安定して多くの流星を見ることができました。次回の主な流星群、しぶんぎ座流星群は天候条件以外は最高の条件です。極大が日本時間で来年1月4日午前4時頃。月明かりはほとんど無視できるレベルです。

Geminids 2013

年間三大流星群の中でも最も安定して多くの流星が見られるふたご座流星群が12月14日15時頃(JST)に極大を迎えます。この週末は天候条件が最適とは言えないようなので、今夜の深夜から観察を始めた方が良いかもしれません。

12月13日午後12時追記:昨晩から今朝の早朝にかけていつでも観察+撮影ができるよう、待機していましたが、薄い雲が空の7割ほどを覆っていたので観察を断念しました。現在の天気予報では明日の未明は晴れそうです。

Geminids and Comet Lovejoy (C/2013 R1)

毎年、12月上旬から安定して多くの流星が見られるふたご座流星群はピークが12月14日(土)午後2時45分。12月13日は輝度83.79%の明るい月が午後1時57分に昇り、西の空に沈むのが翌14日午前3時42分。月が沈む頃に彗星Lovejoy (C/2013 R1) が北東の空に昇ってきます。熱心な流星観察者にとっては月が沈んでから薄明が始まる頃までのおよそ2時間が流星観察に最も適した時間帯になると思われます。この時間帯に北東の空、地平線近くにカメラを向けておくと、彗星Lovejoyと流星の両方を同じフレーム内に捉えることができるかもしれません。

使用するレンズの焦点距離は短くなればなるほど、流星を捉えられる確率は高くなりますが、彗星をある程度、際立たせたいと思うのなら35mm換算で50mm以上のレンズは必要になるかと考えています。

The 2012 Geminids — Part 2

極大時刻は予想されていた時刻よりも少し遅めのJST12月14日午前11時頃だったようです。IMOの現時点の最大ZHRはUTC12月14日午前1時43分で136になっています。月明かりに邪魔された去年のZHR200近くと比べて、新月の今年は予想に反して少なくなっています。

Geminids 2012 stackedImage

去年と比べて条件が理想に近かった今年は、13日の夜から14日の未明にかけて約6時間の観察と撮影を行った我々の印象では、去年よりも見られた流星の数は数倍は多かったと思います。実際に数えたわけではないので、正確な数値はわかりませんが、少なくても100〜200は目視で確認できました。火球に近い明るい流星は一つはありましたが、ほとんどが中程度の速さの暗い流星が大半でした。期待した、12月うお座流星群?に属すると思われる流星は私は一つも見ていません。確認できた流星のほぼすべてがふたご座流星群に属するものと思われます。

Geminids 2012

放射点近くを流れた上の軌跡が極端に短い流星は、目視で確認できていませんが、自分の方にやって来る静止流星と呼ばれるものかもしれません。右端のおうし座の近くに写っている一際明るい星は木星。月明かりがない理想的な満天の星空なのに、この木星の光が邪魔とか贅沢なことを言いながら観察と撮影を続けました。

Geminids 2012

オリオン座リゲルが山の稜線のすぐ上まで落ちてきました。時刻は12月14日午前3時26分。軌跡が長くて明るい流星が写っています。この頃から雲が増えてきます。気温は零度近くまで下がり、カメラ機材やブランケットの上に霜が降りてきましたが、「巻きポカ」仕様のレンズに曇りはなし。

Geminids 2012

放射点が天頂付近から西の空に下がってきています。木星の近くに降り注ぐように流星は流れていました。露光25秒のこの画像には流星が2本、流れています。

Best Geminids 2012-12-14 03-39-19
Courtesy of minority318

Olympus OM-D E-M5で同行者が撮影したベストショット。

Geminids 2012

私が撮影したこちらの流星と同じもの。カメラのセンサー、画像処理エンジン、カメラの設定、補正の仕方が異なると仕上がった画像が随分と異なる。私の方はホワイトバランスと彩度の調整が派手過ぎ。

2012-12-14 00-06-56
Courtesy of minority 318

撮影の途中で登山口の方まで移動しました。わずか1キロほど山に登っただけですが、辺りはこの前の雪が溶けずに残る銀世界でした。葉を落とした広葉樹と針葉樹を背景にオリオン座をフレームに入れた写真。ホワイトバランスを調整してノイズをごまかす必要がないOM-D、相変わらず星が綺麗に写ります。

The Sky Is Clear

DSC_0004

昨夜から早朝まで局地的に降っていた冷たいにわか雨が止み、午後から次第に雲が切れて、ふたご座流星群と12月うお座流星群候補?のために空はほぼ快晴の絶好の観察+撮影機会となりました。去年のように月の光もありません。昨夜ほど寒くもありません。天気予報によれば、明日の正午頃までこの最適な天候が続くそうです。

GITZO G220

Vixenポラリエ専用三脚として使用しているGITZO G220の脚チューブをメンテナンスしました。といってもアストロプロダクツのスリップルブをスプレーしただけです。チューブを緩める時の動きが滑らかになりました。

DSC02815

今夜はVixenのポータブル赤道儀、ポラリエに載せるのはNikon D90ではなく、Olympus OM-D E-M5。F1、Apple製品、カメラ好きと私と趣味が酷似しているOM-Dユーザーがもうすぐお見えになります。今夜はそのOM-DとNikon D90にOlympus PEN E-P1、Ricoh GR Digital III、Sony DSC-RX100と5台体制で今年最後の天文ショーに備える予定です。Nikon D90とRicoh GR Digital IIIはインターバル撮影をする計画。

Vixenポラリエはポーラーメーターを導入してから、極軸合わせが楽になりましたが、精度が今一つでした。広角レンズで短時間の追尾であれば、極軸が少々ずれていても星は点像に写るので、それほど神経質にならなくても良いのですが。精度が今一つである原因の一つが判明しました。ポラリエ内蔵の方位磁石とポーラーメーターの磁石がどうやら干渉しているようです。ポーラーメーターを使用する際は、内蔵の方位磁石を外しておくと磁石の干渉がなくなり、精度を少し改善することができるかもしれません。尚、極軸合わせは、金属部品と電子部品の塊であるカメラとレンズをポラリエに搭載する前に行うのが基本です。カメラを搭載後に極軸合わせをしようとすれば、磁北が大きくずれます。