Wood Carport — Part 13

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3本目の柱Cを沓石の上に立てます。2本目の柱Bを立てた時に採用した独自の方法で柱Cの高さを確認し、水平を出しました。今回は脚立を使用して水準器で水平を出し、柱BC間に水糸を張りました。

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脚立の上に置いた水準器と平行になるように水糸を張って、二本の柱の高低差を測定しています。端材に打った釘の数が微調整した痕跡。水糸が釘の上か下かで3ミリほど高さが変わり、その違いが水準器に現れます。高低差は76mmでした。

South Revised

3本の柱の高さが決まった時点で地面の傾斜角度が判明したので、南側から見た(北側の)図面を修正しました。地面の勾配はおよそ2.7ºとなり、基準となる柱Aの高さ2,200mmに対して、地表に出ている部分の高さが低い沓石Bの上に立てた柱Bの高さは2,388mm、柱Cは2,464mmとなりました。

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作業場と化したガレージ内で柱Cを卓上スライド丸鋸で切断。枘の高さ35mm分を加えた2,499mmの位置で、二回に分けて直角に注意しながら切断しました。一回目におよそ85mmの深さまで切断し、裏返して残り5mm分を少し長めに切断します。意図した段差は作里鉋で削り落とせば、切断面が平らになります。(残り5mm分が短くなってしまった場合は、85mm分を削り落とさなければなりません。)

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柱を立てる前に枘の刻みと羽子板ボルト用の穴空けを実施。梁(上の画像で垂直に立っている端材)との接合部に使うのは腰高羽子板ボルト。ボルトを貫通させる穴の位置を柱Cの切り欠き部分からオフセットさせるために腰高タイプの羽子板ボルトが必要になります。

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穴を垂直に木材の中心に空けるには米国で購入したダボ穴用の治具(Dowl-it Model 1000)を使います。この治具、ダボの穴を空けるという本来の用途以外でも工夫次第で色々な場面で重宝します。細めのドリルビットで小さな下穴を途中まで空けてから、ジグを外して太いドリルビット(13mm径)で穴を貫通させます。この治具が対応する最大穴径は1/2″(12.7mm)なので、13mm径のドリルビットは残念ながら入らない。いきなり大きな穴を生木に空けようとすると、割れが入るので下穴用にこの治具を利用しています。

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13mm径のドリルビットの先端が裏側に貫通したら、木材を裏返して残りの部分を貫通させれば木材に傷を付けずに綺麗な穴を空けることができます。

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梁を受ける切り欠きと枘、(腰高)羽子板ボルト用の穴空け作業が完了しました。

Wood Carport — Part 14へと続く。
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Dowl-it Model 1000

Dowl-it Model 1000

ダボを使って木材を接合させる時は、ダボを差し込む穴を意図した位置に精確に真っ直ぐ空ける必要がありますが、そんな時になくてはならないのがジグ。Dowl-it Model 1000は、開口幅2″のダボ用穴空けジグですが、実際の開口幅はおよそ52mm。空ける穴の直径は、3/16″ (5mm)、1/4″ (6mm)、5/16″ (8mm)、3/8″ (10mm)、7/16″ (11mm)、1/2″ (13mm)の6種類。

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このジグを使えば、中心線を引かなくても木材の中心に真っ直ぐな穴をドリルで空けることができます。

Dowl-it Model 1000

ジグの片側に窓が二つあり、垂直に空ける穴の中心をこの窓から確認できます。

Dowl-it Model 1000

実際にジグを使って作業している様子。猫用トイレの囲いを角ログ(1×4材)で製作しています。上の画像に写っているワークベンチの天板を接ぐ時にもダボを使ったので、このジグが活躍しました。

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直径6mmの穴を空けてダボを差し込みました。

ダボ用穴空けジグのメーカーであるDowl-itは米国ミシガン州でCliffort Wellman氏が1949年に設立した会社。思いついたものは何でも作ってしまう人だったようです。妻のためにキャビネットを製作している時、中心線に沿って複数の穴を簡単にドリルで空けることが可能なツールが作れないか考えていて思いついたのがこのジグだそうです。二つの接合部をぴたりとつければ、ドリルで空けた穴がぴたりと合い、ダボを使って接いだ木材が面一になる、そんなツールが後に特許を取得したDowl-itだそうです。

しかし、なぜこのような製品が私の手元にあり、便利に使っているのか?国内のホームセンターで見たことがなく、”Dowl-it” + “ジグ”で検索しても日本語サイトがヒットしないことから考えると、恐らく、日本では販売していないのでしょう。(他社製の類似製品は販売されているようです。)私がこのジグを入手したのはミシガン州デトロイト郊外にある木工用工具の専門店だったと記憶しています。なぜこのような製品を買ったのかは思い出せません。当時、バンブーロッドの製作に必要な工具を集めていましたが、このジグはバンブーロッド製作時に必要になるとは思えません。