フライタイイング用バイスのメーカー、DYNA-KINGは1981年に創業した比較的新しい家族経営の企業。Made in USAの確かな品質と精度には定評があります。
美しく仕上げられた高品質なバイスを用いて毛鉤を自分で巻く楽しみや満足感は、完成した毛鉤で美しいイワナやアマゴ、ヤマメを釣り上げた時に得られる幸福感に匹敵します。
フライタイイング用バイスで最も重要なのはジョーの部分。しっかりとフックを挟んで締め付けることができなければなりません。
ロータリー式ではありませんが、360度回転します。底部に製造番号が刻まれています。
巻いている毛鉤は#14のパラシュート。
マテリアルを留めるクリップ。ネジを調整すれば軸の部分が回転しますが、滅多に回転させることがない私は、軸が回転式であることをすっかり忘れていました。
重量級のペデスタル(台座)は安定しています。支柱に取り付けてあるのはフック/ハックルゲージ。
毎年、この季節になると、ドライフライのシーズンを待ちわびながら毛鉤を巻いたり、釣道具のメンテナンスをして過ごすのが恒例となっています。スウェーデン製Myranフライボックに収納した毛鉤はすべてドライフライ。どんな条件であってもウェットは使いません。
筆者 様
中々重厚で良いデザインの毛針工作用のバイスですね。しっかりとした作りで、機械屋としてはコレクションとして「欲しい」一つですね。私は釣りをしないのでこの道具は必要無いのですが(笑)。
この道具を見ると、もう15〜6年前に、これによく似た道具を数十台購入し改造して生産ラインに導入した事を昨日の事の様に思い出します。ま、簡単に言いますと筆者様が趣味とされているフライフィッシングのロッド作りや、日本の釣り竿作りの方法にヒントを得て作った工具です。要は釣り竿の継ぎ手の部分に竹が割れない用に継ぎ口に糸(でしたよね)を巻いて行く時にこれのロータリー版を使って竿をくるくる回しなが糸にテンションを掛け巻いて(整列巻き)行きますよね。この原理を応用したのです。
応用したのは「ボビンにコイルを巻く」と言う作業です。通常、この様な作業は自動機で巻く・・と誰でも考えますが、たった11 Turn X Double Bobbin ですと機械に取り付け巻いている時間より取り付け取り外しに時間が掛かるので、このチャックにBobbinの内径(円筒形状)より少し小さめのシャフトを三つ爪チャック(ドリルチャックと同じ機構)に取り付け、Bobbin Footをスリップ止めにして、11Turn X 2を実現。更にこのDouble Bobbin穴にScrew Core(フェライト・コア)を挿入(これは、Double Bobbinの中心でピタリと止める)為に、Screw Core 中心には六角形の長穴が貫通しているので、同じくこのロータリータイプのチャックに六角レンチのストレートシャフト(L型六角レンチを切断したもの)にCoreが中心で止まる鍔を付けコア挿入をすると言うものでした。
この方法で、先行して当時これと同じコアを製造していた、某日本企業より時間当たり倍近くの生産力を叩き出し製造効率を一気に高めた次第です。
因みにこのコイルを使用し、この工場では今は無き17、19、21、22インチのフラットスクエアブラウン管の偏光コイルを制御するPCB-A(Priint Circuit Board Assembly)を生産していました。
幼少の頃、近所の釣り竿やさんで見たシンプルでありながら、今の時代でも通用する確実な道具が記憶にあったので、これが製造と言う現場で姿を変え更なる精度で物作りが出来るものに変わったと言うお話しでした。難しい説明表現で恐縮です。
筆者様の、この写真を見て、当時の事が本当に懐かしく思出されました。
Jim,
Added this photo to their favorites